第58章 ルールによるリソースの場所の決定
さらに複雑な場所の制約には、Pacemaker のルールを使用してリソースの場所を決定できます。
58.1. Pacemaker ルール
Pacemaker ルールを使用すると、設定をより動的に作成できます。ルールには、(ノード属性を使用して) 時間ベースで異なる処理グループにマシンを割り当て、場所の制約の作成時にその属性を使用する方法があります。
各ルールには、日付などの様々な式だけでなく、その他のルールも含めることができます。ルールの boolean-op
フィールドに応じて各種の式の結果が組み合わされ、最終的にそのルールが true
または false
のどちらに評価されるかどうかが決まります。次の動作は、ルールが使用される状況に応じて異なります。
フィールド | 説明 |
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リソースが指定のロールにある場合にのみ適用するルールを制限します。使用できる値は以下のようになります。 |
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ルールが |
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ルールが |
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複数の式オブジェクトからの結果を組み合わせる方法。使用できる値は |
58.1.1. ノード属性の式
ノードで定義される属性に応じてリソースを制御する場合に使用されるノード属性の式です。
フィールド | 説明 |
---|---|
| テストするノード属性。 |
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値をテストする方法を指定します。使用できる値は、 |
| 実行する比較動作。設定できる値は以下のとおりです。
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比較のためにユーザーが提供した値 ( |
管理者が追加する属性のほかに、以下の表で説明されているように、クラスターは、使用可能な各ノードに特殊な組み込みノード属性を定義します。
名前 | 説明 |
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| ノード名 |
| ノード ID |
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ノードタイプ。使用できる値は、 |
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このノードが指定コントローラー (DC) の場合は |
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| 関連する昇格可能なクローンがこのノードで果たすロール。昇格可能なクローンに対する場所の制約のルール内でのみ有効です。 |
58.1.2. 時刻と日付ベースの式
日付の式は、現在の日付と時刻に応じてリソースまたはクラスターオプションを制御する場合に使用します。オプションで日付の詳細を含めることができます。
フィールド | 説明 |
---|---|
| ISO 8601 仕様に準じた日付と時刻。 |
| ISO 8601 仕様に準じた日付と時刻。 |
| 状況に応じて、現在の日付と時刻を start と end のいずれかの日付、または両方の日付と比較します。設定できる値は以下のとおりです。
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58.1.3. 日付の詳細
日付の詳細は、時間に関係する cron のような式を作成するのに使用されます。各フィールドには 1 つの数字または範囲が含まれます。指定のないフィールドは、デフォルトを 0 に設定するのではなく、無視されます。
たとえば、monthdays="1"
は各月の最初の日と一致し、hours="09-17"
は午前 9 時から午後 5 時まで (両時間を含む) の時間と一致します。ただし、weekdays="1,2"
または weekdays="1-2,5-6"
には複数の範囲が含まれるため、指定することはできません。
フィールド | 説明 |
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| 日付の一意の名前 |
| 設定できる値は、0-23 |
| 設定できる値は、0-31 (月および年により異なる) |
| 設定できる値は、1-7 (1=月曜、7=日曜) |
| 設定できる値は、1-366 (年により異なる) |
| 設定できる値は、1-12 |
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設定できる値は、1-53 ( |
| グレゴリオ暦 (新暦) に準じる年 |
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グレゴリオ暦の年とは異なる場合がある (例: |
| 設定できる値は、0-7 (0 は新月。4 満月) |