6.7. システム全体の暗号化ポリシーをカスタマイズして SHA-1 を無効化
SHA-1 ハッシュ関数は本質的に設計面で弱く、暗号解析機能によって攻撃を受けやすいため、RHEL 8 ではデフォルトで SHA-1 を使用していません。ただし、一部のサードパーティーアプリケーション (公開署名など) は SHA-1 を使用します。システムの署名アルゴリズムで SHA-1 の使用を無効にするには、NO-SHA1
ポリシーモジュールを使用できます。
NO-SHA1
ポリシーモジュールが無効にするのは、署名の SHA-1 ハッシュ関数だけでそれ以外は無効になりません。特に、NO-SHA1
モジュールでも、ハッシュベースのメッセージ認証コード (HMAC) とともに SHA-1 を使用できます。HMAC セキュリティープロパティーは、対応するハッシュ関数の衝突耐性に依存しないので、HMAC に SHA-1 を使用している場合に最近の SHA-1 への攻撃による影響は大幅に低くなっています。
特定の鍵交換 (KEX) アルゴリズムの組み合わせ (例: diffie-hellman-group-exchange-sha1
) を無効にする必要があるものの、関連する KEX とアルゴリズムの両方を継続して使用する場合は、SSH のシステム全体の暗号化ポリシーをオプトアウトして SSH を直接設定する手順について、SSH で diffie-hellman-group1-sha1 アルゴリズムを無効にする手順 を参照してください。
SHA-1 を無効にするモジュールは、RHEL 8.3 で利用できます。システム全体の暗号化ポリシーのカスタマイズは、RHEL 8.2 から利用できます。
手順
ポリシーの調整を、システム全体の暗号化ポリシーレベル
DEFAULT
に適用します。# update-crypto-policies --set DEFAULT:NO-SHA1
暗号化設定を実行中のサービスやアプリケーションで有効にするには、システムを再起動します。
# reboot
関連情報
-
システム上の
update-crypto-policies(8)
man ページのCustom Policies
セクション -
システム上の
crypto-policies(7)
man ページのCrypto Policy Definition Format
セクション - Red Hat ブログ記事 How to customize crypto policies in RHEL