18.14. ポリシーベースの複号を使用した暗号化ボリュームの自動アンロックの設定


ポリシーベースの複号 (PBD) は、物理マシンおよび仮想マシンにおいて、ハードドライブで暗号化した root ボリュームおよびセカンダリーボリュームのロックを解除できるようにする一連の技術です。PBD は、ユーザーパスワード、TPM (Trusted Platform Module) デバイス、システムに接続する PKCS #11 デバイス (たとえばスマートカード) などのさまざまなロックの解除方法、もくしは特殊なネットワークサーバーを使用します。

PBD を使用すると、ポリシーにさまざまなロックの解除方法を組み合わせて、さまざまな方法で同じボリュームのロックを解除できるようにすることができます。RHEL における PBD の現在の実装は、Clevis フレームワークと、ピン と呼ばれるプラグインで構成されます。各ピンは、個別のアンロック機能を提供します。現在利用できるピンは以下のとおりです。

tang
ネットワークサーバーを使用してボリュームのロックを解除できます。
tpm2
TPM2 ポリシーを使用してボリュームのロックを解除できます。
sss
Shamir の秘密共有 (SSS) 暗号化方式を使用して、高可用性システムを導入できます。

18.14.1. NBDE (Network-Bound Disk Encryption)

Network Bound Disc Encryption (NBDE) は、ポリシーベースの復号 (PBD) のサブカテゴリーであり、暗号化されたボリュームを特別なネットワークサーバーにバインドできるようにします。NBDE の現在の実装には、Tang サーバー自体と、Tang サーバー用の Clevis ピンが含まれます。

RHEL では、NBDE は次のコンポーネントとテクノロジーによって実装されます。

図18.1 LUKS1 で暗号化したボリュームを使用する場合の NBDE スキーム(luksmeta パッケージは、LUKS2 ボリュームには使用されません)

Tang は、ネットワークのプレゼンスにデータをバインドするためのサーバーです。セキュリティーが保護された特定のネットワークにシステムをバインドする際に利用可能なデータを含めるようにします。Tang はステートレスで、TLS または認証は必要ありません。エスクローベースのソリューション (サーバーが暗号鍵をすべて保存し、使用されたことがあるすべての鍵に関する知識を有する) とは異なり、Tang はクライアントの鍵と相互作用することはないため、クライアントから識別情報を得ることがありません。

Clevis は、自動化された復号用のプラグイン可能なフレームワークです。NBDE では、Clevis は、LUKS ボリュームの自動アンロックを提供します。clevis パッケージは、クライアントで使用される機能を提供します。

Clevis ピン は、Clevis フレームワークへのプラグインです。このようなピンの 1 つに、Tang があります。これは NBDE サーバーとのやり取りを実装するプラグインです。

Clevis および Tang は、一般的なクライアントおよびサーバーのコンポーネントで、ネットワークがバインドされた暗号化を提供します。RHEL では、LUKS と組み合わせて使用され、ルートおよび非ルートストレージボリュームを暗号化および復号して、ネットワークにバインドされたディスク暗号化を実現します。

クライアントおよびサーバーのコンポーネントはともに José ライブラリーを使用して、暗号化および複号の操作を実行します。

NBDE のプロビジョニングを開始すると、Tang サーバーの Clevis ピンは、Tang サーバーの、アドバタイズされている非対称鍵のリストを取得します。もしくは、鍵が非対称であるため、Tang の公開鍵のリストを帯域外に配布して、クライアントが Tang サーバーにアクセスしなくても動作できるようにします。このモードは オフラインプロビジョニング と呼ばれます。

Tang 用の Clevis ピンは、公開鍵のいずれかを使用して、固有で、暗号論的に強力な暗号鍵を生成します。この鍵を使用してデータを暗号化すると、この鍵は破棄されます。Clevis クライアントは、使いやすい場所に、このプロビジョニング操作で生成した状態を保存する必要があります。データを暗号化するこのプロセスは プロビジョニング手順 と呼ばれています。

LUKS バージョン 2 (LUKS2) は、RHEL のデフォルトのディスク暗号化形式であるため、NBDE のプロビジョニング状態は、LUKS2 ヘッダーにトークンとして保存されます。luksmeta パッケージによる NBDE のプロビジョニング状態は、LUKS1 で暗号化したボリュームにのみ使用されます。

Tang 用の Clevis ピンは、規格を必要とせずに LUKS1 と LUKS2 の両方をサポートします。Clevis はプレーンテキストファイルを暗号化できますが、ブロックデバイスの暗号化には cryptsetup ツールを使用する必要があります。詳細については、 Encrypting block devices using LUKS を参照してください。

クライアントがそのデータにアクセスする準備ができると、プロビジョニング手順で生成したメタデータを読み込み、応答して暗号鍵を戻します。このプロセスは 復旧手順 と呼ばれます。

Clevis は、NBDE ではピンを使用して LUKS ボリュームをバインドしているため、自動的にロックが解除されます。バインドプロセスが正常に終了すると、提供されている Dracut アンロックを使用してディスクをアンロックできます。

注記

kdump カーネルクラッシュのダンプメカニズムが、システムメモリーのコンテンツを LUKS で暗号化したデバイスに保存するように設定されている場合には、2 番目のカーネル起動時にパスワードを入力するように求められます。

18.14.2. enforcing モードの SELinux を使用して Tang サーバーをデプロイする

Tang サーバーを使用して、Clevis 対応クライアント上の LUKS 暗号化ボリュームのロックを自動的に解除できます。最小限のシナリオでは、tang パッケージをインストールし、systemctl enable tangd.socket --now コマンドを入力することにより、ポート 80 に Tang サーバーをデプロイします。次の手順の例では、SELinux 強制モードの限定サービスとしてカスタムポートで実行されている Tang サーバーのデプロイメントを示しています。

前提条件

  • policycoreutils-python-utils パッケージおよび依存関係がインストールされている。
  • firewalld サービスが実行している。

手順

  1. tang パッケージとその依存関係をインストールするには、root で以下のコマンドを実行します。

    # yum install tang
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  2. 7500/tcp などの不要なポートを選択し、tangd サービスがそのポートにバインドできるようにします。

    # semanage port -a -t tangd_port_t -p tcp 7500
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    ポートは 1 つのサービスのみで一度に使用できるため、すでに使用しているポートを使用しようとすると、ValueError:Port already defined エラーが発生します。

  3. ファイアウォールのポートを開きます。

    # firewall-cmd --add-port=7500/tcp
    # firewall-cmd --runtime-to-permanent
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  4. tangd サービスを有効にします。

    # systemctl enable tangd.socket
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  5. オーバーライドファイルを作成します。

    # systemctl edit tangd.socket
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  6. 以下のエディター画面で、/etc/systemd/system/tangd.socket.d/ ディレクトリーにある空の override.conf ファイルを開き、次の行を追加して、Tang サーバーのデフォルトのポートを、80 から、以前取得した番号に変更します。

    [Socket]
    ListenStream=
    ListenStream=7500
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    重要

    # Anything between here# Lines below this で始まる行の間に以前のコードスニペットを挿入します。挿入しない場合、システムは変更を破棄します。

  7. 変更を保存し、エディターを終了します。デフォルトの vi エディターでこれを実行するには、Esc キーを押してコマンドモードに切り替え、:wq と入力して Enter キーを押します。
  8. 変更した設定を再読み込みします。

    # systemctl daemon-reload
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  9. 設定が機能していることを確認します。

    # systemctl show tangd.socket -p Listen
    Listen=[::]:7500 (Stream)
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  10. tangd サービスを開始します。

    # systemctl restart tangd.socket
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    tangd が、systemd のソケットアクティベーションメカニズムを使用しているため、最初に接続するとすぐにサーバーが起動します。最初の起動時に、一組の暗号鍵が自動的に生成されます。鍵の手動生成などの暗号化操作を実行するには、jose ユーティリティーを使用します。

検証

  • NBDE クライアントで、次のコマンドを使用して、Tang サーバーが正しく動作していることを確認します。このコマンドにより、暗号化と復号化に渡すものと同じメッセージが返される必要があります。

    # echo test | clevis encrypt tang '{"url":"<tang.server.example.com:7500>"}' -y | clevis decrypt
    test
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18.14.3. Tang サーバーの鍵のローテーションおよびクライアントでのバインディングの更新

セキュリティー上の理由から、Tang サーバーの鍵をローテーションし、クライアント上の既存のバインディングを定期的に更新してください。鍵をローテートするのに適した間隔は、アプリケーション、鍵のサイズ、および組織のポリシーにより異なります。

したがって、nbde_server RHEL システムロールを使用して、Tang 鍵をローテーションできます。詳細は 複数の Tang サーバー設定での nbde_server システムロールの使用 を参照してください。

前提条件

  • Tang サーバーが実行している。
  • clevis パッケージおよび clevis-luks パッケージがクライアントにインストールされている。
  • RHEL 8.2 に、clevis luks listclevis luks report、および clevis luks regen が追加されていることに注意してください。

手順

  1. /var/db/tang 鍵データベースディレクトリーのすべての鍵の名前の前に . を指定して、アドバタイズメントに対して非表示にします。以下の例のファイル名は、Tang サーバーの鍵データベースディレクトリーにある一意のファイル名とは異なります。

    # cd /var/db/tang
    # ls -l
    -rw-r--r--. 1 root root 349 Feb  7 14:55 UV6dqXSwe1bRKG3KbJmdiR020hY.jwk
    -rw-r--r--. 1 root root 354 Feb  7 14:55 y9hxLTQSiSB5jSEGWnjhY8fDTJU.jwk
    # mv UV6dqXSwe1bRKG3KbJmdiR020hY.jwk .UV6dqXSwe1bRKG3KbJmdiR020hY.jwk
    # mv y9hxLTQSiSB5jSEGWnjhY8fDTJU.jwk .y9hxLTQSiSB5jSEGWnjhY8fDTJU.jwk
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  2. 名前が変更され、Tang サーバーのアドバタイズに対してすべての鍵が非表示になっていることを確認します。

    # ls -l
    total 0
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  3. Tang サーバーの /var/db/tang/usr/libexec/tangd-keygen コマンドを使用して新しい鍵を生成します。

    # /usr/libexec/tangd-keygen /var/db/tang
    # ls /var/db/tang
    3ZWS6-cDrCG61UPJS2BMmPU4I54.jwk zyLuX6hijUy_PSeUEFDi7hi38.jwk
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  4. Tang サーバーが、以下のように新規キーペアから署名キーを公開していることを確認します。

    # tang-show-keys 7500
    3ZWS6-cDrCG61UPJS2BMmPU4I54
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  5. NBDE クライアントで clevis luks report コマンドを使用して、Tang サーバーでアドバタイズされた鍵が同じままかどうかを確認します。clevis luks list コマンドを使用すると、関連するバインディングのあるスロットを特定できます。以下に例を示します。

    # clevis luks list -d /dev/sda2
    1: tang '{"url":"http://tang.srv"}'
    # clevis luks report -d /dev/sda2 -s 1
    ...
    Report detected that some keys were rotated.
    Do you want to regenerate luks metadata with "clevis luks regen -d /dev/sda2 -s 1"? [ynYN]
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  6. 新しい鍵の LUKS メタデータを再生成するには、直前のコマンドプロンプトで y を押すか、clevis luks regen コマンドを使用します。

    # clevis luks regen -d /dev/sda2 -s 1
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  7. すべての古いクライアントが新しい鍵を使用することを確認したら、Tang サーバーから古い鍵を削除できます。次に例を示します。

    # cd /var/db/tang
    # rm .*.jwk
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警告

クライアントが使用している最中に古い鍵を削除すると、データが失われる場合があります。このような鍵を誤って削除した場合は、クライアントで clevis luks regen コマンドを実行し、LUKS パスワードを手動で提供します。

18.14.4. Web コンソールで Tang キーを使用して自動ロック解除を設定する

Tang サーバーが提供する鍵を使用して、LUKS で暗号化したストレージデバイスの自動ロック解除を設定できます。

前提条件

  • RHEL 8 Web コンソールがインストールされている。
  • cockpit サービスが有効になっている。
  • ユーザーアカウントが Web コンソールにログインできる。

    手順は、Web コンソールのインストールおよび有効化 を参照してください。

  • cockpit-storagedclevis-luks パッケージがシステムにインストールされている。
  • cockpit.socket サービスがポート 9090 で実行されている。
  • Tang サーバーを利用できる。詳細は、Deploying a Tang server with SELinux in enforcing mode 参照してください。
  • sudo を使用して管理コマンドを入力するため の root 権限または権限がある。

手順

  1. RHEL 8 Web コンソールにログインします。

    詳細は、Web コンソールへのログイン を参照してください。

  2. 管理者アクセスに切り替え、認証情報を入力して、Storage をクリックします。Storage テーブルで、自動的にロックを解除するために追加する予定の暗号化ボリュームが含まれるディスクをクリックします。
  3. 次のページに選択したディスクの詳細が表示されたら、Keys セクションの + をクリックして Tang 鍵を追加します。

  4. Key source として Tang keyserver を選択し、Tang サーバーのアドレスと、LUKS で暗号化されたデバイスのロックを解除するパスワードを入力します。Add をクリックして確定します。

    以下のダイアログウインドウは、鍵ハッシュが一致することを確認するコマンドを提供します。

  5. Tang サーバーのターミナルで、tang-show-keys コマンドを使用して、比較のためにキーハッシュを表示します。この例では、Tang サーバーはポート 7500 で実行されています。

    # tang-show-keys 7500
    x100_1k6GPiDOaMlL3WbpCjHOy9ul1bSfdhI3M08wO0
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  6. Web コンソールと前述のコマンドの出力のキーハッシュが同じ場合は、Trust key をクリックします。

  7. RHEL 8.8 以降では、暗号化されたルートファイルシステムと Tang サーバーを選択した後、カーネルコマンドラインへの rd.neednet=1 パラメーターの追加、clevis-dracut パッケージのインストール、および初期 RAM ディスク (initrd) の再生成をスキップできます。非ルートファイルシステムの場合、Web コンソールは、remote-cryptsetup.target および clevis-luks-akspass.path systemd ユニットを有効にし、clevis-systemd パッケージをインストールし、_netdev パラメーターを fstab および crypttab 設定ファイルに追加するようになりました。

検証

  1. 新規に追加された Tang キーが Keyserver タイプの Keys セクションにリスト表示されていることを確認します。

  2. バインディングが初期ブートで使用できることを確認します。次に例を示します。

    # lsinitrd | grep clevis-luks
    lrwxrwxrwx   1 root     root           48 Jan  4 02:56 etc/systemd/system/cryptsetup.target.wants/clevis-luks-askpass.path -> /usr/lib/systemd/system/clevis-luks-askpass.path
    …
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18.14.5. 基本的な NBDE および TPM2 暗号化クライアント操作

Clevis フレームワークは、プレーンテキストファイルを暗号化し、JSON Web Encryption (JWE) 形式の暗号化テキストと LUKS 暗号化ブロックデバイスの両方を復号できます。Clevis クライアントは、暗号化操作に Tang ネットワークサーバーまたは Trusted Platform Module 2.0(TPM 2.0) チップのいずれかを使用できます。

次のコマンドは、プレーンテキストファイルが含まれる例で Clevis が提供する基本的な機能を示しています。また、NBDE または Clevis + TPM のデプロイメントのトラブルシューティングにも使用できます。

Tang サーバーにバインドされた暗号化クライアント

  • Clevis 暗号化クライアントが Tang サーバーにバインドサれることを確認するには、clevis encrypt tang サブコマンドを使用します。

    $ clevis encrypt tang '{"url":"http://tang.srv:port"}' < input-plain.txt > secret.jwe
    The advertisement contains the following signing keys:
    
    _OsIk0T-E2l6qjfdDiwVmidoZjA
    
    Do you wish to trust these keys? [ynYN] y
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    上記の例の http://tang.srv:port URL は、tang がインストールされているサーバーの URL と一致するように変更します。secret.jwe 出力ファイルには、JWE 形式で暗号化した暗号文が含まれます。この暗号文は input-plain.txt 入力ファイルから読み込まれます。

    また、設定に SSH アクセスなしで Tang サーバーとの非対話型の通信が必要な場合は、アドバタイズメントをダウンロードしてファイルに保存できます。

    $ curl -sfg http://tang.srv:port/adv -o adv.jws
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    adv.jws ファイル内のアドバタイズメントは、ファイルやメッセージの暗号化など、後続のタスクに使用します。

    $ echo 'hello' | clevis encrypt tang '{"url":"http://tang.srv:port","adv":"adv.jws"}'
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  • データを複号するには、clevis decrypt コマンドを実行して、暗号文 (JWE) を提供します。

    $ clevis decrypt < secret.jwe > output-plain.txt
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TPM2.0 を使用する暗号化クライアント

  • TPM 2.0 チップを使用して暗号化するには、JSON 設定オブジェクト形式の引数のみが使用されている clevis encrypt tpm2 サブコマンドを使用します。

    $ clevis encrypt tpm2 '{}' < input-plain.txt > secret.jwe
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    別の階層、ハッシュ、および鍵アルゴリズムを選択するには、以下のように、設定プロパティーを指定します。

    $ clevis encrypt tpm2 '{"hash":"sha256","key":"rsa"}' < input-plain.txt > secret.jwe
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  • データを復号するには、JSON Web Encryption (JWE) 形式の暗号文を提供します。

    $ clevis decrypt < secret.jwe > output-plain.txt
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ピンは、PCR (Platform Configuration Registers) 状態へのデータのシーリングにも対応します。このように、PCP ハッシュ値が、シーリング時に使用したポリシーと一致する場合にのみ、データのシーリングを解除できます。

たとえば、SHA-256 バンクに対して、インデックス 0 および 7 の PCR にデータをシールするには、以下を行います。

$ clevis encrypt tpm2 '{"pcr_bank":"sha256","pcr_ids":"0,7"}' < input-plain.txt > secret.jwe
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警告

PCR のハッシュは書き換えることができ、暗号化されたボリュームのロックを解除することはできなくなりました。このため、PCR の値が変更された場合でも、暗号化されたボリュームのロックを手動で解除できる強力なパスフレーズを追加します。

shim-x64 パッケージのアップグレード後にシステムが暗号化されたボリュームを自動的にロック解除できない場合は、Red Hat ナレッジベースソリューション Clevis TPM2 no longer decrypts LUKS devices after a restart を参照してください。

18.14.6. LUKS 暗号化ボリュームのロックを自動解除するように NBDE クライアントを設定する

Clevis フレームワークを使用すると、選択した Tang サーバーが使用可能な場合に、LUKS 暗号化ボリュームのロックを自動解除するようにクライアントを設定できます。これにより、Network-Bound Disk Encryption (NBDE) デプロイメントが作成されます。

前提条件

  • Tang サーバーが実行されていて、使用できるようにしてある。

手順

  1. 既存の LUKS 暗号化ボリュームのロックを自動的に解除するには、clevis-luks サブパッケージをインストールします。

    # yum install clevis-luks
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  2. PBD 用 LUKS 暗号化ボリュームを特定します。次の例では、ブロックデバイスは /dev/sda2 と呼ばれています。

    # lsblk
    NAME                                          MAJ:MIN RM   SIZE RO TYPE  MOUNTPOINT
    sda                                             8:0    0    12G  0 disk
    ├─sda1                                          8:1    0     1G  0 part  /boot
    └─sda2                                          8:2    0    11G  0 part
      └─luks-40e20552-2ade-4954-9d56-565aa7994fb6 253:0    0    11G  0 crypt
        ├─rhel-root                               253:0    0   9.8G  0 lvm   /
        └─rhel-swap                               253:1    0   1.2G  0 lvm   [SWAP]
    Copy to Clipboard Toggle word wrap
  3. clevis luks bind コマンドを使用して、ボリュームを Tang サーバーにバインドします。

    # clevis luks bind -d /dev/sda2 tang '{"url":"http://tang.srv"}'
    The advertisement contains the following signing keys:
    
    _OsIk0T-E2l6qjfdDiwVmidoZjA
    
    Do you wish to trust these keys? [ynYN] y
    You are about to initialize a LUKS device for metadata storage.
    Attempting to initialize it may result in data loss if data was
    already written into the LUKS header gap in a different format.
    A backup is advised before initialization is performed.
    
    Do you wish to initialize /dev/sda2? [yn] y
    Enter existing LUKS password:
    Copy to Clipboard Toggle word wrap

    このコマンドは、以下の 4 つの手順を実行します。

    1. LUKS マスター鍵と同じエントロピーを使用して、新しい鍵を作成します。
    2. Clevis で新しい鍵を暗号化します。
    3. LUKS2 ヘッダートークンに Clevis JWE オブジェクトを保存するか、デフォルト以外の LUKS1 ヘッダーが使用されている場合は LUKSMeta を使用します。
    4. LUKS を使用する新しい鍵を有効にします。
    注記

    バインド手順では、空き LUKS パスワードスロットが少なくとも 1 つあることが前提となっています。そのスロットの 1 つを clevis luks bind コマンドが使用します。

    ボリュームは、現在、既存のパスワードと Clevis ポリシーを使用してロックを解除できます。

  4. システムの起動プロセスの初期段階でディスクバインディングを処理するには、インストール済みのシステムで dracut ツールを使用します。RHEL では、Clevis はホスト固有の設定オプションを指定せずに汎用 initrd (初期 RAM ディスク) を生成し、カーネルコマンドラインに rd.neednet=1 などのパラメーターを自動的に追加しません。初期の起動時にネットワークを必要とする Tang ピンを使用する場合は、--hostonly-cmdline 引数を使用し、dracut が Tang バインディングを検出すると rd.neednet=1 を追加します。

    1. clevis-dracut パッケージをインストールします。

      # yum install clevis-dracut
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    2. 初期 RAM ディスクを再生成します。

      # dracut -fv --regenerate-all --hostonly-cmdline
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    3. または、/etc/dracut.conf.d/ ディレクトリーに .conf ファイルを作成し、そのファイルに hostonly_cmdline=yes オプションを追加します。すると、--hostonly-cmdline なしで dracut を使用できます。次に例を示します。

      # echo "hostonly_cmdline=yes" > /etc/dracut.conf.d/clevis.conf
      # dracut -fv --regenerate-all
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    4. Clevis がインストールされているシステムで grubby ツールを使用して、システム起動時の早い段階で Tang ピンのネットワークを利用できるようにすることができます。

      # grubby --update-kernel=ALL --args="rd.neednet=1"
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検証

  1. Clevis JWE オブジェクトが LUKS ヘッダーに正常に配置されていることを確認します。clevis luks list コマンドを使用します。

    # clevis luks list -d /dev/sda2
    1: tang '{"url":"http://tang.srv:port"}'
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  2. バインディングが初期ブートで使用できることを確認します。次に例を示します。

    # lsinitrd | grep clevis-luks
    lrwxrwxrwx   1 root     root           48 Jan  4 02:56 etc/systemd/system/cryptsetup.target.wants/clevis-luks-askpass.path -> /usr/lib/systemd/system/clevis-luks-askpass.path
    …
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18.14.7. 静的な IP 設定を持つ NBDE クライアントの設定

(DHCP を使用しない) 静的な IP 設定を持つクライアントに NBDE を使用するには、ネットワーク設定を dracut ツールに手動で渡す必要があります。

前提条件

手順

  1. 静的ネットワーク設定を、dracut コマンドの kernel-cmdline オプションの値として指定できます。次に例を示します。

    # dracut -fv --regenerate-all --kernel-cmdline "ip=192.0.2.10::192.0.2.1:255.255.255.0::ens3:none nameserver=192.0.2.100"
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  2. または、静的ネットワーク情報を含む .conf ファイルを /etc/dracut.conf.d/ ディレクトリーに作成し、初期 RAM ディスクイメージを再生成します。

    # cat /etc/dracut.conf.d/static_ip.conf
    kernel_cmdline="ip=192.0.2.10::192.0.2.1:255.255.255.0::ens3:none nameserver=192.0.2.100"
    # dracut -fv --regenerate-all
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18.14.8. TPM 2.0 ポリシーを使用して LUKS 暗号化ボリュームの手動登録を設定する

Trusted Platform Module 2.0 (TPM 2.0) ポリシーを使用して、LUKS 暗号化ボリュームのロック解除を設定できます。

前提条件

  • アクセス可能な TPM2.0 互換デバイス。
  • システムが 64 ビット Intel アーキテクチャー、または 64 ビット AMD アーキテクチャーである。

手順

  1. 既存の LUKS 暗号化ボリュームのロックを自動的に解除するには、clevis-luks サブパッケージをインストールします。

    # yum install clevis-luks
    Copy to Clipboard Toggle word wrap
  2. PBD 用 LUKS 暗号化ボリュームを特定します。次の例では、ブロックデバイスは /dev/sda2 と呼ばれています。

    # lsblk
    NAME                                          MAJ:MIN RM   SIZE RO TYPE  MOUNTPOINT
    sda                                             8:0    0    12G  0 disk
    ├─sda1                                          8:1    0     1G  0 part  /boot
    └─sda2                                          8:2    0    11G  0 part
      └─luks-40e20552-2ade-4954-9d56-565aa7994fb6 253:0    0    11G  0 crypt
        ├─rhel-root                               253:0    0   9.8G  0 lvm   /
        └─rhel-swap                               253:1    0   1.2G  0 lvm   [SWAP]
    Copy to Clipboard Toggle word wrap
  3. clevis luks bind コマンドを使用して、ボリュームを TPM 2.0 デバイスにバインドします。以下に例を示します。

    # clevis luks bind -d /dev/sda2 tpm2 '{"hash":"sha256","key":"rsa"}'
    ...
    Do you wish to initialize /dev/sda2? [yn] y
    Enter existing LUKS password:
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    このコマンドは、以下の 4 つの手順を実行します。

    1. LUKS マスター鍵と同じエントロピーを使用して、新しい鍵を作成します。
    2. Clevis で新しい鍵を暗号化します。
    3. LUKS2 ヘッダートークンに Clevis JWE オブジェクトを保存するか、デフォルト以外の LUKS1 ヘッダーが使用されている場合は LUKSMeta を使用します。
    4. LUKS を使用する新しい鍵を有効にします。

      注記

      バインド手順では、空き LUKS パスワードスロットが少なくとも 1 つあることが前提となっています。そのスロットの 1 つを clevis luks bind コマンドが使用します。

      あるいは、特定の Platform Configuration Registers (PCR) の状態にデータをシールする場合は、clevis luks bind コマンドに pcr_bankpcr_ids 値を追加します。以下に例を示します。

      # clevis luks bind -d /dev/sda2 tpm2 '{"hash":"sha256","key":"rsa","pcr_bank":"sha256","pcr_ids":"0,1"}'
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      重要

      PCR ハッシュ値がシール時に使用されるポリシーと一致し、ハッシュを書き換えることができる場合にのみ、データをアンシールできるため、PCR の値が変更された場合、暗号化されたボリュームのロックを手動で解除できる強力なパスフレーズを追加します。

      shim-x64 パッケージをアップグレードした後、システムが暗号化されたボリュームを自動的にロック解除できない場合は、Red Hat ナレッジベースソリューション Clevis TPM2 no longer decrypts LUKS devices after a restart を参照してください。

  4. ボリュームは、現在、既存のパスワードと Clevis ポリシーを使用してロックを解除できます。
  5. システムの起動プロセスの初期段階でディスクバインディングを処理するようにするには、インストール済みのシステムで dracut ツールを使用します。

    # yum install clevis-dracut
    # dracut -fv --regenerate-all
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検証

  1. Clevis JWE オブジェクトが LUKS ヘッダーに適切に置かれていることを確認するには、clevis luks list コマンドを使用します。

    # clevis luks list -d /dev/sda2
    1: tpm2 '{"hash":"sha256","key":"rsa"}'
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18.14.9. LUKS で暗号化したボリュームからの Clevis ピンの手動削除

clevis luks bind コマンドで作成されたメタデータを手動で削除する場合や、Clevis が追加したパスフレーズを含む鍵スロットを一掃するには、以下の手順を行います。

重要

LUKS で暗号化したボリュームから Clevis ピンを削除する場合は、clevis luks unbind コマンドを使用することが推奨されます。clevis luks unbind を使用した削除手順は、1 回のステップで構成され、LUKS1 ボリュームおよび LUKS2 ボリュームの両方で機能します。次のコマンド例は、バインド手順で作成されたメタデータを削除し、/dev/sda2 デバイスの鍵スロット 1 を削除します。

# clevis luks unbind -d /dev/sda2 -s 1
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前提条件

  • Clevis バインディングを使用した LUKS 暗号化ボリューム。

手順

  1. /dev/sda2 などのボリュームがどの LUKS バージョンであるかを確認し、Clevis にバインドされているスロットおよびトークンを特定します。

    # cryptsetup luksDump /dev/sda2
    LUKS header information
    Version:        2
    ...
    Keyslots:
      0: luks2
    ...
    1: luks2
          Key:        512 bits
          Priority:   normal
          Cipher:     aes-xts-plain64
    ...
          Tokens:
            0: clevis
                  Keyslot:  1
    ...
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    上記の例では、Clevis トークンは 0 で識別され、関連付けられたキースロットは 1 です。

  2. LUKS2 暗号化の場合は、トークンを削除します。

    # cryptsetup token remove --token-id 0 /dev/sda2
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  3. デバイスが LUKS1 で暗号化されていて、Version:1 という文字列が cryptsetup luksDump コマンドの出力に含まれている場合は、luksmeta wipe コマンドでこの追加手順を実行します。

    # luksmeta wipe -d /dev/sda2 -s 1
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  4. Clevis パスフレーズを含む鍵スロットを削除します。

    # cryptsetup luksKillSlot /dev/sda2 1
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18.14.10. キックスタートを使用して LUKS 暗号化ボリュームの自動登録を設定する

この手順に従って、LUKS で暗号化されたボリュームの登録に Clevis を使用する自動インストールプロセスを設定します。

手順

  1. 一時パスワードを使用して、LUKS 暗号化が有効になっているディスクを、/boot 以外のすべてのマウントポイントで分割するように、キックスタートに指示します。パスワードは、登録プロセスの手順に使用するための一時的なものです。

    part /boot --fstype="xfs" --ondisk=vda --size=256
    part / --fstype="xfs" --ondisk=vda --grow --encrypted --passphrase=temppass
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    OSPP 準拠のシステムには、より複雑な設定が必要であることに注意してください。次に例を示します。

    part /boot --fstype="xfs" --ondisk=vda --size=256
    part / --fstype="xfs" --ondisk=vda --size=2048 --encrypted --passphrase=temppass
    part /var --fstype="xfs" --ondisk=vda --size=1024 --encrypted --passphrase=temppass
    part /tmp --fstype="xfs" --ondisk=vda --size=1024 --encrypted --passphrase=temppass
    part /home --fstype="xfs" --ondisk=vda --size=2048 --grow --encrypted --passphrase=temppass
    part /var/log --fstype="xfs" --ondisk=vda --size=1024 --encrypted --passphrase=temppass
    part /var/log/audit --fstype="xfs" --ondisk=vda --size=1024 --encrypted --passphrase=temppass
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  2. 関連する Clevis パッケージを %packages セクションに追加して、インストールします。

    %packages
    clevis-dracut
    clevis-luks
    clevis-systemd
    %end
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  3. オプション: 必要に応じて暗号化されたボリュームのロックを手動で解除できるようにするには、一時パスフレーズを削除する前に強力なパスフレーズを追加します。詳細は、Red Hat ナレッジベースソリューション 既存の LUKS デバイスにパスフレーズ、キー、またはキーファイルを追加する方法 を参照してください。
  4. clevis luks bind を呼び出して、%post セクションのバインディングを実行します。その後、一時パスワードを削除します。

    %post
    clevis luks bind -y -k - -d /dev/vda2 \
    tang '{"url":"http://tang.srv"}' <<< "temppass"
    cryptsetup luksRemoveKey /dev/vda2 <<< "temppass"
    dracut -fv --regenerate-all
    %end
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    設定が起動初期にネットワークを必要とする Tang ピンに依存している場合、または静的 IP 設定の NBDE クライアントを使用している場合は、Configuring manual enrollment of LUKS-encrypted volumesに従って dracut コマンドを変更する必要があります。

    clevis luks bind コマンドの -y オプションは、RHEL 8.3 から使用できることに注意してください。RHEL 8.2 以前では、 clevis luks bind コマンドで -y-f に置き換え、Tang サーバーからアドバタイズメントをダウンロードします。

    %post
    curl -sfg http://tang.srv/adv -o adv.jws
    clevis luks bind -f -k - -d /dev/vda2 \
    tang '{"url":"http://tang.srv","adv":"adv.jws"}' <<< "temppass"
    cryptsetup luksRemoveKey /dev/vda2 <<< "temppass"
    dracut -fv --regenerate-all
    %end
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    警告

    cryptsetup luksRemoveKey コマンドは、それを適用する LUKS2 デバイスがそれ以上に管理されるのを防ぎます。LUKS1 デバイスに対してのみ dmsetup コマンドを使用して、削除されたマスターキーを回復できます。

Tang サーバーの代わりに TPM 2.0 ポリシーを使用する場合は、同様の手順を使用できます。

18.14.11. LUKS で暗号化されたリムーバブルストレージデバイスの自動ロック解除を設定する

LUKS 暗号化 USB ストレージデバイスの自動ロック解除プロセスを設定できます。

手順

  1. USB ドライブなど、LUKS で暗号化したリムーバブルストレージデバイスを自動的にアンロックするには、clevis-udisks2 パッケージをインストールします。

    # yum install clevis-udisks2
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  2. システムを再起動し、LUKS で暗号化したボリュームの手動登録の設定 に従って、clevis luks bind コマンドを使用したバインディング手順を実行します。以下に例を示します。

    # clevis luks bind -d /dev/sdb1 tang '{"url":"http://tang.srv"}'
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  3. LUKS で暗号化したリムーバブルデバイスは、GNOME デスクトップセッションで自動的にアンロックできるようになりました。Clevis ポリシーにバインドするデバイスは、clevis luks unlock コマンドでアンロックできます。

    # clevis luks unlock -d /dev/sdb1
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Tang サーバーの代わりに TPM 2.0 ポリシーを使用する場合は、同様の手順を使用できます。

18.14.12. 高可用性 NBDE システムをデプロイする

Tang は、高可用性デプロイメントを構築する方法を 2 つ提供します。

クライアントの冗長性 (推奨)
クライアントは、複数の Tang サーバーにバインドする機能を使用して設定する必要があります。この設定では、各 Tang サーバーに独自の鍵があり、クライアントは、このサーバーのサブセットに接続することで復号できます。Clevis はすでに、sss プラグインを使用してこのワークフローに対応しています。Red Hat は、高可用性のデプロイメントにこの方法を推奨します。
鍵の共有
冗長性を確保するために、Tang のインスタンスは複数デプロイできます。2 つ目以降のインスタンスを設定するには、tang パッケージをインストールし、SSH 経由で rsync を使用してその鍵ディレクトリーを新規ホストにコピーします。鍵を共有すると鍵への不正アクセスのリスクが高まり、追加の自動化インフラストラクチャーが必要になるため、Red Hat はこの方法を推奨していません。
シャミアの秘密分散を使用した高可用性 NBDE

シャミアの秘密分散 (SSS) は、秘密を複数の固有のパーツに分割する暗号スキームです。秘密を再構築するには、いくつかのパーツが必要になります。数値はしきい値と呼ばれ、SSS はしきい値スキームとも呼ばれます。

Clevis は、SSS の実装を提供します。鍵を作成し、これをいくつかのパーツに分割します。各パーツは、SSS も再帰的に含む別のピンを使用して暗号化されます。また、しきい値 t も定義します。NBDE デプロイメントで少なくとも t の部分を復号すると、暗号化鍵が復元され、復号プロセスが成功します。Clevis がしきい値で指定されている数よりも小さい部分を検出すると、エラーメッセージが出力されます。

例 1:2 台の Tang サーバーを使用した冗長性

次のコマンドは、2 台の Tang サーバーのうち少なくとも 1 台が使用可能な場合に、LUKS で暗号化されたデバイスを復号します。

# clevis luks bind -d /dev/sda1 sss '{"t":1,"pins":{"tang":[{"url":"http://tang1.srv"},{"url":"http://tang2.srv"}]}}'
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上記のコマンドでは、以下の設定スキームを使用していました。

{
    "t":1,
    "pins":{
        "tang":[
            {
                "url":"http://tang1.srv"
            },
            {
                "url":"http://tang2.srv"
            }
        ]
    }
}
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この設定では、リストに記載されている 2 台の tang サーバーのうち少なくとも 1 つが利用可能であれば、SSS しきい値 t1 に設定され、clevis luks bind コマンドが秘密を正常に再構築します。

例 2:Tang サーバーと TPM デバイスで共有している秘密

次のコマンドは、tang サーバーと tpm2 デバイスの両方が利用可能な場合に、LUKS で暗号化したデバイスを正常に復号します。

# clevis luks bind -d /dev/sda1 sss '{"t":2,"pins":{"tang":[{"url":"http://tang1.srv"}], "tpm2": {"pcr_ids":"0,7"}}}'
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SSS しきい値 't' が '2' に設定されている設定スキームは以下のようになります。

{
    "t":2,
    "pins":{
        "tang":[
            {
                "url":"http://tang1.srv"
            }
        ],
        "tpm2":{
            "pcr_ids":"0,7"
        }
    }
}
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18.14.13. NBDE ネットワークで仮想マシンをデプロイする

clevis luks bind コマンドは、LUKS マスター鍵を変更しません。これは、仮想マシンまたはクラウド環境で使用する、LUKS で暗号化したイメージを作成する場合に、このイメージを実行するすべてのインスタンスがマスター鍵を共有することを意味します。これにはセキュリティーの観点で大きな問題があるため、常に回避する必要があります。

これは、Clevis の制限ではなく、LUKS の設計原理です。シナリオでクラウド内のルートボリュームを暗号化する必要がある場合は、クラウド内の Red Hat Enterprise Linux の各インスタンスに対しても (通常はキックスタートを使用して) インストールプロセスを実行します。このイメージは、LUKS マスター鍵を共有しなければ共有できません。

仮想化環境で自動ロック解除をデプロイメントするには、loraxvirt-install などのシステムとキックスタートファイル (キックスタートを使用した LUKS 暗号化ボリュームの自動登録の設定参照) またはその他の自動プロビジョニングツールを使用して、各暗号化 VM に固有のマスターキーを確実に付与します。

18.14.14. NBDE を使用してクラウド環境用の自動登録可能な仮想マシンイメージをビルドする

自動登録可能な暗号化イメージをクラウド環境にデプロイすると、特有の課題が発生する可能性があります。他の仮想化環境と同様に、LUKS マスター鍵を共有しないように、1 つのイメージから起動するインスタンス数を減らすことが推奨されます。

したがって、ベストプラクティスは、どのパブリックリポジトリーでも共有されず、限られたインスタンスのデプロイメントのベースを提供するように、イメージをカスタマイズすることです。作成するインスタンスの数は、デプロイメントのセキュリティーポリシーで定義する必要があります。また、LUKS マスター鍵の攻撃ベクトルに関連するリスク許容度に基づいて決定する必要があります。

LUKS に対応する自動デプロイメントを構築するには、Lorax、virt-install などのシステムとキックスタートファイルを一緒に使用し、イメージ構築プロセス中にマスター鍵の一意性を確保する必要があります。

クラウド環境では、ここで検討する 2 つの Tang サーバーデプロイメントオプションが利用できます。まず、クラウド環境そのものに Tang サーバーをデプロイできます。もしくは、2 つのインフラストラクチャー間で VPN リンクを使用した独立したインフラストラクチャーで、クラウドの外に Tang サーバーをデプロイできます。

クラウドに Tang をネイティブにデプロイすると、簡単にデプロイできます。ただし、別のシステムの暗号文のデータ永続化層でインフラストラクチャーを共有します。Tang サーバーの秘密鍵および Clevis メタデータは、同じ物理ディスクに保存できる場合があります。この物理ディスクでは、暗号文データへのいかなる不正アクセスが可能になります。

重要

データを保存する場所と Tang を実行するシステムを、常に物理的に分離してください。クラウドと Tang サーバーを分離することで、Tang サーバーの秘密鍵が、Clevis メタデータと誤って結合することがないようにします。さらに、これにより、クラウドインフラストラクチャーが危険にさらされている場合に、Tang サーバーのローカル制御を提供します。

18.14.15. コンテナーとしての Tang のデプロイ

tang コンテナーイメージは、OpenShift Container Platform (OCP) クラスターまたは別の仮想マシンで実行する Clevis クライアントの Tang-server 復号化機能を提供します。

前提条件

  • podman パッケージとその依存関係がシステムにインストールされている。
  • podman login registry.redhat.io コマンドを使用して registry.redhat.io コンテナーカタログにログインしている。詳細は、Red Hat コンテナーレジストリーの認証 を参照してください。
  • Clevis クライアントは、Tang サーバーを使用して、自動的にアンロックする LUKS で暗号化したボリュームを含むシステムにインストールされている。

手順

  1. registry.redhat.io レジストリーから tang コンテナーイメージをプルします。

    # podman pull registry.redhat.io/rhel8/tang
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  2. コンテナーを実行し、そのポートを指定して Tang 鍵へのパスを指定します。上記の例では、tang コンテナーを実行し、ポート 7500 を指定し、/var/db/tang ディレクトリーの Tang 鍵へのパスを示します。

    # podman run -d -p 7500:7500 -v tang-keys:/var/db/tang --name tang registry.redhat.io/rhel8/tang
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    Tang はデフォルトでポート 80 を使用しますが、Apache HTTP サーバーなどの他のサービスと共存する可能性があることに注意してください。

  3. オプション: セキュリティーを強化するために、Tang キーを定期的にローテーションします。tangd-rotate-keys スクリプトを使用できます。以下に例を示します。

    # podman run --rm -v tang-keys:/var/db/tang registry.redhat.io/rhel8/tang tangd-rotate-keys -v -d /var/db/tang
    Rotated key 'rZAMKAseaXBe0rcKXL1hCCIq-DY.jwk' -> .'rZAMKAseaXBe0rcKXL1hCCIq-DY.jwk'
    Rotated key 'x1AIpc6WmnCU-CabD8_4q18vDuw.jwk' -> .'x1AIpc6WmnCU-CabD8_4q18vDuw.jwk'
    Created new key GrMMX_WfdqomIU_4RyjpcdlXb0E.jwk
    Created new key _dTTfn17sZZqVAp80u3ygFDHtjk.jwk
    Keys rotated successfully.
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検証

  • Tang サーバーが存在しているために自動アンロック用に LUKS で暗号化したボリュームが含まれているシステムで、Clevis クライアントが Tang を使用してプレーンテキストのメッセージを暗号化および復号化できることを確認します。

    # echo test | clevis encrypt tang '{"url":"http://localhost:7500"}' | clevis decrypt
    The advertisement contains the following signing keys:
    
    x1AIpc6WmnCU-CabD8_4q18vDuw
    
    Do you wish to trust these keys? [ynYN] y
    test
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    上記のコマンド例は、localhost URL で Tang サーバーが利用できる場合にその出力の最後に テスト 文字列を示し、ポート 7500 経由で通信します。

18.14.16. RHEL システムロールを使用した NBDE の設定

nbde_client および nbde_server RHEL システムロールを使用すると、Clevis および Tang を使用した Policy-Based Decryption (PBD) ソリューションを自動でデプロイできます。rhel-system-roles パッケージには、これらのシステムロール、関連する例、リファレンスドキュメントが含まれます。

18.14.16.1. 複数の Tang サーバーのセットアップに nbde_server RHEL システムロールを使用する

nbde_server システムロールを使用すると、自動ディスク暗号化ソリューションの一部として、Tang サーバーをデプロイして管理できます。このロールは以下の機能をサポートします。

  • Tang 鍵のローテーション
  • Tang 鍵のデプロイおよびバックアップ

前提条件

手順

  1. 次の内容を含む Playbook ファイル (例: ~/playbook.yml) を作成します。

    ---
    - name: Deploy a Tang server
      hosts: tang.server.example.com
      tasks:
      - name: Install and configure periodic key rotation
        ansible.builtin.include_role:
            name: redhat.rhel_system_roles.nbde_server
        vars:
          nbde_server_rotate_keys: yes
          nbde_server_manage_firewall: true
          nbde_server_manage_selinux: true
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    このサンプル Playbook により、Tang サーバーのデプロイと鍵のローテーションが実行されます。

    サンプル Playbook で指定されている設定は次のとおりです。

    nbde_server_manage_firewall: true
    firewall システムロールを使用して、nbde_server ロールで使用されるポートを管理します。
    nbde_server_manage_selinux: true

    selinux システムロールを使用して、nbde_server ロールで使用されるポートを管理します。

    Playbook で使用されるすべての変数の詳細は、コントロールノードの /usr/share/ansible/roles/rhel-system-roles.nbde_server/README.md ファイルを参照してください。

  2. Playbook の構文を検証します。

    $ ansible-playbook --syntax-check ~/playbook.yml
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    このコマンドは構文を検証するだけであり、有効だが不適切な設定から保護するものではないことに注意してください。

  3. Playbook を実行します。

    $ ansible-playbook ~/playbook.yml
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検証

  • NBDE クライアントで、次のコマンドを使用して、Tang サーバーが正しく動作していることを確認します。このコマンドにより、暗号化と復号化に渡すものと同じメッセージが返される必要があります。

    # ansible managed-node-01.example.com -m command -a 'echo test | clevis encrypt tang '{"url":"<tang.server.example.com>"}' -y | clevis decrypt'
    test
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nbde_client システムロールにより、複数の Clevis クライアントを自動的にデプロイできます。

このロールを使用すると、LUKS で暗号化されたボリュームを 1 つ以上の Network-Bound (NBDE) サーバー (Tang サーバー) にバインドすることが可能です。パスフレーズを使用して既存のボリュームの暗号化を保持するか、削除できます。パスフレーズを削除したら、NBDE だけを使用してボリュームのロックを解除できます。これは、システムのプロビジョニング後に削除する必要がある一時鍵またはパスワードを使用して、ボリュームが最初に暗号化されている場合に役立ちます。

パスフレーズと鍵ファイルの両方を指定する場合には、ロールは最初に指定した内容を使用します。有効なバインディングが見つからない場合は、既存のバインディングからパスフレーズの取得を試みます。

Policy-Based Decryption (PBD) では、デバイスとスロットのマッピングの形でバインディングを定義します。そのため、同じデバイスに対して複数のバインドを設定できます。デフォルトのスロットは 1 です。

注記

nbde_client システムロールは、Tang バインディングのみをサポートします。したがって、TPM2 バインディングには使用できません。

前提条件

手順

  1. 次の内容を含む Playbook ファイル (例: ~/playbook.yml) を作成します。

    ---
    - name: Configure clients for unlocking of encrypted volumes by Tang servers
      hosts: managed-node-01.example.com
      tasks:
        - name: Create NBDE client bindings
          ansible.builtin.include_role:
            name: redhat.rhel_system_roles.nbde_client
          vars:
            nbde_client_bindings:
              - device: /dev/rhel/root
                encryption_key_src: /etc/luks/keyfile
                nbde_client_early_boot: true
                state: present
                servers:
                  - http://server1.example.com
                  - http://server2.example.com
              - device: /dev/rhel/swap
                encryption_key_src: /etc/luks/keyfile
                servers:
                  - http://server1.example.com
                  - http://server2.example.com
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    このサンプル Playbook は、2 台の Tang サーバーのうち少なくとも 1 台が利用可能な場合に、LUKS で暗号化した 2 つのボリュームを自動的にアンロックするように Clevis クライアントを設定します。

    サンプル Playbook で指定されている設定は次のとおりです。

    state: present
    state の値は、Playbook を実行した後の設定を示します。新しいバインディングを作成するか、既存のバインディングを更新する場合は、present を使用します。clevis luks bind とは異なり、state: present を使用してデバイススロットにある既存のバインディングを上書きすることもできます。absent に設定すると、指定したバインディングが削除されます。
    nbde_client_early_boot: true

    nbde_client ロールは、デフォルトで、起動初期段階で Tang ピン用のネットワークを利用可能にします。この機能を無効にする必要がある場合は、Playbook に nbde_client_early_boot: false 変数を追加します。

    Playbook で使用されるすべての変数の詳細は、コントロールノードの /usr/share/ansible/roles/rhel-system-roles.nbde_client/README.md ファイルを参照してください。

  2. Playbook の構文を検証します。

    $ ansible-playbook --syntax-check ~/playbook.yml
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    このコマンドは構文を検証するだけであり、有効だが不適切な設定から保護するものではないことに注意してください。

  3. Playbook を実行します。

    $ ansible-playbook ~/playbook.yml
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検証

  1. NBDE クライアントで、Tang サーバーによって自動的にロック解除される暗号化ボリュームの LUKS ピンに、対応する情報が含まれていることを確認します。

    # ansible managed-node-01.example.com -m command -a 'clevis luks list -d /dev/rhel/root'
    1: tang '{"url":"<http://server1.example.com/>"}'
    2: tang '{"url":"<http://server2.example.com/>"}'
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  2. nbde_client_early_boot: false 変数を使用しない場合は、起動初期にバインディングが使用できることを確認します。次に例を示します。

    # ansible managed-node-01.example.com -m command -a 'lsinitrd | grep clevis-luks'
    lrwxrwxrwx   1 root     root           48 Jan  4 02:56 etc/systemd/system/cryptsetup.target.wants/clevis-luks-askpass.path -> /usr/lib/systemd/system/clevis-luks-askpass.path
    …
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18.14.16.3. nbde_client RHEL システムロールを使用して静的 IP Clevis クライアントを設定する

nbde_client RHEL システムロールは、Dynamic Host Configuration Protocol (DHCP) を使用する環境にのみ対応しています。静的 IP 設定の NBDE クライアントでは、ネットワーク設定をカーネルブートパラメーターとして渡す必要があります。

通常、管理者は Playbook を再利用します。Ansible が起動初期段階で静的 IP アドレスを割り当てるホストごとに、個別の Playbook を管理することはありません。そうすることにより、Playbook 内の変数を使用し、外部ファイルで設定を提供できます。そのため、必要なのは Playbook 1 つと設定を含むファイル 1 つだけです。

前提条件

手順

  1. ホストのネットワーク設定を含むファイル (例: static-ip-settings-clients.yml) を作成し、ホストに動的に割り当てる値を追加します。

    clients:
      managed-node-01.example.com:
        ip_v4: 192.0.2.1
        gateway_v4: 192.0.2.254
        netmask_v4: 255.255.255.0
        interface: enp1s0
      managed-node-02.example.com:
        ip_v4: 192.0.2.2
        gateway_v4: 192.0.2.254
        netmask_v4: 255.255.255.0
        interface: enp1s0
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  2. 次の内容を含む Playbook ファイル (例: ~/playbook.yml) を作成します。

    - name: Configure clients for unlocking of encrypted volumes by Tang servers
      hosts: managed-node-01.example.com,managed-node-02.example.com
      vars_files:
        - ~/static-ip-settings-clients.yml
      tasks:
        - name: Create NBDE client bindings
          ansible.builtin.include_role:
            name: redhat.rhel_system_roles.network
          vars:
            nbde_client_bindings:
              - device: /dev/rhel/root
                encryption_key_src: /etc/luks/keyfile
                servers:
                  - http://server1.example.com
                  - http://server2.example.com
              - device: /dev/rhel/swap
                encryption_key_src: /etc/luks/keyfile
                servers:
                  - http://server1.example.com
                  - http://server2.example.com
    
        - name: Configure a Clevis client with static IP address during early boot
          ansible.builtin.include_role:
            name: redhat.rhel_system_roles.bootloader
          vars:
            bootloader_settings:
              - kernel: ALL
                options:
                  - name: ip
                    value: "{{ clients[inventory_hostname]['ip_v4'] }}::{{ clients[inventory_hostname]['gateway_v4'] }}:{{ clients[inventory_hostname]['netmask_v4'] }}::{{ clients[inventory_hostname]['interface'] }}:none"
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    この Playbook は、~/static-ip-settings-clients.yml ファイルにリストされている各ホストの特定の値を動的に読み取ります。

    Playbook で使用されるすべての変数の詳細は、コントロールノードの /usr/share/ansible/roles/rhel-system-roles.network/README.md ファイルを参照してください。

  3. Playbook の構文を検証します。

    $ ansible-playbook --syntax-check ~/playbook.yml
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    このコマンドは構文を検証するだけであり、有効だが不適切な設定から保護するものではないことに注意してください。

  4. Playbook を実行します。

    $ ansible-playbook ~/playbook.yml
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