41.3. kdump の有効化
Red Hat Enterprise Linux 8 システムでは、特定のカーネルまたはインストールされているすべてのカーネルで kdump
機能を有効化または無効化するように設定できます。ただし、kdump
機能を定期的にテストし、その動作状態を検証する必要があります。
41.3.1. インストールされているすべてのカーネルでの kdump の有効化
kdump
サービスは、kexec
ツールのインストール後に kdump.service
を有効にすることで起動します。マシンにインストールされているすべてのカーネルに対して、kdump
を有効にして起動できます。
前提条件
- 管理者権限がある。
手順
インストールされているすべてのカーネルに
crashkernel=
コマンドラインパラメーターを追加します。# grubby --update-kernel=ALL --args="crashkernel=xxM"
xxM
は必要なメモリー (メガバイト単位) です。kdump
サービスを有効にします。# systemctl enable --now kdump.service
検証
kdump
が実行されていることを確認します。# systemctl status kdump.service ○ kdump.service - Crash recovery kernel arming Loaded: loaded (/usr/lib/systemd/system/kdump.service; enabled; vendor preset: disabled) Active: active (live)
41.3.2. 特定のインストール済みカーネルでの kdump の有効化
マシン上の特定カーネルに対して、kdump
を有効にできます。
前提条件
- 管理者権限がある。
手順
マシンにインストールされているカーネルをリスト表示します。
# ls -a /boot/vmlinuz-* /boot/vmlinuz-0-rescue-2930657cd0dc43c2b75db480e5e5b4a9 /boot/vmlinuz-4.18.0-330.el8.x86_64 /boot/vmlinuz-4.18.0-330.rt7.111.el8.x86_64
特定の
kdump
カーネルを、システムの Grand Unified Bootloader (GRUB) 設定に追加します。以下に例を示します。
# grubby --update-kernel=vmlinuz-4.18.0-330.el8.x86_64 --args="crashkernel=xxM"
xxM
は必要なメモリー予約 (メガバイト単位) です。kdump
を有効にします。# systemctl enable --now kdump.service
検証
kdump
が実行されていることを確認します。# systemctl status kdump.service ○ kdump.service - Crash recovery kernel arming Loaded: loaded (/usr/lib/systemd/system/kdump.service; enabled; vendor preset: disabled) Active: active (live)
41.3.3. kdump サービスの無効化
kdump.service
を停止し、Red Hat Enterprise Linux 8 システムでのサービスの起動を無効にすることができます。
前提条件
-
kdump
設定とターゲットの要件をすべて満たしている。詳細は サポートされている kdump 設定とターゲット を参照してください。 -
kdump
のインストール用のオプションがすべて、要件に応じて設定されている。詳細は、kdump のインストール を参照してください。
手順
現在のセッションで
kdump
を停止するには、以下のコマンドを実行します。# systemctl stop kdump.service
kdump
を無効にするには、以下を行います。# systemctl disable kdump.service
kptr_restrict=1
をデフォルトとして設定することが推奨されます。kptr_restrict
がデフォルトで (1) に設定されている場合、Kernel Address Space Layout (KASLR
) が有効かどうかに関係なく、kdumpctl
サービスがクラッシュカーネルをロードします。
kptr_restrict
が 1
に設定されておらず、KASLR
が有効になっている場合は、/proc/kore
ファイルの内容がすべてゼロとして生成されます。kdumpctl
サービスは、/proc/kcore
ファイルにアクセスしてクラッシュカーネルを読み込むことができません。kexec-kdump-howto.txt
ファイルには、kptr_restrict=1
に設定することを推奨する警告メッセージが表示されます。kdumpctl
サービスが必ずクラッシュカーネルを読み込むように、sysctl.conf
ファイルで次の内容を確認します。
-
sysctl.conf
ファイルでのカーネルのkptr_restrict=1
設定
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