32.12. early kdump を使用した起動時間クラッシュの取得
Early kdump は、kdump
メカニズムの機能です。システムサービスが起動する前の起動プロセス初期段階でシステムまたはカーネルのクラッシュが発生した場合に、vmcore
ファイルをキャプチャーします。Early kdump は、クラッシュカーネルおよびクラッシュカーネルの initramfs
を早い段階でメモリーにロードします。
32.12.1. early kdump の概要
カーネルクラッシュは、kdump
サービスが起動する前のブート初期段階で発生することがあります。その場合、kdump はクラッシュしたカーネルメモリーの内容をキャプチャーして保存できません。そのため、トラブルシューティングに重要なクラッシュ関連の情報が失われます。この問題に対処するには、kdump
サービスの一部である early kdump
機能を使用できます。
32.12.2. early kdump の有効化
early kdump
機能は、初期クラッシュの vmcore
情報をキャプチャーするため、十分に早めにロードされるように、クラッシュカーネルと初期 RAM ディスクイメージ (initramfs
) をセットアップします。これにより、初期のブートカーネルクラッシュに関する情報が失われるリスクを排除できます。
前提条件
- アクティブな RHEL サブスクリプションがある。
-
システムの CPU アーキテクチャー用の
kexec-tools
パッケージを含むリポジトリーがある。 -
kdump
の設定とターゲットの要件を満たしている詳細は、サポートされている kdump 設定とターゲット を参照してください。
手順
kdump
サービスが有効でアクティブであることを確認します。# systemctl is-enabled kdump.service && systemctl is-active kdump.service enabled active
kdump
が有効ではなく、実行されていない場合は、必要な設定をすべて設定し、kdump
サービスが有効化されていることを確認します。起動カーネルの
initramfs
イメージを、early kdump
機能で再構築します。# dracut -f --add earlykdump
rd.earlykdump
カーネルコマンドラインパラメーターを追加します。# grubby --update-kernel=/boot/vmlinuz-$(uname -r) --args="rd.earlykdump"
システムを再起動して変更を反映します。
# reboot
検証
rd.earlykdump
が正常に追加され、early kdump
機能が有効になっていることを確認します。# cat /proc/cmdline BOOT_IMAGE=(hd0,msdos1)/vmlinuz-4.18.0-187.el8.x86_64 root=/dev/mapper/rhel-root ro crashkernel=auto resume=/dev/mapper/rhel-swap rd.lvm.lv=rhel/root rd.lvm.lv=rhel/swap rhgb quiet rd.earlykdump # journalctl -x | grep early-kdump Mar 20 15:44:41 redhat dracut-cmdline[304]: early-kdump is enabled. Mar 20 15:44:42 redhat dracut-cmdline[304]: kexec: loaded early-kdump kernel
関連情報
-
/usr/share/doc/kexec-tools/early-kdump-howto.txt
ファイル - What is early kdump support and how do I configure it?(Red Hat ナレッジベース)