11.2. UEFI HTTP インストールソースの準備
ローカルネットワーク上のサーバーの管理者は、ネットワーク上の他のシステムの HTTP ブートとネットワークインストールを有効にするように HTTP サーバーを設定できます。
11.2.1. ネットワークインストールの概要 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ネットワークインストールでは、インストールサーバーへのアクセスがあるシステムに、Red Hat Enterprise Linux をインストールできます。ネットワークインストールには、少なくとも 2 つのシステムが必要です。
- サーバー
- DHCP サーバー、HTTP、HTTPS、FTP または NFS サーバー、および PXE ブートの場合は TFTP サーバーを実行するシステム。各サーバーを実行する物理システムが同じである必要はありませんが、このセクションの手順では、1 つのシステムですべてのサーバーを実行していることが想定されています。
- クライアント
- Red Hat Enterprise Linux をインストールしているシステム。インストールが開始すると、クライアントは DHCP サーバーに問い合わせ、HTTP サーバーまたは TFTP サーバーからブートファイルを受け取り、HTTP サーバー、HTTPS サーバー、FTP サーバー、または NFS サーバーからインストールイメージをダウンロードします。その他のインストール方法とは異なり、クライアントはインストールを開始するのに物理的な起動メディアを必要としません。
ネットワークからクライアントを起動するには、ファームウェアまたはクライアントのクイックブートメニューでネットワークブートを有効にします。ハードウェアによっては、ネットワークから起動するオプションが無効になっていたり、利用できない場合があります。
HTTP または PXE を使用してネットワークから Red Hat Enterprise Linux をインストールする準備を行う手順は次のとおりです。
手順
- インストール ISO イメージまたはインストールツリーを NFS サーバー、HTTPS サーバー、HTTP サーバー、または FTP サーバーにエクスポートします。
- HTTP または TFTP サーバーと DHCP サーバーを設定し、サーバー上で HTTP または TFTP サービスを起動します。
- クライアントを起動して、インストールを開始します。
次のネットワークブートプロトコルを選択できます。
- HTTP
- Red Hat は、クライアント UEFI がサポートしている場合は HTTP ブートを使用することを推奨します。通常、HTTP ブートは信頼性に優れています。
- PXE (TFTP)
- PXE ブートはクライアントシステムによって広くサポートされています。ただし、このプロトコルを介したブートファイルの送信は低速で、タイムアウトにより失敗する可能性があります。
11.2.2. ネットワークブート用の DHCPv4 サーバーの設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
サーバー上で DHCP バージョン 4 (DHCPv4) サービスを有効にし、ネットワークブート機能を提供できるようにします。
前提条件
IPv4 プロトコルを介したネットワークインストールを準備中である。
IPv6 の場合は、ネットワークブート用の DHCPv6 サーバーの設定 を参照してください。
サーバーのネットワークアドレスがわかっている。
以下の手順の例では、サーバーには次の設定のネットワークカードが搭載されています。
- IPv4 アドレス
- 192.168.124.2/24
- IPv4 ゲートウェイ
- 192.168.124.1
手順
DHCP サーバーをインストールします。
yum install dhcp-server
yum install dhcp-server
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow DHCPv4 サーバーをセットアップします。
/etc/dhcp/dhcpd.conf
ファイルに次の設定を入力します。アドレスはネットワークカードと一致するように置き換えます。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow DHCPv4 サービスを起動します。
systemctl enable --now dhcpd
# systemctl enable --now dhcpd
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11.2.3. ネットワークブート用の DHCPv6 サーバーの設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
サーバー上で DHCP バージョン 6 (DHCPv4) サービスを有効にし、ネットワークブート機能を提供できるようにします。
前提条件
IPv6 プロトコルを介したネットワークインストールを準備中である。
IPv4 の場合は、ネットワークブート用の DHCPv4 サーバーの設定 を参照してください。
サーバーのネットワークアドレスがわかっている。
以下の手順の例では、サーバーには次の設定のネットワークカードが搭載されています。
- IPv6 アドレス
- fd33:eb1b:9b36::2/64
- IPv6 ゲートウェイ
- fd33:eb1b:9b36::1
手順
DHCP サーバーをインストールします。
yum install dhcp-server
yum install dhcp-server
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow DHCPv6 サーバーをセットアップします。
/etc/dhcp/dhcpd6.conf
ファイルに次の設定を入力します。アドレスはネットワークカードと一致するように置き換えます。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow DHCPv6 サービスを起動します。
systemctl enable --now dhcpd6
# systemctl enable --now dhcpd6
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow DHCPv6 パケットがファイアウォールの RP フィルターによって破棄されている場合は、そのログを確認してください。ログに
rpfilter_DROP
エントリーが含まれている場合は、/etc/firewalld/firewalld.conf
ファイルで次の設定を使用してフィルターを無効にします。IPv6_rpfilter=no
IPv6_rpfilter=no
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
11.2.4. HTTP ブート用の HTTP サーバーの設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
サーバーがネットワーク上で HTTP ブートリソースを提供できるように、サーバーに httpd
サービスをインストールして有効にする必要があります。
前提条件
サーバーのネットワークアドレスがわかっている。
次の例では、サーバーには IPv4 アドレス
192.168.124.2
のネットワークカードが搭載されています。
手順
HTTP サーバーをインストールします。
yum install httpd
# yum install httpd
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow /var/www/html/redhat/
ディレクトリーを作成します。mkdir -p /var/www/html/redhat/
# mkdir -p /var/www/html/redhat/
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - RHEL DVD ISO ファイルをダウンロードします。All Red Hat Enterprise Linux Downloads を参照してください。
ISO ファイルのマウントポイントを作成します。
mkdir -p /var/www/html/redhat/iso/
# mkdir -p /var/www/html/redhat/iso/
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ISO ファイルをマウントします。
mount -o loop,ro -t iso9660 path-to-RHEL-DVD.iso /var/www/html/redhat/iso
# mount -o loop,ro -t iso9660 path-to-RHEL-DVD.iso /var/www/html/redhat/iso
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow マウントされた ISO ファイルからブートローダー、カーネル、
initramfs
を HTML ディレクトリーにコピーします。cp -r /var/www/html/redhat/iso/images /var/www/html/redhat/ cp -r /var/www/html/redhat/iso/EFI /var/www/html/redhat/
# cp -r /var/www/html/redhat/iso/images /var/www/html/redhat/ # cp -r /var/www/html/redhat/iso/EFI /var/www/html/redhat/
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ブートローダー設定を編集可能にします。
chmod 644 /var/www/html/redhat/EFI/BOOT/grub.cfg
# chmod 644 /var/www/html/redhat/EFI/BOOT/grub.cfg
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow /var/www/html/redhat/EFI/BOOT/grub.cfg
ファイルを編集し、次のように内容を置き換えます。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow このファイル内で、次の文字列を置き換えます。
- RHEL-9-3-0-BaseOS-x86_64 および Red Hat Enterprise Linux 9.3
- ダウンロードした RHEL のバージョンと一致するようにバージョン番号を編集します。
- 192.168.124.2
- サーバーの IP アドレスに置き換えます。
EFI ブートファイルを実行可能にします。
chmod 755 /var/www/html/redhat/EFI/BOOT/BOOTX64.EFI
# chmod 755 /var/www/html/redhat/EFI/BOOT/BOOTX64.EFI
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ファイアウォールでポートを開いて、HTTP (80)、DHCP (67、68)、および DHCPv6 (546、547) トラフィックを許可します。
firewall-cmd --zone public \ --add-port={80/tcp,67/udp,68/udp,546/udp,547/udp}
# firewall-cmd --zone public \ --add-port={80/tcp,67/udp,68/udp,546/udp,547/udp}
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow このコマンドは、次にサーバーを再起動するまで、一時的にアクセスを有効にします。
-
オプション: 永続的アクセスを有効にするには、コマンドに
--permanent
オプションを追加します。 ファイアウォールルールを再読み込みします。
firewall-cmd --reload
# firewall-cmd --reload
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow HTTP サーバーを起動します。
systemctl enable --now httpd
# systemctl enable --now httpd
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow html
ディレクトリーとそのコンテンツを読み取り可能および実行可能にします。chmod -cR u=rwX,g=rX,o=rX /var/www/html
# chmod -cR u=rwX,g=rX,o=rX /var/www/html
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow html
ディレクトリーの SELinux コンテキストを復元します。restorecon -FvvR /var/www/html
# restorecon -FvvR /var/www/html
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