56.4. Pacemaker で管理されないリソース依存関係の起動順序の設定
クラスターは、クラスターが管理していない依存関係を持つリソースを含めることができます。この場合は、Pacemaker を起動する前にその依存関係を起動し、Pacemaker が停止した後に停止する必要があります。
systemd
resource-agents-deps
ターゲットを使用してこの条件を設定するために、スタートアップ順序を設定できます。このターゲットに対して systemd
ドロップインユニットを作成すると、Pacemaker はこのターゲットに対して相対的な順序を適切に設定できます。
たとえば、クラスターが管理していない外部サービス foo
に依存するリソースがクラスターに含まれている場合は、以下の手順を実行します。
以下を含むドロップインユニット
/etc/systemd/system/resource-agents-deps.target.d/foo.conf
を作成します。[Unit] Requires=foo.service After=foo.service
-
systemctl daemon-reload
コマンドを実行します。
この方法で指定するクラスターの依存関係はサービス以外のものとなります。たとえば、/srv
にファイルシステムをマウントする依存関係がある場合は、以下の手順を実行してください。
-
/etc/fstab
ファイルに/srv
が記載されていることを確認します。これは、システムマネージャーの設定が再読み込みされる際に、システムの起動時にsystemd
ファイルのsrv.mount
に自動的に変換されます。詳細は、man ページのsystemd.mount
(5) およびsystemd-fstab-generator
(8) を参照してください。 ディスクのマウント後に Pacemaker が起動するようにするには、以下を含むドロップインユニット
/etc/systemd/system/resource-agents-deps.target.d/srv.conf
を作成します。[Unit] Requires=srv.mount After=srv.mount
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systemctl daemon-reload
コマンドを実行します。
Pacemaker クラスターが使用する LVM ボリュームグループに、iSCSI ターゲットなど、リモートブロックストレージに存在する 1 つ以上の物理ボリュームが含まれている場合は、Pacemaker が起動する前にサービスが開始されるように、ターゲット用に systemd resource-agents-deps
ターゲットと systemd
ドロップインユニットを設定することができます。
以下の手順では、blk-availability.service
を依存関係として設定します。blk-availability.service
サービスは、iscsi.service
などのサービスが含まれるラッパーです。お使いのデプロイメントでこれが必要な場合は、blk-availability
の代わりに iscsi.service
(iSCSI のみ) または remote-fs.target
を依存関係として設定できます。
以下を含むドロップインユニット
/etc/systemd/system/resource-agents-deps.target.d/blk-availability.conf
を作成します。[Unit] Requires=blk-availability.service After=blk-availability.service
-
systemctl daemon-reload
コマンドを実行します。