第11章 高度な設定オプション
11.1. システムの目的の設定
システムの目的を使用して、Red Hat Enterprise Linux 8 システムの使用目的を記録します。システムの目的を設定すると、エンタイトルメントサーバーは最も適切なサブスクリプションを自動接続できます。このセクションは、キックスタートを使用して、システムの目的を設定する方法を説明します。
次の利点があります。
- システム管理および事業運営に関する詳細なシステムレベルの情報
- システムを調達した理由とその目的を判断する際のオーバーヘッドを削減
- Subscription Manager の自動割り当てと、システムの使用状況の自動検出および調整のカスタマーエクスペリエンスの向上
11.1.1. 概要
以下のいずれかの方法でシステムの目的のデータを入力できます。
- イメージの作成時
- Connect to Red Hat 画面を使用してシステムを登録し、Red Hat サブスクリプションを割り当てる際の GUI インストール時
-
syspurpose Kickstart
コマンドを使用したキックスタートインストール時 -
syspurpose
コマンドラインツール (CLI) を使用したインストール後
システムの目的を記録するために、システムの目的の以下のコンポーネントを設定できます。選択された値は、登録時にエンタイトルメントサーバーが、システムに最適なサブスクリプションを割り当てるのに使用されます。
- ロール
- Red Hat Enterprise Linux Server
- Red Hat Enterprise Linux Workstation
- Red Hat Enterprise Linux Compute Node
- サービスレベルアグリーメント
- Premium
- Standard
- Self-Support
- 使用方法
- Production
- Development/Test
- Disaster Recovery
11.1.2. キックスタートでシステムの目的の設定
以下の手順に従って、インストール時にシステムの目的を設定します。これを行うには、キックスタート設定ファイルで、キックスタートコマンドの syspurpose
を使用します。
システムの目的は Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムでは任意の機能ですが、最適なサブスクリプションを自動的にアタッチするためにシステムの目的を設定することを強く推奨します。
インストール完了後にシステムの目的を有効にすることもできます。これを行うには、syspurpose
コマンドラインツールを使用します。syspurpose
ツールのコマンドは、syspurpose
Kickstart コマンドとは異なります。
キックスタートコマンド syspurpose
では、以下のアクションが利用可能です。
- ロール
システムで計画しているロールを設定します。このアクションは以下の形式を使用します。
syspurpose --role=
割り当てられるロールは以下のとおりです。
-
Red Hat Enterprise Linux Server
-
Red Hat Enterprise Linux Workstation
-
Red Hat Enterprise Linux Compute Node
-
- SLA
システムで計画している SLA を設定します。このアクションは以下の形式を使用します。
syspurpose --sla=
割り当てられる SLA は以下の通りです。
-
Premium
-
Standard
-
Self-Support
-
- 使用方法
システムで計画している使用目的を設定します。このアクションは以下の形式を使用します。
syspurpose --usage=
割り当てられる使用方法は以下の通りです。
-
Production
-
Development/Test
-
Disaster Recovery
-
- アドオン
追加のレイヤード製品または機能。複数のアイテムを追加するには、階層化製品/機能ごとに 1 回使用する
--addon
を複数回指定します。このアクションは以下の形式を使用します。syspurpose --addon=