56.3. Pacemaker リモートノードの設定


リモートノードは、ocf:pacemaker:remote がリソースエージェントとして指定された状態で、クラスターリソースとして定義されます。pcs cluster node add-remote コマンドを使用してこのリソースを作成します。

56.3.1. リモートノードリソースのオプション

以下の表は、remote リソースに設定できるリソースオプションを示しています。

表56.2 リモートノードのリソースオプション
フィールドデフォルト説明

reconnect_interval

0

リモートノードへのアクティブな接続が切断された後、リモートノードへの再接続を試みる前に待機する時間 (秒単位)。この待機期間は繰り返し発生します。待機期間の後に再接続に失敗した場合、待機期間の後に、新しい再接続が試行されます。このオプションが使用されると、Pacemaker は待機期間の後に無限にリモートノードへ接続を試みます。

server

pcs host auth コマンドで指定されるアドレス

接続するサーバーの場所。IP アドレスまたはホスト名を指定できます。

port

 

接続する TCP ポート。

56.3.2. リモートノードの設定の概要

以下のセクションでは、Pacemaker リモートノードを設定し、そのノードを既存の Pacemaker クラスター環境に統合する手順の概要を説明します。

手順

  1. リモートノードを設定するノードで、ローカルファイアウォールを介してクラスター関連のサービスを許可します。

    # firewall-cmd --permanent --add-service=high-availability
    success
    # firewall-cmd --reload
    success
    注記

    iptables を直接使用する場合や、firewalld 以外のファイアウォールソリューションを使用する場合は、以下のポートを開きます。TCP ポート 2224 および 3121

  2. リモートノードに、pacemaker_remote デーモンをインストールします。

    # yum install -y pacemaker-remote resource-agents pcs
  3. リモートノードで、pcsd を開始し、有効にします。

    # systemctl start pcsd.service
    # systemctl enable pcsd.service
  4. リモートノードとして追加するノードに pcs を認証していない場合は、認証します。

    # pcs host auth remote1
  5. 以下のコマンドを使用して、リモートノードリソースをクラスターに追加します。このコマンドは、関連するすべての設定ファイルを新規ノードに追加し、ノードを起動し、これをシステムの起動時に pacemaker_remote を開始するように設定することもできます。このコマンドは、追加するリモートノードではなく、クラスターノードで実行する必要があります。

    # pcs cluster node add-remote remote1
  6. remote リソースをクラスターに追加した後、リモートノードを、クラスター内の他のノードを処理するのと同じように処理できます。たとえば、以下のコマンドをクラスターノードから実行すると、リソースを作成し、そのリソースにリソース制約を配置して、リモートノードで実行できます。

    # pcs resource create webserver apache configfile=/etc/httpd/conf/httpd.conf op monitor interval=30s
    # pcs constraint location webserver prefers remote1
    警告

    リソースグループ、コロケーション制約、または順序制約でノード接続リソースを利用しないでください。

  7. リモートノードのフェンスリソースを設定します。リモートノードは、クラスターノードと同じ方法でフェンスされます。クラスターノードと同様に、リモートノードで使用するフェンスリソースを設定します。リモートノードはフェンシングアクションを開始できないことに注意してください。クラスターノードのみが、実際に別のノードに対してフェンシング操作を実行できます。
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