45.3. 場所の制約方法の設定
場所の制約を使用する場合は、リソースをどのノードで実行できるかを指定する一般的な方法を設定できます。
- オプトインクラスター - デフォルトでは、すべてのリソースを、どのノードでも実行できません。そして、特定のリソースに対してノードを選択的に許可できるようにクラスターを設定します。
- オプトアウトクラスター - デフォルトでは、すべてのリソースをどのノードでも実行できるクラスターを設定してから、リソースを特定のノードで実行しないように、場所の制約を作成します。
クラスターでオプトインまたはオプトアウトのどちらを選択するかは、優先する設定やクラスターの設定により異なります。ほとんどのリソースをほとんどのノードで実行できるようにする場合は、オプトアウトを使用した方が設定しやすくなる可能性があります。ほとんどのリソースを、一部のノードでのみ実行する場合は、オプトインを使用した方が設定しやすくなる可能性があります。
45.3.1. オプトインクラスターの設定
オプトインクラスターを作成する場合は、クラスタープロパティー symmetric-cluster
を false
に設定し、デフォルトでは、いずれのノードでもリソースの実行を許可しないようにします。
# pcs property set symmetric-cluster=false
個々のリソースでノードを有効にします。以下のコマンドは、場所の制約を設定し、Webserver
リソースでは example-1
ノードが優先され、Database
リソースでは example-2
ノードが優先されるようにし、いずれのリソースも優先ノードに障害が発生した場合は example-3
ノードにフェイルオーバーできるようにします。オプトインクラスターに場所の制約を設定する場合は、スコアをゼロに設定すると、リソースに対してノードの優先や回避を指定せずに、リソースをノードで実行できます。
# pcs constraint location Webserver prefers example-1=200 # pcs constraint location Webserver prefers example-3=0 # pcs constraint location Database prefers example-2=200 # pcs constraint location Database prefers example-3=0
45.3.2. オプトアウトクラスターの設定
オプトアウトクラスターを作成するには、クラスタープロパティー symmetric-cluster
を true
に設定し、デフォルトで、すべてのノードでリソースの実行を許可します。これは、symmetric-cluster
が明示的に設定されていない場合のデフォルト設定です。
# pcs property set symmetric-cluster=true
以下のコマンドを実行すると、オプトインクラスターの設定の例と同じ設定になります。全ノードのスコアは暗黙で 0 になるため、優先ノードに障害が発生した場合はいずれのリソースも example-3
ノードにフェイルオーバーできます。
# pcs constraint location Webserver prefers example-1=200 # pcs constraint location Webserver avoids example-2=INFINITY # pcs constraint location Database avoids example-1=INFINITY # pcs constraint location Database prefers example-2=200
INFINITY は、スコアのデフォルト値であるため、上記コマンドでは、スコアに INFINITY を指定する必要はないことに注意してください。