1.4. RHEL Image Builder Web コンソールインターフェイスを使用したシステムイメージの作成


RHEL Image Builder は、カスタムのシステムイメージを作成するツールです。RHEL Image Builder を制御してカスタムシステムイメージを作成する場合は、Web コンソールインターフェイスを使用できます。ただし、コマンドラインインターフェイスの方が提供している機能が多いため、コマンドラインインターフェイスを使用することが推奨されます。

1.4.1. RHEL Web コンソールでの RHEL Image Builder ダッシュボードへのアクセス

RHEL Web コンソール用の cockpit-composer プラグインを使用すると、グラフィカルインターフェイスを使用して Image Builder のブループリントと設定を管理できます。

前提条件

  • システムへの root アクセス権限がある。
  • RHEL Image Builder がインストールされている。
  • cockpit-composer パッケージがインストールされている。

手順

  1. ホスト上で、Web ブラウザーで https://<_localhost_>:9090/ を開きます。
  2. root ユーザーとして Web コンソールにログインします。
  3. RHEL Image Builder のコントロールを表示するには、ウィンドウの左上隅にある Image Builder ボタンをクリックします。

    RHEL Image Builder ダッシュボードが開き、既存のブループリントがあればそれがリストされます。

1.4.2. Web コンソールインターフェイスでのブループリントの作成

ブループリントの作成は、カスタマイズされた RHEL システムイメージを作成する前に必要な手順です。すべてのカスタマイズはオプションです。

注記

これらのブループリントのカスタマイズは、Red Hat Enterprise Linux 9.2 以降のバージョンおよび Red Hat Enterprise Linux 8.8 以降のバージョンで利用できます。

前提条件

手順

  1. 右上隅にある Create Blueprint をクリックします。

    ブループリントの名前と説明のフィールドを含むダイアログウィザードが開きます。

  2. Details ページで以下を行います。

    1. ブループリントの名前と、必要に応じてその説明を入力します。
    2. Next をクリックします。
  3. オプション: Packages ページで以下を行います。

    1. Available packages の検索で、パッケージ名を入力します。
    2. > ボタンをクリックして Chosen packages フィールドに移動します。
    3. 前の手順を繰り返して、必要な数のパッケージを検索して含めます。
    4. Next をクリックします。

      注記

      特に指定がない限り、これらのカスタマイズはすべてオプションです。

  4. Kernel ページで、カーネル名とコマンドライン引数を入力します。
  5. File system ページで、お使いのイメージファイルシステムに合わせて Use automatic partitioning または Manually configure partitions を選択します。パーティションを手動で設定するには、次の手順を実行します。

    1. Manually configure partitions ボタンをクリックします。

      Configure partitions セクションが開き、Red Hat 標準およびセキュリティーガイドに基づく設定が表示されます。

    2. ドロップダウンメニューから、パーティションを設定するための詳細を入力します。

      1. Mount point フィールドに、以下のマウントポイントタイプオプションのいずれかを選択します。

        • / - ルートマウントポイント
        • /var
        • /home
        • /opt
        • /srv/
        • /usr
        • /app
        • /data
        • /tmp
        • /usr/local

          /tmp などの追加のパスを Mount point に追加することもできます。例: 接頭辞 /var と、追加パス /tmp で、/var/tmp になります。

          注記

          選択した Mount point のタイプに応じて、ファイルシステムのタイプが xfs に変わります。

      2. ファイルシステムの Minimum size partition フィールドに、必要な最小パーティションサイズを入力します。Minimum size ドロップダウンメニューでは、GiBMiBKiB などの一般的なサイズ単位を使用できます。デフォルトの単位は GiB です。

        注記

        Minimum size とは、作業用イメージの作成には小さすぎる場合にも RHEL Image Builder がパーティションサイズを増加できるという意味です。

    3. さらにパーティションを追加するには、Add partition ボタンをクリックします。以下のエラーメッセージが表示された場合は、以下を行います。Duplicate partitions:Only one partition at each mount point can be created.

      1. Remove ボタンをクリックして、重複したパーティションを削除します。
      2. 作成するパーティションの新しいマウントポイントを選択します。
    4. パーティションの設定が完了したら、Next をクリックします。
  6. Services ページで、サービスを有効または無効にします。

    1. 有効または無効にするサービス名をコンマまたはスペースで区切るか、Enter キーを押して入力します。Next をクリックします。
  7. Firewall ページで、ファイアウォールを設定します。

    1. Ports と、有効または無効にするファイアウォールサービスを入力します。
    2. Add zone ボタンをクリックして、各ゾーンのファイアウォールルールを個別に管理します。Next をクリックします。
  8. Users ページで、以下の手順に従ってユーザーを追加します。

    1. Add user をクリックします。
    2. Usernamepassword、および SSH key を入力します。Server administrator チェックボックスをクリックして、ユーザーを特権ユーザーとしてマークすることもできます。Next をクリックします。
  9. Groups ページで、次の手順を実行してグループを追加します。

    1. Add groups ボタンをクリックします。

      1. Group nameGroup ID を入力します。グループをさらに追加できます。Next をクリックします。
  10. SSH keys ページで、キーを追加します。

    1. Add key ボタンをクリックします。

      1. SSH キーを入力します。
      2. User を入力します。Next をクリックします。
  11. Timezone ページで、タイムゾーンを設定します。

    1. Timezone フィールドに、システムイメージに追加するタイムゾーンを入力します。たとえば、次のタイムゾーン形式を追加します。"US/Eastern"。

      タイムゾーンを設定しない場合、システムはデフォルトとして協定世界時 (UTC) を使用します。

    2. NTP サーバーを入力します。Next をクリックします。
  12. Locale ページで、以下の手順を実行します。

    1. Keyboard 検索フィールドに、システムイメージに追加するパッケージ名を入力します。たとえば、["en_US.UTF-8"] と入力します。
    2. Languages 検索フィールドに、システムイメージに追加するパッケージ名を入力します。たとえば、"us" と入力します。Next をクリックします。
  13. Others ページで、次の手順を実行します。

    1. Hostname フィールドに、システムイメージに追加するホスト名を入力します。ホスト名を追加しない場合、オペレーティングシステムによってホスト名が決定されます。
    2. Simplifier Installer イメージでのみ必須:Installation Devices フィールドに、システムイメージの有効なノードを入力します。たとえば、dev/sda1 と入力します。Next をクリックします。
  14. FIDO イメージをビルドする場合にのみ必須:FIDO device onboarding ページで、次の手順を実行します。

    1. Manufacturing server URL フィールドに、次の情報を入力します。

      1. DIUN public key insecure フィールドに、セキュアでない公開鍵を入力します。
      2. DIUN public key hash フィールドに、公開鍵ハッシュを入力します。
      3. DIUN public key root certs フィールドに、公開鍵ルート証明書を入力します。Next をクリックします。
  15. OpenSCAP ページで、次の手順を実行します。

    1. Datastream フィールドに、システムイメージに追加する datastream 修復手順を入力します。
    2. Profile ID フィールドに、システムイメージに追加する profile_id セキュリティープロファイルを入力します。Next をクリックします。
  16. Ignition イメージをビルドする場合にのみ必須:Ignition ページで、次の手順を実行します。

    1. Firstboot URL フィールドに、システムイメージに追加するパッケージ名を入力します。
    2. Embedded Data フィールドに、ファイルをドラッグまたはアップロードします。Next をクリックします。
  17. .Review ページで、ブループリントの詳細を確認します。Create をクリックします。

RHEL Image Builder ビューが開き、既存のブループリントのリストが表示されます。

1.4.3. RHEL Image Builder Web コンソールインターフェイスでのブループリントのインポート

既存のブループリントをインポートして使用できます。システムがすべての依存関係を自動的に解決します。

前提条件

  • ブラウザーの Web コンソールから RHEL Image Builder アプリケーションを開いている。
  • RHEL Image Builder Web コンソールインターフェイスで使用するためにインポートするブループリントがある。

手順

  1. RHEL Image Builder ダッシュボードで、Import blueprint をクリックします。Import blueprint が開きます。
  2. Upload フィールドから、既存のブループリントをドラッグまたはアップロードします。TOMLJSON のどちらかの形式のブループリントを使用できます。
  3. Import をクリックします。ダッシュボードに、インポートしたブループリントがリストされます。

検証

インポートしたブループリントをクリックすると、インポートしたブループリントのすべてのカスタマイズを含むダッシュボードにアクセスできます。

  • インポートしたブループリント用に選択されているパッケージを確認するには、Packages タブに移動します。

    • すべてのパッケージの依存関係を一覧表示するには、All をクリックします。リストは検索可能で、並べ替えることもできます。

次のステップ

  • オプション: カスタマイズを変更するには、以下を実行します。

    • Customizations ダッシュボードから、変更するカスタマイズをクリックします。必要に応じて、Edit blueprint をクリックして、利用可能なすべてのカスタマイズオプションに移動できます。

1.4.4. RHEL Image Builder Web コンソールインターフェイスからのブループリントのエクスポート

ブループリントをエクスポートして、別のシステムでカスタマイズを使用できます。ブループリントは TOML または JSON 形式でエクスポートできます。どちらの形式も CLI だけでなく API インターフェイスでも使用できます。

前提条件

  • ブラウザーの Web コンソールから RHEL Image Builder アプリケーションを開いている。
  • エクスポートするブループリントがある。

手順

  1. Image Builder ダッシュボードで、エクスポートするブループリントを選択します。
  2. Export blueprint をクリックします。Export blueprint が開きます。
  3. Export ボタンをクリックしてブループリントをファイルとしてダウンロードするか、Copy ボタンをクリックしてブループリントをクリップボードにコピーします。

    1. オプション: Copy ボタンをクリックしてブループリントをコピーします。

検証

  • エクスポートしたブループリントをテキストエディターで開き、検査して確認します。

1.4.5. Web コンソールインターフェイスで RHEL Image Builder を使用してシステムイメージを作成する

次の手順を実行すると、ブループリントからカスタマイズされた RHEL システムイメージを作成できます。

前提条件

  • ブラウザーの Web コンソールから RHEL Image Builder アプリケーションを開いている。
  • ブループリントを作成している。

手順

  1. RHEL Image Builder ダッシュボードで、blueprint タブをクリックします。
  2. ブループリントのテーブルで、イメージをビルドするブループリントを見つけます。
  3. 選択したブループリントの右側で、Create Image をクリックします。Create image ダイアログウィザードが開きます。
  4. Image output ページで、次の手順を実行します。

    1. Select a blueprint リストから、必要なイメージのタイプを選択します。
    2. Image output type リストから、必要なイメージの出力タイプを選択します。

      選択したイメージの種類に応じて、さらに詳細を追加する必要があります。

  5. Next をクリックします。
  6. Review ページで、イメージの作成に関する詳細を確認し、Create image をクリックします。

    イメージのビルドが開始され、完了するまでに最大 20 分かかります。

検証

イメージのビルドが完了したら、次のことが可能になります。

  • イメージをダウンロードします。

    • RHEL Image Builder ダッシュボードで、Node options (⫶) メニューをクリックし、Download image を選択します。
  • イメージのログをダウンロードして要素を検査し、問題がないかどうかを確認します。

    • RHEL Image Builder ダッシュボードで、Node options (⫶) メニューをクリックし、Download logs を選択します。
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