22.2. 複数のインターフェイスで同じ IP アドレスを一時的に再利用
VRF (Virtual Routing and Forwarding) 機能を使用して、1 台のサーバーの異なるインターフェイスで同じ IP アドレスを一時的に使用できます。この手順は、システムの再起動後に設定が一時的で失われてしまうため、テスト目的にのみ使用します。
同じ IP アドレスを再利用しながら、リモートのピアが VRF インターフェイスの両方に接続するようにするには、ネットワークインターフェイスが異なるブロードキャストドメインに属する必要があります。ネットワークのブロードキャストドメインは、ノードのいずれかによって送信されたブロードキャストトラフィックを受信するノードセットです。ほとんどの設定では、同じスイッチに接続されているすべてのノードが、同じブロードキャストドメインに属するようになります。
前提条件
-
root
ユーザーとしてログインしている。 - ネットワークインターフェイスが設定されていない。
手順
最初の VRF デバイスを作成して設定します。
VRF デバイスを作成し、ルーティングテーブルに割り当てます。たとえば、
1001
ルーティングテーブルに割り当てられたblue
という名前の VRF デバイスを作成するには、次のコマンドを実行します。# ip link add dev blue type vrf table 1001
blue
デバイスを有効にします。# ip link set dev blue up
VRF デバイスにネットワークデバイスを割り当てます。たとえば、イーサネットデバイス
enp1s0
を、VRF デバイスblue
に追加するには、次のコマンドを実行します。# ip link set dev enp1s0 master blue
enp1s0
デバイスを有効にします。# ip link set dev enp1s0 up
IP アドレスとサブネットマスクを
enp1s0
デバイスに割り当てます。たとえば、192.0.2.1/24
に設定するには、以下を実行します。# ip addr add dev enp1s0 192.0.2.1/24
次の VRF デバイスを作成して設定します。
VRF デバイスを作成し、ルーティングテーブルに割り当てます。たとえば、ルーティングテーブル
1002
に割り当てられたred
という名前の VRF デバイスを作成するには、次のコマンドを実行します。# ip link add dev red type vrf table 1002
red
デバイスを有効にします。# ip link set dev red up
VRF デバイスにネットワークデバイスを割り当てます。たとえば、イーサネットデバイス
enp7s0
を、VRF デバイスred
に追加するには、次のコマンドを実行します。# ip link set dev enp7s0 master red
enp7s0
デバイスを有効にします。# ip link set dev enp7s0 up
VRF ドメイン
blue
のenp1s0
に使用したものと同じ IP アドレスとサブネットマスクをenp7s0
デバイスに割り当てます。# ip addr add dev enp7s0 192.0.2.1/24
- オプション: 上記の説明に従って、さらに VRF デバイスを作成します。