52.8. 多数のリソースを使用した大規模なクラスターの設定
デプロイするクラスターにノードとリソースが多数含まれる場合に、クラスターの以下のパラメーターのデフォルト値を変更する必要がある場合があります。
cluster-ipc-limit
クラスタープロパティーcluster-ipc-limit
クラスタープロパティーは、あるクラスターデーモンが別のクラスターデーモンを切断するまでに対応できる IPC メッセージバッグログの最大数になります。多数のリソースを消去するか、大規模なクラスターで同時にリソースを変更すると、多数の CIB 更新が一度に行われます。これが原因で、CIB イベントキューのしきい値に到達するまでに Pacemaker サービスで全設定の更新を処理する時間がない場合には、低速なクライアントがエビクトされる可能性がありました。大規模なクラスターで使用するための
cluster-ipc-limit
の推奨値は、クラスターのリソース数にノード数を乗算した値です。この値は、クラスターデーモン PID の Evicting client メッセージがログに表示されると増える可能性があります。pcs property set
コマンドを使用して、cluster-ipc-limit
の値をデフォルト値 500 から増やすことができます。たとえば、リソースが 200 個ある 10 ノードクラスターの場合には、以下のコマンドを使用してcluster-ipc-limit
の値を 2000 に設定できます。# pcs property set cluster-ipc-limit=2000
PCMK_ipc_buffer
Pacemaker パラメーター非常に大規模なデプロイメントでは、内部 Pacemaker メッセージがメッセージバッファーのサイズを超える可能性があります。バッファーサイズを超えると、以下の形式のシステムログにメッセージが表示されます。
Compressed message exceeds X% of configured IPC limit (X bytes); consider setting PCMK_ipc_buffer to X or higher
このメッセージが表示されると、各ノードの
/etc/sysconfig/pacemaker
設定ファイルでPCMK_ipc_buffer
の値を増やしてください。たとえば、PCMK_ipc_buffer
の値をデフォルト値から 13396332 バイトに増やすには、以下のようにクラスター内の各ノードの/etc/sysconfig/pacemaker
ファイルのアンコメントされているPCMK_ipc_buffer
フィールドを変更します。PCMK_ipc_buffer=13396332
この変更を適用するには、以下のコマンドを実行します。
# systemctl restart pacemaker