9.12. AIDE で整合性の確認
Advanced Intrusion Detection Environment (AIDE) は、システムにファイルのデータベースを作成し、そのデータベースを使用してファイルの整合性を確保し、システムの侵入を検出するユーティリティーです。
9.12.1. AIDE のインストール
AIDE を使用してファイル整合性チェックを開始するには、対応するパッケージをインストールし、AIDE データベースを初期化する必要があります。
前提条件
-
AppStream
リポジトリーが有効になっている。
手順
aide
パッケージをインストールします。# yum install aide
初期データベースを生成します。
# aide --init Start timestamp: 2024-07-08 10:39:23 -0400 (AIDE 0.16) AIDE initialized database at /var/lib/aide/aide.db.new.gz Number of entries: 55856 --------------------------------------------------- The attributes of the (uncompressed) database(s): --------------------------------------------------- /var/lib/aide/aide.db.new.gz … SHA512 : mZaWoGzL2m6ZcyyZ/AXTIowliEXWSZqx IFYImY4f7id4u+Bq8WeuSE2jasZur/A4 FPBFaBkoCFHdoE/FW/V94Q==
-
オプション: デフォルト設定では、
aide --init
コマンドは、/etc/aide.conf
ファイルで定義するディレクトリーとファイルのセットのみを確認します。ディレクトリーまたはファイルを AIDE データベースに追加し、監視パラメーターを変更するには、/etc/aide.conf
を変更します。 データベースの使用を開始するには、初期データベースのファイル名から末尾の
.new
を削除します。# mv /var/lib/aide/aide.db.new.gz /var/lib/aide/aide.db.gz
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オプション: AIDE データベースの場所を変更するには、
/etc/aide.conf
ファイルを編集し、DBDIR
値を変更します。追加のセキュリティーのデータベース、設定、/usr/sbin/aide
バイナリーファイルを、読み取り専用メディアなどの安全な場所に保存します。
9.12.2. AIDE を使用した整合性チェックの実行
crond
サービスを使用すると、AIDE で定期的なファイル整合性チェックをスケジュールできます。
前提条件
- AIDE が適切にインストールされ、データベースが初期化されている。AIDE のインストール を参照してください。
手順
手動でチェックを開始するには、以下を行います。
# aide --check Start timestamp: 2024-07-08 10:43:46 -0400 (AIDE 0.16) AIDE found differences between database and filesystem!! Summary: Total number of entries: 55856 Added entries: 0 Removed entries: 0 Changed entries: 1 --------------------------------------------------- Changed entries: --------------------------------------------------- f ... ..S : /root/.viminfo --------------------------------------------------- Detailed information about changes: --------------------------------------------------- File: /root/.viminfo SELinux : system_u:object_r:admin_home_t:s | unconfined_u:object_r:admin_home 0 | _t:s0 …
少なくとも、AIDE を毎週実行するようにシステムを設定します。最適な設定としては、AIDE を毎日実行します。たとえば、
cron
コマンドを使用して毎日午前 04:05 に AIDE を実行するようにスケジュールするには、/etc/crontab
ファイルに次の行を追加します。05 4 * * * root /usr/sbin/aide --check
関連情報
-
システム上の
cron(8)
man ページ
9.12.3. AIDE データベースの更新
パッケージの更新や設定ファイルの調整など、システムの変更が確認できたら、基本となる AIDE データベースも更新します。
前提条件
- AIDE が適切にインストールされ、データベースが初期化されている。AIDE のインストール を参照してください。
手順
基本となる AIDE データベースを更新します。
# aide --update
aide --update
コマンドは、/var/lib/aide/aide.db.new.gz
データベースファイルを作成します。-
整合性チェックで更新したデータベースを使用するには、ファイル名から末尾の
.new
を削除します。
9.12.4. ファイル整合性ツール:AIDE および IMA
Red Hat Enterprise Linux は、システム上のファイルとディレクトリーの整合性をチェックおよび保持するためのさまざまなツールを提供します。次の表は、シナリオに適したツールを決定するのに役立ちます。
比較項目 | Advanced Intrusion Detection Environment (AIDE) | Integrity Measurement Architecture (IMA) |
---|---|---|
確認対象 | AIDE は、システム上のファイルとディレクトリーのデータベースを作成するユーティリティーです。このデータベースは、ファイルの整合性をチェックし、侵入を検出するのに役立ちます。 | IMA は、以前に保存された拡張属性と比較してファイル測定値 (ハッシュ値) をチェックすることにより、ファイルが変更されているかどうかを検出します。 |
確認方法 | AIDE はルールを使用して、ファイルとディレクトリーの整合性状態を比較します。 | IMA は、ファイルハッシュ値を使用して侵入を検出します。 |
理由 | 検出- AIDE は、ルールを検証することにより、ファイルが変更されているかどうかを検出します。 | 検出と防止- IMA は、ファイルの拡張属性を置き換えることにより、攻撃を検出および防止します。 |
使用方法 | AIDE は、ファイルまたはディレクトリーが変更されたときに脅威を検出します。 | 誰かがファイル全体の変更を試みた時に、IMA は脅威を検出します。 |
範囲 | AIDE は、ローカルシステム上のファイルとディレクトリーの整合性をチェックします。 | IMA は、ローカルシステムとリモートシステムのセキュリティーを確保します。 |