26.4. Stratis ファイルシステムでのスナップショットの使用
Stratis ファイルシステムのスナップショットを使用して、ファイルシステムの状態を任意の時点でキャプチャーし、後でそれを復元できます。
Stratis はテクノロジープレビュー機能としてのみご利用いただけます。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat では、実稼働環境での使用を推奨していません。テクノロジープレビュー機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行い、フィードバックを提供していただくことを目的としています。Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲の詳細は、https://access.redhat.com/ja/support/offerings/techpreview/ を参照してください。
26.4.1. Stratis スナップショットの特徴
Stratis では、スナップショットは、別の Stratis ファイルシステムのコピーとして作成した通常の Stratis ファイルシステムです。スナップショットには、元のファイルシステムと同じファイルの内容が含まれていますが、スナップショットが変更するときにファイル内容が変更する可能性があります。スナップショットにどんな変更を加えても、元のファイルシステムには反映されません。
Stratis の現在のスナップショット実装は、次のような特徴があります。
- ファイルシステムのスナップショットは別のファイルシステムです。
- スナップショットと元のファイルシステムのリンクは、有効期間中は行われません。スナップショットされたファイルシステムは、元のファイルシステムよりも長く存続します。
- スナップショットを作成するためにファイルシステムをマウントする必要はありません。
- 各スナップショットは、XFS ログに必要となる実際のバッキングストレージの約半分のギガバイトを使用します。
26.4.2. Stratis スナップショットの作成
この手順では、既存の Stratis ファイルシステムのスナップショットとして Stratis ファイルシステムを作成します。
前提条件
- Stratis がインストールされている。Stratis のインストール を参照してください。
-
stratisd
サービスを実行している。 - Stratis ファイルシステムを作成している。Stratis ファイルシステムの作成 を参照してください。
手順
Stratis スナップショットを作成するには、次のコマンドを実行します。
# stratis fs snapshot my-pool my-fs my-fs-snapshot
関連情報
-
システム上の
stratis(8)
man ページ
26.4.3. Stratis スナップショットのコンテンツへのアクセス
この手順では、Stratis ファイルシステムのスナップショットをマウントして、読み書き操作にアクセスできるようにします。
前提条件
- Stratis がインストールされている。Stratis のインストール を参照してください。
-
stratisd
サービスを実行している。 - Stratis スナップショットを作成している。Stratis ファイルシステムの作成 を参照してください。
手順
スナップショットにアクセスするには、
/dev/stratis/my-pool/
ディレクトリーから通常のファイルシステムとしてマウントします。# mount /dev/stratis/my-pool/my-fs-snapshot mount-point
関連情報
- Stratis ファイルシステムのマウント
-
システム上の
mount(8)
man ページ
26.4.4. Stratis ファイルシステムを以前のスナップショットに戻す
この手順では、Stratis ファイルシステムの内容を、Stratis スナップショットでキャプチャーされた状態に戻します。
前提条件
- Stratis がインストールされている。Stratis のインストール を参照してください。
-
stratisd
サービスを実行している。 - Stratis スナップショットを作成している。Stratis スナップショットの作成 を参照してください。
手順
オプション: オプション: 後でアクセスできるように、ファイルシステムの現在の状態をバックアップします。
# stratis filesystem snapshot my-pool my-fs my-fs-backup
元のファイルシステムをアンマウントして削除します。
# umount /dev/stratis/my-pool/my-fs # stratis filesystem destroy my-pool my-fs
元のファイルシステムの名前でスナップショットのコピーを作成します。
# stratis filesystem snapshot my-pool my-fs-snapshot my-fs
元のファイルシステムと同じ名前でアクセスできるようになったスナップショットをマウントします。
# mount /dev/stratis/my-pool/my-fs mount-point
my-fs という名前のファイルシステムの内容は、スナップショット my-fs-snapshot と同じになりました。
関連情報
-
システム上の
stratis(8)
man ページ
26.4.5. Stratis スナップショットの削除
この手順では、Stratis スナップショットをプールから削除します。スナップショットのデータは失われます。
前提条件
- Stratis がインストールされている。Stratis のインストール を参照してください。
-
stratisd
サービスを実行している。 - Stratis スナップショットを作成している。Stratis スナップショットの作成 を参照してください。
手順
スナップショットをアンマウントします。
# umount /dev/stratis/my-pool/my-fs-snapshot
スナップショットを破棄します。
# stratis filesystem destroy my-pool my-fs-snapshot
関連情報
-
システム上の
stratis(8)
man ページ