検索

67.2. クラスターリソースの手動による移行

download PDF

クラスターの設定を無視して、強制的にリソースを現在の場所から移行させることができます。次のような 2 つの状況が考えられます。

  • ノードがメンテナンスで、そのノードで実行中の全リソースを別のノードに移行する必要がある
  • 個別に指定したリソースを移行する必要がある

ノードで実行中の全リソースを別のノードに移行する場合は、そのノードをスタンバイモードにします。

個別に指定したリソースは、以下のいずれかの方法で移行できます。

  • pcs resource move コマンドを使用して、現在実行しているノードからリソースを移行できます。
  • pcs resource relocate run コマンドを使用して、現在のクラスターのステータス、制約、リソースの場所、およびその他の設定により決定される優先ノードへ、リソースを移行します。

67.2.1. 現在のノードからのリソースの移動

現在実行しているノードからリソースを移動するには、以下のコマンドを使用して、リソースの resource_id を定義どおりに指定します。移行するリソースを実行する移行先のノードを指定する場合は、destination_node を使用します。

pcs resource move resource_id [destination_node] [--master] [lifetime=lifetime]
注記

pcs resource move コマンドを実行すると、現在実行しているノードでリソースが実行されないように、制約がリソースに追加されます。RHEL 8.6 以降、このコマンドに --autodelete オプションを指定できるようになり、リソースが移動されると、このコマンドが作成する場所の制約が自動的に削除されます。以前のリリースでは、pcs resource clear または pcs constraint delete コマンドを実行して、制約を手動で削除できます。制約を削除しても、リソースが必ずしも元のノードに戻る訳ではありません。この時点でリソースが実行できる場所は、リソースの最初の設定方法によって異なります。

pcs resource move コマンドで --master パラメーターを指定すると、制約はリソースの昇格されたインスタンスにのみ適用されます。

任意で pcs resource move コマンドの lifetime パラメーターを設定すると、制限が維持される期間を指定できます。lifetime パラメーターの単位は、ISO 8601 に定義されている形式に従って指定します。ISO 8601 では、Y (年)、M (月)、W (週)、D (日)、H (時)、M (分)、S (秒) のように、単位を大文字で指定する必要があります。

分単位の M と、月単位の M を区別するには、分単位の値の前に PT を指定する必要があります。たとえば、lifetime パラメーターが 5M の場合は 5 カ月の間隔を示し、lifetime パラメーターが PT5M の場合は 5 分の間隔を示します。

以下のコマンドは、resource1 リソースを example-node2 ノードへ移動し、1 時間 30 分は元のノードへ戻らないようにします。

pcs resource move resource1 example-node2 lifetime=PT1H30M

以下のコマンドは、resource1 リソースを example-node2 ノードへ移行し、30 分は元のノードへ戻らないようにします。

pcs resource move resource1 example-node2 lifetime=PT30M

67.2.2. リソースを優先ノードへ移行

フェイルオーバーや管理者の手作業によるノードの移行により、リソースが移行した後、フェイルオーバーの原因となった状況が改善されたとしても、そのリソースが必ずしも元のノードに戻るとは限りません。リソースを優先ノードへ移行するには、以下のコマンドを実行します。優先ノードは、現在のクラスター状態、制約、リソースの場所、およびその他の設定により決定され、時間とともに変更する可能性があります。

pcs resource relocate run [resource1] [resource2] ...

リソースを指定しないと、すべてのリソースが優先ノードに移行します。

このコマンドは、リソースのスティッキネスを無視し、各リソースの優先ノードを算出します。優先ノードの算出後、リソースを優先ノードに移行する場所の制約を作成します。リソースが移行すると、制約が自動的に削除されます。pcs resource relocate run コマンドによって作成された制約をすべて削除するには、pcs resource relocate clear コマンドを入力します。リソースの現在の状態と、リソースのスティッキネスを無視した最適なノードを表示する場合は、pcs resource relocate show コマンドを実行します。

Red Hat logoGithubRedditYoutubeTwitter

詳細情報

試用、購入および販売

コミュニティー

Red Hat ドキュメントについて

Red Hat をお使いのお客様が、信頼できるコンテンツが含まれている製品やサービスを活用することで、イノベーションを行い、目標を達成できるようにします。

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。このような変更は、段階的に実施される予定です。詳細情報: Red Hat ブログ.

会社概要

Red Hat は、企業がコアとなるデータセンターからネットワークエッジに至るまで、各種プラットフォームや環境全体で作業を簡素化できるように、強化されたソリューションを提供しています。

© 2024 Red Hat, Inc.