19.11. 異なるタイプのバインドの有効化
エンティティーが Directory Server にログインするかアクセスするたびにディレクトリーに バインド されます。バインド操作にはさまざまな種類があり、バインドの方法に応じたもの (シンプルバインドやオートバインドなど) や、ディレクトリーにバインドするユーザーのアイデンティティーに応じたもの (匿名バインドや未認証バインド) があります。
以下のセクションでは、バインドのセキュリティーを高めたり (「セキュアなバインドの要求」)、バインド操作を効率化したり (「自動バインドの設定」など) するための設定パラメーターを紹介します。
19.11.1. セキュアなバインドの要求
単純なバインドは、エンティティーが単純なバインド DN とパスワードの組み合わせを使用して Directory Server に対して認証される場合です。コマンドラインからパスワードを直接送信するのではなく、パスワードファイルを使用することは可能ですが、いずれの方法でもネットワーク経由で平文のパスワードを送受信する必要があります。これでは、接続を盗聴された場合に、パスワードが脆弱になってしまいます。
セキュアな接続(TLS または Start TLS)で単純なバインドを行うことが必要になる場合があります。これにより、バインド操作で送信される平文のパスワードを実質的に暗号化できます。(SASL 認証や証明書ベースの認証など、簡易バインドの代わりに使用することも可能です。)
重要
通常ユーザーは、サーバーおよび LDAP 操作にログインすると、単純なバインドにセキュアな接続を要求することで、サーバー間の接続に影響があります。たとえば、レプリケーション、同期、データベースチェーンはすべて、サーバー間で単純なバインドを使用できます。
nsslapd-require-secure-binds
属性が有効にになっている場合は、レプリカ合意、同期合意、およびチェーン設定がセキュアな接続を指定するようにしてください。それ以外の場合、これらの操作は失敗します。
注記
バインド操作のセキュアな接続を 認証バインド にのみ適用する必要があります。パスワードのないバインド操作 (匿名および認証されていないバインド) は、標準の接続を引き継ぐことができます。
nsslapd-require-secure-binds
属性を cn=config エントリーに追加します。# ldapmodify -D "cn=Directory Manager" -W -x dn: cn=config changetype: modify replace: nsslapd-require-secure-binds nsslapd-require-secure-binds: on
- サービスを再起動します。
# systemctl restart dirsrv.target