1.4.13. インストール設定パラメーター


OpenShift Container Platform クラスターをデプロイする前に、クラスターをホストするクラウドプラットフォームでアカウントを記述し、クラスターのプラットフォームをオプションでカスタマイズするためにパラメーターの値を指定します。install-config.yaml インストール設定ファイルを作成する際に、コマンドラインで必要なパラメーターの値を指定します。クラスターをカスタマイズする場合、install-config.yaml ファイルを変更して、プラットフォームについての詳細情報を指定できます。

注記

インストール後は、install-config.yaml ファイルでこれらのパラメーターを変更することはできません。

表1.17 必須パラメーター
パラメーター説明

baseDomain

クラウドプロバイダーのベースドメイン。この値は、OpenShift Container Platform クラスターコンポーネントへのルートを作成するために使用されます。クラスターの完全な DNS 名は、baseDomain<metadata.name>.<baseDomain> 形式を使用する metadata.name パラメーターの値の組み合わせです。

example.com などの完全修飾ドメインまたはサブドメイン名。

controlPlane.platform

コントロールプレーンマシンをホストするためのクラウドプロバイダー。このパラメーターの値は compute.platform パラメーターの値に一致する必要があります。

awsazuregcpopenstack、または {}

compute.platform

ワーカーマシンをホストするためのクラウドプロバイダー。このパラメーターの値は controlPlane.platform パラメーターの値に一致する必要があります。

awsazuregcpopenstack、または {}

metadata.name

クラスターの名前。

dev などの大文字または小文字を含む文字列。文字列は 14 文字以上でなければなりません。

platform.<platform>.region

クラスターをデプロイするリージョン。

AWS の us-east-1 または Azure の centralus などの、クラウドの有効なリージョン。Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) はこのパラメーターを使用しません。

pullSecret

Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Pull Secret ページから取得したプルシークレット。このプルシークレットを使用し、OpenShift Container Platform コンポーネントのコンテナーイメージを提供する、Quay.io などの組み込まれた各種の認証局によって提供されるサービスで認証できます。

{
   "auths":{
      "cloud.openshift.com":{
         "auth":"b3Blb=",
         "email":"you@example.com"
      },
      "quay.io":{
         "auth":"b3Blb=",
         "email":"you@example.com"
      }
   }
}
表1.18 オプションのパラメーター
パラメーター説明

sshKey

クラスターマシンにアクセスするために使用する SSH キー。

注記

インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、ssh-agent プロセスが使用する SSH キーを指定します。

ssh-agent プロセスに追加した、有効なローカルのパブリック SSH キー。

FIPS

FIPS モードを有効または無効にするかどうか。デフォルトでは、FIPS モードは有効にされません。FIPS モードが有効にされている場合、OpenShift Container Platform が実行される Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) マシンがデフォルトの Kubernetes 暗号スイートをバイパスし、代わりに RHCOS で提供される暗号モジュールを使用します。

false または true

publish

クラスターのユーザーに表示されるエンドポイントを公開する方法。

Internal または External。プライベートクラスターをデプロイするには、publishInternal に設定します。これはインターネットからアクセスできません。デフォルト値は External です。

compute.hyperthreading

コンピュートマシンで同時マルチスレッドまたは hyperthreading を有効/無効にするかどうか。デフォルトでは、同時スレッドはマシンのコアのパフォーマンスを上げるために有効にされます。

重要

同時スレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。

Enabled または Disabled

compute.replicas

プロビジョニングするコンピュートマシン (ワーカーマシンとしても知られる) の数。

2 以上の正の整数。デフォルト値は 3 です。

controlPlane.hyperthreading

コントロールプレーンマシンで同時マルチスレッドまたは hyperthreading を有効/無効にするかどうか。デフォルトでは、同時スレッドはマシンのコアのパフォーマンスを上げるために有効にされます。

重要

同時スレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。

Enabled または Disabled

controlPlane.replicas

プロビジョニングするコントロールプレーンマシンの数。

サポートされる値は 3 のみです (これはデフォルト値です)。

表1.19 追加の Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) パラメーター
パラメーター説明

compute.platform.openstack.rootVolume.size

コンピュートマシンの場合、root ボリュームのギガバイトのサイズになります。この値を設定しない場合、マシンは一時ストレージを使用します。

整数 (例: 30)。

compute.platform.openstack.rootVolume.type

コンピュートマシンの場合、root のボリュームタイプです。

文字列 (例: performance)。

controlPlane.platform.openstack.rootVolume.size

コントロールプレーンマシンの場合、root ボリュームのギガバイトのサイズになります。この値を設定しない場合、マシンは一時ストレージを使用します。

整数 (例: 30)。

controlPlane.platform.openstack.rootVolume.type

コントロールプレーンマシンの場合、root ボリュームのタイプです。

文字列 (例: performance)。

platform.openstack.cloud

clouds.yaml ファイルのクラウド一覧にある使用する RHOCP クラウドの名前。

文字列 (例: MyCloud)。

platform.openstack.computeFlavor

コントロールプレーンおよびコンピュートマシンに使用する RHOSP フレーバー。

文字列 (例: m1.xlarge)。

platform.openstack.externalNetwork

インストールに使用される RHOSP の外部ネットワーク名。

文字列 (例: external)。

platform.openstack.lbFloatingIP

ロードバランサー API に関連付ける既存の Floating IP アドレス。

IP アドレス (例: 128.0.0.1)。

表1.20 オプションの Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) パラメーター
パラメーター説明

platform.openstack.clusterOSImage

インストーラーが RHCOS イメージをダウンロードする場所。

ネットワークが制限された環境でインストールを実行するには、このパラメーターを設定する必要があります。

HTTP または HTTPS の URL (オプションで SHA-256 形式のチェックサムを使用)。

例: http://mirror.example.com/images/rhcos-43.81.201912131630.0-openstack.x86_64.qcow2.gz?sha256=ffebbd68e8a1f2a245ca19522c16c86f67f9ac8e4e0c1f0a812b068b16f7265d

この値は、既存の Glance イメージの名前にもなり得ます (例: my-rhcos)。

platform.openstack.defaultMachinePlatform

デフォルトのマシンプールプラットフォームの設定。

{
   "type": "ml.large",
   "rootVolume": {
      "size": 30,
      "type": "performance"
   }
}

platform.openstack.externalDNS

クラスターインスタンスが DNS 解決に使用する外部 DNS サーバーの IP アドレス。

IP アドレスの一覧 (文字列)。例: ["8.8.8.8", "192.168.1.12"]

1.4.13.1. Kuryr を使用した OpenStack のカスタマイズされた install-config.yaml ファイルのサンプル

デフォルトの OpenShift SDN ではなく Kuryr SDN を使用してデプロイするには、install-config.yaml ファイルを変更して Kuryr を必要な networking.networkType として追加してから、デフォルトの OpenShift Container Platform SDN インストール手順に進む必要があります。このサンプル install-config.yaml は、すべての可能な Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) カスタマイズオプションを示しています。

重要

このサンプルファイルは参照用にのみ提供されます。インストールプログラムを使用して install-config.yaml ファイルを取得する必要があります。

apiVersion: v1
baseDomain: example.com
clusterID: os-test
controlPlane:
  name: master
  platform: {}
  replicas: 3
compute:
- name: worker
  platform:
    openstack:
      type: ml.large
  replicas: 3
metadata:
  name: example
networking:
  clusterNetwork:
  - cidr: 10.128.0.0/14
    hostPrefix: 23
  machineNetwork:
  - cidr: 10.0.0.0/16
  serviceNetwork:
  - 172.30.0.0/16
  networkType: Kuryr
platform:
  openstack:
    cloud: mycloud
    externalNetwork: external
    computeFlavor: m1.xlarge
    lbFloatingIP: 128.0.0.1
    trunkSupport: true
    octaviaSupport: true
pullSecret: '{"auths": ...}'
sshKey: ssh-ed25519 AAAA...
注記

trunkSupportoctaviaSupport の両方はインストーラーによって自動的に検出されるため、それらを設定する必要はありません。ただし、ご使用の環境がこれらの両方の要件を満たさないと、Kuryr SDN は適切に機能しません。トランクは Pod を RHOSP ネットワークに接続するために必要であり、Octavia は OpenShift Container Platform サービスを作成するために必要です。

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