2.3. アフィニティールールと非アフィニティールールの使用による他の Pod との相対での Pod の配置
アフィニティーとは、スケジュールするノードを制御する Pod の特性です。非アフィニティーとは、Pod がスケジュールされることを拒否する Pod の特性です。
OpenShift Container Platform では、Pod のアフィニティー と Pod の非アフィニティー によって、他の Pod のキー/値ラベルに基づいて、Pod のスケジュールに適したノードを制限することができます。
2.3.1. Pod のアフィニティーについて
Pod のアフィニティー と Pod の非アフィニティー によって、他の Pod のキー/値ラベルに基づいて、Pod をスケジュールすることに適したノードを制限することができます。
- Pod のアフィニティーはスケジューラーに対し、新規 Pod のラベルセレクターが現在の Pod のラベルに一致する場合に他の Pod と同じノードで新規 Pod を見つけるように指示します。
- Pod の非アフィニティーは、新規 Pod のラベルセレクターが現在の Pod のラベルに一致する場合に、同じラベルを持つ Pod と同じノードで新規 Pod を見つけることを禁止します。
たとえば、アフィニティールールを使用することで、サービス内で、または他のサービスの Pod との関連で Pod を分散したり、パックしたりすることができます。非アフィニティールールにより、特定のサービスの Pod がそののサービスの Pod のパフォーマンスに干渉すると見なされる別のサービスの Pod と同じノードでスケジュールされることを防ぐことができます。または、関連する障害を減らすために複数のノードまたはアベイラビリティーゾーン間でサービスの Pod を分散することもできます。
Pod のアフィニティーには、required (必須) および preferred (優先) の 2 つのタイプがあります。
Pod をノードにスケジュールする前に、required (必須) ルールを 満たしている必要があります。preferred (優先) ルールは、ルールを満たす場合に、スケジューラーはルールの実施を試行しますが、その実施が必ずしも保証される訳ではありません。
Pod の優先順位およびプリエンプションの設定により、スケジューラーはアフィニティーの要件に違反しなければ Pod の適切なノードを見つけられない可能性があります。その場合、Pod はスケジュールされない可能性があります。
この状態を防ぐには、優先順位が等しい Pod との Pod のアフィニティーの設定を慎重に行ってください。
Pod のアフィニティー/非アフィニティーは Pod
仕様ファイルで設定します。required (必須) ルール、preferred (優先) ルールのいずれか、またはその両方を指定することができます。両方を指定する場合、ノードは最初に required (必須) ルールを満たす必要があり、その後に preferred (優先) ルールを満たそうとします。
以下の例は、Pod のアフィニティーおよび非アフィニティーに設定される Pod
仕様を示しています。
この例では、Pod のアフィニティールールは ノードにキー security
と値 S1
を持つラベルの付いた 1 つ以上の Pod がすでに実行されている場合にのみ Pod をノードにスケジュールできることを示しています。Pod の非アフィニティールールは、ノードがキー security
と値 S2
を持つラベルが付いた Pod がすでに実行されている場合は Pod をノードにスケジュールしないように設定することを示しています。
Pod のアフィニティーが設定された Pod
設定ファイルのサンプル
apiVersion: v1 kind: Pod metadata: name: with-pod-affinity spec: affinity: podAffinity: 1 requiredDuringSchedulingIgnoredDuringExecution: 2 - labelSelector: matchExpressions: - key: security 3 operator: In 4 values: - S1 5 topologyKey: failure-domain.beta.kubernetes.io/zone containers: - name: with-pod-affinity image: docker.io/ocpqe/hello-pod
Pod の非アフィニティーが設定された Pod
設定ファイルのサンプル
apiVersion: v1 kind: Pod metadata: name: with-pod-antiaffinity spec: affinity: podAntiAffinity: 1 preferredDuringSchedulingIgnoredDuringExecution: 2 - weight: 100 3 podAffinityTerm: labelSelector: matchExpressions: - key: security 4 operator: In 5 values: - S2 topologyKey: kubernetes.io/hostname containers: - name: with-pod-affinity image: docker.io/ocpqe/hello-pod
ノードのラベルに、Pod のノードのアフィニティールールを満たさなくなるような結果になる変更がランタイム時に生じる場合も、Pod はノードで引き続き実行されます。