第1章 RHV へのインストール


1.1. RHV でのカスタム仮想マシンテンプレートの作成

OpenShift Container Platform クラスターを Red Hat Virtualization (RHV) 環境にインストールする前に、カスタム仮想マシンテンプレートを作成し、インストールプログラムがテンプレートを使用できるように環境を設定します。

重要

RHV 用のカスタム仮想マシンテンプレートの作成は、既知の問題に対する回避策です (BZ#1818577)。カスタム仮想マシンを作成しない場合、OpenShift Container Platform クラスターのインストールを正常に実行できず、失敗します。

前提条件

1.1.1. RHV Manager マシンへの特定の RHCOS イメージのダウンロード

特定の Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) イメージを Red Hat Virtualization (RHV) Manager マシンにダウンロードします。

重要

この手順で指定される RHCOS イメージを別のイメージに置き換えないでください。

手順

  1. RHV Manager マシンでターミナルセッションを開きます。たとえば、Manager をセルフホストエンジンとして実行する場合は、以下を実行します。

    1. RHV Administration Portal (RHV 管理ポータル) に移動し、Compute Virtual Machines ページに移動します。
    2. HostedEngine 仮想マシンを選択し、Console をクリックします。
  2. Manager のコマンドラインで作業ディレクトリーを作成し、そのディレクトリーに切り替えます。

    $ mkdir rhcos
    $ cd rhcos
  3. ブラウザーで、https://github.com/openshift/installer/blob/release-4.4/data/data/rhcos.json に移動します。
  4. rhcos.json で、baseURI を見つけ、その値をコピーします。
  5. Manager で、wget コマンドを開始し、 baseURI の値を貼り付けます。ただし、Enter は押さないでください。以下に例を示します。

    $ wget https://releases-art-rhcos.svc.ci.openshift.org/art/storage/releases/rhcos-4.4/44.81.202003062006-0/x86_64/
  6. rhcos.json ドキュメントで openstack を見つけ、path の値をコピーします。
  7. Manager で path の値を貼り付けます。以下に例を示します。

    $ wget https://releases-art-rhcos.svc.ci.openshift.org/art/storage/releases/rhcos-4.4/44.81.202003062006-0/x86_64/rhcos-44.81.202003062006-0-openstack.x86_64.qcow2.gz
  8. Enter を押して、wget が RHCOS イメージのダウンロードを終了するまで待機します。
  9. RHCOS イメージを展開します。以下に例を示します。

    $ gunzip rhcos*

1.1.2. Ansible Playbook を使用した RHCOS イメージのデータストレージドメインへのアップロード

Ansible Playbook を使用して Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) イメージをデータストレージドメインにアップロードします。

手順

  1. Red Hat Virtualization (RHV) Manager で Ansible Playbook ファイル upload_rhcos_disk.yaml を作成します。以下に例を示します。

    $ vi upload_rhcos_disk.yaml
  2. Red Hat カスタマーポータル上のこのファイル にアクセスします。
  3. その内容を Playbook に貼り付けます。
  4. Playbook で、コールアウトのあるパラメーター値を更新します。

    - hosts: localhost
      gather_facts: no
      tasks:
        - name: Authenticate with engine
          ovirt_auth:
            url: https://<virtlab.example.com>/ovirt-engine/api 1
            username: <username@profile> 2
            password: <password> 3
            insecure: yes
    
        - name: Upload RHCOS image
          ovirt_disk:
            auth: "{{ ovirt_auth }}"
            name: <rhcos_44-81_img-diskname> 4
            size: 120GiB 5
            interface: virtio_scsi
            storage_domain: <SSD_RAID_10> 6
            bootable: yes
            timeout: 3600 7
            upload_image_path: </custom/rhcos-44.81.202003110027-0-openstack.x86_64.qcow2> 8
            wait: yes
    1
    <virtlab.example.com> に、RHV Manager の完全修飾ドメイン名 (FQDN) を指定します。
    2
    <username@profile> に、管理者ユーザー名およびプロファイルを指定します。
    3
    <password> に、管理者パスワードを指定します。
    4
    <rhcos_44-81_img-diskname> に、ディスク名を指定します。
    5
    実稼働環境に 120GiB 以上を指定します。リソースの制約のある環境または非実稼働環境の場合は、32GiB 以上を指定します。
    6
    <SSD_RAID_10> に、データストレージドメイン名を指定します。
    7
    2.4 GB イメージをストレージにアップロードするのに十分な時間を RHV 環境で確保するためにタイムアウト期間 (秒単位) を指定します。デフォルト値の 3600 秒を指定すると、1 時間が指定されます。
    8
    </custom/rhcos-44.81.202003110027-0-openstack.x86_64.qcow2> には、イメージのパスおよびファイル名を指定します。
  5. Manager で Ansible Playbook を実行します。以下に例を示します。

    $ ansible-playbook rhcos_image.yaml -vvv
  6. 管理ポータルで Storage Disks ページに移動し、Playbook で指定したディスク名を見つけます。例: rhcos_44-81_img-diskname
  7. ディスクのステータスが OK の場合は、Playbook は RHCOS イメージのストレージドメインへのアップロードを終了しています。

1.1.3. 仮想マシンテンプレートのカスタマイズに使用できるリソースの判別

デフォルトの設定オプションを使用してクラスターを RHV にすぐにインストール する場合は、次のタスクに進み、RHCOS イメージのある仮想ディスクを仮想マシンにアタッチ します。

または、カスタマイズ設定を使用してクラスターの RHV にインストール する場合は、以下の点に留意してください。

OpenShift Container Platform クラスターでコントロールマシンおよびコンピュートマシンを作成するためにインストールプログラムが使用する仮想マシンテンプレートをカスタマイズできます。これらのマシンにデフォルトの仮想 CPU、メモリー、およびストレージリソースよりも多くのリソースを持たせるようにテンプレートをカスタマイズできます。カスタマイズはコントールマシンとコンピュートマシンの両方に同じように適用されますが、これらを別々にカスタマイズすることはできません。

リソースを過剰に割り当てると、クラスターのインストールまたは操作が失敗する可能性があります。リソースの過剰な割り当てを避けるには、各仮想マシンに利用可能にする各リソースの量を決定する必要があります。Red Hat Virtualization (RHV) クラスターのリソースを確認し、それらの量を仮想マシン数で割った値を考慮します。結果として計算される割り当て量は、各リソースに割り当てることができる最大値になります。

手順

  1. RHV クラスターで利用可能なリソースを確認します。

    1. 次に、RHV 環境の要件の検証 を行います。
    2. ストレージの値 Free SpaceLogical CPU Cores、 および Max free Memory for scheduling new VMs を記録します。
  2. OpenShift Container Platform クラスター内の仮想マシンの数を記録します。

    • デフォルトで、クラスターには 7 つのマシンが含まれます。
    • RHV のインストール設定パラメーター で説明されているように、マシンの数もカスタマイズできます。ブートストラップマシンに対応できるように 1 つのマシンを設定ファイルの数に追加します。
  3. それぞれのリソースを仮想マシン数で割ります。
  4. 後に使用できるようにこれらの値を記録します。

1.1.4. RHCOS イメージのある仮想ディスクの仮想マシンへのアタッチ

Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) イメージのある仮想ディスクを仮想マシンにアタッチします。

手順

  1. Compute Virtual Machines ページに移動し、New をクリックします。
  2. New Virtual Machine 開いている General ウインドウに移動し、Cluster を使用して OpenShift Container Platform クラスターを作成する予定の RHV クラスターを選択します。
  3. Template を、 Blank が選択されたままの状態にします。
  4. Operating SystemRed Hat Enterprise Linux CoreOS に設定します。
  5. Optimized for を、 Desktop が選択されたままの状態にします。
  6. Name には、仮想マシンの名前を指定します。例: vmname
  7. Instance Images で、Attach をクリックします。
  8. 開かれている Attach Virtual Disks ウィンドウで、Playbook で指定したディスクを見つけます。例: rhcos_44-81_img-diskname
  9. このディスクのラジオボタンをクリックします。
  10. このディスクの OS チェックボックスを選択します。これにより、ディスクは起動可能になります。
  11. OK をクリックして保存し、Attach Virtual Disks ウィンドウを閉じます。

1.1.5. 仮想マシンの設定および作成

仮想マシンの設定を継続し、これを作成します。

手順

  1. New Virtual Machine General ウィンドウに移動し、Instantiate VM network interfaces by picking a vNIC profile の下にあるそれぞれの NIC について、vNIC プロファイルを選択します。
  2. New Virtual Machine System ウインドウに移動します。
  3. Memory Size16384 MB 以上に設定します。このデフォルト値は 16 GiB と同じです。この値は、コンピュートマシンで予想されるワークロードと利用可能なメモリーリソース量に応じて調整できます。
  4. 既知の問題 (bz#1821215) があるために、Physical Memory Guaranteed8192 MB に設定します。この値は 8 GiB に相当します。
  5. Total Virtual CPU4 以上に設定します。この値は、コンピュートマシンで予想されるワークロードと利用可能なリソースに応じて調整できます。
  6. Advanced Parameters を展開します。
  7. Cores per Virtual Socket4 以上に調整し、Total Virtual CPUs 設定に一致させるようにします。
  8. OK を押して保存し、New Virtual Machine を閉じます。

    新しい仮想マシンが Compute Virtual Machines ウィンドウに表示されます。仮想マシンは起動していないため、これはすぐに表示されます。

1.1.6. 仮想マシンテンプレートの作成

仮想マシンテンプレートを作成します。

手順

  1. 新しい仮想マシンを選択します。
  2. Administratino Portal ウィンドウの右上にある More actions メニューをクリックし、Make Template を選択します。
  3. New Template ウィンドウで、Name の値を指定します。例: vm-tmpltname
  4. Target およびその他のパラメーター値が正しいことを確認し、これまでの選択内容を反映させます。
  5. Seal Template (Linux only) が選択 されていない ことを確認します。
  6. OK をクリックします。
  7. Compute Templates ページに移動し、テンプレートが作成されるまで待機します。

1.1.7. 環境変数のエクスポート

重要

これらの環境変数を使用したインストールのカスタマイズは、既知の問題についての一時的な回避策です (BZ#1818577)。これは今後のリリースで削除される可能性があります。

  1. 仮想マシン設定の Memory および Total Virtual CPUs に指定した値を確認します。
  2. インストールマシンのコマンドラインで、以下の環境変数を実行します。
$ export OPENSHIFT_INSTALL_OS_IMAGE_OVERRIDE=<vm-tmpltname> 1
$ export TF_VAR_ovirt_template_mem=<mem-value> 2
$ export TF_VAR_ovirt_template_cpu=<cpu-value> 3
$ export TF_VAR_ovirt_master_mem=<mem-value> 4
$ export TF_VAR_ovirt_master_cpu=<cpu-value> 5
1
<vm-tmpltname> に、作成したテンプレートの名前を指定します。
2 4
<mem-value> に、仮想マシンの Memory の値を MB 単位で指定します。例: 16384
3 5
<cpu-value> に、仮想マシンの Total Virtual CPUs の値を指定します。例: 4

以下に例を示します。

$ export OPENSHIFT_INSTALL_OS_IMAGE_OVERRIDE=vm-tmpltname
$ export TF_VAR_ovirt_template_mem=16384
$ export TF_VAR_ovirt_template_cpu=4
$ export TF_VAR_ovirt_master_mem=16384
$ export TF_VAR_ovirt_master_cpu=4
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