4.2.6. カーネル引数のノードへの追加


特殊なケースとして、クラスターのノードセットにカーネル引数を追加する必要がある場合があります。これは十分に注意して実行する必要があり、設定する引数による影響を十分に理解している必要があります。

警告

カーネル引数を正しく使用しないと、システムが起動不可能になる可能性があります。

設定可能なカーネル引数の例には、以下が含まれます。

  • selinux=0: SELinux (Security Enhanced Linux) を無効にします。実稼働環境には推奨されませんが、SELinux を無効にすると、パフォーマンスが 2%~ 3% 上がります。
  • nosmt: カーネルの対称マルチスレッド (SMT) を無効にします。マルチスレッドは、各 CPU の複数の論理スレッドを許可します。潜在的なクロススレッド攻撃に関連するリスクを減らすために、マルチテナント環境での nosmt の使用を検討できます。SMT を無効にすることは、基本的にパフォーマンスよりもセキュリティーを重視する選択をしていることになります。

カーネル引数の一覧と説明については、Kernel.org カーネルパラメーター を参照してください。

次の手順では、以下を特定する MachineConfig オブジェクトを作成します。

  • カーネル引数を追加する一連のマシン。この場合、ワーカーロールを持つマシン。
  • 既存のカーネル引数の最後に追加されるカーネル引数。
  • マシン設定の一覧で変更が適用される場所を示すラベル。

前提条件

  • 作業用の OpenShift Container Platform クラスターに対する管理者権限が必要です。

手順

  1. OpenShift Container Platform クラスターの既存の MachineConfig を一覧表示し、マシン設定にラベルを付ける方法を判別します。

    $ oc get MachineConfig
    NAME                                                        GENERATEDBYCONTROLLER                      IGNITIONVERSION   CREATED
    00-master                                                   577c2d527b09cd7a481a162c50592139caa15e20   2.2.0             30m
    00-worker                                                   577c2d527b09cd7a481a162c50592139caa15e20   2.2.0             30m
    01-master-container-runtime                                 577c2d527b09cd7a481a162c50592139caa15e20   2.2.0             30m
    01-master-kubelet                                           577c2d527b09cd7a481a162c50592139caa15e20   2.2.0             30m
    01-worker-container-runtime                                 577c2d527b09cd7a481a162c50592139caa15e20   2.2.0             30m
    01-worker-kubelet                                           577c2d527b09cd7a481a162c50592139caa15e20   2.2.0             30m
    99-master-1131169f-dae9-11e9-b5dd-12a845e8ffd8-registries   577c2d527b09cd7a481a162c50592139caa15e20   2.2.0             30m
    99-master-ssh                                                                                          2.2.0             30m
    99-worker-114e8ac7-dae9-11e9-b5dd-12a845e8ffd8-registries   577c2d527b09cd7a481a162c50592139caa15e20   2.2.0             30m
    99-worker-ssh                                                                                          2.2.0             30m
    rendered-master-b3729e5f6124ca3678188071343115d0            577c2d527b09cd7a481a162c50592139caa15e20   2.2.0             30m
    rendered-worker-18ff9506c718be1e8bd0a066850065b7            577c2d527b09cd7a481a162c50592139caa15e20   2.2.0             30m
  2. カーネル引数を識別する MachineConfig オブジェクトファイルを作成します (例: 05-worker-kernelarg-selinuxoff.yaml)。

    apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1
    kind: MachineConfig
    metadata:
      labels:
        machineconfiguration.openshift.io/role: worker1
      name: 05-worker-kernelarg-selinuxoff2
    spec:
      config:
        ignition:
          version: 2.2.0
      kernelArguments:
        - selinux=03
    1
    新しいカーネル引数をワーカーノードのみに適用します。
    2
    マシン設定 (05) 内の適切な場所を特定するための名前が指定されます (SELinux をオフにするためにカーネル引数を追加します)。
    3
    正確なカーネル引数を selinux=0 として特定します。
  3. 新規のマシン設定を作成します。

    $ oc create -f 05-worker-kernelarg-selinuxoff.yaml
  4. マシン設定で新規の追加内容を確認します。

    $ oc get MachineConfig
    NAME                                                        GENERATEDBYCONTROLLER                      IGNITIONVERSION   CREATED
    00-master                                                   577c2d527b09cd7a481a162c50592139caa15e20   2.2.0             31m
    00-worker                                                   577c2d527b09cd7a481a162c50592139caa15e20   2.2.0             31m
    01-master-container-runtime                                 577c2d527b09cd7a481a162c50592139caa15e20   2.2.0             31m
    01-master-kubelet                                           577c2d527b09cd7a481a162c50592139caa15e20   2.2.0             31m
    01-worker-container-runtime                                 577c2d527b09cd7a481a162c50592139caa15e20   2.2.0             31m
    01-worker-kubelet                                           577c2d527b09cd7a481a162c50592139caa15e20   2.2.0             31m
    
    05-worker-kernelarg-selinuxoff                                                                         2.2.0             105s
    
    99-master-1131169f-dae9-11e9-b5dd-12a845e8ffd8-registries   577c2d527b09cd7a481a162c50592139caa15e20   2.2.0             31m
    99-master-ssh                                                                                          2.2.0             30m
    99-worker-114e8ac7-dae9-11e9-b5dd-12a845e8ffd8-registries   577c2d527b09cd7a481a162c50592139caa15e20   2.2.0             31m
    99-worker-ssh                                                                                          2.2.0             31m
    rendered-master-b3729e5f6124ca3678188071343115d0            577c2d527b09cd7a481a162c50592139caa15e20   2.2.0             31m
    rendered-worker-18ff9506c718be1e8bd0a066850065b7            577c2d527b09cd7a481a162c50592139caa15e20   2.2.0             31m
  5. ノードを確認します。

    $ oc get nodes
    NAME                           STATUS                     ROLES    AGE   VERSION
    ip-10-0-136-161.ec2.internal   Ready                      worker   28m   v1.17.1
    ip-10-0-136-243.ec2.internal   Ready                      master   34m   v1.17.1
    ip-10-0-141-105.ec2.internal   Ready,SchedulingDisabled   worker   28m   v1.17.1
    ip-10-0-142-249.ec2.internal   Ready                      master   34m   v1.17.1
    ip-10-0-153-11.ec2.internal    Ready                      worker   28m   v1.17.1
    ip-10-0-153-150.ec2.internal   Ready                      master   34m   v1.17.1

    変更が適用されているため、各ワーカーノードのスケジューリングが無効にされていることを確認できます。

  6. ワーカーノードのいずれかに移動し、カーネルコマンドライン引数 (ホストの /proc/cmdline 内) を一覧表示して、カーネル引数が機能することを確認します。

    $ oc debug node/ip-10-0-141-105.ec2.internal
    Starting pod/ip-10-0-141-105ec2internal-debug ...
    To use host binaries, run `chroot /host`
    
    sh-4.2# cat /host/proc/cmdline
    BOOT_IMAGE=/ostree/rhcos-... console=tty0 console=ttyS0,115200n8
    rootflags=defaults,prjquota rw root=UUID=fd0... ostree=/ostree/boot.0/rhcos/16...
    coreos.oem.id=qemu coreos.oem.id=ec2 ignition.platform.id=ec2 selinux=0
    
    sh-4.2# exit

    selinux=0 引数が他のカーネル引数に追加されていることを確認できるはずです。

Red Hat logoGithubRedditYoutubeTwitter

詳細情報

試用、購入および販売

コミュニティー

Red Hat ドキュメントについて

Red Hat をお使いのお客様が、信頼できるコンテンツが含まれている製品やサービスを活用することで、イノベーションを行い、目標を達成できるようにします。

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。このような変更は、段階的に実施される予定です。詳細情報: Red Hat ブログ.

会社概要

Red Hat は、企業がコアとなるデータセンターからネットワークエッジに至るまで、各種プラットフォームや環境全体で作業を簡素化できるように、強化されたソリューションを提供しています。

© 2024 Red Hat, Inc.