第1章 Operator について
概念的に、Operator は人間の運用上のナレッジを使用し、これをコンシューマーと簡単に共有できるソフトウェアにエンコードします。
Operator は、ソフトウェアの他の部分を実行する運用上の複雑さを軽減するソフトウェアの特定の部分で設定されます。Operator はソフトウェアベンダーのエンジニアリングチームの拡張機能のように動作し、(OpenShift Container Platform などの) Kubernetes 環境を監視し、その最新状態に基づいてリアルタイムの意思決定を行います。高度な Operator はアップグレードをシームレスに実行し、障害に自動的に対応するように設計されており、時間の節約のためにソフトウェアのバックアッププロセスを省略するなどのショートカットを実行することはありません。
技術的には、Operator は Kubernetes アプリケーションをパッケージ化し、デプロイし、管理する方法です。
Kubernetes アプリケーションは、Kubernetes にデプロイされ、Kubernetes API および kubectl
または oc
ツールを使用して管理されるアプリケーションです。Kubernetes を最大限に活用するには、Kubernetes 上で実行されるアプリケーションを提供し、管理するために拡張できるように一連の総合的な API が必要です。Operator は、Kubernetes 上でこのタイプのアプリケーションを管理するランタイムと見なすことができます。
1.1. Operator を使用する理由
Operator は以下を提供します。
- インストールおよびアップグレードの反復性。
- すべてのシステムコンポーネントの継続的なヘルスチェック。
- OpenShift コンポーネントおよび ISV コンテンツの OTA (Over-the-air) 更新。
- フィールドエンジニアからの知識をカプセル化し、1 または 2 ユーザーだけでなく、すべてのユーザーに展開する場所。
- Kubernetes にデプロイする理由
- Kubernetes (延長線上で考えると OpenShift Container Platform も含まれる) には、シークレットの処理、負荷分散、サービスの検出、自動スケーリングなどの、オンプレミスおよびクラウドプロバイダーで機能する、複雑な分散システムをビルドするために必要なすべてのプリミティブが含まれます。
- アプリケーションを Kubernetes API および
kubectl
ツールで管理する理由 -
これらの API は機能的に充実しており、すべてのプラットフォームのクライアントを持ち、クラスターのアクセス制御/監査機能にプラグインします。Operator は Kubernetes の拡張メカニズム、カスタムリソース定義 (CRD、Custom Resource Definition ) を使用するので、
MongoDB
などの カスタムオブジェクトはビルトインされた、ネイティブ Kubernetes オブジェクトのように表示され、機能します。 - Operator とサービスブローカーとの比較
- サービスブローカーは、アプリケーションのプログラムによる検出およびデプロイメントを行うための 1 つの手段です。ただし、これは長期的に実行されるプロセスではないため、アップグレード、フェイルオーバー、またはスケーリングなどの Day 2 オペレーションを実行できません。カスタマイズおよびチューニング可能なパラメーターはインストール時に提供されるのに対し、Operator はクラスターの最新の状態を常に監視します。クラスター外のサービスを使用する場合は、これらをサービスブローカーで使用できますが、Operator もこれらのクラスター外のサービスに使用できます。