3.2.2.2. ネットワークが制限された環境向けの OperatorHub の設定
クラスター管理者は、カスタム Operator カタログイメージを使用し、OLM および OperatorHub をネットワークが制限された環境でローカルコンテンツを使用するように設定できます。この例では、以前にビルドされ、サポートされているレジストリーにプッシュされたカスタム redhat-operators
カタログイメージを使用します。
前提条件
- ネットワークアクセスが無制限の Linux ワークステーション
- サポートされているレジストリーにプッシュされるカスタム Operator カタログイメージ
-
oc
version 4.3.5+ -
podman
version 1.4.4+ - Docker v2-2 をサポートするミラーレジストリーへのアクセス
プライベートレジストリーを使用している場合、後続の手順で使用するために
REG_CREDS
環境変数をレジストリー認証情報のファイルパスに設定します。たとえばpodman
CLI の場合は、以下のようになります。$ REG_CREDS=${XDG_RUNTIME_DIR}/containers/auth.json
手順
disableAllDefaultSources: true
を仕様に追加してデフォルトの OperatorSource を無効にします。$ oc patch OperatorHub cluster --type json \ -p '[{"op": "add", "path": "/spec/disableAllDefaultSources", "value": true}]'
これにより、OpenShift Container Platform のインストール時にデフォルトで設定されるデフォルトの OperatorSource が無効になります。
oc adm catalog mirror
コマンドは、カスタム Operator カタログイメージのコンテンツを抽出し、ミラーリングに必要なマニフェストを生成します。以下のいずれかを選択できます。- コマンドのデフォルト動作で、マニフェストの生成後にすべてのイメージコンテンツをミラーレジストリーに自動的にミラーリングできるようにします。または、
-
--manifests-only
フラグを追加して、ミラーリングに必要なマニフェストのみを生成しますが、これにより、イメージコンテンツがレジストリーに自動的にミラーリングされる訳ではありません。これは、ミラーリングする内容を確認するのに役立ちます。また、コンテンツのサブセットのみが必要な場合に、マッピングの一覧に変更を加えることができます。次に、そのファイルをoc image mirror
コマンドで使用し、後のステップでイメージの変更済みの一覧をミラーリングできます。
ネットワークアクセスが無制限のワークステーションで、以下のコマンドを実行します。
$ oc adm catalog mirror \ <registry_host_name>:<port>/olm/redhat-operators:v1 \1 <registry_host_name>:<port> \ [-a ${REG_CREDS}] \2 [--insecure] \3 [--filter-by-os="<os>/<arch>"] \4 [--manifests-only] 5
- 1
- Operator カタログイメージを指定します。
- 2
- オプション: 必要な場合は、レジストリー認証情報ファイルの場所を指定します。
- 3
- オプション: ターゲットレジストリーの信頼を設定しない場合は、
--insecure
フラグを追加します。 - 4
- オプション: カタログは複数のアーキテクチャーおよびオペレーティングシステムをサポートするイメージを参照する可能性があるため、アーキテクチャーおよびオペレーティングシステムでフィルターして、一 致するイメージのみをミラーリングするようにできます。使用できる値は、
linux/amd64
、linux/ppc64le
、およびlinux/s390x
です。 - 5
- オプション: ミラーリングに必要なマニフェストのみを生成し、実際にはイメージコンテンツをレジストリーにミラーリングしません。
出力例
using database path mapping: /:/tmp/190214037 wrote database to /tmp/190214037 using database at: /tmp/190214037/bundles.db 1 ...
- 1
- コマンドで生成される一時的なデータベース。
コマンドの実行後に、
<image_name>-manifests/
ディレクトリーが現在のディレクトリーに作成され、以下のファイルが生成されます。-
これにより、
imageContentSourcePolicy.yaml
ファイルは ImageContentSourcePolicy オブジェクトを定義します。このオブジェクトは、このオブジェクトは、ノードを Operator マニフェストおよびミラーリングされたレジストリーに保存されるイメージ参照間で変換できるように設定します。 -
mapping.txt
ファイルには、すべてのソースイメージが含まれ、これはそれらのイメージをターゲットレジストリー内のどこにマップするかを示します。このファイルはoc image mirror
コマンドと互換性があり、ミラーリング設定をさらにカスタマイズするために使用できます。
直前の手順で
--manifests-only
フラグを使用して、コンテンツのサブセットのみをミラーリングする場合は、以下を実行します。mapping.txt
ファイルのイメージの一覧を仕様に変更します。ミラーリングするイメージのサブセットの名前とバージョンが不明な場合は、以下の手順で確認します。oc adm catalog mirror
コマンドで生成された一時的なデータベースに対してsqlite3
ツールを実行し、一般的な検索クエリーに一致するイメージの一覧を取得します。出力は、後にmapping.txt
ファイルを編集する方法を通知するのに役立ちます。たとえば、
clusterlogging.4.3
の文字列のようなイメージの一覧を取得するには、以下を実行します。$ echo "select * from related_image \ where operatorbundle_name like 'clusterlogging.4.3%';" \ | sqlite3 -line /tmp/190214037/bundles.db 1
- 1
oc adm catalog mirror
コマンドの直前の出力を参照し、データベースファイルのパスを見つけます。
出力例
image = registry.redhat.io/openshift4/ose-logging-kibana5@sha256:aa4a8b2a00836d0e28aa6497ad90a3c116f135f382d8211e3c55f34fb36dfe61 operatorbundle_name = clusterlogging.4.3.33-202008111029.p0 image = registry.redhat.io/openshift4/ose-oauth-proxy@sha256:6b4db07f6e6c962fc96473d86c44532c93b146bbefe311d0c348117bf759c506 operatorbundle_name = clusterlogging.4.3.33-202008111029.p0 ...
直前の手順で取得した結果を使用して
mapping.txt
ファイルを編集し、ミラーリングする必要のあるイメージのサブセットのみを追加します。たとえば、前述の出力例の
image
値を使用して、mapping.txt
ファイルに以下の一致する行が存在することを確認できます。mapping.txt
の一致するイメージマッピング。registry.redhat.io/openshift4/ose-logging-kibana5@sha256:aa4a8b2a00836d0e28aa6497ad90a3c116f135f382d8211e3c55f34fb36dfe61=<registry_host_name>:<port>/openshift4-ose-logging-kibana5:a767c8f0 registry.redhat.io/openshift4/ose-oauth-proxy@sha256:6b4db07f6e6c962fc96473d86c44532c93b146bbefe311d0c348117bf759c506=<registry_host_name>:<port>/openshift4-ose-oauth-proxy:3754ea2b
この例では、これらのイメージのみをミラーリングする場合に、
mapping.txt
ファイルの他のすべてのエントリーを削除し、上記の 2 行のみを残します。
ネットワークアクセスが無制限のワークステーション上で、変更した
mapping.txt
ファイルを使用し、oc image mirror
コマンドを使用してイメージをレジストリーにミラーリングします。$ oc image mirror \ [-a ${REG_CREDS}] \ -f ./redhat-operators-manifests/mapping.txt
ImageContentSourcePolicy を適用します。
$ oc apply -f ./redhat-operators-manifests/imageContentSourcePolicy.yaml
カタログイメージを参照する CatalogSource オブジェクトを作成します。
仕様を以下のように変更し、これを
catalogsource.yaml
ファイルとして保存します。apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1 kind: CatalogSource metadata: name: my-operator-catalog namespace: openshift-marketplace spec: sourceType: grpc image: <registry_host_name>:<port>/olm/redhat-operators:v1 1 displayName: My Operator Catalog publisher: grpc
- 1
- Operator カタログイメージを指定します。
このファイルを使用して CatalogSource オブジェクトを作成します。
$ oc create -f catalogsource.yaml
以下のリソースが正常に作成されていることを確認します。
Pod を確認します。
$ oc get pods -n openshift-marketplace
出力例
NAME READY STATUS RESTARTS AGE my-operator-catalog-6njx6 1/1 Running 0 28s marketplace-operator-d9f549946-96sgr 1/1 Running 0 26h
CatalogSource を確認します。
$ oc get catalogsource -n openshift-marketplace
出力例
NAME DISPLAY TYPE PUBLISHER AGE my-operator-catalog My Operator Catalog grpc 5s
PackageManifest を確認します。
$ oc get packagemanifest -n openshift-marketplace
出力例
NAME CATALOG AGE etcd My Operator Catalog 34s
ネットワークが制限された環境の OpenShift Container Platform クラスター Web コンソールで、OperatorHub ページから Operator をインストールできます。