第11章 LVM (論理ボリュームマネージャー)
11.1. LVM とは
LVM は、ディスクの割り当て、論理ボリュームのストライピング、ミラーリング、サイズ変更などを含む、論理ボリュームを管理するためのツールです。
LVM では、ハードドライブまたはハードドライブのセットが 1 つ以上の 物理ボリューム に割り当てられます。LVM 物理ボリュームは、2 つ以上のディスクにまたがる可能性のある他のブロックデバイスに配置できます。
/boot
パーティションを除き、物理 ボリュームは論理ボリューム に結合されます。/boot
パーティションは、ブートローダーが読み取ることができないため、論理ボリュームグループでは配置できません。root (/
)パーティションが論理ボリュームにある場合は、ボリュームグループの一部ではない別の /boot
パーティションを作成します。
物理ボリュームは複数のドライブにまたがることができないため、複数のドライブにまたがるには、ドライブごとに 1 つ以上の物理ボリュームを作成します。
図11.1 論理ボリューム
[D]
ボリュームグループは 論理ボリューム に分割され、
/home
や /
などのマウントポイント、ext2 や ext3 などのファイルシステムタイプが割り当てられます。パーティションが最大容量に達すると、ボリュームグループの空き領域を論理ボリュームに追加して、パーティションのサイズを増やすことができます。新しいハードドライブをシステムに追加すると、それをボリュームグループに追加したり、論理ボリュームであるパーティションのサイズを大きくしたりできます。
図11.2 論理ボリューム
[D]
一方、システムが ext3 ファイルシステムでパーティション設定されている場合、ハードドライブは定義されたサイズのパーティションに分割されます。パーティションがいっぱいになると、パーティションのサイズを拡張するのは簡単ではありません。パーティションを別のハードドライブに移動した場合でも、元のハードドライブのスペースを別のパーティションとして再割り当てするか、使用しないようにする必要があります。
インストールプロセス中に LVM を設定する方法は、「LVM 設定」 を参照してください。
11.1.1. LVM2 とは
LVM バージョン 2 (LVM2)は、2.6 カーネルに含まれるデバイスマッパードライバーを使用する Red Hat Enterprise Linux 5 のデフォルトです。LVM2 は、2.4 カーネルを実行しているバージョンの Red Hat Enterprise Linux からアップグレードできます。