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49.6.4. SELinux での MLS の有効化

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注記
X Window System を実行しているシステムでは、MLS ポリシーを使用することは推奨されていません。
以下の手順に従って、システムで SELinux MLS ポリシーを有効にします。
  1. ~]# yum install selinux-policy-mls
  2. MLS ポリシーを有効にする前に、ファイルシステムの各ファイルに、MLS ラベルで再ラベル付けする必要があります。ファイルシステムに再ラベル付けすると、制限されたドメインのアクセスが拒否される可能性があります。これにより、システムが正しく起動しなくなる可能性があります。これを防ぐには、/etc/selinux/config ファイルで SELINUX=permissive を設定します。また、SELINUXTYPE=mls を設定して、MLS ポリシーを有効にします。設定ファイルは以下のようになります。
    # This file controls the state of SELinux on the system.
    # SELINUX= can take one of these three values:
    #     enforcing - SELinux security policy is enforced.
    #     permissive - SELinux prints warnings instead of enforcing.
    #     disabled - No SELinux policy is loaded.
    SELINUX=permissive
    # SELINUXTYPE= can take one of these two values:
    #     targeted - Targeted processes are protected,
    #     minimum - Modification of targeted policy. Only selected processes are protected. 
    #     mls - Multi Level Security protection.
    SELINUXTYPE=mls
    
  3. ~]# setenforce 0
    ~]# getenforce
    Permissive
    
  4. ~]# touch /.autorelabel
  5. システムを再起動します。次回の起動時に、MLS ポリシーに従って、すべてのファイルシステムに再ラベル付けされます。ラベルプロセスは、適切な SELinux コンテキストを使用して、すべてのファイルにラベルを付けます。
    *** Warning -- SELinux mls policy relabel is required.
    *** Relabeling could take a very long time, depending on file
    *** system size and speed of hard drives.
    ***********
    
    一番下の行にある * (アスタリスク) 文字は、ラベル付けされている 1000 ファイルを表します。すべてのファイルにラベルを付けるのにかかる時間は、システムのファイル数と、ハードディスクドライブの速度により異なります。最新のシステムでは、このプロセスに 10 分程度かかる場合があります。ラベリングプロセスが終了すると、システムが自動的に再起動します。
  6. ~]# genhomedircon
    ~]# restorecon -R -v /root /home <other_home_directories>
  7. Permissive モードでは SELinux ポリシーは強制されませんが、Enforcing モードで実行された場合に拒否されたであろうアクションの拒否は引き続きログに記録されます。最後のシステムの起動時に SELinux がアクションを拒否しなかった場合に、このコマンドを実行しても出力は返されません。
  8. # This file controls the state of SELinux on the system.
    # SELINUX= can take one of these three values:
    #     enforcing - SELinux security policy is enforced.
    #     permissive - SELinux prints warnings instead of enforcing.
    #     disabled - No SELinux policy is loaded.
    SELINUX=enforcing
    # SELINUXTYPE= can take one of these two values:
    #     targeted - Targeted processes are protected,
    #     minimum - Modification of targeted policy. Only selected processes are protected. 
    #     mls - Multi Level Security protection.
    SELINUXTYPE=mls
    
  9. ~]$ getenforce
    Enforcing
    
    MLS ポリシーが有効になっていることも確認します。
    ~]# sestatus |grep mls
    Policy from config file:        mls
    
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