3.4. カスタマイズによる Alibaba Cloud へのクラスターのインストール
OpenShift Container Platform バージョン 4.14 では、インストールプログラムが Alibaba Cloud でプロビジョニングするインフラストラクチャーにカスタマイズされたクラスターをインストールできます。インストールをカスタマイズするには、クラスターをインストールする前に、install-config.yaml
ファイルでパラメーターを変更します。
OpenShift Container Platform インストール設定のスコープは意図的に狭められています。単純さを確保し、確実にインストールを実行できるように設計されているためです。インストールが完了した後にさらに多くの OpenShift Container Platform 設定タスクを実行することができます。
OpenShift Container Platform 上の Alibaba Cloud は、テクノロジープレビュー機能としてのみ利用できます。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。
Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
3.4.1. 前提条件 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
- OpenShift Container Platform のインストールおよび更新 プロセスの詳細を確認した。
- クラスターインストール方法の選択およびそのユーザー向けの準備 を確認した。
- ドメインを登録 している。
- ファイアウォールを使用する場合は、クラスターがアクセスを必要とするサイトを許可するようにファイアウォールを設定する必要がある。
-
ご使用の環境でクラウド Resource Access Management (RAM) API にアクセスできない場合、または管理者レベルのクレデンシャルシークレットを
kube-system
namespace に保存したくない場合は、Resource Access Management (RAM) 認証情報を手動で作成および維持 することができます。
3.4.2. OpenShift Container Platform のインターネットアクセス リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
OpenShift Container Platform 4.14 では、クラスターをインストールするためにインターネットアクセスが必要になります。
インターネットへのアクセスは以下を実行するために必要です。
- OpenShift Cluster Manager にアクセスし、インストールプログラムをダウンロードし、サブスクリプション管理を実行します。クラスターにインターネットアクセスがあり、Telemetry を無効にしない場合、そのサービスは有効なサブスクリプションでクラスターを自動的に使用します。
- クラスターのインストールに必要なパッケージを取得するために Quay.io にアクセスします。
- クラスターの更新を実行するために必要なパッケージを取得します。
クラスターでインターネットに直接アクセスできない場合、プロビジョニングする一部のタイプのインフラストラクチャーでネットワークが制限されたインストールを実行できます。このプロセスで、必要なコンテンツをダウンロードし、これを使用してミラーレジストリーにインストールパッケージを設定します。インストールタイプによっては、クラスターのインストール環境でインターネットアクセスが不要となる場合があります。クラスターを更新する前に、ミラーレジストリーのコンテンツを更新します。
3.4.3. クラスターノードの SSH アクセス用のキーペアの生成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
OpenShift Container Platform をインストールする際に、SSH パブリックキーをインストールプログラムに指定できます。キーは、Ignition 設定ファイルを介して Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) ノードに渡され、ノードへの SSH アクセスを認証するために使用されます。このキーは各ノードの core
ユーザーの ~/.ssh/authorized_keys
リストに追加され、パスワードなしの認証が可能になります。
キーがノードに渡されると、キーペアを使用して RHCOS ノードにユーザー core
として SSH を実行できます。SSH 経由でノードにアクセスするには、秘密鍵のアイデンティティーをローカルユーザーの SSH で管理する必要があります。
インストールのデバッグまたは障害復旧を実行するためにクラスターノードに対して SSH を実行する場合は、インストールプロセスの間に SSH 公開鍵を指定する必要があります。./openshift-install gather
コマンドでは、SSH 公開鍵がクラスターノードに配置されている必要もあります。
障害復旧およびデバッグが必要な実稼働環境では、この手順を省略しないでください。
AWS キーペア などのプラットフォームに固有の方法で設定したキーではなく、ローカルキーを使用する必要があります。
手順
クラスターノードへの認証に使用するローカルマシンに既存の SSH キーペアがない場合は、これを作成します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。
ssh-keygen -t ed25519 -N '' -f <path>/<file_name>
$ ssh-keygen -t ed25519 -N '' -f <path>/<file_name>
1 Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 1
- 新しい SSH キーのパスとファイル名 (
~/.ssh/id_ed25519
など) を指定します。既存のキーペアがある場合は、公開鍵が~/.ssh
ディレクトリーにあることを確認します。
注記x86_64
、ppc64le
、およびs390x
アーキテクチャーのみで FIPS 140-2/140-3 検証のために NIST に提出された RHEL 暗号化ライブラリーを使用する OpenShift Container Platform クラスターをインストールする予定がある場合は、ed25519
アルゴリズムを使用するキーを作成しないでください。代わりに、rsa
アルゴリズムまたはecdsa
アルゴリズムを使用するキーを作成します。公開 SSH キーを表示します。
cat <path>/<file_name>.pub
$ cat <path>/<file_name>.pub
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow たとえば、次のコマンドを実行して
~/.ssh/id_ed25519.pub
公開鍵を表示します。cat ~/.ssh/id_ed25519.pub
$ cat ~/.ssh/id_ed25519.pub
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ローカルユーザーの SSH エージェントに SSH 秘密鍵 ID が追加されていない場合は、それを追加します。キーの SSH エージェント管理は、クラスターノードへのパスワードなしの SSH 認証、または
./openshift-install gather
コマンドを使用する場合は必要になります。注記一部のディストリビューションでは、
~/.ssh/id_rsa
および~/.ssh/id_dsa
などのデフォルトの SSH 秘密鍵のアイデンティティーは自動的に管理されます。ssh-agent
プロセスがローカルユーザーに対して実行されていない場合は、バックグラウンドタスクとして開始します。eval "$(ssh-agent -s)"
$ eval "$(ssh-agent -s)"
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 出力例
Agent pid 31874
Agent pid 31874
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記クラスターが FIPS モードにある場合は、FIPS 準拠のアルゴリズムのみを使用して SSH キーを生成します。鍵は RSA または ECDSA のいずれかである必要があります。
SSH プライベートキーを
ssh-agent
に追加します。ssh-add <path>/<file_name>
$ ssh-add <path>/<file_name>
1 Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 1
~/.ssh/id_ed25519
などの、SSH プライベートキーのパスおよびファイル名を指定します。
出力例
Identity added: /home/<you>/<path>/<file_name> (<computer_name>)
Identity added: /home/<you>/<path>/<file_name> (<computer_name>)
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
次のステップ
- OpenShift Container Platform をインストールする際に、SSH パブリックキーをインストールプログラムに指定します。
3.4.4. インストールプログラムの取得 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
OpenShift Container Platform をインストールする前に、インストールに使用しているホストにインストールファイルをダウンロードします。
前提条件
- 500 MB のローカルディスク領域がある Linux または macOS を実行するコンピューターが必要です。
手順
- OpenShift Cluster Manager サイトの インフラストラクチャープロバイダー ページにアクセスします。Red Hat アカウントがある場合は、認証情報を使用してログインします。アカウントがない場合はこれを作成します。
- インフラストラクチャープロバイダーを選択します。
インストールタイプのページに移動し、ホストオペレーティングシステムとアーキテクチャーに対応するインストールプログラムをダウンロードして、インストール設定ファイルを保存するディレクトリーにファイルを配置します。
重要インストールプログラムは、クラスターのインストールに使用するコンピューターにいくつかのファイルを作成します。クラスターのインストール完了後は、インストールプログラムおよびインストールプログラムが作成するファイルを保持する必要があります。ファイルはいずれもクラスターを削除するために必要になります。
重要インストールプログラムで作成されたファイルを削除しても、クラスターがインストール時に失敗した場合でもクラスターは削除されません。クラスターを削除するには、特定のクラウドプロバイダー用の OpenShift Container Platform のアンインストール手順を実行します。
インストールプログラムを展開します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。
tar -xvf openshift-install-linux.tar.gz
$ tar -xvf openshift-install-linux.tar.gz
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - Red Hat OpenShift Cluster Manager からインストールプルシークレット をダウンロードします。このプルシークレットを使用し、OpenShift Container Platform コンポーネントのコンテナーイメージを提供する Quay.io など、組み込まれた各種の認証局によって提供されるサービスで認証できます。
3.4.4.1. インストール設定ファイルの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Alibaba Cloud にインストールする OpenShift Container Platform クラスターをカスタマイズできます。
前提条件
- OpenShift Container Platform インストールプログラムおよびクラスターのプルシークレットがある。
手順
install-config.yaml
ファイルを作成します。インストールプログラムが含まれるディレクトリーに切り替え、以下のコマンドを実行します。
./openshift-install create install-config --dir <installation_directory>
$ ./openshift-install create install-config --dir <installation_directory>
1 Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 1
<installation_directory>
の場合、インストールプログラムが作成するファイルを保存するためにディレクトリー名を指定します。
ディレクトリーを指定する場合:
-
ディレクトリーに
execute
権限があることを確認します。この権限は、インストールディレクトリーで Terraform バイナリーを実行するために必要です。 空のディレクトリーを使用します。ブートストラップ X.509 証明書などの一部のインストールアセットは有効期限が短いため、インストールディレクトリーを再利用しないでください。別のクラスターインストールの個別のファイルを再利用する必要がある場合は、それらをディレクトリーにコピーすることができます。ただし、インストールアセットのファイル名はリリース間で変更される可能性があります。インストールファイルを以前のバージョンの OpenShift Container Platform からコピーする場合は注意してコピーを行ってください。
注記古い設定の再利用を回避するために、
~/.powervs
ディレクトリーは必ず削除してください。以下のコマンドを実行します。rm -rf ~/.powervs
$ rm -rf ~/.powervs
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
プロンプト時に、クラウドの設定の詳細情報を指定します。
オプション: クラスターマシンにアクセスするために使用する SSH キーを選択します。
注記インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、
ssh-agent
プロセスが使用する SSH キーを指定します。- ターゲットとするプラットフォームとして alibabacloud を選択します。
- クラスターをデプロイするリージョンを選択します。
- クラスターをデプロイするベースドメインを選択します。ベースドメインは、クラスターに作成したパブリック DNS ゾーンに対応します。
- クラスターの記述名を指定します。
クラスターを Alibaba Cloud にインストールするには、Cloud Credential Operator (CCO) が手動モードで動作する必要があります。
install-config.yaml
ファイルを変更して、credentialsMode
パラメーターをManual
に設定します。credentialsMode
がManual
に設定された install-config.yaml 設定ファイルの例Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 1
- この行を追加して、
credentialsMode
をManual
に設定します。
-
install-config.yaml
ファイルを変更します。利用可能なパラメーターの詳細は、「インストール設定パラメーター」のセクションを参照してください。 install-config.yaml
ファイルをバックアップし、複数のクラスターをインストールするのに使用できるようにします。重要install-config.yaml
ファイルはインストールプロセス時に使用されます。このファイルを再利用する必要がある場合は、この段階でこれをバックアップしてください。
3.4.4.2. 必要なインストールマニフェストの生成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
クラスターがマシンを設定するために必要な Kubernetes マニフェストと Ignition 設定ファイルを生成する必要があります。
手順
インストールプログラムが含まれているディレクトリーから次のコマンドを実行して、マニフェストを生成します。
openshift-install create manifests --dir <installation_directory>
$ openshift-install create manifests --dir <installation_directory>
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ここで、
<installation_directory>
- インストールプログラムがファイルを作成するディレクトリーを指定します。
3.4.4.3. ccoctl ツールを使用した OpenShift Container Platform コンポーネントのクレデンシャルの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
OpenShift Container Platform Cloud Credential Operator (CCO) ユーティリティーを使用して、Alibaba Cloud RAM ユーザーとクラスター内コンポーネントごとのポリシーの作成を自動化できます。
デフォルトで、ccoctl
はコマンドが実行されるディレクトリーにオブジェクトを作成します。オブジェクトを別のディレクトリーに作成するには、--output-dir
フラグを使用します。この手順では、<path_to_ccoctl_output_dir>
を使用してこの場所を参照します。
前提条件
以下が必要になります。
-
ccoctl
バイナリーを抽出して準備している。 - OpenShift Container Platform クラスターを作成するための十分な権限を持つ RAM ユーザーを作成している。
-
その RAM ユーザーの AccessKeyID (
access_key_id
) と AccessKeySecret (access_key_secret
) をローカルコンピューターの~/.alibabacloud/credentials
ファイル に追加しました。
手順
次のコマンドを実行して、インストールファイルのリリースイメージを
$RELEASE_IMAGE
変数に設定します。RELEASE_IMAGE=$(./openshift-install version | awk '/release image/ {print $3}')
$ RELEASE_IMAGE=$(./openshift-install version | awk '/release image/ {print $3}')
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 以下のコマンドを実行して、OpenShift Container Platform リリースイメージから
CredentialsRequest
オブジェクトのリストを抽出します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記このコマンドの実行には少し時間がかかる場合があります。
次のコマンドを実行し、
ccoctl
ツールを使用してCredentialsRequest
オブジェクトをすべて処理します。ツールを使用するには、次のコマンドを実行します。
ccoctl alibabacloud create-ram-users \ --name <name> \ --region=<alibaba_region> \ --credentials-requests-dir=<path_to_credentials_requests_directory> \ --output-dir=<path_to_ccoctl_output_dir>
$ ccoctl alibabacloud create-ram-users \ --name <name> \
1 --region=<alibaba_region> \
2 --credentials-requests-dir=<path_to_credentials_requests_directory> \
3 --output-dir=<path_to_ccoctl_output_dir>
4 Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記クラスターで
TechPreviewNoUpgrade
機能セットによって有効化されたテクノロジープレビュー機能を使用している場合は、--enable-tech-preview
パラメーターを含める必要があります。出力例
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記RAM ユーザーは、同時に最大 2 つの AccessKey を持つことができます。
ccoctl alibabacloud create-ram-users
を 3 回以上実行すると、以前に生成されたマニフェストシークレットが古くなり、新しく生成されたシークレットを再適用する必要があります。OpenShift Container Platform シークレットが作成されていることを確認します。
ls <path_to_ccoctl_output_dir>/manifests
$ ls <path_to_ccoctl_output_dir>/manifests
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 出力例
openshift-cluster-csi-drivers-alibaba-disk-credentials-credentials.yaml openshift-image-registry-installer-cloud-credentials-credentials.yaml openshift-ingress-operator-cloud-credentials-credentials.yaml openshift-machine-api-alibabacloud-credentials-credentials.yaml
openshift-cluster-csi-drivers-alibaba-disk-credentials-credentials.yaml openshift-image-registry-installer-cloud-credentials-credentials.yaml openshift-ingress-operator-cloud-credentials-credentials.yaml openshift-machine-api-alibabacloud-credentials-credentials.yaml
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow RAM ユーザーとポリシーが Alibaba Cloud にクエリーを実行して作成されていることを確認できます。詳細については、RAM ユーザーとポリシーのリスト表示に関する Alibaba Cloud のドキュメントを参照してください。
生成されたクレデンシャルファイルをターゲットマニフェストディレクトリーにコピーします。
cp ./<path_to_ccoctl_output_dir>/manifests/*credentials.yaml ./<path_to_installation>dir>/manifests/
$ cp ./<path_to_ccoctl_output_dir>/manifests/*credentials.yaml ./<path_to_installation>dir>/manifests/
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ここで、
<path_to_ccoctl_output_dir>
-
ccoctl alibabacloud create-ram-users
コマンドによって作成されるディレクトリーを指定します。 <path_to_installation_dir>
- インストールプログラムがファイルを作成するディレクトリーを指定します。
3.4.4.4. Alibaba Cloud 用にカスタマイズされた install-config.yaml ファイルのサンプル リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
インストール設定ファイル (install-config.yaml
) をカスタマイズして、クラスターのプラットフォームに関する詳細を指定したり、必要なパラメーターの値を変更したりできます。
- 1
- 必須。インストールプログラムにより、クラスター名の入力を求められます。
- 2
- インストールするクラスターネットワークプラグイン。サポートされている値は
OVNKubernetes
とOpenShiftSDN
です。デフォルトの値はOVNkubernetes
です。 - 3
- オプション。独自のプラットフォーム設定を定義しないマシンプールのパラメーターを指定します。
- 4
- 必須。インストールプログラムにより、クラスターをデプロイするリージョンの入力を求められます。
- 5
- オプション。クラスターをインストールする必要がある既存のリソースグループを指定します。
- 8
- 必須。インストールプログラムは、プルシークレットの入力を求めます。
- 9
- オプション。インストールプログラムは、クラスター内のマシンへのアクセスに使用する SSH キー値の入力を求めます。
- 6 7
- オプション。これらは vswitchID 値の例です。
3.4.4.5. インストール時のクラスター全体のプロキシーの設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
実稼働環境では、インターネットへの直接アクセスを拒否し、代わりに HTTP または HTTPS プロキシーを使用することができます。プロキシー設定を install-config.yaml
ファイルで行うことにより、新規の OpenShift Container Platform クラスターをプロキシーを使用するように設定できます。
前提条件
-
既存の
install-config.yaml
ファイルがある。 クラスターがアクセスする必要のあるサイトを確認済みで、それらのいずれかがプロキシーをバイパスする必要があるかどうかを判別している。デフォルトで、すべてのクラスター Egress トラフィック (クラスターをホストするクラウドに関するクラウドプロバイダー API に対する呼び出しを含む) はプロキシーされます。プロキシーを必要に応じてバイパスするために、サイトを
Proxy
オブジェクトのspec.noProxy
フィールドに追加している。注記Proxy
オブジェクトのstatus.noProxy
フィールドには、インストール設定のnetworking.machineNetwork[].cidr
、networking.clusterNetwork[].cidr
、およびnetworking.serviceNetwork[]
フィールドの値が設定されます。Amazon Web Services (AWS)、Google Cloud Platform (GCP)、Microsoft Azure、および Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) へのインストールの場合、
Proxy
オブジェクトのstatus.noProxy
フィールドには、インスタンスメタデータのエンドポイント (169.254.169.254
) も設定されます。
手順
install-config.yaml
ファイルを編集し、プロキシー設定を追加します。以下に例を示します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 1
- クラスター外の HTTP 接続を作成するために使用するプロキシー URL。URL スキームは
http
である必要があります。 - 2
- クラスター外で HTTPS 接続を作成するために使用するプロキシー URL。
- 3
- プロキシーから除外するための宛先ドメイン名、IP アドレス、または他のネットワーク CIDR のコンマ区切りのリスト。サブドメインのみと一致するように、ドメインの前に
.
を付けます。たとえば、.y.com
はx.y.com
に一致しますが、y.com
には一致しません。*
を使用し、すべての宛先のプロキシーをバイパスします。 - 4
- 指定されている場合、インストールプログラムは HTTPS 接続のプロキシーに必要な 1 つ以上の追加の CA 証明書が含まれる
user-ca-bundle
という名前の設定マップをopenshift-config
namespace に生成します。次に Cluster Network Operator は、これらのコンテンツを Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) 信頼バンドルにマージするtrusted-ca-bundle
設定マップを作成し、この設定マップはProxy
オブジェクトのtrustedCA
フィールドで参照されます。additionalTrustBundle
フィールドは、プロキシーのアイデンティティー証明書が RHCOS 信頼バンドルからの認証局によって署名されない限り必要になります。 - 5
- オプション:
trustedCA
フィールドのuser-ca-bundle
設定マップを参照するProxy
オブジェクトの設定を決定するポリシー。許可される値はProxyonly
およびAlways
です。Proxyonly
を使用して、http/https
プロキシーが設定されている場合にのみuser-ca-bundle
設定マップを参照します。Always
を使用して、常にuser-ca-bundle
設定マップを参照します。デフォルト値はProxyonly
です。
注記インストールプログラムは、プロキシーの
readinessEndpoints
フィールドをサポートしません。注記インストーラーがタイムアウトした場合は、インストーラーの
wait-for
コマンドを使用してデプロイメントを再起動してからデプロイメントを完了します。以下に例を示します。./openshift-install wait-for install-complete --log-level debug
$ ./openshift-install wait-for install-complete --log-level debug
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - ファイルを保存し、OpenShift Container Platform のインストール時にこれを参照します。
インストールプログラムは、指定の install-config.yaml
ファイルのプロキシー設定を使用する cluster
という名前のクラスター全体のプロキシーを作成します。プロキシー設定が指定されていない場合、cluster
Proxy
オブジェクトが依然として作成されますが、これには spec
がありません。
cluster
という名前の Proxy
オブジェクトのみがサポートされ、追加のプロキシーを作成することはできません。
3.4.5. クラスターのデプロイ リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
互換性のあるクラウドプラットフォームに OpenShift Container Platform をインストールできます。
インストールプログラムの create cluster
コマンドは、初期インストール時に 1 回だけ実行できます。
前提条件
- クラスターをホストするクラウドプラットフォームでアカウントを設定しました。
- OpenShift Container Platform インストールプログラムおよびクラスターのプルシークレットがある。
- ホスト上のクラウドプロバイダーアカウントに、クラスターをデプロイするための適切な権限があることが確認されました。アカウントの権限が正しくないと、インストールプロセスが失敗し、不足している権限を示すエラーメッセージが表示されます。
手順
インストールプログラムが含まれるディレクトリーに切り替え、クラスターのデプロイメントを初期化します。
./openshift-install create cluster --dir <installation_directory> \ --log-level=info
$ ./openshift-install create cluster --dir <installation_directory> \
1 --log-level=info
2 Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
クラスターのデプロイが正常に完了すると、次のようになります。
-
ターミナルには、Web コンソールへのリンクや
kubeadmin
ユーザーの認証情報など、クラスターにアクセスするための指示が表示されます。 -
認証情報は
<installation_directory>/.openshift_install.log
にも出力されます。
インストールプログラム、またはインストールプログラムが作成するファイルを削除することはできません。これらはいずれもクラスターを削除するために必要になります。
出力例
-
インストールプログラムが生成する Ignition 設定ファイルには、24 時間が経過すると期限切れになり、その後に更新される証明書が含まれます。証明書を更新する前にクラスターが停止し、24 時間経過した後にクラスターを再起動すると、クラスターは期限切れの証明書を自動的に復元します。例外として、kubelet 証明書を回復するために保留状態の
node-bootstrapper
証明書署名要求 (CSR) を手動で承認する必要があります。詳細は、コントロールプレーン証明書の期限切れの状態からのリカバリー に関するドキュメントを参照してください。 - 24 時間証明書はクラスターのインストール後 16 時間から 22 時間にローテーションするため、Ignition 設定ファイルは、生成後 12 時間以内に使用することを推奨します。12 時間以内に Ignition 設定ファイルを使用することにより、インストール中に証明書の更新が実行された場合のインストールの失敗を回避できます。
3.4.6. バイナリーのダウンロードによる OpenShift CLI のインストール リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
コマンドラインインターフェイスを使用して OpenShift Container Platform と対話するために CLI (oc
) をインストールすることができます。oc
は Linux、Windows、または macOS にインストールできます。
以前のバージョンの oc
をインストールしている場合、これを使用して OpenShift Container Platform 4.14 のすべてのコマンドを実行することはできません。新規バージョンの oc
をダウンロードし、インストールします。
Linux への OpenShift CLI のインストール
以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc
) バイナリーを Linux にインストールできます。
手順
- Red Hat カスタマーポータルの OpenShift Container Platform ダウンロードページ に移動します。
- Product Variant ドロップダウンリストからアーキテクチャーを選択します。
- バージョン ドロップダウンリストから適切なバージョンを選択します。
- OpenShift v4.14 Linux Client エントリーの横にある Download Now をクリックして、ファイルを保存します。
アーカイブを展開します。
tar xvf <file>
$ tar xvf <file>
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow oc
バイナリーを、PATH
にあるディレクトリーに配置します。PATH
を確認するには、以下のコマンドを実行します。echo $PATH
$ echo $PATH
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
OpenShift CLI のインストール後に、
oc
コマンドを使用して利用できます。oc <command>
$ oc <command>
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Windows への OpenShift CLI のインストール
以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc
) バイナリーを Windows にインストールできます。
手順
- Red Hat カスタマーポータルの OpenShift Container Platform ダウンロードページ に移動します。
- バージョン ドロップダウンリストから適切なバージョンを選択します。
- OpenShift v4.14 Windows Client エントリーの横にある Download Now をクリックして、ファイルを保存します。
- ZIP プログラムでアーカイブを展開します。
oc
バイナリーを、PATH
にあるディレクトリーに移動します。PATH
を確認するには、コマンドプロンプトを開いて以下のコマンドを実行します。path
C:\> path
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
OpenShift CLI のインストール後に、
oc
コマンドを使用して利用できます。oc <command>
C:\> oc <command>
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
macOS への OpenShift CLI のインストール
以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc
) バイナリーを macOS にインストールできます。
手順
- Red Hat カスタマーポータルの OpenShift Container Platform ダウンロードページ に移動します。
- バージョン ドロップダウンリストから適切なバージョンを選択します。
OpenShift v4.14 macOS Client エントリーの横にある Download Now をクリックして、ファイルを保存します。
注記macOS arm64 の場合は、OpenShift v4.14 macOS arm64 Client エントリーを選択します。
- アーカイブを展開し、解凍します。
oc
バイナリーをパスにあるディレクトリーに移動します。PATH
を確認するには、ターミナルを開き、以下のコマンドを実行します。echo $PATH
$ echo $PATH
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
oc
コマンドを使用してインストールを確認します。oc <command>
$ oc <command>
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
3.4.7. CLI の使用によるクラスターへのログイン リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
クラスター kubeconfig
ファイルをエクスポートし、デフォルトシステムユーザーとしてクラスターにログインできます。kubeconfig
ファイルには、クライアントを正しいクラスターおよび API サーバーに接続するために CLI で使用されるクラスターに関する情報が含まれます。このファイルはクラスターに固有のファイルであり、OpenShift Container Platform のインストール時に作成されます。
前提条件
- OpenShift Container Platform クラスターをデプロイしていること。
-
oc
CLI をインストールしていること。
手順
kubeadmin
認証情報をエクスポートします。export KUBECONFIG=<installation_directory>/auth/kubeconfig
$ export KUBECONFIG=<installation_directory>/auth/kubeconfig
1 Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 1
<installation_directory>
には、インストールファイルを保存したディレクトリーへのパスを指定します。
エクスポートされた設定を使用して、
oc
コマンドを正常に実行できることを確認します。oc whoami
$ oc whoami
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 出力例
system:admin
system:admin
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
/validating-an-installation.adoc
3.4.8. Web コンソールを使用したクラスターへのログイン リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
kubeadmin
ユーザーは、OpenShift Container Platform のインストール後はデフォルトで存在します。OpenShift Container Platform Web コンソールを使用し、kubeadmin
ユーザーとしてクラスターにログインできます。
前提条件
- インストールホストにアクセスできる。
- クラスターのインストールを完了しており、すべてのクラスター Operator が利用可能である。
手順
インストールホストで
kubeadmin-password
ファイルからkubeadmin
ユーザーのパスワードを取得します。cat <installation_directory>/auth/kubeadmin-password
$ cat <installation_directory>/auth/kubeadmin-password
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記または、インストールホストで
<installation_directory>/.openshift_install.log
ログファイルからkubeadmin
パスワードを取得できます。OpenShift Container Platform Web コンソールルートをリスト表示します。
oc get routes -n openshift-console | grep 'console-openshift'
$ oc get routes -n openshift-console | grep 'console-openshift'
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記または、インストールホストで
<installation_directory>/.openshift_install.log
ログファイルからで OpenShift Container Platform ルートを取得できます。出力例
console console-openshift-console.apps.<cluster_name>.<base_domain> console https reencrypt/Redirect None
console console-openshift-console.apps.<cluster_name>.<base_domain> console https reencrypt/Redirect None
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow -
Web ブラウザーで前述のコマンドの出力で詳細に説明されたルートに移動し、
kubeadmin
ユーザーとしてログインします。
3.4.9. OpenShift Container Platform の Telemetry アクセス リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
OpenShift Container Platform 4.14 では、クラスターの健全性および正常に実行された更新についてのメトリクスを提供するためにデフォルトで実行される Telemetry サービスにもインターネットアクセスが必要です。クラスターがインターネットに接続されている場合、Telemetry は自動的に実行され、クラスターは OpenShift Cluster Manager に登録されます。
OpenShift Cluster Manager インベントリーが正常である (Telemetry によって自動的に維持、または OpenShift Cluster Manager を使用して手動で維持) ことを確認した後に、subscription watch を使用 して、アカウントまたはマルチクラスターレベルで OpenShift Container Platform サブスクリプションを追跡します。
3.4.10. 次のステップ リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
- インストールを検証 します。
- クラスターをカスタマイズ します。
- 必要に応じて、リモートヘルスレポートをオプトアウト できます。