6.3. インストーラーでプロビジョニングされたインフラストラクチャーを使用して Azure Stack Hub にクラスターをインストールします。
OpenShift Container Platform バージョン 4.14 では、インストーラーでプロビジョニングされたインフラストラクチャーを使用して、Microsoft Azure Stack Hub にクラスターをインストールできます。ただし、Azure Stack Hub に固有の値を指定するには、install-config.yaml
ファイルを手動で設定する必要があります。
インストールプログラムを使用して、installer-provisioned infrastructure を使用してクラスターをデプロイするときに、azure
を選択できますが、このオプションは Azure Public Cloud でのみサポートされます。
6.3.1. 前提条件
- OpenShift Container Platform のインストールおよび更新 プロセスの詳細を確認した。
- クラスターインストール方法の選択およびそのユーザー向けの準備 を確認した。
- クラスターをホストするように Azure Stack Hub アカウントを設定 している。
- ファイアウォールを使用する場合は、クラスターがアクセスを必要とするサイトを許可するようにファイアウォールを設定する必要がある。
- 約 16GB のローカルディスク容量があることを確認している。クラスターをインストールするには、RHCOS 仮想ハードディスク (VHD) クラスターイメージをダウンロードし、これを Azure Stack Hub 環境にアップロードして、デプロイメント中にアクセスできるようにする必要があります。VHD ファイルを解凍するには、これくらいのローカルディスク領域が必要です。
6.3.2. OpenShift Container Platform のインターネットアクセス
OpenShift Container Platform 4.14 では、クラスターをインストールするためにインターネットアクセスが必要になります。
インターネットへのアクセスは以下を実行するために必要です。
- OpenShift Cluster Manager にアクセスし、インストールプログラムをダウンロードし、サブスクリプション管理を実行します。クラスターにインターネットアクセスがあり、Telemetry を無効にしない場合、そのサービスは有効なサブスクリプションでクラスターを自動的に使用します。
- クラスターのインストールに必要なパッケージを取得するために Quay.io にアクセスします。
- クラスターの更新を実行するために必要なパッケージを取得します。
クラスターでインターネットに直接アクセスできない場合、プロビジョニングする一部のタイプのインフラストラクチャーでネットワークが制限されたインストールを実行できます。このプロセスで、必要なコンテンツをダウンロードし、これを使用してミラーレジストリーにインストールパッケージを設定します。インストールタイプによっては、クラスターのインストール環境でインターネットアクセスが不要となる場合があります。クラスターを更新する前に、ミラーレジストリーのコンテンツを更新します。
6.3.3. クラスターノードの SSH アクセス用のキーペアの生成
OpenShift Container Platform をインストールする際に、SSH パブリックキーをインストールプログラムに指定できます。キーは、Ignition 設定ファイルを介して Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) ノードに渡され、ノードへの SSH アクセスを認証するために使用されます。このキーは各ノードの core
ユーザーの ~/.ssh/authorized_keys
リストに追加され、パスワードなしの認証が可能になります。
キーがノードに渡されると、キーペアを使用して RHCOS ノードにユーザー core
として SSH を実行できます。SSH 経由でノードにアクセスするには、秘密鍵のアイデンティティーをローカルユーザーの SSH で管理する必要があります。
インストールのデバッグまたは障害復旧を実行するためにクラスターノードに対して SSH を実行する場合は、インストールプロセスの間に SSH 公開鍵を指定する必要があります。./openshift-install gather
コマンドでは、SSH 公開鍵がクラスターノードに配置されている必要もあります。
障害復旧およびデバッグが必要な実稼働環境では、この手順を省略しないでください。
AWS キーペア などのプラットフォームに固有の方法で設定したキーではなく、ローカルキーを使用する必要があります。
手順
クラスターノードへの認証に使用するローカルマシンに既存の SSH キーペアがない場合は、これを作成します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。
$ ssh-keygen -t ed25519 -N '' -f <path>/<file_name> 1
- 1
- 新しい SSH キーのパスとファイル名 (
~/.ssh/id_ed25519
など) を指定します。既存のキーペアがある場合は、公開鍵が~/.ssh
ディレクトリーにあることを確認します。
注記x86_64
、ppc64le
、およびs390x
アーキテクチャーのみで FIPS 140-2/140-3 検証のために NIST に提出された RHEL 暗号化ライブラリーを使用する OpenShift Container Platform クラスターをインストールする予定がある場合は、ed25519
アルゴリズムを使用するキーを作成しないでください。代わりに、rsa
アルゴリズムまたはecdsa
アルゴリズムを使用するキーを作成します。公開 SSH キーを表示します。
$ cat <path>/<file_name>.pub
たとえば、次のコマンドを実行して
~/.ssh/id_ed25519.pub
公開鍵を表示します。$ cat ~/.ssh/id_ed25519.pub
ローカルユーザーの SSH エージェントに SSH 秘密鍵 ID が追加されていない場合は、それを追加します。キーの SSH エージェント管理は、クラスターノードへのパスワードなしの SSH 認証、または
./openshift-install gather
コマンドを使用する場合は必要になります。注記一部のディストリビューションでは、
~/.ssh/id_rsa
および~/.ssh/id_dsa
などのデフォルトの SSH 秘密鍵のアイデンティティーは自動的に管理されます。ssh-agent
プロセスがローカルユーザーに対して実行されていない場合は、バックグラウンドタスクとして開始します。$ eval "$(ssh-agent -s)"
出力例
Agent pid 31874
注記クラスターが FIPS モードにある場合は、FIPS 準拠のアルゴリズムのみを使用して SSH キーを生成します。鍵は RSA または ECDSA のいずれかである必要があります。
SSH プライベートキーを
ssh-agent
に追加します。$ ssh-add <path>/<file_name> 1
- 1
~/.ssh/id_ed25519
などの、SSH プライベートキーのパスおよびファイル名を指定します。
出力例
Identity added: /home/<you>/<path>/<file_name> (<computer_name>)
次のステップ
- OpenShift Container Platform をインストールする際に、SSH パブリックキーをインストールプログラムに指定します。
6.3.4. RHCOS クラスターイメージのアップロード
RHCOS 仮想ハードディスク (VHD) クラスターイメージをダウンロードし、これを Azure Stack Hub 環境にアップロードして、デプロイメント中にアクセスできるようにする必要があります。
前提条件
- Azure アカウントを設定します。
手順
RHCOS VHD クラスターイメージを取得します。
RHCOS VHD の URL を環境変数にエクスポートします。
$ export COMPRESSED_VHD_URL=$(openshift-install coreos print-stream-json | jq -r '.architectures.x86_64.artifacts.azurestack.formats."vhd.gz".disk.location')
圧縮された RHCOS VHD ファイルをローカルにダウンロードします。
$ curl -O -L ${COMPRESSED_VHD_URL}
VHD ファイルを展開します。
注記展開した VHD ファイルは約 16 GB であるため、ホストシステムに 16 GB の空き領域があることを確認してください。VHD ファイルは、アップロードした後に削除できます。
-
ローカル VHD を Azure Stack Hub 環境にアップロードし、blob が公開されていることを確認します。たとえば、
az
cli または Web ポータルを使用して VHD を blob にアップロードできます。
6.3.5. インストールプログラムの取得
OpenShift Container Platform をインストールする前に、インストールに使用しているホストにインストールファイルをダウンロードします。
前提条件
- 500 MB のローカルディスク領域がある Linux または macOS を実行するコンピューターが必要です。
手順
- OpenShift Cluster Manager サイトの インフラストラクチャープロバイダー ページにアクセスします。Red Hat アカウントがある場合は、認証情報を使用してログインします。アカウントがない場合はこれを作成します。
- クラウドプロバイダーとしてAzureを選択します。
インストールタイプのページに移動し、ホストオペレーティングシステムとアーキテクチャーに対応するインストールプログラムをダウンロードして、インストール設定ファイルを保存するディレクトリーにファイルを配置します。
重要インストールプログラムは、クラスターのインストールに使用するコンピューターにいくつかのファイルを作成します。クラスターのインストール完了後は、インストールプログラムおよびインストールプログラムが作成するファイルを保持する必要があります。ファイルはいずれもクラスターを削除するために必要になります。
重要インストールプログラムで作成されたファイルを削除しても、クラスターがインストール時に失敗した場合でもクラスターは削除されません。クラスターを削除するには、特定のクラウドプロバイダー用の OpenShift Container Platform のアンインストール手順を実行します。
インストールプログラムを展開します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。
$ tar -xvf openshift-install-linux.tar.gz
- Red Hat OpenShift Cluster Manager からインストールプルシークレット をダウンロードします。このプルシークレットを使用し、OpenShift Container Platform コンポーネントのコンテナーイメージを提供する Quay.io など、組み込まれた各種の認証局によって提供されるサービスで認証できます。
6.3.6. インストール設定ファイルの手動作成
OpenShift Container Platform を Microsoft Azure Stack Hub にインストールする場合は、インストール設定ファイルを手動で作成する必要があります。
前提条件
- ローカルマシンには、インストールプログラムに提供する SSH 公開鍵があります。このキーは、デバッグおよび障害復旧のためにクラスターノードへの SSH 認証に使用されます。
- OpenShift Container Platform インストールプログラムおよびクラスターのプルシークレットを取得しています。
手順
必要なインストールアセットを保存するためのインストールディレクトリーを作成します。
$ mkdir <installation_directory>
重要ディレクトリーを作成する必要があります。ブートストラップ X.509 証明書などの一部のインストールアセットの有効期限は短く設定されているため、インストールディレクトリーを再利用することができません。別のクラスターインストールの個別のファイルを再利用する必要がある場合は、それらをディレクトリーにコピーすることができます。ただし、インストールアセットのファイル名はリリース間で変更される可能性があります。インストールファイルを以前のバージョンの OpenShift Container Platform からコピーする場合は注意してコピーを行ってください。
提供されるサンプルの
install-config.yaml
ファイルテンプレートをカスタマイズし、これを<installation_directory>
に保存します。注記この設定ファイルの名前を
install-config.yaml
と付ける必要があります。次の変更を行います。
- 必要なインストールパラメーターを指定します。
-
platform.azure
セクションを更新して、Azure Stack Hub に固有のパラメーターを指定します。 オプション: 1 つ以上のデフォルト設定パラメーターを更新して、インストールをカスタマイズします。
パラメーターの詳細は、「インストール設定パラメーター」を参照してください。
install-config.yaml
ファイルをバックアップし、複数のクラスターをインストールするのに使用できるようにします。重要install-config.yaml
ファイルは、インストールプロセスの次の手順で使用されます。この時点でこれをバックアップする必要があります。
6.3.6.1. Azure Stack Hub 用にカスタマイズされた install-config.yaml ファイルのサンプル
install-config.yaml
ファイルをカスタマイズして、OpenShift Container Platform クラスターのプラットフォームに関する詳細を指定するか、必要なパラメーターの値を変更することができます。
このサンプルの YAML ファイルは参照用にのみ提供されます。これを使用して、手動で作成したインストール設定ファイルにパラメーター値を入力します。
apiVersion: v1 baseDomain: example.com 1 credentialsMode: Manual controlPlane: 2 3 name: master platform: azure: osDisk: diskSizeGB: 1024 4 diskType: premium_LRS replicas: 3 compute: 5 - name: worker platform: azure: osDisk: diskSizeGB: 512 6 diskType: premium_LRS replicas: 3 metadata: name: test-cluster 7 8 networking: clusterNetwork: - cidr: 10.128.0.0/14 hostPrefix: 23 machineNetwork: - cidr: 10.0.0.0/16 networkType: OVNKubernetes 9 serviceNetwork: - 172.30.0.0/16 platform: azure: armEndpoint: azurestack_arm_endpoint 10 11 baseDomainResourceGroupName: resource_group 12 13 region: azure_stack_local_region 14 15 resourceGroupName: existing_resource_group 16 outboundType: Loadbalancer cloudName: AzureStackCloud 17 clusterOSimage: https://vhdsa.blob.example.example.com/vhd/rhcos-410.84.202112040202-0-azurestack.x86_64.vhd 18 19 pullSecret: '{"auths": ...}' 20 21 fips: false 22 sshKey: ssh-ed25519 AAAA... 23 additionalTrustBundle: | 24 -----BEGIN CERTIFICATE----- <MY_TRUSTED_CA_CERT> -----END CERTIFICATE-----
- 1 7 10 12 14 17 18 20
- 必須。
- 2 5
- これらのパラメーターおよび値を指定しない場合、インストールプログラムはデフォルトの値を指定します。
- 3
controlPlane
セクションは単一マッピングですが、compute
セクションはマッピングのシーケンスになります。複数の異なるデータ構造の要件を満たすには、compute
セクションの最初の行はハイフン-
で始め、controlPlane
セクションの最初の行はハイフンで始めることができません。どちらのセクションも、現時点では単一のマシンプールを定義しますが、OpenShift Container Platform の今後のバージョンでは、インストール時の複数のコンピュートプールの定義をサポートする可能性があります。1 つのコントロールプレーンプールのみが使用されます。- 4 6
- 使用するディスクのサイズは、GB 単位で指定できます。コントロールプレーンノードの最小推奨値は 1024 GB です。
- 8
- クラスターの名前。
- 9
- インストールするクラスターネットワークプラグイン。サポートされている値は
OVNKubernetes
とOpenShiftSDN
です。デフォルトの値はOVNkubernetes
です。 - 11
- Azure Stack Hub オペレーターが提供する Azure Resource Manager エンドポイント。
- 13
- ベースドメインの DNS ゾーンが含まれるリソースグループの名前。
- 15
- Azure Stack Hub ローカルリージョンの名前。
- 16
- クラスターをインストールする既存のリソースグループの名前。定義されていない場合は、クラスターに新しいリソースグループが作成されます。
- 19
- RHCOS VHD を含む Azure Stack 環境のストレージ blob の URL。
- 21
- クラスターを認証するために必要なプルシークレット。
- 22
- FIPS モードを有効または無効にするかどうか。デフォルトでは、FIPS モードは有効にされません。FIPS モードが有効にされている場合、OpenShift Container Platform が実行される Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) マシンがデフォルトの Kubernetes 暗号スイートをバイパスし、代わりに RHCOS で提供される暗号モジュールを使用します。重要
FIPS モードでブートされた Red Hat Enterprise Linux (RHEL) または Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を実行する場合、OpenShift Container Platform コアコンポーネントは、x86_64、ppc64le、および s390x アーキテクチャーのみで、FIPS 140-2/140-3 検証のために NIST に提出された RHEL 暗号化ライブラリーを使用します。
- 23
- クラスター内のマシンにアクセスするために使用する
sshKey
値をオプションで指定できます。注記インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、
ssh-agent
プロセスが使用する SSH キーを指定します。 - 24
- Azure Stack Hub 環境で内部認証局 (CA) を使用している場合は、CA 証明書を追加する必要があります。
6.3.7. クラウドクレデンシャルの手動管理
Cloud Credential Operator (CCO) は、手動モードのクラウドプロバイダーのみをサポートします。そのため、クラウドプロバイダーの ID およびアクセス管理 (IAM) シークレットを指定する必要があります。
手順
インストールマニフェストファイルをまだ作成していない場合は、次のコマンドを実行して作成します。
$ openshift-install create manifests --dir <installation_directory>
ここで、
<installation_directory>
は、インストールプログラムがファイルを作成するディレクトリーに置き換えます。次のコマンドを実行して、インストールファイルのリリースイメージを
$RELEASE_IMAGE
変数に設定します。$ RELEASE_IMAGE=$(./openshift-install version | awk '/release image/ {print $3}')
以下のコマンドを実行して、OpenShift Container Platform リリースイメージから
CredentialsRequest
カスタムリソース (CR) のリストを抽出します。$ oc adm release extract \ --from=$RELEASE_IMAGE \ --credentials-requests \ --included \1 --install-config=<path_to_directory_with_installation_configuration>/install-config.yaml \2 --to=<path_to_directory_for_credentials_requests> 3
このコマンドにより、それぞれの
CredentialsRequest
オブジェクトに YAML ファイルが作成されます。サンプル
CredentialsRequest
オブジェクトapiVersion: cloudcredential.openshift.io/v1 kind: CredentialsRequest metadata: name: <component_credentials_request> namespace: openshift-cloud-credential-operator ... spec: providerSpec: apiVersion: cloudcredential.openshift.io/v1 kind: AzureProviderSpec roleBindings: - role: Contributor ...
以前に生成した
openshift-install
マニフェストディレクトリーにシークレットの YAML ファイルを作成します。シークレットは、それぞれのCredentialsRequest
オブジェクトについてspec.secretRef
に定義される namespace およびシークレット名を使用して保存する必要があります。シークレットを含む
CredentialsRequest
オブジェクトのサンプルapiVersion: cloudcredential.openshift.io/v1 kind: CredentialsRequest metadata: name: <component_credentials_request> namespace: openshift-cloud-credential-operator ... spec: providerSpec: apiVersion: cloudcredential.openshift.io/v1 kind: AzureProviderSpec roleBindings: - role: Contributor ... secretRef: name: <component_secret> namespace: <component_namespace> ...
サンプル
Secret
オブジェクトapiVersion: v1 kind: Secret metadata: name: <component_secret> namespace: <component_namespace> data: azure_subscription_id: <base64_encoded_azure_subscription_id> azure_client_id: <base64_encoded_azure_client_id> azure_client_secret: <base64_encoded_azure_client_secret> azure_tenant_id: <base64_encoded_azure_tenant_id> azure_resource_prefix: <base64_encoded_azure_resource_prefix> azure_resourcegroup: <base64_encoded_azure_resourcegroup> azure_region: <base64_encoded_azure_region>
手動でメンテナンスされる認証情報を使用するクラスターをアップグレードする前に、CCO がアップグレード可能な状態であることを確認します。
6.3.8. 内部 CA を使用するようにクラスターを設定する
Azure Stack Hub 環境で内部認証局 (CA) を使用している場合は、cluster-proxy-01-config.yaml file
を更新して、内部 CA を使用するようにクラスターを設定します。
前提条件
-
install-config.yaml
ファイルを作成し、証明書の信頼バンドルを.pem
形式で指定します。 - クラスターマニフェストを作成します。
手順
-
インストールプログラムがファイルを作成するディレクトリーから、
manifests
ディレクトリーに移動します。 user-ca-bundle
をspec.trustedCA.name
フィールドに追加します。cluster-proxy-01-config.yaml
ファイルの例apiVersion: config.openshift.io/v1 kind: Proxy metadata: creationTimestamp: null name: cluster spec: trustedCA: name: user-ca-bundle status: {}
-
オプション:
manifests/ cluster-proxy-01-config.yaml
ファイルをバックアップします。クラスターをデプロイすると、インストールプログラムはmanifests/
ディレクトリーを消費します。
6.3.9. クラスターのデプロイ
互換性のあるクラウドプラットフォームに OpenShift Container Platform をインストールできます。
インストールプログラムの create cluster
コマンドは、初期インストール時に 1 回だけ実行できます。
前提条件
- クラスターをホストするクラウドプラットフォームでアカウントを設定しました。
- OpenShift Container Platform インストールプログラムおよびクラスターのプルシークレットがある。
- ホスト上のクラウドプロバイダーアカウントに、クラスターをデプロイするための適切な権限があることが確認されました。アカウントの権限が正しくないと、インストールプロセスが失敗し、不足している権限を示すエラーメッセージが表示されます。
手順
インストールプログラムが含まれるディレクトリーに切り替え、クラスターのデプロイメントを初期化します。
$ ./openshift-install create cluster --dir <installation_directory> \ 1 --log-level=info 2
検証
クラスターのデプロイが正常に完了すると、次のようになります。
-
ターミナルには、Web コンソールへのリンクや
kubeadmin
ユーザーの認証情報など、クラスターにアクセスするための指示が表示されます。 -
認証情報は
<installation_directory>/.openshift_install.log
にも出力されます。
インストールプログラム、またはインストールプログラムが作成するファイルを削除することはできません。これらはいずれもクラスターを削除するために必要になります。
出力例
... INFO Install complete! INFO To access the cluster as the system:admin user when using 'oc', run 'export KUBECONFIG=/home/myuser/install_dir/auth/kubeconfig' INFO Access the OpenShift web-console here: https://console-openshift-console.apps.mycluster.example.com INFO Login to the console with user: "kubeadmin", and password: "password" INFO Time elapsed: 36m22s
-
インストールプログラムが生成する Ignition 設定ファイルには、24 時間が経過すると期限切れになり、その後に更新される証明書が含まれます。証明書を更新する前にクラスターが停止し、24 時間経過した後にクラスターを再起動すると、クラスターは期限切れの証明書を自動的に復元します。例外として、kubelet 証明書を回復するために保留状態の
node-bootstrapper
証明書署名要求 (CSR) を手動で承認する必要があります。詳細は、コントロールプレーン証明書の期限切れの状態からのリカバリー に関するドキュメントを参照してください。 - 24 時間証明書はクラスターのインストール後 16 時間から 22 時間にローテーションするため、Ignition 設定ファイルは、生成後 12 時間以内に使用することを推奨します。12 時間以内に Ignition 設定ファイルを使用することにより、インストール中に証明書の更新が実行された場合のインストールの失敗を回避できます。
6.3.10. バイナリーのダウンロードによる OpenShift CLI のインストール
コマンドラインインターフェイスを使用して OpenShift Container Platform と対話するために CLI (oc
) をインストールすることができます。oc
は Linux、Windows、または macOS にインストールできます。
以前のバージョンの oc
をインストールしている場合、これを使用して OpenShift Container Platform 4.14 のすべてのコマンドを実行することはできません。新規バージョンの oc
をダウンロードし、インストールします。
Linux への OpenShift CLI のインストール
以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc
) バイナリーを Linux にインストールできます。
手順
- Red Hat カスタマーポータルの OpenShift Container Platform ダウンロードページ に移動します。
- Product Variant ドロップダウンリストからアーキテクチャーを選択します。
- バージョン ドロップダウンリストから適切なバージョンを選択します。
- OpenShift v4.14 Linux Client エントリーの横にある Download Now をクリックして、ファイルを保存します。
アーカイブを展開します。
$ tar xvf <file>
oc
バイナリーを、PATH
にあるディレクトリーに配置します。PATH
を確認するには、以下のコマンドを実行します。$ echo $PATH
検証
OpenShift CLI のインストール後に、
oc
コマンドを使用して利用できます。$ oc <command>
Windows への OpenShift CLI のインストール
以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc
) バイナリーを Windows にインストールできます。
手順
- Red Hat カスタマーポータルの OpenShift Container Platform ダウンロードページ に移動します。
- バージョン ドロップダウンリストから適切なバージョンを選択します。
- OpenShift v4.14 Windows Client エントリーの横にある Download Now をクリックして、ファイルを保存します。
- ZIP プログラムでアーカイブを展開します。
oc
バイナリーを、PATH
にあるディレクトリーに移動します。PATH
を確認するには、コマンドプロンプトを開いて以下のコマンドを実行します。C:\> path
検証
OpenShift CLI のインストール後に、
oc
コマンドを使用して利用できます。C:\> oc <command>
macOS への OpenShift CLI のインストール
以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc
) バイナリーを macOS にインストールできます。
手順
- Red Hat カスタマーポータルの OpenShift Container Platform ダウンロードページ に移動します。
- バージョン ドロップダウンリストから適切なバージョンを選択します。
OpenShift v4.14 macOS Client エントリーの横にある Download Now をクリックして、ファイルを保存します。
注記macOS arm64 の場合は、OpenShift v4.14 macOS arm64 Client エントリーを選択します。
- アーカイブを展開し、解凍します。
oc
バイナリーをパスにあるディレクトリーに移動します。PATH
を確認するには、ターミナルを開き、以下のコマンドを実行します。$ echo $PATH
検証
oc
コマンドを使用してインストールを確認します。$ oc <command>
6.3.11. CLI の使用によるクラスターへのログイン
クラスター kubeconfig
ファイルをエクスポートし、デフォルトシステムユーザーとしてクラスターにログインできます。kubeconfig
ファイルには、クライアントを正しいクラスターおよび API サーバーに接続するために CLI で使用されるクラスターに関する情報が含まれます。このファイルはクラスターに固有のファイルであり、OpenShift Container Platform のインストール時に作成されます。
前提条件
- OpenShift Container Platform クラスターをデプロイしていること。
-
oc
CLI をインストールしていること。
手順
kubeadmin
認証情報をエクスポートします。$ export KUBECONFIG=<installation_directory>/auth/kubeconfig 1
- 1
<installation_directory>
には、インストールファイルを保存したディレクトリーへのパスを指定します。
エクスポートされた設定を使用して、
oc
コマンドを正常に実行できることを確認します。$ oc whoami
出力例
system:admin
/validating-an-installation.adoc
6.3.12. Web コンソールを使用したクラスターへのログイン
kubeadmin
ユーザーは、OpenShift Container Platform のインストール後はデフォルトで存在します。OpenShift Container Platform Web コンソールを使用し、kubeadmin
ユーザーとしてクラスターにログインできます。
前提条件
- インストールホストにアクセスできる。
- クラスターのインストールを完了しており、すべてのクラスター Operator が利用可能である。
手順
インストールホストで
kubeadmin-password
ファイルからkubeadmin
ユーザーのパスワードを取得します。$ cat <installation_directory>/auth/kubeadmin-password
注記または、インストールホストで
<installation_directory>/.openshift_install.log
ログファイルからkubeadmin
パスワードを取得できます。OpenShift Container Platform Web コンソールルートをリスト表示します。
$ oc get routes -n openshift-console | grep 'console-openshift'
注記または、インストールホストで
<installation_directory>/.openshift_install.log
ログファイルからで OpenShift Container Platform ルートを取得できます。出力例
console console-openshift-console.apps.<cluster_name>.<base_domain> console https reencrypt/Redirect None
-
Web ブラウザーで前述のコマンドの出力で詳細に説明されたルートに移動し、
kubeadmin
ユーザーとしてログインします。
関連情報
6.3.13. OpenShift Container Platform の Telemetry アクセス
OpenShift Container Platform 4.14 では、クラスターの健全性および正常に実行された更新についてのメトリクスを提供するためにデフォルトで実行される Telemetry サービスにもインターネットアクセスが必要です。クラスターがインターネットに接続されている場合、Telemetry は自動的に実行され、クラスターは OpenShift Cluster Manager に登録されます。
OpenShift Cluster Manager インベントリーが正常である (Telemetry によって自動的に維持、または OpenShift Cluster Manager を使用して手動で維持) ことを確認した後に、subscription watch を使用 して、アカウントまたはマルチクラスターレベルで OpenShift Container Platform サブスクリプションを追跡します。
関連情報
6.3.14. 次のステップ
- インストールを検証 します。
- クラスターをカスタマイズ します。
- 必要に応じて、リモートヘルスレポートをオプトアウト できます。
- 必要に応じて、クラウドプロバイダーの認証情報を削除 できます。