第13章 スコープトークン
13.1. トークンのスコープについて
スコープ付きトークンを作成して、パーミッションの一部を別のユーザーまたはサービスアカウントに委任できます。たとえば、プロジェクト管理者は Pod の作成権限を委任する必要があるかもしれません。
スコープ付きトークンは、指定されるユーザーを識別しますが、そのスコープによって特定のアクションに制限されるトークンです。cluster-admin
ロールを持つユーザーのみがスコープ付きトークンを作成できます。
スコープは、トークンの一連のスコープを PolicyRules
のセットに変換して評価されます。次に、要求がそれらのルールに対してマッチングされます。要求属性は、追加の認可検査のために標準の承認者に渡せるよう、スコープルールのいずれかに一致している必要があります。
13.1.1. ユーザースコープ
ユーザースコープでは、指定されたユーザーについての情報を取得することにフォーカスが置かれます。それらはインテントベースであるため、ルールは自動的に作成されます。
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user:full
: ユーザーのすべてのパーミッションによる API の完全な読み取り/書き込みアクセスを許可します。 -
user:info
: 名前やグループなどのユーザーについての情報の読み取り専用アクセスを許可します。 -
user:check-access
:self-localsubjectaccessreviews
およびself-subjectaccessreviews
へのアクセスを許可します。これらは、要求オブジェクトの空のユーザーおよびグループを渡す変数です。 -
user:list-projects
: ユーザーがアクセスできるプロジェクトを一覧表示するための読み取り専用アクセスを許可します。
13.1.2. ロールスコープ
ロールスコープにより、namespace でフィルターされる指定ロールと同じレベルのアクセスを持たせることができます。
role:<cluster-role name>:<namespace or * for all>
: 指定された namespace のみにあるクラスターロール (cluster-role) で指定されるルールにスコープを制限します。注記注意: これは、アクセスのエスカレートを防ぎます。ロールはシークレット、ロールバインディング、およびロールなどのリソースへのアクセスを許可しますが、このスコープはそれらのリソースへのアクセスを制限するのに役立ちます。これにより、予期しないエスカレーションを防ぐことができます。
edit
などのロールはエスカレートされるロールと見なされないことが多いですが、シークレットのアクセスを持つロールの場合はエスカレーションが生じます。-
role:<cluster-role name>:<namespace or * for all>:!
: bang (!) を含めることでこのスコープでアクセスのエスカレートを許可されますが、それ以外には上記の例と同様になります。