第3章 パイプライン
3.1. Red Hat OpenShift Pipelines リリースノート
Red Hat OpenShift Pipelines は、以下を提供する Tekton プロジェクトをベースとするクラウドネイティブの CI/CD エクスペリエンスです。
- 標準の Kubernetes ネイティブパイプライン定義 (CRD)
- CI サーバー管理のオーバーヘッドのないサーバーレスのパイプライン。
- S2I、Buildah、JIB、Kaniko などの Kubernetes ツールを使用してイメージをビルドするための拡張性。
- Kubernetes ディストリビューションでの移植性。
- パイプラインと対話するための強力な CLI。
- OpenShift Container Platform Web コンソールの Developer パースペクティブと統合されたユーザーエクスペリエンス。
Red Hat OpenShift Pipelines の概要については、OpenShift Pipelines について を参照してください。
3.1.1. 多様性を受け入れるオープンソースの強化
Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。まずは、マスター (master)、スレーブ (slave)、ブラックリスト (blacklist)、ホワイトリスト (whitelist) の 4 つの用語の置き換えから始めます。この取り組みは膨大な作業を要するため、今後の複数のリリースで段階的に用語の置き換えを実施して参ります。詳細は、弊社の CTO、Chris Wright のメッセージ を参照してください。
3.1.2. Red Hat OpenShift Pipelines General Availability (GA) 1.4 のリリースノート
Red Hat OpenShift Pipelines General Availability (GA) 1.4 が OpenShift Container Platform 4.7 で利用可能になりました。
stable および preview Operator チャネルのほかに、Red Hat OpenShift Pipelines Operator 1.4.0 には ocp-4.6、ocp-4.5、および ocp-4.4 の非推奨チャネルが同梱されます。これらの非推奨チャネルおよびそれらのサポートは、Red Hat OpenShift Pipelines の以下のリリースで削除されます。
3.1.2.1. 互換性およびサポート表
現在、今回のリリースに含まれる機能にはテクノロジープレビューのものがあります。これらの実験的機能は、実稼働環境での使用を目的としていません。
以下の表では、機能は以下のステータスでマークされています。
- TP: テクノロジープレビュー
- GA: 一般公開機能
これらの機能に関しては、Red Hat カスタマーポータルの以下のサポート範囲を参照してください。
機能 | バージョン | サポートステータス |
---|---|---|
パイプライン | 0.22 | GA |
CLI | 0.17 | GA |
カタログ | 0.22 | GA |
トリガー | 0.12 | TP |
パイプラインリソース | - | TP |
質問やフィードバックについては、製品チームに pipelines-interest@redhat.com 宛のメールを送信してください。
3.1.2.2. 新機能
以下のセクションでは、修正および安定性の面での改善点に加え、OpenShift Pipelines 1.4 の主な新機能について説明します。
カスタムタスクには、以下の機能強化が含まれます。
- パイプラインの結果として、カスタムタスクで生成される結果を参照できるようになりました。
- カスタムタスクはワークスペース、サービスアカウント、および Pod テンプレートを使用して、より複雑なカスタムタスクをビルドできるようになりました。
finally
タスクには、以下の機能強化が含まれます。-
when
式は最後
のタスクでサポートされます。これにより、効率的に保護された実行が可能になり、タスクの再利用性が向上します。 finally
タスクは、同じパイプライン内のタスクの結果を使用するように設定できます。注記when
式およびfinally
タスクのサポートは OpenShift Container Platform 4.7 Web コンソールでは利用できません。
-
-
dockercfg
またはdockerconfigjson
タイプの複数のシークレットのサポートがランタイム時に認証用に追加されました。 -
git-clone
タスクでスパースチェックをサポートする機能が追加されました。これにより、ローカルコピーとしてリポジトリーのサブセットのみをクローンすることができ、これはクローン作成したリポジトリーのサイズを制限するのに便利です。 - 実際に起動せずに、パイプライン実行を保留中の状態で作成できます。負荷が大きいクラスターでは、これにより、Operator はパイプライン実行の開始時間を制御することができます。
-
コントローラー用に
SYSTEM_NAMESPACE
環境変数を手動で設定していることを確認します。これは以前はデフォルトで設定されていました。 -
root 以外のユーザーがパイプラインのビルドベースイメージに追加され、
git-init
がリポジトリーのクローンを root 以外のユーザーとして作成できるようになりました。 - パイプライン実行の開始前に解決されたリソース間で依存関係を検証するサポートが追加されています。パイプラインのすべての結果変数は有効でなければならず、パイプラインからのオプションのワークスペースは、パイプライン実行の開始に使用することが予想されているタスクにのみ渡すことができます。
- コントローラーおよび Webhook は root 以外のグループとして実行され、それらの必要以上の機能は削除され、よりセキュアになりました。
-
tkn pr logs
コマンドを使用して、再試行されたタスク実行のログストリームを表示できます。 -
tkn tr delete
コマンドで--clustertask
オプションを使用して、特定のクラスタータスクに関連付けられたすべてのタスク実行を削除できます。 -
EventListener
リソースでの Knative サービスのサポートは、新規のcustomResource
フィールドを導入して追加されます。 - イベントペイロードが JSON 形式を使用しない場合にエラーメッセージが表示されます。
-
GitLab、BitBucket、GitHub などのソース制御インターセプターは、新規の
InterceptorRequest
またはInterceptorResponse
を使用できるようになりました。 -
新しい CEL 関数の
marshalJSON
が実装され、JSON オブジェクトまたは配列を文字列にエンコードできます。 -
CEL およびソース制御コアインターセプターを提供する HTTP ハンドラーが追加されました。これは、
tekton-pipelines
namespace にデプロイされる単一の HTTP サーバーに 4 つのコアインターセプターをパッケージ化します。EventListener
オブジェクトは、HTTP サーバー経由でイベントをインターセプターに転送します。それぞれのインターセプターは異なるパスで利用できます。たとえば、CEL インターセプターは/cel
パスで利用できます。 pipelines-scc
SCC (Security Context Constraint) は、パイプラインのデフォルトpipeline
サービスアカウントで使用されます。この新規サービスアカウントはanyuid
と似ていますが、OpenShift Container Platform 4.7 の SCC について YAML に定義されるように若干の違いがあります。fsGroup: type: MustRunAs
3.1.2.3. 非推奨の機能
-
パイプラインリソースストレージの
build-gcs
サブタイプ、およびgcs-fetcher
イメージは、サポートされていません。 -
クラスタータスクの
taskRun
フィールドで、tekton.dev/task
ラベルが削除されます。 -
Webhook の場合、フィールド
admissionReviewVersions
に対応する値v1beta1
は削除されます。 -
ビルドおよびデプロイ用の
creds-init
ヘルパーイメージが削除されます。 トリガー仕様およびバインディングでは、
template.ref
が優先されるため、非推奨フィールドのtemplate.name
が削除されます。ref
フィールドを使用するには、eventListener
のすべての定義を更新する必要があります。注記template.name
フィールドが利用できないため、Pipelines 1.3.x 以前のバージョンから Pipelines 1.4.0 へのアップグレードにより、イベントリスナーが破損します。このような場合には、Pipelines 1.4.1 を使用して、復元されたtemplate.name
フィールドを利用します。-
EventListener
カスタムリソース/オブジェクトの場合、Resource
が優先されるために、PodTemplate
およびServiceType
フィールドは非推奨になりました。 - 非推奨の仕様スタイルの埋め込みバインディングは削除されています。
-
spec
フィールドはtriggerSpecBinding
から削除されています。 - イベント ID 表現は、5 文字のランダムな文字列から UUID に変更されています。
3.1.2.4. 既知の問題
- Developer パースペクティブでは、Pipeline メトリクスおよびトリガー機能は OpenShift Container Platform 4.7.6 以降のバージョンでのみ利用できます。
-
IBM Power Systems、IBM Z、および LinuxONE では、
tkn hub
コマンドはサポートされません。 -
IBM Power Systems (ppc64le)、IBM Z、および LinuxONE (s390x) クラスターで Maven および Jib Maven クラスタータスクを実行する場合、
MAVEN_IMAGE
パラメーターの値をmaven:3.6.3-adoptopenjdk-11
に設定します。 トリガーは、トリガーバインディングに以下の設定がある場合は、JSON 形式の正しくない処理によって生じるエラーを出力します。
params: - name: github_json value: $(body)
この問題を解決するには、以下を実行します。
-
トリガー v0.11.0 以降を使用している場合、
marshalJSON
関数を使用して JSON オブジェクトまたは配列を取得し、そのオブジェクトまたは配列の JSON エンコーディングを文字列として返します。 古いバージョンのトリガーを使用している場合は、以下のアノテーションをトリガーテンプレートに追加します。
annotations: triggers.tekton.dev/old-escape-quotes: "true"
-
トリガー v0.11.0 以降を使用している場合、
- Pipelines 1.3.x から 1.4.x にアップグレードする際に、ルートを再作成する必要があります。
3.1.2.5. 修正された問題
-
以前のバージョンでは、
tekton.dev/task
ラベルがクラスタータスクのタスク実行から削除され、tekton.dev/clusterTask ラベル
が導入されました。この変更により生じる問題は、clustertask describe
およびdelete
コマンドを修正して解決されています。さらに、タスクのlastrun
機能は変更され、古いバージョンのパイプラインでタスクとクラスタータスクの両方のタスク実行に適用されるtekton.dev/task
ラベルの問題を修正できるになりました。 -
対話的な
tkn pipeline start pipelinename
を実行する場合、PipelineResource
が対話的に作成されます。tkn p start
コマンドは、リソースのステータスがnil
ではない場合にリソースのステータスを出力します。 -
以前のバージョンでは、
tekton.dev/task=name
ラベルは、クラスタータスクから作成されるタスク実行から削除されました。今回の修正により、--last
フラグの指定されるtkn clustertask start
コマンドが変更され、作成されたタスク実行でtekton.dev/task=name
ラベルの有無がチェックされるようになりました。 -
タスクがインラインのタスク仕様を使用する場合、対応するタスク実行は
tkn pipeline describe
コマンドの実行時にパイプラインに組み込まれ、タスク名は埋め込まれた状態で返されます。 -
tkn version
コマンドは、設定されたkubeConfiguration namespace
やクラスターへのアクセスなしに、インストールされた Tekton CLI ツールのバージョンを表示するように修正されています。 -
引数が予期せずに使用されるか、または複数の引数が使用される場合、
tkn completion
コマンドでエラーが発生します。 -
以前のバージョンでは、パイプライン仕様でネスト化された
finally
タスクのあるパイプライン実行は、v1alpha1
バージョンに変換され、v1beta1
バージョンに戻されると、それらのfinally
タスクを失うことがあります。変換中に発生するこのエラーは修正され、潜在的データ損失を防ぐことができます。finally
タスクがパイプライン仕様でネスト化されたパイプライン実行はシリアライズされ、アルファバージョンに保存されてデシリアライズは後に実行されるようになりました。 -
以前のバージョンでは、サービスアカウントで
secrets
フィールドに{}
があると、Pod の生成でエラーが発生しました。空のシークレット名を持つ GET 要求がエラーがリソース名が空ではないことを示すエラーを返すため、タスク実行はCouldntGetTask
で失敗しました。この問題は、kubeclient
GET 要求で空のシークレット名を使用しないことで解決されています。 -
v1beta1
API バージョンのあるパイプラインは、finally
タスクを失うことなく、v1alpha1
バージョンと共に要求できるようになりました。返されるv1alpha1
バージョンを適用すると、リソースがv1beta1
として保存され、finally
セクションがその元の状態に戻ります。 -
以前のバージョンでは、コントローラーの
selfLink
フィールドが設定されていないと、Kubernetes v1.20 クラスターでエラーが発生しました。一時的な修正として、CloudEvent
ソースフィールドは、自動設定されるselfLink
フィールドの値なしに現在のソース URI に一致する値に設定されます。 -
以前のバージョンでは、
gcr.io
などのドットの付いたシークレット名により、タスク実行の作成が失敗しました。これは、シークレット名がボリュームマウント名の一部として内部で使用されるために生じました。ボリュームマウント名は RFC1123 DNS ラベルに準拠し、名前の一部として使用されるドットを許可しません。この問題は、ドットをダッシュに置き換えることで解決し、これにより名前の読み取りが可能になりました。 -
コンテキスト変数は、
finally
タスクで検証されるようになりました。 -
以前のバージョンでは、タスク実行リコンサイラーが渡され、作成した Pod の名前を含む直前のステータス更新を持たないタスク実行があると、タスク実行リコンサイラーはタスク実行に関連付けられた Pod を一覧表示しました。タスク実行リコンサイラーは、Pod を検索するために、Pod に伝播されるタスク実行のラベルを使用しました。タスク実行の実行中にこれらのラベルを変更すると、コードが既存の Pod を見つけることができませんでした。その結果、重複した Pod が作成されました。この問題は、Pod の検索時に
tekton.dev/taskRun
の Tekton で制御されるラベルのみを使用するようにタスク実行リコンサイラーを変更することで修正されています。 - 以前のバージョンでは、パイプラインがオプションのワークスペースを受け入れ、これをパイプラインタスクに渡すと、パイプライン実行リコンサイラーは、ワークスペースが提供されておらず、欠落しているワークスペースのバインディングがオプションのワークスペースについて有効な場合でも、エラーを出して停止しました。この問題は、オプションのワークスペースが指定されていない場合でも、パイプライン実行リコンサイラーがタスク実行の作成に失敗しないようにすることで修正されています。
- ステップのステータスの並び順は、ステップコンテナーの順序と一致します。
-
以前のバージョンでは、Pod で
CreateContainerConfigError
の理由が出されると、タスク実行のステータスはunknown
に設定されました。これは、タスクおよびパイプラインが Pod がタイムアウトするまで実行されることを意味しました。この問題は、Pod でCreateContainerConfigError
の理由が出される際にタスクを失敗 (failed) として設定できるようにタスク実行ステータスをfalse
に設定することで解決されています。 -
以前のバージョンでは、パイプライン実行の完了後に、パイプラインの結果は最初の調整で解決されました。これにより解決が失敗し、パイプライン実行の
Succeeded
状態が上書きされる可能性がありました。その結果、最終のステータス情報が失われ、パイプライン実行の状態を監視するすべてのサービスに混乱を生じさせる可能性がありました。この問題は、パイプライン実行がSucceeded
またはTrue
状態になる際に、パイプラインの結果の解決を調整の最後に移行することにで解決されました。 - 実行ステータス変数が検証されるようになりました。これにより、実行ステータスにアクセスするためのコンテキスト変数の検証中に、タスク結果が検証されることを防ぐことができます。
- 以前のバージョンでは、無効な変数を含むパイプラインの結果は、変数のリテラル式はそのままの状態でパイプライン実行に追加されます。そのため、結果が正しく設定されているかどうかを評価することは容易ではありませんでした。この問題は、失敗したタスク実行を参照するパイプライン実行結果でフィルターリングすることで解決されています。無効な変数を含むパイプラインの結果は、パイプライン実行によって出されなくなりました。
-
tkn eventlistener describe
コマンドは、テンプレートなしでクラッシュを回避できるように修正されています。また、トリガーの参照に関する情報も表示します。 -
template.name
が利用できないため、Pipelines 1.3.x 以前のバージョンから Pipelines 1.4.0 へのアップグレードにより、イベントリスナーが破損します。Pipelines 1.4.1 では、トリガーでイベントリスナーが破損しないように、template.name
が復元されています。 -
Pipelines 1.4.1 では、
ConsoleQuickStart
カスタムリソースが OpenShift Container Platform 4.7 の機能および動作に合わせて更新されました。
3.1.3. Red Hat OpenShift Pipelines テクノロジープレビュー 1.3 のリリースノート
3.1.3.1. 新機能
Red Hat OpenShift Pipelines テクノロジープレビュー (TP) 1.3 が OpenShift Container Platform 4.7 で利用可能になりました。Red Hat OpenShift Pipelines TP 1.3 が以下をサポートするように更新されています。
- Tekton Pipelines 0.19.0
-
Tekton
tkn
CLI 0.15.0 - Tekton Triggers 0.10.2
- Tekton Catalog 0.19.0 をベースとするクラスタータスク
- OpenShift Container Platform 4.7 での IBM Power Systems
- OpenShift Container Platform 4.7 での IBM Z および LinuxONE
以下のセクションでは、修正および安定性の面での改善点に加え、OpenShift Pipelines 1.3 の主な新機能について説明します。
3.1.3.1.1. パイプライン
- S2I や Buildah タスクなどのイメージをビルドするタスクが、イメージの SHA を含むビルドされたイメージの URL を生成するようになりました。
-
Condition
カスタムリソース定義 (CRD) が非推奨となっているため、カスタムタスクを参照するパイプラインタスクの条件は許可されません。 -
spec.steps[].imagePullPolicy
およびspec.sidecar[].imagePullPolicy
フィールドのTask
CRD に変数の拡張が追加されました。 -
disable-creds-init
feature-flag をtrue
に設定すると、Tekton のビルトイン認証情報メカニズムを無効にすることができます。 -
解決済みの When 式は、
PipelineRun
設定のStatus
フィールドのSkipped Tasks
およびTask Runs
セクションに一覧表示されるようになりました。 -
git init
コマンドが、再帰的なサブモジュールのクローンを作成できるようになりました。 -
Task
CR の作成者は、Task
仕様のステップのタイムアウトを指定できるようになりました。 -
エントリーポイントイメージを
distroless/static:nonroot
イメージにベースとして作成し、ベースイメージに存在するcp
コマンドを使用せずに、これを宛先にコピーするモードを許可できるようになりました。 -
Git SSH シークレットの既知のホストの省略を許可しないように、設定フラグ
require-git-ssh-secret-known-hosts
を使用できるようになりました。フラグ値がtrue
に設定されている場合には、Git SSH シークレットにknown_host
フィールドを含める必要があります。フラグのデフォルト値はfalse
です。 - オプションのワークスペースの概念が導入されました。タスクまたはパイプラインはワークスペースオプションを宣言し、その存在に基づいて動作を条件的に変更する可能性があります。タスク実行またはパイプライン実行により、そのワークスペースが省略され、タスクまたはパイプラインの動作が変更される可能性があります。デフォルトのタスク実行ワークスペースは、省略されたオプションのワークスペースの代わりに追加されることはありません。
- Tekton の認証情報の初期化により、SSH 以外の URL で使用する SSH 認証情報が検出されるほか、Git パイプラインリソースでは SSH URL で使用する http 認証情報が検出され、Step コンテナーで警告がログに記録されるようになりました。
- タスク実行コントローラーは、Pod テンプレートで指定されたアフィニティーがアフィニティーアシスタントによって上書きされる場合に警告イベントを生成します。
- タスク実行リコンサイラーは、タスク実行が完了すると生成されるクラウドイベントのメトリクスを記録するようになりました。これには再試行が含まれます。
3.1.3.1.2. Pipelines CLI
-
--no-headers flag
のサポートが、次のコマンドに追加されました:tkn condition list
、tkn triggerbinding list
、tkn eventlistener list
、tkn clustertask list
、tkn clustertriggerbinding list
-
併用した場合、
--last
または--use
オプションは、--prefix-name
および--timeout
オプションを上書きします。 -
tkn eventlistener logs
コマンドが追加され、EventListener
ログが表示されるようになりました。 -
tekton hub
コマンドはtkn
CLI に統合されるようになりました。 -
--nocolour
オプションは--no-color
に変更されました。 -
--all-namespaces
フラグは、次のコマンドに追加されました:tkn triggertemplate list
、tkn condition list
、tkn triggerbinding list
、tkn eventlistener list
3.1.3.1.3. トリガー
-
EventListener
テンプレートでリソース情報を指定できるようになりました。 -
すべてのトリガーリソースの
get
動詞に加えて、EventListener
サービスアカウントにlist
およびwatch
動詞が設定されることが必須になりました。これにより、Listers
を使用してEventListener
、Trigger
、TriggerBinding
、TriggerTemplate
、およびClusterTriggerBinding
リソースからデータを取得することができます。この機能を使用して、複数のインフォーマーを指定するのではなくSink
オブジェクトを作成し、API サーバーを直接呼び出すことができます。 -
イミュータブルな入力イベント本体をサポートする新たな
Interceptor
インターフェイスが追加されました。インターセプターはデータまたはフィールドを新しいextensions
フィールドに追加できるようになり、入力本体を変更できなくなったことでイミュータブルとなりました。CEL インターセプターはこの新たなInterceptor
インターフェイスを使用します。 -
namespaceSelector
フィールドはEventListener
リソースに追加されます。これを使用して、EventListener
リソースがイベント処理用にTrigger
オブジェクトを取得できる namespace を指定します。namespaceSelector
フィールドを使用するには、EventListener
のサービスアカウントにクラスターロールが必要です。 -
トリガー
EventListener
リソースは、eventlistener
Pod へのエンドツーエンドのセキュアな接続をサポートするようになりました。 -
"
を\"
に置き換えることで、TriggerTemplates
リソースのエスケープパラメーター動作が削除されました。 -
Kubernetes リソースをサポートする新規
resources
フィールドは、EventListener
仕様の一部として導入されます。 - ASCII 文字列の大文字と小文字へのサポートが含まれる CEL インターセプターの新機能が追加されました。
-
TriggerBinding
リソースは、トリガーのname
およびvalue
フィールドを使用するか、またはイベントリスナーを使用して埋め込むことができます。 -
PodSecurityPolicy
設定は、制限された環境で実行されるように更新されます。これにより、コンテナーは root 以外のユーザーとして実行する必要があります。さらに、Pod セキュリティーポリシーを使用するためのロールベースのアクセス制御は、クラスタースコープから namespace スコープに移行されます。これにより、トリガーは namespace に関連しない他の Pod セキュリティーポリシーを使用することができません。 -
埋め込みトリガーテンプレートのサポートが追加されました。
name
フィールドを使用して埋め込みテンプレートを参照するか、またはspec
フィールド内にテンプレートを埋め込むことができます。
3.1.3.2. 非推奨の機能
-
PipelineResources
CRD を使用する Pipeline テンプレートは非推奨となり、今後のリリースで削除されます。 -
template.ref
フィールドが優先されるため、template.name
フィールドは非推奨となり、今後のリリースで削除されます。 -
--check
コマンドの短縮形である-c
が削除されました。さらに、グローバルtkn
フラグがversion
コマンドに追加されます。
3.1.3.3. 既知の問題
-
CEL オーバーレイは、受信イベント本体を変更する代わりに、フィールドを新しい最上位の
extensions
関数に追加します。TriggerBinding
リソースは、$(extensions.<key>)
構文を使用して、この新しいextensions
関数内の値にアクセスできます。$(body.<overlay-key>)
の代わりに$(extensions.<key>)
構文を使用するようにバインディングを更新します。 -
"
を\"
に置き換えることで、エスケープパラメーター動作が削除されました。古いエスケープパラメーターの動作を保持する必要がある場合は、tekton.dev/old-escape-quotes: true"
アノテーションをTriggerTemplate
仕様に追加します。 -
TriggerBinding
リソースは、トリガーまたはイベントリスナー内のname
およびvalue
フィールドを使用して組み込みことができます。ただし、単一のバインディングにname
およびref
フィールドの両方を指定することはできません。ref
フィールドを使用してTriggerBinding
リソースおよび埋め込みバインディングのname
フィールドを参照します。 -
インターセプターは、
EventListener
リソースの namespace 外でsecret
の参照を試行することはできません。シークレットを `EventListener` の namespace に含める必要があります。 -
Trigger 0.9.0 以降では、本体またはヘッダーベースの
TriggerBinding
パラメーターが見つからないか、またはイベントペイロードで形式が正しくない場合に、エラーを表示する代わりにデフォルト値が使用されます。 -
JSON アノテーションを修正するには、Tekton および Pipelines 0.16.x を使用して
WhenExpression
オブジェクトで作成されたタスクおよびパイプラインを再適用する必要があります。 - パイプラインがオプションのワークスペースを受け入れ、これをタスクに付与すると、ワークスペースが指定されていない場合はパイプライン実行が停止します。
- 非接続環境で Buildah クラスタータスクを使用するには、Dockerfile が内部イメージストリームをベースイメージとして使用していることを確認してから、これを S2I クラスタータスクと同じ方法で使用します。
3.1.3.4. 修正された問題
-
CEL インターセプターによって追加された拡張機能は、イベント本体内に
Extensions
フィールドを追加して Webhook インターセプターに渡されます。 -
ログリーダーのアクティビティータイムアウトは、
LogOptions
フィールドを使用して設定できるようになりました。ただし、10 秒のタイムアウトのデフォルト動作は保持されます。 -
log
コマンドは、タスク実行またはパイプライン実行が完了したときに--follow
フラグを無視し、ライブログではなく利用可能なログを読み取ります。 -
以下の Tekton リソースへの参照:
EventListener
、TriggerBinding
、ClusterTriggerBinding
、Condition
、およびTriggerTemplate
は、tkn
コマンドのすべてのユーザーに表示されるメッセージで標準化され、一貫性を保つようになりました。 -
以前は、
--use-taskrun <canceled-task-run-name>
、--use-pipelinerun <canceled-pipeline-run-name>
または--last
フラグを使用してキャンセルされたタスク実行またはパイプライン実行を開始した場合、新規の実行はキャンセルされました。このバグは修正されています。 -
tkn pr desc
コマンドが強化され、パイプラインが各種の状態で実行された場合に失敗しなくなりました。 -
--task
オプションでtkn tr delete
コマンドを使用してタスク実行を削除し、クラスタータスクが同じ名前で存在する場合、クラスタータスクのタスク実行も削除されます。回避策として、TaskRefKind
フィールドを使用して、タスク実行をフィルターリングします。 -
tkn triggertemplate describe
コマンドは、出力内のapiVersion
値の一部のみを表示します。たとえば、triggers.tekton.dev/v1alpha1
ではなく、triggers.tekton.dev
のみが表示されました。このバグは修正されています。 - 特定の条件下で Webhook はリースの取得に失敗し、正常に機能しません。このバグは修正されています。
- v0.16.3 で作成した When 式を持つパイプラインは、v0.17.1 以降で実行できるようになりました。アップグレード後に、アノテーションの最初の大文字と小文字の両方がサポートされるようになったため、以前のバージョンで作成されたパイプライン定義を再適用する必要はありません。
-
デフォルトでは、
leader-election-ha
フィールドが高可用性に対して有効にされるようになりました。コントローラーフラグdisable-ha
をtrue
に設定すると、高可用性サポートが無効になります。 - 重複したクラウドイベントに関する問題が修正されています。クラウドイベントは、条件が状態、理由、またはメッセージを変更する場合にのみ送信されるようになりました。
-
サービスアカウント名が
PipelineRun
またはTaskRun
仕様にない場合、コントローラーはconfig-defaults
設定マップからサービスアカウント名を使用します。サービスアカウント名がconfig-defaults
設定マップにもない場合、コントローラーはこれを仕様でdefault
に設定するようになりました。 - アフィニティーアシスタントとの互換性の検証は、同じ永続ボリューム要求 (PVC) が複数のワークスペースに使用される場合にサポートされるようになりましたが、サブパスは異なります。
3.1.4. Red Hat OpenShift Pipelines テクノロジープレビュー 1.2 のリリースノート
3.1.4.1. 新機能
Red Hat OpenShift Pipelines テクノロジープレビュー (TP) 1.2 が OpenShift Container Platform 4.6 で利用可能になりました。Red Hat OpenShift Pipelines TP 1.2 が以下をサポートするように更新されています。
- Tekton Pipelines 0.16.3
-
Tekton
tkn
CLI 0.13.1 - Tekton Triggers 0.8.1
- Tekton Catalog 0.16 をベースとするクラスタータスク
- OpenShift Container Platform 4.6 での IBM Power Systems
- OpenShift Container Platform 4.6 での IBM Z および LinuxONE
以下では、修正および安定性の面での改善点に加え、OpenShift Pipelines 1.2 の主な新機能について説明します。
3.1.4.1.1. パイプライン
Red Hat OpenShift Pipelines のリリースでは、非接続インストールのサポートが追加されました。
注記制限された環境でのインストールは現時点で、IBM Power Systems、IBM Z、および LinuxONE ではサポートされていません。
-
conditions
リソースの代わりにwhen
フィールドを使用して、特定の条件が満たされる場合にのみタスクを実行できるようになりました。WhenExpression
の主なコンポーネントはInput
、Operator
、およびValues
です。すべての When 式がTrue
に評価されると、タスクが実行されます。When 式のいずれかがFalse
に評価されると、タスクはスキップされます。 - ステップのステータスは、タスクの実行がキャンセルまたはタイムアウトすると更新されるようになりました。
-
git-init
が使用するベースイメージをビルドするために、Git Large File Storage (LFS) のサポートが利用できるようになりました。 -
taskSpec
フィールドを使用して、タスクがパイプラインに組み込まれる際に、ラベルやアノテーションなどのメタデータを指定できるようになりました。 -
クラウドイベントがパイプラインの実行でサポートされるようになりました。
backoff
を使用した再試行が、クラウドイベントパイプラインリソースによって送信されるクラウドイベントに対して有効になりました。 -
Task
リソースが宣言するものの、TaskRun
リソースが明示的に指定しないワークスペースのデフォルトのWorkspace
設定を設定できるようになりました。 -
サポートは、
PipelineRun
namespace およびTaskRun
namespace の namespace 変数の補間に利用できます。 -
TaskRun
オブジェクトの検証が追加され、TaskRun
リソースが Affinity Assistant に関連付けられる際に複数の永続ボリューム要求 (PVC) ワークスペースが使用されていないことを確認するようになりました。複数の永続ボリューム要求 (PVC) ワークスペースが使用されていると、タスクの実行はTaskRunValidationFailed
の状態で失敗します。デフォルトで、Affinity Assistant は Red Hat OpenShift Pipelines で無効にされているため、これを使用できるように有効にする必要があります。
3.1.4.1.2. Pipelines CLI
tkn task describe
、tkn taskrun describe
、tkn clustertask describe
、tkn pipeline describe
、およびtkn pipelinerun describe
コマンドが以下を実行するようになりました。-
Task
、TaskRun
、ClusterTask
、Pipeline
およびPipelineRun
リソースのいずれかが 1 つしかない場合、それぞれを自動的に選択します。 -
出力に
Task
、TaskRun
、ClusterTask
、Pipeline
およびPipelineRun
リソースの結果をそれぞれ表示します。 -
出力に
Task
、TaskRun
、ClusterTask
、Pipeline
およびPipelineRun
リソースで宣言されたワークスペースをそれぞれ表示します。
-
-
tkn clustertask start
コマンドに--prefix-name
オプションを指定して、タスク実行の名前に接頭辞を指定できるようになりました。 -
インタラクティブモードのサポートが
tkn clustertask start
コマンドに提供されるようになりました。 -
TaskRun
およびPipelineRun
オブジェクトのローカルまたはリモートファイル定義を使用して、パイプラインでサポートされるPodTemplate
プロパティーを指定できるようになりました。 -
--use-params-defaults
オプションをtkn clustertask start
コマンドに指定して、ClusterTask
設定に設定したデフォルト値を使用して、タスク実行を作成できるようになりました。 -
tkn pipeline start
コマンドの--use-param-defaults
フラグで、デフォルトの値が一部のパラメーターに指定されていない場合に対話モードをプロンプトで表示するようになりました。
3.1.4.1.3. トリガー
-
YAML 文字列を文字列のマップに解析するために、
parseYAML
という名前の Common Expression Language (CEL) 関数が追加されました。 - 式を評価する際や、評価環境を作成するためにフック本体を解析する際に、CEL 式の解析を行うエラーメッセージの詳細度が上がりました。
- ブール値とマップが CEL オーバーレイメカニズムで式の値として使用されている場合に、それらをマーシャリングするためのサポートが利用できるようになりました。
以下のフィールドが
EventListener
オブジェクトに追加されました。-
replicas
フィールドは、YAML ファイルのレプリカ数を指定して、イベントリスナーが複数の Pod を実行できるようにします。 -
NodeSelector
フィールドでは、EventListener
オブジェクトがイベントリスナー Pod を特定のノードにスケジュールできるようにします。
-
-
Webhook インターセプターは
EventListener-Request-URL
ヘッダーを解析し、イベントリスナーによって処理される元のリクエスト URL からパラメーターを抽出できるようになりました。 - イベントリスナーからのアノテーションがデプロイメント、サービス、およびその他の Pod に伝播できるようになりました。サービスまたはデプロイメントのカスタムアノテーションは上書きされるため、イベントリスナーアノテーションに追加して伝播できるようにする必要があります。
-
EventListener
仕様のレプリカの適切な検証が、ユーザーがspec.replicas
値をnegative
またはzero
として指定する場合に利用できるようになりました。 -
TriggerCRD
オブジェクトを、TriggerRef
フィールドを使用して参照としてEventListener
仕様内に指定し、TriggerCRD
オブジェクトを別個に作成してから、これをEventListener
仕様内でバインドできるようになりました。 -
TriggerCRD
オブジェクトの検証およびデフォルト値が利用可能になりした。
3.1.4.2. 非推奨の機能
-
$(params)
パラメーターはtriggertemplate
リソースから削除され、$(tt.params)
に置き換えられ、これによりresourcetemplate
とtriggertemplate
パラメーター間の混乱が生じなくなります。 -
オプションの
EventListenerTrigger
ベースの認証レベルのServiceAccount
参照がServiceAccountName
文字列へのオブジェクト参照から変更されました。これにより、ServiceAccount
参照がEventListenerTrigger
オブジェクトと同じ namespace に置かれるようになりました。 -
Conditions
カスタムリソース定義 (CRD) は非推奨となり、代わりにWhenExpressions
CRD が使用されます。 -
PipelineRun.Spec.ServiceAccountNames
オブジェクトは非推奨となり、PipelineRun.Spec.TaskRunSpec[].ServiceAccountName
オブジェクトによって置き換えられます。
3.1.4.3. 既知の問題
- Red Hat OpenShift Pipelines のリリースでは、非接続インストールのサポートが追加されました。ただし、クラスタータスクで使用される一部のイメージは、非接続クラスターで動作するようにミラーリングする必要があります。
-
openshift
namespace のパイプラインは、Red Hat OpenShift Pipelines Operator のアンインストール後に削除されません。oc delete pipelines -n openshift --all
コマンドを使用してパイプラインを削除します。 Red Hat OpenShift Pipelines Operator をアンインストールしても、イベントリスナーは削除されません。
回避策として、
EventListener
およびPod
CRD を削除するには、以下を実行します。EventListener
オブジェクトをforegroundDeletion
ファイナライザーで編集します。$ oc patch el/<eventlistener_name> -p '{"metadata":{"finalizers":["foregroundDeletion"]}}' --type=merge
以下に例を示します。
$ oc patch el/github-listener-interceptor -p '{"metadata":{"finalizers":["foregroundDeletion"]}}' --type=merge
EventListener
CRD を削除します。$ oc patch crd/eventlisteners.triggers.tekton.dev -p '{"metadata":{"finalizers":[]}}' --type=merge
IBM Power Systems (ppc64le) または IBM Z (s390x) クラスターでコマンド仕様なしにマルチアーキテクチャーコンテナーイメージタスクを実行すると、
TaskRun
リソースは以下のエラーを出して失敗します。Error executing command: fork/exec /bin/bash: exec format error
回避策として、アーキテクチャー固有のコンテナーイメージを使用するか、または正しいアーキテクチャーを参照する sha256 ダイジェストを指定します。sha256 ダイジェストを取得するには、以下を実行します。
$ skopeo inspect --raw <image_name>| jq '.manifests[] | select(.platform.architecture == "<architecture>") | .digest'
3.1.4.4. 修正された問題
- CEL フィルター、Webhook バリデーターのオーバーレイ、およびインターセプターの式を確認するための簡単な構文検証が追加されました。
- Trigger は、基礎となるデプロイメントおよびサービスオブジェクトに設定されたアノテーションを上書きしなくなりました。
-
以前のバージョンでは、イベントリスナーはイベントの受け入れを停止しました。今回の修正により、この問題を解決するために
EventListener
シンクの 120 秒のアイドルタイムアウトが追加されました。 -
以前のバージョンでは、
Failed(Canceled)
状態でパイプラインの実行を取り消すと、成功のメッセージが表示されました。これは、代わりにエラーが表示されるように修正されました。 -
tkn eventlistener list
コマンドが一覧表示されたイベントリスナーのステータスを提供するようになり、利用可能なイベントリスナーを簡単に特定できるようになりました。 -
トリガーがインストールされていない場合や、リソースが見つからない場合に、
triggers list
およびtriggers describe
コマンドについて一貫性のあるエラーメッセージが表示されるようになりました。 -
以前のバージョンでは、多くのアイドル接続がクラウドイベントの配信時に増大しました。この問題を修正するために、
DisableKeepAlives: true
パラメーターがcloudeventclient
設定に追加されました。新規の接続がすべてのクラウドイベントに設定されます。 -
以前のバージョンでは、特定のタイプの認証情報が指定されていない場合であっても、
creds-init
コードが空のファイルをディスクに書き込みました。今回の修正により、creds-init
コードが変更され、正しくアノテーションが付けられたシークレットから実際にマウントされた認証情報のみのファイルを書き込むようになりました。
3.1.5. Red Hat OpenShift Pipelines テクノロジープレビュー 1.1 のリリースノート
3.1.5.1. 新機能
Red Hat OpenShift Pipelines テクノロジープレビュー (TP) 1.1 が OpenShift Container Platform 4.5 で利用可能になりました。Red Hat OpenShift Pipelines TP 1.1 が以下をサポートするように更新されています。
- Tekton Pipelines 0.14.3
-
Tekton
tkn
CLI 0.11.0 - Tekton Triggers 0.6.1
- Tekton Catalog 0.14 をベースとするクラスタータスク
以下では、修正および安定性の面での改善点に加え、OpenShift Pipelines 1.1 の主な新機能について説明します。
3.1.5.1.1. パイプライン
- ワークスペースをパイプラインリソースの代わりに使用できるようになりました。パイプラインリソースはデバッグが容易ではなく、スコープの制限があり、タスクの再利用を可能にしないため、OpenShift Pipelines ではワークスペースを使用することが推奨されます。ワークスペースの詳細は、OpenShift Pipelines のセクションを参照してください。
ボリューム要求テンプレートのワークスペースのサポートが追加されました。
- パイプライン実行およびタスク実行のボリューム要求テンプレートがワークスペースのボリュームソースとして追加できるようになりました。次に、tekton-controller はパイプラインのすべてのタスク実行の PVC として表示されるテンプレートを使用して永続ボリューム要求 (PVC) を作成します。したがって、複数のタスクにまたがるワークスペースをバインドするたびに PVC 設定を定義する必要はありません。
- ボリューム要求テンプレートがボリュームソースとして使用される場合の PVC の名前検索のサポートが、変数の置換を使用して利用できるようになりました。
監査を強化するサポート:
-
PipelineRun.Status
フィールドには、パイプラインのすべてのタスク実行のステータスと、パイプライン実行の進捗をモニターするためにパイプライン実行をインスタンス化する際に使用するパイプライン仕様が含まれるようになりました。 -
Pipeline の結果が Pipeline 仕様および
PipelineRun
ステータスに追加されました。 -
TaskRun.Status
フィールドには、TaskRun
リソースのインスタンス化に使用される実際のタスク仕様が含まれるようになりました。
-
- デフォルトパラメーターを各種の状態に適用するサポート。
-
クラスタータスクを参照して作成されるタスク実行は、
tekton.dev/task
ラベルではなくtekton.dev/clusterTask
ラベルを追加するようになりました。 -
kube config writer は、kubeconfig-creator タスクでパイプラインリソースタイプクラスターの置き換えを有効にするために
ClientKeyData
およびClientCertificateData
設定をリソース構造に追加できるようになりました。 -
feature-flags
およびconfig-defaults
設定マップの名前はカスタマイズ可能になりました。 - タスク実行で使用される Pod テンプレートのホストネットワークのサポートが追加されました。
- Affinity Assistant が、ワークスペースボリュームを共有するタスク実行のノードのアフィニティーをサポートするようになりました。デフォルトで、これは OpenShift Pipelines で無効にされます。
-
Pod テンプレートは、Pod の起動時にコンテナーイメージのプルを許可するためにコンテナーランタイムが使用するシークレットを特定するために
imagePullSecrets
を指定するように更新されました。 - コントローラーがタスク実行の更新に失敗した場合にタスク実行コントローラーから警告イベントを出すためのサポート。
- アプリケーションまたはコンポーネントに属するリソースを特定するために、すべてのリソースに標準または推奨される k8s ラベルが追加されました。
-
Entrypoint
プロセスがシグナルについて通知されるようになり、これらのシグナルはEntrypoint
プロセスの専用の PID グループを使用して伝播されるようになりました。 - Pod テンプレートはタスク実行仕様を使用してランタイム時にタスクレベルで設定できるようになりました。
Kubernetes イベントを生成するサポート。
-
コントローラーは、追加のタスク実行ライフサイクルイベント (
taskrun started
およびtaskrun running
) のイベントを生成するようになりました。 - パイプライン実行コントローラーは、パイプラインの起動時に毎回イベントを生成するようになりました。
-
コントローラーは、追加のタスク実行ライフサイクルイベント (
- デフォルトの Kubernetes イベントのほかに、タスク実行のクラウドイベントのサポートが利用可能になりました。コントローラーは、クラウドイベントとして create、started、および failed などのタスク実行イベントを送信するように設定できます。
-
パイプライン実行およびタスク実行の場合に適切な名前を参照するための
$context.<taskRun|pipeline|pipelineRun>.name
変数を使用するサポート。 - パイプライン実行パラメーターの検証が、パイプラインで必要なすべてのパラメーターがパイプライン実行によって提供できるようにするために利用可能になりました。これにより、パイプライン実行は必要なパラメーターに加えて追加のパラメーターを指定することもできます。
-
パイプライン YAML ファイルの
finally
フィールドを使用して、すべてのタスクが正常に終了するか、またはパイプラインのタスクの失敗後、パイプラインが終了する前に常に実行されるパイプライン内でタスクを指定できるようになりました。 -
git-clone
クラスタータスクが利用できるようになりました。
3.1.5.1.2. Pipelines CLI
-
組み込まれた Trigger バインディングのサポートが、
tkn evenlistener describe
コマンドで利用できるようになりました。 - 正しくないサブコマンドが使用される場合にサブコマンドを推奨し、提案するためのサポート。
-
tkn task describe
コマンドは、1 つのタスクのみがパイプラインに存在する場合にタスクを自動的に選択できるようになりました。 -
--use-param-defaults
フラグをtkn task start
コマンドに指定することにより、デフォルトのパラメーター値を使用してタスクを起動できるようになりました。 -
--workspace
オプションをtkn pipeline start
またはtkn task start
コマンドで使用して、パイプライン実行またはタスク実行のボリューム要求テンプレートを指定できるようになりました。 -
tkn pipelinerun logs
コマンドに、finally
セクションに一覧表示される最終タスクのログが表示されるようになりました。 -
インタラクティブモードのサポートが、以下の
tkn
リソース向けにtkn task start
コマンドおよびdescribe
サブコマンドに追加されました:pipeline
、pipelinerun
、task
、taskrun
、clustertask
およびpipelineresource
。 -
tkn version
コマンドで、クラスターにインストールされているトリガー のバージョンが表示されるようになりました。 -
tkn pipeline describe
コマンドで、パイプラインで使用されるタスクに指定されたパラメーター値およびタイムアウトが表示されるようになりました。 -
最近のパイプライン実行またはタスク実行をそれぞれ記述できるように、
tkn pipelinerun describe
およびtkn taskrun describe
コマンドの--last
オプションのサポートが追加されました。 -
tkn pipeline describe
コマンドに、パイプラインのタスクに適用される各種の状態が表示されるようになりました。 -
--no-headers
および--all-namespaces
フラグをtkn resource list
コマンドで使用できるようになりました。
3.1.5.1.3. トリガー
以下の Common Expression Language (CEL) 機能が利用できるようになりました。
-
parseURL
: URL の一部を解析し、抽出します。 -
parseJSON
:deployment
webhook のpayload
フィールドの文字列に埋め込まれた JSON 値タイプを解析します。
-
- Bitbucket からの Webhook の新規インターセプターが追加されました。
-
イベントリスナーは、
kubectl get
コマンドで一覧表示される際の追加フィールドとしてAddress URL
およびAvailable status
を表示します。 -
トリガーテンプレートパラメーターは、
$(params.<paramName>)
ではなく$(tt.params.<paramName>)
構文を使用するようになり、トリガーテンプレートとリソーステンプレートパラメーター間で生じる混乱が軽減されました。 -
EventListener
CRD にtolerations
を追加し、セキュリティーや管理上の問題によりすべてのノードにテイントのマークが付けられる場合でもイベントリスナーが同じ設定でデプロイされるようにできるようになりました。 -
イベントリスナー Deployment の Readiness Probe を
URL/live
に追加できるようになりました。 -
イベントリスナートリガーでの
TriggerBinding
仕様の埋め込みのサポート。 -
Trigger リソースに推奨される
app.kubernetes.io
ラベルでアノテーションが付けられるようになりました。
3.1.5.2. 非推奨の機能
本リリースでは、以下の項目が非推奨になりました。
-
clustertask
コマンドおよびclustertriggerbinding
コマンドを含む、クラスター全体のすべてのコマンドの--namespace
または-n
フラグが非推奨になりました。これは今後のリリースで削除されます。 -
ref
フィールドが優先されるため、イベントリスナー内のtriggers.bindings
のname
フィールドは非推奨となり、今後のリリースで削除されます。 -
$(tt.params)
が優先されるため、$(params)
を使用したトリガーテンプレートの変数の補間が非推奨となり、これにより、パイプライン変数の補間構文に関連した混乱が軽減されました。$(params.<paramName>)
構文は今後のリリースで削除されます。 -
tekton.dev/task
ラベルはクラスタータスクで非推奨になりました。 -
TaskRun.Status.ResourceResults.ResourceRef
フィールドは非推奨となり、今後削除されます。 -
tkn pipeline create
、tkn task create
、およびtkn resource create -f
サブコマンドが削除されました。 -
namespace の検証が
tkn
コマンドから削除されました。 -
tkn ct start
コマンドのデフォルトタイムアウトの1h
および-t
フラグが削除されました。 -
s2i
クラスタータスクが非推奨になりました。
3.1.5.3. 既知の問題
- 各種の状態はワークスペースには対応しません。
-
--workspace
オプションとおよびインタラクティブモードはtkn clustertask start
コマンドではサポートされていません。 -
$(params.<paramName>)
構文の後方互換性のサポートにより、トリガーテンプレートがパイプライン固有のパラメーターで強制的に使用されます。 トリガー webhook がトリガーパラメーターとパイプラインパラメーターを区別できないためです。 -
Pipeline メトリクスは、
tekton_taskrun_count
およびtekton_taskrun_duration_seconds_count
の promQL を実行する際に正しくない値を報告します。 -
パイプライン実行およびタスク実行は、存在しない PVC 名がワークスペースに指定されている場合でも、それぞれ
Running
およびRunning(Pending)
の状態のままになります。
3.1.5.4. 修正された問題
-
以前のバージョンでは、タスクおよびクラスタータスクの名前が同じ場合、
tkn task delete <name> --trs
コマンドは、タスクとクラスタータスクの両方を削除しました。今回の修正により、コマンドはタスク<name>
で作成されるタスク実行のみを削除するようになりました。 -
以前のバージョンでは、
tkn pr delete -p <name> --keep 2
コマンドは、--keep
フラグと共に使用する場合に-p
フラグを無視し、最新の 2 つのパイプライン実行を除きすべてのパイプライン実行を削除しました。今回の修正により、コマンドは最新の 2 つのパイプライン実行を除き、パイプライン<name>
で作成されるパイプライン実行のみを削除するようになりました。 -
tkn triggertemplate describe
出力には、YAML 形式ではなくテーブル形式でリソーステンプレートが表示されるようになりました。 -
以前のバージョンでは、
buildah
クラスタータスクは、新規ユーザーがコンテナーに追加されると失敗していました。今回の修正により、この問題は解決されています。
3.1.6. Red Hat OpenShift Pipelines テクノロジープレビュー 1.0 のリリースノート
3.1.6.1. 新機能
Red Hat OpenShift Pipelines テクノロジープレビュー (TP) 1.0 が OpenShift Container Platform 4.4 で利用可能になりました。Red Hat OpenShift Pipelines TP 1.0 が以下をサポートするように更新されています。
- Tekton Pipelines 0.11.3
-
Tekton
tkn
CLI 0.9.0 - Tekton Triggers 0.4.0
- Tekton Catalog 0.11 をベースとするクラスタータスク
以下では、修正および安定性の面での改善点に加え、OpenShift Pipelines 1.0 の主な新機能について説明します。
3.1.6.1.1. パイプライン
- v1beta1 API バージョンのサポート。
- 改善された制限範囲のサポート。以前のバージョンでは、制限範囲はタスク実行およびパイプライン実行に対してのみ指定されていました。制限範囲を明示的に指定する必要がなくなりました。namespace 間で最小の制限範囲が使用されます。
- タスク結果およびタスクパラメーターを使用してタスク間でデータを共有するためのサポート。
-
パイプラインは、
HOME
環境変数および各ステップの作業ディレクトリーを上書きしないように設定できるようになりました。 -
タスクステップと同様に、
sidecars
がスクリプトモードをサポートするようになりました。 -
タスク実行
podTemplate
リソースに別のスケジューラーの名前を指定できるようになりました。 - Star Array Notation を使用した変数置換のサポート。
- Tekton コントローラーは、個別の namespace を監視するように設定できるようになりました。
- パイプライン、タスク、クラスタータスク、リソース、および状態 (condition) の仕様に新規の説明フィールドが追加されました。
- Git パイプラインリソースへのプロキシーパラメーターの追加。
3.1.6.1.2. Pipelines CLI
-
describe
サブコマンドが以下のtkn
リソースについて追加されました。EventListener
、Condition
、TriggerTemplate
、ClusterTask
、およびTriggerSBinding
。 -
v1beta1
についてのサポートが、v1alpha1
の後方互換性と共に以下のコマンドに追加されました。ClusterTask
、Task
、Pipeline
、PipelineRun
、およびTaskRun
。 以下のコマンドは、
--all-namespaces
フラグオプションを使用してすべての namespace からの出力を一覧表示できるようになりました。これらは、tkn task list
、tkn pipeline list
、tkn taskrun list
、tkn pipelinerun list
です。これらのコマンドの出力は、
--no-headers
フラグオプションを使用してヘッダーなしで情報を表示するように強化されています。-
--use-param-defaults
フラグをtkn pipelines start
コマンドに指定することにより、デフォルトのパラメーター値を使用してパイプラインを起動できるようになりました。 -
ワークスペースのサポートが
tkn pipeline start
およびtkn task start
コマンドに追加されるようになりました。 -
新規の
clustertriggerbinding
コマンドが以下のサブコマンドと共に追加されました。describe
、delete
、およびlist
。 -
ローカルまたはリモートの
yaml
ファイルを使用してパイプラインの実行を直接開始できるようになりました。 -
describe
サブコマンドには、強化され、詳細化した出力が表示されるようになりました。description
、timeout
、param description
、およびsidecar status
などの新規フィールドの追加により、コマンドの出力に特定のtkn
リソースについてのより詳細な情報が提供されるようになりました。 -
tkn task log
コマンドには、1 つのタスクが namespace に存在する場合にログが直接表示されるようになりました。
3.1.6.1.3. トリガー
-
Trigger は
v1alpha1
およびv1beta1
の両方のパイプラインリソースを作成できるようになりました。 -
新規 Common Expression Language (CEL) インターセプター機能
compareSecret
のサポート。この機能は、文字列と CEL 式のシークレットを安全な方法で比較します。 - イベントリスナーのトリガーレベルでの認証および認可のサポート。
3.1.6.2. 非推奨の機能
本リリースでは、以下の項目が非推奨になりました。
環境変数
$HOME
、およびSteps
仕様の変数workingDir
が非推奨となり、今後のリリースで変更される可能性があります。現時点でStep
コンテナーでは、HOME
およびworkingDir
変数が/tekton/home
および/workspace
変数にそれぞれ上書きされます。今後のリリースでは、これらの 2 つのフィールドは変更されず、コンテナーイメージおよび
Task
YAML で定義される値に設定されます。本リリースでは、disable-home-env-overwrite
およびdisable-working-directory-overwrite
フラグを使用して、HOME
およびworkingDir
変数の上書きを無効にします。-
以下のコマンドは非推奨となり、今後のリリースで削除される可能性があります。
tkn pipeline create
、tkn task create
。 -
tkn resource create
コマンドの-f
フラグは非推奨になりました。これは今後のリリースで削除される可能性があります。 -
tkn clustertask create
コマンドの-t
フラグおよび--timeout
フラグ (秒単位の形式) は非推奨になりました。期間タイムアウトの形式のみがサポートされるようになりました (例:1h30s
)。これらの非推奨のフラグは今後のリリースで削除される可能性があります。
3.1.6.3. 既知の問題
- 以前のバージョンの Red Hat OpenShift Pipelines からアップグレードする場合は、既存のデプロイメントを削除してから Red Hat OpenShift Pipelines バージョン 1.0 にアップグレードする必要があります。既存のデプロイメントを削除するには、まずカスタムリソースを削除してから Red Hat OpenShift Pipelines Operator をアンインストールする必要があります。詳細は、Red Hat OpenShift Pipelines のアンインストールについてのセクションを参照してください。
-
同じ
v1alpha1
タスクを複数回送信すると、エラーが発生します。v1alpha1
タスクの再送信時に、oc apply
ではなくoc replace
コマンドを使用します。 buildah
クラスタータスクは、新規ユーザーがコンテナーに追加されると機能しません。Operator がインストールされると、
buildah
クラスタータスクの--storage-driver
フラグが指定されていないため、フラグはデフォルト値に設定されます。これにより、ストレージドライバーが正しく設定されなくなることがあります。新規ユーザーが追加されると、storage-driver が間違っている場合に、buildah
クラスタータスクが以下のエラーを出して失敗します。useradd: /etc/passwd.8: lock file already used useradd: cannot lock /etc/passwd; try again later.
回避策として、
buildah-task.yaml
ファイルで--storage-driver
フラグの値をoverlay
に手動で設定します。cluster-admin
としてクラスターにログインします。$ oc login -u <login> -p <password> https://openshift.example.com:6443
oc edit
コマンドを使用してbuildah
クラスタータスクを編集します。$ oc edit clustertask buildah
buildah
clustertask YAML ファイルの現行バージョンがEDITOR
環境変数で設定されたエディターで開かれます。Steps
フィールドで、以下のcommand
フィールドを見つけます。command: ['buildah', 'bud', '--format=$(params.FORMAT)', '--tls-verify=$(params.TLSVERIFY)', '--layers', '-f', '$(params.DOCKERFILE)', '-t', '$(resources.outputs.image.url)', '$(params.CONTEXT)']
command
フィールドを以下に置き換えます。command: ['buildah', '--storage-driver=overlay', 'bud', '--format=$(params.FORMAT)', '--tls-verify=$(params.TLSVERIFY)', '--no-cache', '-f', '$(params.DOCKERFILE)', '-t', '$(params.IMAGE)', '$(params.CONTEXT)']
- ファイルを保存して終了します。
または、Pipelines
Cluster Tasks buildah に移動して、 buildah
クラスタータスク YAML ファイルを Web コンソール上で直接変更することもできます。Actions メニューから Edit Cluster Task を選択し、直前の手順のようにcommand
フィールドを置き換えます。
3.1.6.4. 修正された問題
-
以前のリリースでは、
DeploymentConfig
タスクは、イメージのビルドがすでに進行中であっても新規デプロイメントビルドをトリガーしていました。これにより、パイプラインのデプロイメントが失敗していました。今回の修正により、deploy task
コマンドがoc rollout status
コマンドに置き換えられ、進行中のデプロイメントが終了するまで待機するようになりました。 -
APP_NAME
パラメーターのサポートがパイプラインテンプレートに追加されました。 -
以前のバージョンでは、Java S2I のパイプラインテンプレートはレジストリーでイメージを検索できませんでした。今回の修正により、イメージはユーザーによって提供される
IMAGE_NAME
パラメーターの代わりに既存イメージのパイプラインリソースを使用して検索されるようになりました。 - OpenShift Pipelines イメージはすべて、Red Hat Universal Base Images (UBI) をベースにしています。
-
以前のバージョンでは、パイプラインが
tekton-pipelines
以外の namespace にインストールされている場合、tkn version
コマンドはパイプラインのバージョンをunknown
と表示していました。今回の修正により、tkn version
コマンドにより、正しいパイプラインのバージョンがすべての namespace で表示されるようになりました。 -
-c
フラグはtkn version
コマンドでサポートされなくなりました。 - 管理者以外のユーザーがクラスタートリガーバインディングを一覧表示できるようになりました。
-
イベントリスナーの
CompareSecret
機能が、CEL インターセプターについて修正されました。 -
タスクおよびクラスタータスクの
list
、describe
、およびstart
サブコマンドは、タスクおよびクラスタータスクが同じ名前を持つ場合に出力に正常に表示されるようになりました。 - 以前のバージョンでは、OpenShift Pipelines Operator は特権付き SCC (Security Context Constraints) を変更していました。これにより、クラスターのアップグレード時にエラーが発生しました。このエラーは修正されています。
-
tekton-pipelines
namespace では、設定マップを使用して、すべてのタスク実行およびパイプライン実行のタイムアウトがdefault-timeout-minutes
フィールドの値に設定されるようになりました。 - 以前のバージョンでは、Web コンソールのパイプラインセクションは管理者以外のユーザーには表示されませんでした。この問題は解決されています。