3.7. パイプラインのリソース消費の削減
マルチテナント環境でクラスターを使用する場合、各プロジェクトおよび Kubernetes オブジェクトの CPU、メモリー、およびストレージリソースの使用を制御する必要があります。これにより、1 つのアプリケーションがリソースを過剰に消費し、他のアプリケーションに影響を与えるのを防ぐことができます。
結果として作成される Pod に設定される最終的なリソース制限を定義するために、Red Hat OpenShift Pipelines は、それらが実行されるプロジェクトのリソースクォータの制限および制限範囲を使用します。
プロジェクトのリソース消費を制限するには、以下を実行できます。
- リソースクォータを設定し、管理 して、リソースの総消費量を制限します。
- 制限範囲を使用し、リソース消費を制限 します。この対象は、Pod、イメージ、イメージストリームおよび永続ボリューム要求 (PVC) などの特定のオブジェクトのリソース消費です。
3.7.1. パイプラインでのリソース消費について
各タスクは、Task
リソースの steps
フィールドで定義される特定の順序で実行される必要な多数の必要なステップで設定されます。各タスクは Pod として実行され、各ステップは同じ Pod 内のコンテナーとして実行されます。
ステップは一度に 1 つずつ実行されます。タスクを実行する Pod は、一度にタスクの単一コンテナーイメージ (ステップ) を実行するのに十分なリソースのみを要求するため、タスクのすべてのステップについてのリソースを保存しません。
steps
仕様の Resources
フィールドは、リソース消費の制限を指定します。デフォルトで、CPU、メモリー、および一時ストレージのリソース要求は、BestEffort
(ゼロ) 値またはそのプロジェクトの制限範囲で設定される最小値に設定されます。
ステップのリソース要求および制限の設定例
spec: steps: - name: <step_name> resources: requests: memory: 2Gi cpu: 600m limits: memory: 4Gi cpu: 900m
LimitRange
パラメーターおよびコンテナーリソース要求の最小値がパイプラインおよびタスクが実行されるプロジェクトに指定される場合、Red Hat OpenShift Pipelines はプロジェクトのすべての LimitRange
値を確認し、ゼロではなく最小値を使用します。
プロジェクトレベルでの制限範囲パラメーターの設定例
apiVersion: v1 kind: LimitRange metadata: name: <limit_container_resource> spec: limits: - max: cpu: "600m" memory: "2Gi" min: cpu: "200m" memory: "100Mi" default: cpu: "500m" memory: "800Mi" defaultRequest: cpu: "100m" memory: "100Mi" type: Container ...