4.11. Pod の Disruption Budget (停止状態の予算)
Pod の Disruption Budget について理解し、これを設定します。
4.11.1. Pod の Disruption Budget (停止状態の予算) を使って起動している Pod の数を指定する方法
Pod の Disruption Budget は Kubernetes API の一部であり、他のオブジェクトタイプのように oc
コマンドで管理できます。この設定により、メンテナンスのためのノードのドレイン (解放) などの操作時に Pod への安全面の各種の制約を指定できます。
PodDisruptionBudget
は、同時に起動している必要のあるレプリカの最小数またはパーセンテージを指定する API オブジェクトです。これらをプロジェクトに設定することは、ノードのメンテナンス (クラスターのスケールダウンまたはクラスターのアップグレードなどの実行) 時に役立ち、この設定は (ノードの障害時ではなく) 自発的なエビクションの場合にのみ許可されます。
PodDisruptionBudget
オブジェクトの設定は、以下の主要な部分で設定されています。
- 一連の Pod に対するラベルのクエリー機能であるラベルセレクター。
同時に利用可能にする必要のある Pod の最小数を指定する可用性レベル。
-
minAvailable
は、中断時にも常に利用可能である必要のある Pod 数です。 -
maxUnavailable
は、中断時に利用不可にできる Pod 数です。
-
maxUnavailable
の 0%
または 0
あるいは minAvailable
の 100%
、ないしはレプリカ数に等しい値は許可されますが、これによりノードがドレイン (解放) されないようにブロックされる可能性があります。
以下を実行して、Pod の Disruption Budget をすべてのプロジェクトで確認することができます。
$ oc get poddisruptionbudget --all-namespaces
出力例
NAMESPACE NAME MIN-AVAILABLE SELECTOR another-project another-pdb 4 bar=foo test-project my-pdb 2 foo=bar
PodDisruptionBudget
は、最低でも minAvailable
Pod がシステムで実行されている場合は正常であるとみなされます。この制限を超えるすべての Pod はエビクションの対象となります。
Pod の優先順位およびプリエンプションの設定に基づいて、優先順位の低い Pod は Pod の Disruption Budget の要件を無視して削除される可能性があります。
4.11.2. Pod の Disruption Budget を使って起動している Pod 数の指定
同時に起動している必要のあるレプリカの最小数またはパーセンテージは、PodDisruptionBudget
オブジェクトを使って指定します。
手順
Pod の Disruption Budget を設定するには、以下を実行します。
YAML ファイルを以下のようなオブジェクト定義で作成します。
apiVersion: policy/v1beta1 1 kind: PodDisruptionBudget metadata: name: my-pdb spec: minAvailable: 2 2 selector: 3 matchLabels: foo: bar
または、以下を実行します。
apiVersion: policy/v1beta1 1 kind: PodDisruptionBudget metadata: name: my-pdb spec: maxUnavailable: 25% 2 selector: 3 matchLabels: foo: bar
以下のコマンドを実行してオブジェクトをプロジェクトに追加します。
$ oc create -f </path/to/file> -n <project_name>