3.7.2. パイプラインでの追加のリソース消費を軽減する
Pod 内のコンテナーにリソース制限を設定する場合、OpenShift Container Platform はすべてのコンテナーが同時に実行される際に要求されるリソース制限を合計します。
呼び出されるタスクで一度に 1 つのステップを実行するために必要なリソースの最小量を消費するために、Red Hat OpenShift Pipelines は、最も多くのリソースを必要とするステップで指定される CPU、メモリー、および一時ストレージの最大値を要求します。これにより、すべてのステップのリソース要件が満たされます。最大値以外の要求はゼロに設定されます。
ただしこの動作により、リソースの使用率が必要以上に高くなる可能性があります。リソースクォータを使用する場合、これにより Pod がスケジュールできなくなる可能性があります。
たとえば、スクリプトを使用する 2 つのステップを含むタスクと、リソース制限および要求を定義しないタスクについて考えてみましょう。作成される Pod には 2 つの init コンテナー (エントリーポイントコピー用に 1 つとスクリプトの作成用に 1 つ) と 2 つのコンテナー (各ステップに 1 つ) があります。
OpenShift Container Platform はプロジェクトに設定された制限範囲を使用して、必要なリソース要求および制限を計算します。この例では、プロジェクトに以下の制限範囲を設定します。
apiVersion: v1 kind: LimitRange metadata: name: mem-min-max-demo-lr spec: limits: - max: memory: 1Gi min: memory: 500Mi type: Container
このシナリオでは、各 init コンテナーは要求メモリー 1Gi (制限範囲の上限) を使用し、各コンテナーは 500Mi の要求メモリーを使用します。そのため、Pod のメモリー要求の合計は 2Gi になります。
同じ制限範囲が 10 のステップのタスクで使用される場合、最終的なメモリー要求は 5Gi になります。これは、各ステップで実際に必要とされるサイズ (500Mi) よりも大きくなります (それぞれのステップは他のステップの後に実行されるためです)。
そのため、リソースのリソース消費を減らすには、以下を行います。
- スクリプト機能および同じイメージを使用して、複数の異なるステップを 1 つの大きなステップにグループ化し、特定のタスクのステップ数を減らします。これにより、要求される最小リソースを減らすことができます。
- 相互に独立しており、独立して実行できるステップを、単一のタスクではなく、複数のタスクに分散します。これにより、各タスクのステップ数が減り、各タスクの要求が小さくなるため、スケジューラーはリソースが利用可能になるとそれらを実行できます。