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3.8. ノードセレクターの使用による特定ノードへの Pod の配置

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ノードセレクター は、ノードのカスタムラベルと Pod で指定されるセレクターを使用して定義されるキー/値のペアのマップを指定します。

Pod がノードで実行する要件を満たすには、Pod にはノードのラベルと同じキー/値のペアがなければなりません。

3.8.1. ノードセレクターについて

Pod でノードセレクターを使用し、ノードでラベルを使用して、Pod がスケジュールされる場所を制御できます。ノードセレクターにより、OpenShift Container Platform は一致するラベルが含まれるノード上に Pod をスケジュールします。

ノードセレクターを使用して特定の Pod を特定のノードに配置し、クラスタースコープのノードセレクターを使用して特定ノードの新規 Pod をクラスター内の任意の場所に配置し、プロジェクトノードを使用して新規 Pod を特定ノードのプロジェクトに配置できます。

たとえば、クラスター管理者は、作成するすべての Pod にノードセレクターを追加して、アプリケーション開発者が地理的に最も近い場所にあるノードにのみ Pod をデプロイできるインフラストラクチャーを作成できます。この例では、クラスターは 2 つのリージョンに分散する 5 つのデータセンターで設定されます。米国では、ノードに us-eastus-central、または us-west のラベルを付けます。アジア太平洋リージョン (APAC) では、ノードに apac-east または apac-west のラベルを付けます。開発者は、Pod がこれらのノードにスケジュールされるように、作成する Pod にノードセレクターを追加できます。

Pod オブジェクトにノードセレクターが含まれる場合でも、一致するラベルを持つノードがない場合、Pod はスケジュールされません。

重要

同じ Pod 設定でノードセレクターとノードのアフィニティーを使用している場合は、以下のルールが Pod のノードへの配置を制御します。

  • nodeSelectornodeAffinity の両方を設定する場合、Pod が候補ノードでスケジュールされるにはどちらの条件も満たしている必要があります。
  • nodeAffinity タイプに関連付けられた複数の nodeSelectorTerms を指定する場合、nodeSelectorTerms のいずれかが満たされている場合に Pod をノードにスケジュールすることができます。
  • nodeSelectorTerms に関連付けられた複数の matchExpressions を指定する場合、すべての matchExpressions が満たされている場合にのみ Pod をノードにスケジュールすることができます。
特定の Pod およびノードのノードセレクター

ノードセレクターおよびラベルを使用して、特定の Pod がスケジュールされるノードを制御できます。

ノードセレクターおよびラベルを使用するには、まずノードにラベルを付けて Pod がスケジュール解除されないようにしてから、ノードセレクターを Pod に追加します。

注記

ノードセレクターを既存のスケジュールされている Pod に直接追加することはできません。デプロイメント設定などの Pod を制御するオブジェクトにラベルを付ける必要があります。

たとえば、以下の Node オブジェクトには region: east ラベルがあります。

ラベルを含む Node オブジェクトのサンプル

kind: Node
apiVersion: v1
metadata:
  name: ip-10-0-131-14.ec2.internal
  selfLink: /api/v1/nodes/ip-10-0-131-14.ec2.internal
  uid: 7bc2580a-8b8e-11e9-8e01-021ab4174c74
  resourceVersion: '478704'
  creationTimestamp: '2019-06-10T14:46:08Z'
  labels:
    kubernetes.io/os: linux
    failure-domain.beta.kubernetes.io/zone: us-east-1a
    node.openshift.io/os_version: '4.5'
    node-role.kubernetes.io/worker: ''
    failure-domain.beta.kubernetes.io/region: us-east-1
    node.openshift.io/os_id: rhcos
    beta.kubernetes.io/instance-type: m4.large
    kubernetes.io/hostname: ip-10-0-131-14
    beta.kubernetes.io/arch: amd64
    region: east 1

1
Pod ノードセレクターに一致するラベル。

Pod には type: user-node,region: east ノードセレクターがあります。

ノードセレクターが含まれる Pod オブジェクトのサンプル

apiVersion: v1
kind: Pod

....

spec:
  nodeSelector: 1
    region: east
    type: user-node

1
ノードトラベルに一致するノードセレクター。

サンプル Pod 仕様を使用して Pod を作成する場合、これはサンプルノードでスケジュールできます。

クラスタースコープのデフォルトノードセレクター

デフォルトのクラスタースコープのノードセレクターを使用する場合、クラスターで Pod を作成すると、OpenShift Container Platform はデフォルトのノードセレクターを Pod に追加し、一致するラベルのあるノードで Pod をスケジュールします。

たとえば、以下の Scheduler オブジェクトにはデフォルトのクラスタースコープの region=east および type=user-node ノードセレクターがあります。

スケジューラー Operator カスタムリソースの例

apiVersion: config.openshift.io/v1
kind: Scheduler
metadata:
  name: cluster
...

spec:
  defaultNodeSelector: type=user-node,region=east
...

クラスター内のノードには type=user-node,region=east ラベルがあります。

Node オブジェクトの例

apiVersion: v1
kind: Node
metadata:
  name: ci-ln-qg1il3k-f76d1-hlmhl-worker-b-df2s4
...
  labels:
    region: east
    type: user-node
...

ノードセレクターを持つ Pod オブジェクトの例

apiVersion: v1
kind: Pod
...

spec:
  nodeSelector:
    region: east
...

サンプルクラスターでサンプル Pod 仕様を使用して Pod を作成する場合、Pod はクラスタースコープのノードセレクターで作成され、ラベルが付けられたノードにスケジュールされます。

ラベルが付けられたノード上の Pod を含む Pod 一覧の例

NAME     READY   STATUS    RESTARTS   AGE   IP           NODE                                       NOMINATED NODE   READINESS GATES
pod-s1   1/1     Running   0          20s   10.131.2.6   ci-ln-qg1il3k-f76d1-hlmhl-worker-b-df2s4   <none>           <none>

注記

Pod を作成するプロジェクトにプロジェクトノードセレクターがある場合、そのセレクターはクラスタースコープのセレクターよりも優先されます。Pod にプロジェクトノードセレクターがない場合、Pod は作成されたり、スケジュールされたりしません。

プロジェクトノードセレクター

プロジェクトノードセレクターを使用する場合、このプロジェクトで Pod を作成すると、OpenShift Container Platform はノードセレクターを Pod に追加し、Pod を一致するラベルを持つノードでスケジュールします。クラスタースコープのデフォルトノードセレクターがない場合、プロジェクトノードセレクターが優先されます。

たとえば、以下のプロジェクトには region=east ノードセレクターがあります。

Namespace オブジェクトの例

apiVersion: v1
kind: Namespace
metadata:
  name: east-region
  annotations:
    openshift.io/node-selector: "region=east"
...

以下のノードには type=user-node,region=east ラベルがあります。

Node オブジェクトの例

apiVersion: v1
kind: Node
metadata:
  name: ci-ln-qg1il3k-f76d1-hlmhl-worker-b-df2s4
...
  labels:
    region: east
    type: user-node
...

Pod をこのサンプルプロジェクトでサンプル Pod 仕様を使用して作成する場合、Pod はプロジェクトノードセレクターで作成され、ラベルが付けられたノードにスケジュールされます。

Pod オブジェクトの例

apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
  namespace: east-region
...
spec:
  nodeSelector:
    region: east
    type: user-node
...

ラベルが付けられたノード上の Pod を含む Pod 一覧の例

NAME     READY   STATUS    RESTARTS   AGE   IP           NODE                                       NOMINATED NODE   READINESS GATES
pod-s1   1/1     Running   0          20s   10.131.2.6   ci-ln-qg1il3k-f76d1-hlmhl-worker-b-df2s4   <none>           <none>

Pod に異なるノードセレクターが含まれる場合、プロジェクトの Pod は作成またはスケジュールされません。たとえば、以下の Pod をサンプルプロジェクトにデプロイする場合、これは作成されません。

無効なノードセレクターを持つ Pod オブジェクトの例

apiVersion: v1
kind: Pod
...

spec:
  nodeSelector:
    region: west

....

3.8.2. ノードセレクターの使用による Pod 配置の制御

Pod でノードセレクターを使用し、ノードでラベルを使用して、Pod がスケジュールされる場所を制御できます。ノードセレクターにより、OpenShift Container Platform は一致するラベルが含まれるノード上に Pod をスケジュールします。

ラベルをノード、マシンセット、またはマシン設定に追加します。マシンセットにラベルを追加すると、ノードまたはマシンが停止した場合に、新規ノードにそのラベルが追加されます。ノードまたはマシン設定に追加されるラベルは、ノードまたはマシンが停止すると維持されません。

ノードセレクターを既存 Pod に追加するには、ノードセレクターを ReplicaSet オブジェクト、DaemonSet オブジェクト、StatefulSet オブジェクト、Deployment オブジェクト、または DeploymentConfig オブジェクトなどの Pod の制御オブジェクトに追加します。制御オブジェクト下の既存 Pod は、一致するラベルを持つノードで再作成されます。新規 Pod を作成する場合、ノードセレクターを Pod 仕様に直接追加できます。

注記

ノードセレクターを既存のスケジュールされている Pod に直接追加することはできません。

前提条件

ノードセレクターを既存 Pod に追加するには、Pod の制御オブジェクトを判別します。たとえば、router-default-66d5cf9464-m2g75 Pod は router-default-66d5cf9464 レプリカセットによって制御されます。

$ oc describe pod router-default-66d5cf9464-7pwkc

Name:               router-default-66d5cf9464-7pwkc
Namespace:          openshift-ingress

....

Controlled By:      ReplicaSet/router-default-66d5cf9464

Web コンソールでは、Pod YAML の ownerReferences に制御オブジェクトを一覧表示します。

  ownerReferences:
    - apiVersion: apps/v1
      kind: ReplicaSet
      name: router-default-66d5cf9464
      uid: d81dd094-da26-11e9-a48a-128e7edf0312
      controller: true
      blockOwnerDeletion: true

手順

  1. マシンセットを使用するか、またはノードを直接編集してラベルをノードに追加します。

    • MachineSet オブジェクトを使用して、ノードの作成時にマシンセットによって管理されるノードにラベルを追加します。

      1. 以下のコマンドを実行してラベルを MachineSet オブジェクトに追加します。

        $ oc patch MachineSet <name> --type='json' -p='[{"op":"add","path":"/spec/template/spec/metadata/labels", "value":{"<key>"="<value>","<key>"="<value>"}}]'  -n openshift-machine-api

        以下に例を示します。

        $ oc patch MachineSet abc612-msrtw-worker-us-east-1c  --type='json' -p='[{"op":"add","path":"/spec/template/spec/metadata/labels", "value":{"type":"user-node","region":"east"}}]'  -n openshift-machine-api
      2. oc edit コマンドを使用して、ラベルが MachineSet オブジェクトに追加されていることを確認します。

        以下に例を示します。

        $ oc edit MachineSet abc612-msrtw-worker-us-east-1c -n openshift-machine-api

        MachineSet オブジェクトの例

        apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1
        kind: MachineSet
        
        ....
        
        spec:
        ...
          template:
            metadata:
        ...
            spec:
              metadata:
                labels:
                  region: east
                  type: user-node
        ....

    • ラベルをノードに直接追加します。

      1. ノードの Node オブジェクトを編集します。

        $ oc label nodes <name> <key>=<value>

        たとえば、ノードにラベルを付けるには、以下を実行します。

        $ oc label nodes ip-10-0-142-25.ec2.internal type=user-node region=east
      2. ラベルがノードに追加されていることを確認します。

        $ oc get nodes -l type=user-node,region=east

        出力例

        NAME                          STATUS   ROLES    AGE   VERSION
        ip-10-0-142-25.ec2.internal   Ready    worker   17m   v1.18.3+002a51f

  2. 一致するノードセレクターを Pod に追加します。

    • ノードセレクターを既存 Pod および新規 Pod に追加するには、ノードセレクターを Pod の制御オブジェクトに追加します。

      ラベルを含む ReplicaSet オブジェクトのサンプル

      kind: ReplicaSet
      
      ....
      
      spec:
      
      ....
      
        template:
          metadata:
            creationTimestamp: null
            labels:
              ingresscontroller.operator.openshift.io/deployment-ingresscontroller: default
              pod-template-hash: 66d5cf9464
          spec:
            nodeSelector:
              kubernetes.io/os: linux
              node-role.kubernetes.io/worker: ''
              type: user-node 1

      1
      ノードセレクターを追加します。
    • ノードセレクターを特定の新規 Pod に追加するには、セレクターを Pod オブジェクトに直接追加します。

      ノードセレクターを持つ Pod オブジェクトの例

      apiVersion: v1
      kind: Pod
      
      ....
      
      spec:
        nodeSelector:
          region: east
          type: user-node

      注記

      ノードセレクターを既存のスケジュールされている Pod に直接追加することはできません。

3.8.3. クラスタースコープのデフォルトノードセレクターの作成

クラスター内の作成されたすべての Pod を特定のノードに制限するために、デフォルトのクラスタースコープのノードセレクターをノード上のラベルと共に Pod で使用することができます。

クラスタースコープのノードセレクターを使用する場合、クラスターで Pod を作成すると、OpenShift Container Platform はデフォルトのノードセレクターを Pod に追加し、一致するラベルのあるノードで Pod をスケジュールします。

スケジューラー Operator カスタムリソース (CR) を編集して、クラスタースコープのノードセレクターを設定します。ラベルをノード、マシンセット、またはマシン設定に追加します。マシンセットにラベルを追加すると、ノードまたはマシンが停止した場合に、新規ノードにそのラベルが追加されます。ノードまたはマシン設定に追加されるラベルは、ノードまたはマシンが停止すると維持されません。

注記

Pod にキーと値のペアを追加できます。ただし、デフォルトキーの異なる値を追加することはできません。

手順

デフォルトのクラスタースコープのセレクターを追加するには、以下を実行します。

  1. スケジューラー Operator CR を編集して、デフォルトのクラスタースコープのノードクラスターを追加します。

    $ oc edit scheduler cluster

    ノードセレクターを含むスケジューラー Operator CR のサンプル

    apiVersion: config.openshift.io/v1
    kind: Scheduler
    metadata:
      name: cluster
    ...
    
    spec:
      defaultNodeSelector: type=user-node,region=east 1
      mastersSchedulable: false
      policy:
        name: ""

    1
    適切な <key>:<value> ペアが設定されたノードセレクターを追加します。

    この変更を加えた後に、openshift-kube-apiserver プロジェクトの Pod の再デプロイを待機します。これには数分の時間がかかる場合があります。デフォルトのクラスター全体のノードセレクターは、Pod の再起動まで有効になりません。

  2. マシンセットを使用するか、またはノードを直接編集してラベルをノードに追加します。

    • マシンセットを使用して、ノードの作成時にマシンセットによって管理されるノードにラベルを追加します。

      1. 以下のコマンドを実行してラベルを MachineSet オブジェクトに追加します。

        $ oc patch MachineSet <name> --type='json' -p='[{"op":"add","path":"/spec/template/spec/metadata/labels", "value":{"<key>"="<value>","<key>"="<value>"}}]'  -n openshift-machine-api 1
        1
        それぞれのラベルに <key> /<value> ペアを追加します。

        以下に例を示します。

        $ oc patch MachineSet ci-ln-l8nry52-f76d1-hl7m7-worker-c --type='json' -p='[{"op":"add","path":"/spec/template/spec/metadata/labels", "value":{"type":"user-node","region":"east"}}]'  -n openshift-machine-api
      2. oc edit コマンドを使用して、ラベルが MachineSet オブジェクトに追加されていることを確認します。

        以下に例を示します。

        $ oc edit MachineSet ci-ln-l8nry52-f76d1-hl7m7-worker-c -n openshift-machine-api

        出力例

        apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1
        kind: MachineSet
        metadata:
        ...
        spec:
        ...
          template:
            metadata:
        ...
            spec:
              metadata:
                labels:
                  region: east
                  type: user-node

      3. 0 にスケールダウンし、ノードをスケールアップして、そのマシンセットに関連付けられたノードを再デプロイします。

        以下に例を示します。

        $ oc scale --replicas=0 MachineSet ci-ln-l8nry52-f76d1-hl7m7-worker-c -n openshift-machine-api
        $ oc scale --replicas=1 MachineSet ci-ln-l8nry52-f76d1-hl7m7-worker-c -n openshift-machine-api
      4. ノードの準備ができ、利用可能な状態になったら、oc get コマンドを使用してラベルがノードに追加されていることを確認します。

        $ oc get nodes -l <key>=<value>

        以下に例を示します。

        $ oc get nodes -l type=user-node

        出力例

        NAME                                       STATUS   ROLES    AGE   VERSION
        ci-ln-l8nry52-f76d1-hl7m7-worker-c-vmqzp   Ready    worker   61s   v1.18.3+002a51f

    • ラベルをノードに直接追加します。

      1. ノードの Node オブジェクトを編集します。

        $ oc label nodes <name> <key>=<value>

        たとえば、ノードにラベルを付けるには、以下を実行します。

        $ oc label nodes ci-ln-l8nry52-f76d1-hl7m7-worker-b-tgq49 type=user-node region=east
      2. oc get コマンドを使用して、ラベルがノードに追加されていることを確認します。

        $ oc get nodes -l <key>=<value>,<key>=<value>

        以下に例を示します。

        $ oc get nodes -l type=user-node,region=east

        出力例

        NAME                                       STATUS   ROLES    AGE   VERSION
        ci-ln-l8nry52-f76d1-hl7m7-worker-b-tgq49   Ready    worker   17m   v1.18.3+002a51f

3.8.4. プロジェクトスコープのノードセレクターの作成

プロジェクトで作成されたすべての Pod をラベルが付けられたノードに制限するために、プロジェクトのノードセレクターをノード上のラベルと共に使用できます。

このプロジェクトで Pod を作成する場合、OpenShift Container Platform はノードセレクターをプロジェクトの Pod に追加し、プロジェクトの一致するラベルを持つノードで Pod をスケジュールします。クラスタースコープのデフォルトノードセレクターがない場合、プロジェクトノードセレクターが優先されます。

You add node selectors to a project by editing the Namespace object to add the openshift.io/node-selector parameter.ラベルをノード、マシンセット、またはマシン設定に追加します。マシンセットにラベルを追加すると、ノードまたはマシンが停止した場合に、新規ノードにそのラベルが追加されます。ノードまたはマシン設定に追加されるラベルは、ノードまたはマシンが停止すると維持されません。

Pod オブジェクトにノードセレクターが含まれる場合でも、一致するノードセレクターを持つプロジェクトがない場合、Pod はスケジュールされません。その仕様から Pod を作成すると、以下のメッセージと同様のエラーが表示されます。

エラーメッセージの例

Error from server (Forbidden): error when creating "pod.yaml": pods "pod-4" is forbidden: pod node label selector conflicts with its project node label selector

注記

Pod にキーと値のペアを追加できます。ただし、プロジェクトキーに異なる値を追加することはできません。

手順

デフォルトのプロジェクトノードセレクターを追加するには、以下を実行します。

  1. namespace を作成するか、既存の namespace を編集して openshift.io/node-selector パラメーターを追加します。

    $ oc edit namespace <name>

    出力例

    apiVersion: v1
    kind: Namespace
    metadata:
      annotations:
        openshift.io/node-selector: "type=user-node,region=east" 1
        openshift.io/description: ""
        openshift.io/display-name: ""
        openshift.io/requester: kube:admin
        openshift.io/sa.scc.mcs: s0:c30,c5
        openshift.io/sa.scc.supplemental-groups: 1000880000/10000
        openshift.io/sa.scc.uid-range: 1000880000/10000
      creationTimestamp: "2021-05-10T12:35:04Z"
      labels:
        kubernetes.io/metadata.name: demo
      name: demo
      resourceVersion: "145537"
      uid: 3f8786e3-1fcb-42e3-a0e3-e2ac54d15001
    spec:
      finalizers:
      - kubernetes

    1
    適切な <key>:<value> ペアを持つ openshift.io/node-selector を追加します。
  2. マシンセットを使用するか、またはノードを直接編集してラベルをノードに追加します。

    • MachineSet オブジェクトを使用して、ノードの作成時にマシンセットによって管理されるノードにラベルを追加します。

      1. 以下のコマンドを実行してラベルを MachineSet オブジェクトに追加します。

        $ oc patch MachineSet <name> --type='json' -p='[{"op":"add","path":"/spec/template/spec/metadata/labels", "value":{"<key>"="<value>","<key>"="<value>"}}]'  -n openshift-machine-api

        以下に例を示します。

        $ oc patch MachineSet ci-ln-l8nry52-f76d1-hl7m7-worker-c --type='json' -p='[{"op":"add","path":"/spec/template/spec/metadata/labels", "value":{"type":"user-node","region":"east"}}]'  -n openshift-machine-api
      2. oc edit コマンドを使用して、ラベルが MachineSet オブジェクトに追加されていることを確認します。

        以下に例を示します。

        $ oc edit MachineSet ci-ln-l8nry52-f76d1-hl7m7-worker-c -n openshift-machine-api

        出力例

        apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1
        kind: MachineSet
        metadata:
        ...
        spec:
        ...
          template:
            metadata:
        ...
            spec:
              metadata:
                labels:
                  region: east
                  type: user-node

      3. そのマシンセットに関連付けられたノードを再デプロイします。

        以下に例を示します。

        $ oc scale --replicas=0 MachineSet ci-ln-l8nry52-f76d1-hl7m7-worker-c -n openshift-machine-api
        $ oc scale --replicas=1 MachineSet ci-ln-l8nry52-f76d1-hl7m7-worker-c -n openshift-machine-api
      4. ノードの準備ができ、利用可能な状態になったら、oc get コマンドを使用してラベルがノードに追加されていることを確認します。

        $ oc get nodes -l <key>=<value>

        以下に例を示します。

        $ oc get nodes -l type=user-node,region=east

        出力例

        NAME                                       STATUS   ROLES    AGE   VERSION
        ci-ln-l8nry52-f76d1-hl7m7-worker-c-vmqzp   Ready    worker   61s   v1.18.3+002a51f

    • ラベルをノードに直接追加します。

      1. Node オブジェクトを編集してラベルを追加します。

        $ oc label <resource> <name> <key>=<value>

        たとえば、ノードにラベルを付けるには、以下を実行します。

        $ oc label nodes ci-ln-l8nry52-f76d1-hl7m7-worker-c-tgq49 type=user-node region=east
      2. oc get コマンドを使用して、ラベルが Node オブジェクトに追加されていることを確認します。

        $ oc get nodes -l <key>=<value>

        以下に例を示します。

        $ oc get nodes -l type=user-node,region=east

        出力例

        NAME                                       STATUS   ROLES    AGE   VERSION
        ci-ln-l8nry52-f76d1-hl7m7-worker-b-tgq49   Ready    worker   17m   v1.18.3+002a51f

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