第3章 ユーザー定義プロジェクトのモニターリングの有効化


OpenShift Container Platform 4.7 では、デフォルトのプラットフォームのモニターリングに加えて、ユーザー定義プロジェクトのモニターリングを有効にできます。追加のモニターリングソリューションなしに、OpenShift Container Platform で独自のプロジェクトをモニターできるようになりました。この新機能を使用することで、コアプラットフォームコンポーネントとユーザー定義プロジェクトのモニタリングが一元化されます。

注記

Operator Lifecycle Manager (OLM) を使用してインストールされた Prometheus Operator のバージョンは、ユーザー定義のモニタリングと互換性がありません。そのため、OLM Prometheus Operator によって管理される Prometheus カスタムリソース (CR) としてインストールされるカスタム Prometheus インスタンスは OpenShift Container Platform ではサポートされていません。

3.1. ユーザー定義プロジェクトのモニタリングの有効化

クラスター管理者は、クラスターモニターリング ConfigMap オブジェクト に enableUserWorkload: true フィールドを設定し、ユーザー定義プロジェクトのモニターリングを有効にできます。

重要

OpenShift Container Platform 4.7 では、ユーザー定義プロジェクトのモニターリングを有効にする前に、カスタム Prometheus インスタンスを削除する必要があります。

注記

OpenShift Container Platform のユーザー定義プロジェクトのモニタリングを有効にするには、cluster-admin ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる必要があります。これにより、クラスター管理者は任意で、ユーザー定義のプロジェクトをモニターするコンポーネントを設定するパーミッションをユーザーに付与できます。

前提条件

  • cluster-admin ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。
  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。
  • cluster-monitoring-configConfigMap オブジェクトを作成している。
  • オプションで user-workload-monitoring-config ConfigMapopenshift-user-workload-monitoring プロジェクトに作成している。ユーザー定義プロジェクトをモニターするコンポーネントの ConfigMap に設定オプションを追加できます。

    注記

    設定の変更を user-workload-monitoring-config ConfigMap に保存するたびに、openshift-user-workload-monitoring プロジェクトの Pod が再デプロイされます。これらのコンポーネントが再デプロイするまで時間がかかる場合があります。ユーザー定義プロジェクトのモニタリングを最初に有効にする前に ConfigMap オブジェクトを作成し、設定することができます。これにより、Pod を頻繁に再デプロイする必要がなくなります。

手順

  1. cluster-monitoring-config ConfigMap オブジェクトを編集します。

    $ oc -n openshift-monitoring edit configmap cluster-monitoring-config
  2. enableUserWorkload: truedata/config.yaml の下に追加します。

    apiVersion: v1
    kind: ConfigMap
    metadata:
      name: cluster-monitoring-config
      namespace: openshift-monitoring
    data:
      config.yaml: |
        enableUserWorkload: true 1
    1
    true に設定すると、enableUserWorkload パラメーターはクラスター内のユーザー定義プロジェクトのモニタリングを有効にします。
  3. 変更を適用するためにファイルを保存します。ユーザー定義プロジェクトのモニタリングは自動的に有効になります。

    警告

    変更が cluster-monitoring-config ConfigMap オブジェクトに保存されると、openshift-monitoring プロジェクトの Pod および他のリソースは再デプロイされる可能性があります。該当するプロジェクトの実行中のモニタリングプロセスも再起動する可能性があります。

  4. prometheus-operatorprometheus-user-workload および thanos-ruler-user-workload Pod が openshift-user-workload-monitoring プロジェクトで実行中であることを確認します。Pod が起動するまでに少し時間がかかる場合があります。

    $ oc -n openshift-user-workload-monitoring get pod

    出力例

    NAME                                   READY   STATUS        RESTARTS   AGE
    prometheus-operator-6f7b748d5b-t7nbg   2/2     Running       0          3h
    prometheus-user-workload-0             4/4     Running       1          3h
    prometheus-user-workload-1             4/4     Running       1          3h
    thanos-ruler-user-workload-0           3/3     Running       0          3h
    thanos-ruler-user-workload-1           3/3     Running       0          3h

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