5.9. toolbox について
toolbox
は、Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) システムでコンテナーを起動するツールです。このツールは、主に sosreport
や redhat-support-tool
などのコマンドを実行するために必要なバイナリーおよびプラグインを含むコンテナーを起動するために使用されます。
toolbox
コンテナーの主な目的は、診断情報を収集し、これを Red Hat サポートに提供することにあります。ただし、追加の診断ツールが必要な場合は、RPM パッケージを追加するか、または標準のサポートツールイメージの代替イメージを実行することができます。
toolbox
コンテナーへのパッケージのインストール
デフォルトでは、toolbox
コマンドを実行すると、registry.redhat.io/rhel8/support-tools:latest
イメージでコンテナーが起動します。このイメージには、最も頻繁に使用されるサポートツールが含まれます。イメージの一部ではないサポートツールを必要とするノード固有のデータを収集する必要がある場合は、追加のパッケージをインストールできます。
前提条件
-
oc debug node/<node_name>
コマンドでノードにアクセスしている。
手順
/host
をデバッグシェル内の root ディレクトリーとして設定します。デバッグ Pod は、Pod 内の/host
にホストの root ファイルシステムをマウントします。root ディレクトリーを/host
に変更すると、ホストの実行パスに含まれるバイナリーを実行できます。# chroot /host
toolbox コンテナーを起動します。
# toolbox
wget
などの追加のパッケージをインストールします。# dnf install -y <package_name>
toolbox
を使用した代替イメージの起動
デフォルトでは、toolbox
コマンドを実行すると、registry.redhat.io/rhel8/support-tools:latest
イメージでコンテナーが起動します。.toolboxrc
ファイルを作成し、実行するイメージを指定して代替イメージを起動できます。
前提条件
-
oc debug node/<node_name>
コマンドでノードにアクセスしている。
手順
/host
をデバッグシェル内の root ディレクトリーとして設定します。デバッグ Pod は、Pod 内の/host
にホストの root ファイルシステムをマウントします。root ディレクトリーを/host
に変更すると、ホストの実行パスに含まれるバイナリーを実行できます。# chroot /host
root ユーザー ID のホームディレクトリーに
.toolboxrc
ファイルを作成します。# vi ~/.toolboxrc
REGISTRY=quay.io 1 IMAGE=fedora/fedora:33-x86_64 2 TOOLBOX_NAME=toolbox-fedora-33 3
代替イメージを使用して toolbox コンテナーを起動します。
# toolbox
注記既存の
toolbox
Pod がすでに実行されている場合、toolbox
コマンドは以下を出力します:'toolbox-' already exists.Trying to start…
.podman rm toolbox-
で実行中の toolbox コンテナーを削除して、sosreport
プラグインの問題を回避するために、新規の toolbox コンテナーを生成します。