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2.4. OpenStack でのマシンセットの作成

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異なるマシンセットを作成して、Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) 上の OpenShift Container Platform クラスターで特定の目的で使用できます。たとえば、インフラストラクチャーマシンセットおよび関連マシンを作成して、サポートするワークロードを新しいマシンに移動できます。

重要

このプロセスは、手動でプロビジョニングされたマシンを持つクラスターには適用されません。高度なマシン管理およびスケーリング機能は、マシン API が機能しているクラスターでのみ使用することができます。

2.4.1. マシン API の概要

マシン API は、アップストリームのクラスター API プロジェクトおよびカスタム OpenShift Container Platform リソースに基づく重要なリソースの組み合わせです。

OpenShift Container Platform 4.7 クラスターの場合、マシン API はクラスターインストールの終了後にすべてのノードホストのプロビジョニングの管理アクションを実行します。このシステムにより、OpenShift Container Platform 4.7 はパブリックまたはプライベートのクラウドインフラストラクチャーに加えて弾力性があり、動的なプロビジョニング方法を提供します。

以下の 2 つのリソースは重要なリソースになります。

Machines
ノードのホストを記述する基本的なユニットです。マシンには、複数の異なるクラウドプラットフォーム用に提供されるコンピュートノードのタイプを記述する providerSpec 仕様があります。たとえば、Amazon Web Services (AWS) 上のワーカーノードのマシンタイプは特定のマシンタイプおよび必要なメタデータを定義する場合があります。
マシンセット

MachineSet リソースはマシンのグループです。マシンセットとマシンの関係は、レプリカセットと Pod の関係と同様です。マシンを追加する必要がある場合や、マシンの数を縮小したりする必要がある場合、コンピューティングのニーズに応じてマシンセットの replicas フィールドを変更します。

警告

コントロールプレーンマシンは、マシンセットで管理することはできません。

以下のカスタムリソースは、クラスターに機能を追加します。

Machine Autoscaler
MachineAutoscaler リソースはマシンをクラウドで自動的にスケーリングします。ノードに対する最小および最大のスケーリングの境界を、指定されるマシンセットに設定でき、Machine Autoscaler はノードの該当範囲を維持します。MachineAutoscaler オブジェクトは ClusterAutoscaler オブジェクトの設定後に有効になります。ClusterAutoscaler および MachineAutoscaler リソースは、どちらも ClusterAutoscalerOperator オブジェクトによって利用可能にされます。
Cluster Autoscaler
このリソースはアップストリームの Cluster Autoscaler プロジェクトに基づいています。OpenShift Container Platform の実装では、これはマシンセット API を拡張することによってクラスター API に統合されます。コア、ノード、メモリー、および GPU などのリソースのクラスター全体でのスケーリング制限を設定できます。優先順位を設定することにより、重要度の低い Pod のために新規ノードがオンラインにならないようにクラスターで Pod の優先順位付けを実行できます。また、スケーリングポリシーを設定してノードをスケールダウンせずにスケールアップできるようにすることもできます。
マシンのヘルスチェック
MachineHealthCheck リソースはマシンの正常でない状態を検知し、マシンを削除し、サポートされているプラットフォームでは新規マシンを作成します。

OpenShift Container Platform バージョン 3.11 では、クラスターでマシンのプロビジョニングが管理されないためにマルチゾーンアーキテクチャーを容易に展開することができませんでした。しかし、OpenShift Container Platform バージョン 4.1 以降、このプロセスはより簡単になりました。それぞれのマシンセットのスコープが単一ゾーンに設定されるため、インストールプログラムはユーザーに代わって、アベイラビリティーゾーン全体にマシンセットを送信します。さらに、コンピューティングは動的に展開されるため、ゾーンに障害が発生した場合の、マシンのリバランスが必要な場合に使用するゾーンを常に確保できます。Autoscaler はクラスターの有効期間中にベストエフォートでバランシングを提供します。

2.4.2. RHOSP 上のマシンセットのカスタムリソースのサンプル YAML

このサンプル YAML は、Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) で実行され、node-role.kubernetes.io/<role>: "" というラベルが付けられたノードを作成するマシンセットを定義します。

このサンプルでは、<infrastructure_id> はクラスターのプロビジョニング時に設定したクラスター ID に基づくインフラストラクチャー ID であり、<role> は追加するノードラベルです。

apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1
kind: MachineSet
metadata:
  labels:
    machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> 1
    machine.openshift.io/cluster-api-machine-role: <role> 2
    machine.openshift.io/cluster-api-machine-type: <role> 3
  name: <infrastructure_id>-<role> 4
  namespace: openshift-machine-api
spec:
  replicas: <number_of_replicas>
  selector:
    matchLabels:
      machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> 5
      machine.openshift.io/cluster-api-machineset: <infrastructure_id>-<role> 6
  template:
    metadata:
      labels:
        machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> 7
        machine.openshift.io/cluster-api-machine-role: <role> 8
        machine.openshift.io/cluster-api-machine-type: <role> 9
        machine.openshift.io/cluster-api-machineset: <infrastructure_id>-<role> 10
    spec:
      providerSpec:
        value:
          apiVersion: openstackproviderconfig.openshift.io/v1alpha1
          cloudName: openstack
          cloudsSecret:
            name: openstack-cloud-credentials
            namespace: openshift-machine-api
          flavor: <nova_flavor>
          image: <glance_image_name_or_location>
          serverGroupID: <optional_UUID_of_server_group> 11
          kind: OpenstackProviderSpec
          networks: 12
          - filter: {}
            subnets:
            - filter:
                name: <subnet_name>
                tags: openshiftClusterID=<infrastructure_id> 13
          primarySubnet: <rhosp_subnet_UUID> 14
          securityGroups:
          - filter: {}
            name: <infrastructure_id>-worker 15
          serverMetadata:
            Name: <infrastructure_id>-worker 16
            openshiftClusterID: <infrastructure_id> 17
          tags:
          - openshiftClusterID=<infrastructure_id> 18
          trunk: true
          userDataSecret:
            name: worker-user-data 19
          availabilityZone: <optional_openstack_availability_zone>
1 5 7 13 15 16 17 18
クラスターのプロビジョニング時に設定したクラスター ID を基にするインフラストラクチャー ID を指定します。OpenShift CLI がインストールされている場合は、以下のコマンドを実行してインフラストラクチャー ID を取得できます。
$ oc get -o jsonpath='{.status.infrastructureName}{"\n"}' infrastructure cluster
2 3 8 9 19
追加するノードラベルを指定します。
4 6 10
インフラストラクチャー ID およびノードラベルを指定します。
11
MachineSet のサーバーグループポリシーを設定するには、サーバーグループの作成 から返された値を入力します。ほとんどのデプロイメントでは、anti-affinity または soft-anti-affinity が推奨されます。
12
複数ネットワークへのデプロイメントに必要です。複数のネットワークを指定するには、ネットワークアレイに別のエントリーを追加します。また、primarySubnet の値として使用されるネットワークが含まれる必要があります。
14
ノードのエンドポイントを公開する RHOSP サブネットを指定します。通常、これは install-config.yaml ファイルの machinesSubnet の値として使用される同じサブネットです。

2.4.3. マシンセットの作成

インストールプログラムによって作成されるものに加え、独自のマシンセットを作成して、選択する特定のワークロードに対するマシンのコンピュートリソースを動的に管理することができます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform クラスターをデプロイすること。
  • OpenShift CLI (oc) をインストールしている。
  • cluster-admin パーミッションを持つユーザーとして、oc にログインする。

手順

  1. 説明されているようにマシンセット カスタムリソース (CR) サンプルを含む新規 YAML ファイルを作成し、そのファイルに <file_name>.yaml という名前を付けます。

    <clusterID> および <role> パラメーターの値を設定していることを確認します。

    1. 特定のフィールドに設定する値が不明な場合は、クラスターから既存のマシンセットを確認できます。

      $ oc get machinesets -n openshift-machine-api

      出力例

      NAME                                DESIRED   CURRENT   READY   AVAILABLE   AGE
      agl030519-vplxk-worker-us-east-1a   1         1         1       1           55m
      agl030519-vplxk-worker-us-east-1b   1         1         1       1           55m
      agl030519-vplxk-worker-us-east-1c   1         1         1       1           55m
      agl030519-vplxk-worker-us-east-1d   0         0                             55m
      agl030519-vplxk-worker-us-east-1e   0         0                             55m
      agl030519-vplxk-worker-us-east-1f   0         0                             55m

    2. 特定のマシンセットの値を確認します。

      $ oc get machineset <machineset_name> -n \
           openshift-machine-api -o yaml

      出力例

      ...
      template:
          metadata:
            labels:
              machine.openshift.io/cluster-api-cluster: agl030519-vplxk 1
              machine.openshift.io/cluster-api-machine-role: worker 2
              machine.openshift.io/cluster-api-machine-type: worker
              machine.openshift.io/cluster-api-machineset: agl030519-vplxk-worker-us-east-1a

      1
      クラスター ID。
      2
      デフォルトのノードラベル。
  2. 新規 MachineSet CR を作成します。

    $ oc create -f <file_name>.yaml
  3. マシンセットの一覧を表示します。

    $ oc get machineset -n openshift-machine-api

    出力例

    NAME                                DESIRED   CURRENT   READY   AVAILABLE   AGE
    agl030519-vplxk-infra-us-east-1a    1         1         1       1           11m
    agl030519-vplxk-worker-us-east-1a   1         1         1       1           55m
    agl030519-vplxk-worker-us-east-1b   1         1         1       1           55m
    agl030519-vplxk-worker-us-east-1c   1         1         1       1           55m
    agl030519-vplxk-worker-us-east-1d   0         0                             55m
    agl030519-vplxk-worker-us-east-1e   0         0                             55m
    agl030519-vplxk-worker-us-east-1f   0         0                             55m

    新規のマシンセットが利用可能な場合、 DESIRED および CURRENT の値は一致します。マシンセットが利用可能でない場合、数分待機してからコマンドを再度実行します。

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