1.3. 新機能および機能拡張
今回のリリースでは、以下のコンポーネントおよび概念に関連する拡張機能が追加されました。
1.3.1. Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS)
1.3.1.1. LUKS、RAID、および FBA DASD のディスクプロビジョニングの強化
OpenShift Container Platform 4.7 には、ベアメタルデプロイメントのディスクのプロビジョニングについてのいくつかの改善点が含まれています。現時点で、以下の機能は新規の 4.7 クラスターについてのみサポートされています。
- LUKS ディスク暗号化のネイティブ Ignition サポートは、暗号化したルートファイルシステムのさらなる設定の容易性をもたらし、追加のデータファイルシステムの暗号化サポートも提供します。
- RHCOS は、s390x の場合を除くブートディスクのミラーリングをサポートするようになりました。ディスクに障害が発生した場合の冗長性が提供されます。詳細は、インストール時のディスクのミラーリング について参照してください。
- s390x 上の RHCOS は、固定ブロックアーキテクチャー (FBA) タイプのダイレクトアクセスストレージデバイス (DASD) ディスクにインストールできます。
- RHCOS は、マルチパス化されるプライマリーディスクをサポートするようになりました。
新規クラスターでは、レガシーの /etc/clevis.json
ファイルがマシン設定に含まれるとプロビジョニングに失敗するため、LUKS 設定はネイティブの Ignition メカニズムを使用する必要があります。OpenShift Container Platform 4.6 以前からアップグレードしているクラスターでは、LUKS は /etc/clevis.json
を使用してのみ設定できます。
1.3.1.2. bootupd の使用によるブートローダーの更新
bootupd
を使用する RHCOS ユーザーは、最新のアーキテクチャーで実行される UEFI およびレガシー BIOS ブートモードのファームウェアおよびブートの更新を管理する複数のディスリビューションに対応可能な、システムに依存しない更新ツールにアクセスできます。
1.3.1.3. RHCOS が RHEL 8.4 を使用するように
RHCOS は、OpenShift Container Platform 4.7.24 以降で Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 8.4 パッケージを使用するようになりました。これにより、NetworkManager 機能などの最新の修正、機能、拡張機能、および最新のハードウェアサポートおよびドライバー更新を利用できます。OpenShift Container Platform 4.6 は延長更新サポート (EUS) リリースです。このリリースは、ライフサイクル全体に対して RHEL 8.2 EUS パッケージを引き続き使用します。
1.3.1.4. RHCOS が kdump サービスに対応 (テクノロジープレビュー)
kdump
サービスは、カーネル問題のデバッグ用のクラッシュダンプの仕組みを提供するために RHCOS のテクノロジープレビューに導入されています。このサービスを使用して、後の分析用にシステムメモリーの内容を保存できます。kdump
サービスはクラスターレベルで管理されず、ノードごとに手動で有効にし、設定する必要があります。詳細は、kdump の有効化 について参照してください。
1.3.1.5. Ignition の更新
以下の Ignition の更新が利用可能になりました。
-
RHCOS が Ignition 設定仕様 3.2.0 をサポートするようになりました。今回の更新により、ディスクパーティションのサイズ変更、LUKS で暗号化されたストレージ、および
gs://
URL のサポートが提供されるようになりました。 -
GovCloud または AWS China などのデフォルト以外の AWS パーティションで実行される場合、Ignition は同じパーティションから
s3://
リソースを取得するようになりました。 - Ignition が AWS EC2 インスタンスメタデータサービスバージョン 2 (IMDSv2) をサポートするようになりました。
1.3.1.6. DHCP リースの取得の試行時に使用されるタイムアウト値の設定
以前のバージョンでは、DHCP リースの取得にデフォルトの 45 秒よりも長い時間がかかるため、RHCOS DHCP カーネルパラメーターは予想通りに機能しませんでした。今回の修正により、DHCP リースの取得の試行時に使用されるタイムアウト値を設定できるようになりました。詳細は、BZ#1879094 を参照してください。
1.3.1.7. RHCOS によるマルチパスのサポート
RHCOS はプライマリーディスクでのマルチパスをサポートするようになり、ハードウェア障害に対する対障害性が強化され、マルチパスの上部に RHCOS を設定してホストの可用性を強化できるようになりました。詳細は、BZ#1886229 を参照してください。
説明されているように、マシン設定内のカーネル引数でのみマルチパスを有効にします。インストール時にマルチパスを有効にしないでください。
詳細は、RHCOS のカーネル引数でのマルチパスの有効化 について参照してください。
IBM Z および LinuxONE でマルチパスを有効にするには、インストール時に追加の手順が必要です。
詳細は、Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) マシン について参照してください。
1.3.1.8. Instance Metadata Service Version 2 (IMDSv2) からの AWS の設定の取得
Ignition が Instance Metadata Service Version 2 (IMDSv2) からの AWS の設定の取得をサポートするようになりました。今回の機能拡張により、AWS EC2 インスタンスは IMDSv1 を無効にして作成できるようになり、インスタンスユーザーデータから Ignition 設定を読み取るのに IMDSv2 が必要になりました。その結果、Ignition は IMDSv1 が有効かどうかにかかわらず、インスタンスのユーザーデータから設定を正常に読み取ります。詳細は、BZ#1899220 を参照してください。
1.3.1.9. Qemu ゲストエージェントが RHCOS に追加される
Qemu ゲストエージェントがデフォルトで RHCOS に組み込まれるようになりました。今回の機能拡張により、Red Hat Virtualization (RHV) 管理者は、RHCOS についての役立つ情報を RHV 管理インターフェイスに戻すことで、RHCOS ノードについての豊富な情報を表示できるようになりました。詳細は、BZ#1900759 を参照してください。