4.12. クラウドプロバイダーの認証情報のローテーションまたは削除
OpenShift Container Platform のインストール後に、一部の組織では、初回インストール時に使用されたクラウドプロバイダーの認証情報のローテーションまたは削除が必要になります。
クラスターが新規の認証情報を使用できるようにするには、Cloud Credential Operator (CCO) が使用するシークレットを更新して、クラウドプロバイダーの認証情報を管理できるようにする必要があります。
4.12.1. クラウドプロバイダーの認証情報の手動によるローテーション
クラウドプロバイダーの認証情報が何らかの理由で変更される場合、クラウドプロバイダーの認証情報の管理に Cloud Credential Operator (CCO) が使用するシークレットを手動で更新する必要があります。
クラウド認証情報をローテーションするプロセスは、CCO を使用するように設定されているモードによって変わります。mint モードを使用しているクラスターの認証情報をローテーションした後に、削除された認証情報で作成されたコンポーネントの認証情報は手動で削除する必要があります。
前提条件
クラスターは、使用している CCO モードでのクラウド認証情報の手動ローテーションをサポートするプラットフォームにインストールされている。
- mint モードについては、Amazon Web Services (AWS) および Google Cloud Platform (GCP) がサポートされます。
- passthrough モードは、Amazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform (GCP)、Red Hat OpenStack Platform (RHOSP)、Red Hat Virtualization (RHV)、および VMware vSphere でサポートされます。
- クラウドプロバイダーとのインターフェイスに使用される認証情報を変更している。
- 新規認証情報には、モードの CCO がクラスターで使用されるように設定するのに十分なパーミッションがある。
mint モードを使用する Azure クラスターの認証情報をローテーションする場合は、インストール時に使用されたサービスプリンシパルを削除したり、置き換えたりしないでください。代わりに、新規の Azure サービスプリンシパルのクライアントシークレットを生成し、それに応じて OpenShift Container Platform シークレットを更新します。
手順
-
Web コンソールの Administrator パースペクティブで、Workloads
Secrets に移動します。 Secrets ページの表で、クラウドプロバイダーのルートシークレットを見つけます。
プラットフォーム シークレット名 AWS
aws-creds
Azure
azure-credentials
GCP
gcp-credentials
RHOSP
openstack-credentials
RHV
ovirt-credentials
vSphere
vsphere-creds
- シークレットと同じ行にある Options メニュー をクリックし、Edit Secret を選択します。
- Value フィールドの内容を記録します。この情報を使用して、認証情報の更新後に値が異なることを確認できます。
- Value フィールドのテキストをクラウドプロバイダーの新規の認証情報で更新し、Save をクリックします。
クラスターの CCO が mint モードを使用するように設定されている場合、個別の
CredentialsRequest
オブジェクトによって参照される各コンポーネントシークレットを削除します。-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとして OpenShift Container Platform CLI にログインします。 参照されたすべてのコンポーネントシークレットの名前および namespace を取得します。
$ oc -n openshift-cloud-credential-operator get CredentialsRequest \ -o json | jq -r '.items[] | select (.spec.providerSpec.kind=="<provider_spec>") | .spec.secretRef'
ここで、
<provider_spec>
はクラウドプロバイダーの対応する値になります。-
AWS:
AWSProviderSpec
-
Azure:
AzureProviderSpec
-
GCP:
GCPProviderSpec
-
RHOSP:
OpenStackProviderSpec
-
RHV:
OvirtProviderSpec
-
vSphere:
VSphereProviderSpec
AWS の部分的なサンプル出力
{ "name": "ebs-cloud-credentials", "namespace": "openshift-cluster-csi-drivers" } { "name": "cloud-credential-operator-iam-ro-creds", "namespace": "openshift-cloud-credential-operator" } ...
-
AWS:
参照されるコンポーネントの各シークレットを削除します。
$ oc delete secret <secret_name> \ 1 -n <secret_namespace> 2
AWS シークレットの削除例
$ oc delete secret ebs-cloud-credentials -n openshift-cluster-csi-drivers
プロバイダーコンソールから認証情報を手動で削除する必要はありません。参照されるコンポーネントのシークレットを削除すると、CCO はプラットフォームから既存の認証情報を削除し、新規の認証情報を作成します。
-
認証情報が変更されたことを確認するには、以下を実行します。
-
Web コンソールの Administrator パースペクティブで、Workloads
Secrets に移動します。 - Value フィールドの内容が以前に記録された情報とは異なることを確認します。
-
Web コンソールの Administrator パースペクティブで、Workloads
4.12.2. クラウドプロバイダーの認証情報の削除
Cloud Credential Operator (CCO) を mint モードで使用して OpenShift Container Platform クラスターをインストールした後に、クラスターの kube-system
namespace から管理者レベルの認証情報シークレットを削除できます。管理者レベルの認証情報は、アップグレードなどの昇格されたパーミッションを必要とする変更時にのみ必要です。
z-stream 以外のアップグレードの前に、認証情報のシークレットを管理者レベルの認証情報と共に元に戻す必要があります。認証情報が存在しない場合は、アップグレードがブロックされる可能性があります。
前提条件
- クラスターが、CCO からのクラウド認証情報の削除をサポートするプラットフォームにインストールされている。サポートされるプラットフォームは AWS および GCP。
手順
-
Web コンソールの Administrator パースペクティブで、Workloads
Secrets に移動します。 Secrets ページの表で、クラウドプロバイダーのルートシークレットを見つけます。
プラットフォーム シークレット名 AWS
aws-creds
GCP
gcp-credentials
- シークレットと同じ行にある Options メニュー をクリックし、Delete Secret を選択します。