5.5. Cluster Network Operator の設定
クラスターネットワークの設定は、Cluster Network Operator (CNO) 設定の一部として指定され、cluster という名前のカスタムリソース (CR) オブジェクトに保存されます。CR は operator.openshift.io API グループの Network API のフィールドを指定します。
CNO 設定は、Network.config.openshift.io API グループの Network API からクラスターのインストール時に以下のフィールドを継承し、これらのフィールドは変更できません。
clusterNetwork- Pod IP アドレスの割り当てに使用する IP アドレスプール。
serviceNetwork- サービスの IP アドレスプール。
defaultNetwork.type- OpenShift SDN や OVN-Kubernetes などのクラスターネットワークプラグイン。
クラスターのインストール後に、直前のセクションで一覧表示されているフィールドを変更することはできません。
defaultNetwork オブジェクトのフィールドを cluster という名前の CNO オブジェクトに設定することにより、クラスターのクラスターネットワークプラグイン設定を指定できます。
5.5.1. Cluster Network Operator 設定オブジェクト リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Cluster Network Operator (CNO) のフィールドは以下の表で説明されています。
| フィールド | 型 | 説明 |
|---|---|---|
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CNO オブジェクトの名前。この名前は常に |
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| Pod IP アドレスの割り当て、サブネット接頭辞の長さのクラスター内の個別ノードへの割り当てに使用される IP アドレスのブロックを指定するリストです。以下に例を示します。
この値は読み取り専用であり、クラスターのインストール時に |
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| サービスの IP アドレスのブロック。OpenShift SDN および OVN-Kubernetes ネットワークプラグインは、サービスネットワークの単一 IP アドレスブロックのみをサポートします。以下に例を示します。 spec: serviceNetwork: - 172.30.0.0/14
この値は読み取り専用であり、クラスターのインストール時に |
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| クラスターネットワークのネットワークプラグインを設定します。 |
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| このオブジェクトのフィールドは、kube-proxy 設定を指定します。OVN-Kubernetes クラスターネットワークプラグインを使用している場合、kube-proxy 設定は機能しません。 |
複数のネットワークにオブジェクトをデプロイする必要があるクラスターの場合は、install-config.yaml ファイルで定義されている各ネットワークタイプの clusterNetwork.hostPrefix パラメーターに、必ず同じ値を指定してください。clusterNetwork.hostPrefix パラメーターにそれぞれ異なる値を設定すると、OVN-Kubernetes ネットワークプラグインに影響が及び、異なるノード間のオブジェクトトラフィックをプラグインが効果的にルーティングできなくなる可能性があります。
defaultNetwork オブジェクト設定
defaultNetwork オブジェクトの値は、以下の表で定義されます。
| フィールド | 型 | 説明 |
|---|---|---|
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注記 OpenShift Container Platform は、デフォルトで OVN-Kubernetes ネットワークプラグインを使用します。 |
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| このオブジェクトは、OpenShift SDN ネットワークプラグインに対してのみ有効です。 |
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| このオブジェクトは、OVN-Kubernetes ネットワークプラグインに対してのみ有効です。 |
OpenShift SDN ネットワークプラグインの設定
以下の表では、OpenShift SDN ネットワークプラグインの設定フィールドを説明します。
| フィールド | 型 | 説明 |
|---|---|---|
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| OpenShift SDN のネットワーク分離モード。 |
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| VXLAN オーバーレイネットワークの最大転送単位 (MTU)。通常、この値は自動的に設定されます。 |
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すべての VXLAN パケットに使用するポート。デフォルト値は |
OpenShift SDN 設定の例
OVN-Kubernetes ネットワークプラグインの設定
次の表では、OVN-Kubernetes ネットワークプラグインの設定フィールドを説明します。
| フィールド | 型 | 説明 |
|---|---|---|
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| Geneve (Generic Network Virtualization Encapsulation) オーバーレイネットワークの MTU (maximum transmission unit)。通常、この値は自動的に設定されます。 |
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| Geneve オーバーレイネットワークの UDP ポート。 |
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| フィールドがある場合、IPsec はクラスターに対して有効にされます。 |
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| ネットワークポリシー監査ロギングをカスタマイズする設定オブジェクトを指定します。指定されていない場合は、デフォルトの監査ログ設定が使用されます。 |
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| オプション: Egress トラフィックのノードゲートウェイへの送信方法をカスタマイズするための設定オブジェクトを指定します。 注記 Egress トラフィックの移行中は、Cluster Network Operator (CNO) が変更を正常にロールアウトするまで、ワークロードとサービストラフィックに多少の中断が発生することが予想されます。 |
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既存のネットワークインフラストラクチャーが このフィールドは、インストール後に変更できません。 |
デフォルト値は |
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既存のネットワークインフラストラクチャーが このフィールドは、インストール後に変更できません。 |
デフォルト値は |
| フィールド | 型 | 説明 |
|---|---|---|
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| integer |
ノードごとに毎秒生成されるメッセージの最大数。デフォルト値は、1 秒あたり |
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| integer |
監査ログの最大サイズ (バイト単位)。デフォルト値は |
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| string | 以下の追加の監査ログターゲットのいずれかになります。
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| string |
RFC5424 で定義される |
| フィールド | 型 | 説明 |
|---|---|---|
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Pod からホストネットワークスタックへの Egress トラフィックを送信するには、このフィールドを 注記
OpenShift Container Platform 4.12 では、egress IP はプライマリーインターフェイスのみに割り当てられます。そのため、
インストールおよびアプリケーションがカーネルルーティングテーブルに手動設定されたルートに依存するなど非常に特化されている場合には、Egress トラフィックをホストネットワークスタックにルーティングすることを推奨します。デフォルトでは、Egress トラフィックは OVN で処理され、クラスターを終了するために処理され、トラフィックはカーネルルーティングテーブルの特殊なルートによる影響を受けません。デフォルト値は
このフィールドで、Open vSwitch ハードウェアオフロード機能との対話が可能になりました。このフィールドを |
クラスターのインストール中にのみクラスターネットワークプラグインの設定を変更できます。ただし、インストール後のアクティビティーとして実行時に変更できる gatewayConfig フィールドは除きます。
IPSec が有効な OVN-Kubernetes 設定の例
kubeProxyConfig オブジェクト設定
kubeProxyConfig オブジェクトの値は以下の表で定義されます。
| フィールド | 型 | 説明 |
|---|---|---|
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注記
OpenShift Container Platform 4.3 以降で強化されたパフォーマンスの向上により、 |
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kubeProxyConfig:
proxyArguments:
iptables-min-sync-period:
- 0s
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5.5.2. Cluster Network Operator の設定例 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
以下の例では、詳細な CNO 設定が指定されています。
Cluster Network Operator オブジェクトのサンプル