検索

13.2. テイントと容認を使用したロギング Pod の配置制御

download PDF

テイントおよび容認 (Toleration) により、ノードはノード上でスケジュールする必要のある (またはスケジュールすべきでない) Pod を制御できます。

13.2.1. テイントおよび容認 (Toleration) について

テイント により、ノードは Pod に一致する 容認 がない場合に Pod のスケジュールを拒否することができます。

テイントは Node 仕様 (NodeSpec) でノードに適用され、容認は Pod 仕様 (PodSpec) で Pod に適用されます。テイントをノードに適用する場合、スケジューラーは Pod がテイントを容認しない限り、Pod をそのノードに配置することができません。

ノード仕様のテイントの例

apiVersion: v1
kind: Node
metadata:
  name: my-node
#...
spec:
  taints:
  - effect: NoExecute
    key: key1
    value: value1
#...

Pod 仕様での容認の例

apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
  name: my-pod
#...
spec:
  tolerations:
  - key: "key1"
    operator: "Equal"
    value: "value1"
    effect: "NoExecute"
    tolerationSeconds: 3600
#...

テイントおよび容認は、key、value、および effect で構成されます。

表13.1 テイントおよび容認コンポーネント
パラメーター説明

key

key には、253 文字までの文字列を使用できます。キーは文字または数字で開始する必要があり、文字、数字、ハイフン、ドットおよびアンダースコアを含めることができます。

value

value には、63 文字までの文字列を使用できます。値は文字または数字で開始する必要があり、文字、数字、ハイフン、ドットおよびアンダースコアを含めることができます。

effect

effect は以下のいずれかにすることができます。

表13.1 テイントおよび容認コンポーネント

NoSchedule [1]

  • テイントに一致しない新規 Pod はノードにスケジュールされません。
  • ノードの既存 Pod はそのままになります。

PreferNoSchedule

  • テイントに一致しない新規 Pod はノードにスケジュールされる可能性がありますが、スケジューラーはスケジュールしないようにします。
  • ノードの既存 Pod はそのままになります。

NoExecute

  • テイントに一致しない新規 Pod はノードにスケジュールできません。
  • 一致する容認を持たないノードの既存 Pod は削除されます。

operator

表13.1 テイントおよび容認コンポーネント

Equal

key/value/effect パラメーターは一致する必要があります。これはデフォルトになります。

Exists

key/effect パラメーターは一致する必要があります。いずれかに一致する value パラメーターを空のままにする必要があります。

  1. NoSchedule テイントをコントロールプレーンノードに追加する場合、ノードには、デフォルトで追加される node-role.kubernetes.io/master=:NoSchedule テイントが必要です。

    以下に例を示します。

    apiVersion: v1
    kind: Node
    metadata:
      annotations:
        machine.openshift.io/machine: openshift-machine-api/ci-ln-62s7gtb-f76d1-v8jxv-master-0
        machineconfiguration.openshift.io/currentConfig: rendered-master-cdc1ab7da414629332cc4c3926e6e59c
      name: my-node
    #...
    spec:
      taints:
      - effect: NoSchedule
        key: node-role.kubernetes.io/master
    #...

容認はテイントと一致します。

  • operator パラメーターが Equal に設定されている場合:

    • key パラメーターは同じになります。
    • value パラメーターは同じになります。
    • effect パラメーターは同じになります。
  • operator パラメーターが Exists に設定されている場合:

    • key パラメーターは同じになります。
    • effect パラメーターは同じになります。

以下のテイントは OpenShift Container Platform に組み込まれています。

  • node.kubernetes.io/not-ready: ノードは準備状態にありません。これはノード条件 Ready=False に対応します。
  • node.kubernetes.io/unreachable: ノードはノードコントローラーから到達不能です。これはノード条件 Ready=Unknown に対応します。
  • node.kubernetes.io/memory-pressure: ノードにはメモリー不足の問題が発生しています。これはノード条件 MemoryPressure=True に対応します。
  • node.kubernetes.io/disk-pressure: ノードにはディスク不足の問題が発生しています。これはノード条件 DiskPressure=True に対応します。
  • node.kubernetes.io/network-unavailable: ノードのネットワークは使用できません。
  • node.kubernetes.io/unschedulable: ノードはスケジュールが行えません。
  • node.cloudprovider.kubernetes.io/uninitialized: ノードコントローラーが外部のクラウドプロバイダーを使用して起動すると、このテイントはノード上に設定され、使用不可能とマークされます。cloud-controller-manager のコントローラーがこのノードを初期化した後に、kubelet がこのテイントを削除します。
  • node.kubernetes.io/pid-pressure: ノードが pid 不足の状態です。これはノード条件 PIDPressure=True に対応します。

    重要

    OpenShift Container Platform では、デフォルトの pid.available evictionHard は設定されません。

13.2.2. Loki Pod の配置

Pod の容認またはノードセレクターを使用して、Loki Pod が実行するノードを制御し、他のワークロードがそれらのノードを使用しないようにできます。

LokiStack カスタムリソース (CR) を使用して容認をログストア Pod に適用し、ノード仕様を使用してテイントをノードに適用できます。ノードのテイントは、テイントを容認しないすべての Pod を拒否するようノードに指示する key:value ペアです。他の Pod にはない特定の key:value ペアを使用すると、ログストア Pod のみがそのノードで実行できるようになります。

ノードセレクターを使用する LokiStack の例

apiVersion: loki.grafana.com/v1
kind: LokiStack
metadata:
  name: logging-loki
  namespace: openshift-logging
spec:
# ...
  template:
    compactor: 1
      nodeSelector:
        node-role.kubernetes.io/infra: "" 2
    distributor:
      nodeSelector:
        node-role.kubernetes.io/infra: ""
    gateway:
      nodeSelector:
        node-role.kubernetes.io/infra: ""
    indexGateway:
      nodeSelector:
        node-role.kubernetes.io/infra: ""
    ingester:
      nodeSelector:
        node-role.kubernetes.io/infra: ""
    querier:
      nodeSelector:
        node-role.kubernetes.io/infra: ""
    queryFrontend:
      nodeSelector:
        node-role.kubernetes.io/infra: ""
    ruler:
      nodeSelector:
        node-role.kubernetes.io/infra: ""
# ...

1
ノードセレクターに適用されるコンポーネント Pod タイプを指定します。
2
定義されたラベルが含まれるノードに移動する Pod を指定します。

前述の設定例では、すべての Loki Pod が node-role.kubernetes.io/infra: "" ラベルを含むノードに移動されます。

ノードセレクターと容認を使用する LokiStack CR の例

apiVersion: loki.grafana.com/v1
kind: LokiStack
metadata:
  name: logging-loki
  namespace: openshift-logging
spec:
# ...
  template:
    compactor:
      nodeSelector:
        node-role.kubernetes.io/infra: ""
      tolerations:
      - effect: NoSchedule
        key: node-role.kubernetes.io/infra
        value: reserved
      - effect: NoExecute
        key: node-role.kubernetes.io/infra
        value: reserved
    distributor:
      nodeSelector:
        node-role.kubernetes.io/infra: ""
      tolerations:
      - effect: NoSchedule
        key: node-role.kubernetes.io/infra
        value: reserved
      - effect: NoExecute
        key: node-role.kubernetes.io/infra
        value: reserved
      nodeSelector:
        node-role.kubernetes.io/infra: ""
      tolerations:
      - effect: NoSchedule
        key: node-role.kubernetes.io/infra
        value: reserved
      - effect: NoExecute
        key: node-role.kubernetes.io/infra
        value: reserved
    indexGateway:
      nodeSelector:
        node-role.kubernetes.io/infra: ""
      tolerations:
      - effect: NoSchedule
        key: node-role.kubernetes.io/infra
        value: reserved
      - effect: NoExecute
        key: node-role.kubernetes.io/infra
        value: reserved
    ingester:
      nodeSelector:
        node-role.kubernetes.io/infra: ""
      tolerations:
      - effect: NoSchedule
        key: node-role.kubernetes.io/infra
        value: reserved
      - effect: NoExecute
        key: node-role.kubernetes.io/infra
        value: reserved
    querier:
      nodeSelector:
        node-role.kubernetes.io/infra: ""
      tolerations:
      - effect: NoSchedule
        key: node-role.kubernetes.io/infra
        value: reserved
      - effect: NoExecute
        key: node-role.kubernetes.io/infra
        value: reserved
    queryFrontend:
      nodeSelector:
        node-role.kubernetes.io/infra: ""
      tolerations:
      - effect: NoSchedule
        key: node-role.kubernetes.io/infra
        value: reserved
      - effect: NoExecute
        key: node-role.kubernetes.io/infra
        value: reserved
    ruler:
      nodeSelector:
        node-role.kubernetes.io/infra: ""
      tolerations:
      - effect: NoSchedule
        key: node-role.kubernetes.io/infra
        value: reserved
      - effect: NoExecute
        key: node-role.kubernetes.io/infra
        value: reserved
    gateway:
      nodeSelector:
        node-role.kubernetes.io/infra: ""
      tolerations:
      - effect: NoSchedule
        key: node-role.kubernetes.io/infra
        value: reserved
      - effect: NoExecute
        key: node-role.kubernetes.io/infra
        value: reserved
# ...

LokiStack (CR) の nodeSelector フィールドと tolerations フィールドを設定するには、oc explain コマンドを使用して、特定のリソースの説明とフィールドを表示します。

$ oc explain lokistack.spec.template

出力例

KIND:     LokiStack
VERSION:  loki.grafana.com/v1

RESOURCE: template <Object>

DESCRIPTION:
     Template defines the resource/limits/tolerations/nodeselectors per
     component

FIELDS:
   compactor	<Object>
     Compactor defines the compaction component spec.

   distributor	<Object>
     Distributor defines the distributor component spec.
...

詳細情報用に、特定のフィールドを追加できます。

$ oc explain lokistack.spec.template.compactor

出力例

KIND:     LokiStack
VERSION:  loki.grafana.com/v1

RESOURCE: compactor <Object>

DESCRIPTION:
     Compactor defines the compaction component spec.

FIELDS:
   nodeSelector	<map[string]string>
     NodeSelector defines the labels required by a node to schedule the
     component onto it.
...

13.2.3. 容認を使用したログコレクター Pod 配置の制御

デフォルトで、ログコレクター Pod には以下の tolerations 設定があります。

apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
  name: collector-example
  namespace: openshift-logging
spec:
# ...
  collection:
    type: vector
    tolerations:
    - effect: NoSchedule
      key: node-role.kubernetes.io/master
      operator: Exists
    - effect: NoSchedule
      key: node.kubernetes.io/disk-pressure
      operator: Exists
    - effect: NoExecute
      key: node.kubernetes.io/not-ready
      operator: Exists
    - effect: NoExecute
      key: node.kubernetes.io/unreachable
      operator: Exists
    - effect: NoSchedule
      key: node.kubernetes.io/memory-pressure
      operator: Exists
    - effect: NoSchedule
      key: node.kubernetes.io/pid-pressure
      operator: Exists
    - effect: NoSchedule
      key: node.kubernetes.io/unschedulable
      operator: Exists
# ...

前提条件

  • Red Hat OpenShift Logging Operator および OpenShift CLI (oc) がインストールされている。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、ロギングコレクター Pod をスケジュールするノードにテイントを追加します。

    $ oc adm taint nodes <node_name> <key>=<value>:<effect>

    コマンドの例

    $ oc adm taint nodes node1 collector=node:NoExecute

    この例では、テイントをキー collector、値 node、およびテイント effect NoExecute のある node1 に配置します。NoExecute テイント effect を使用する必要があります。NoExecute は、テイントに一致する Pod のみをスケジュールし、一致しない既存の Pod を削除します。

  2. ClusterLogging カスタムリソース (CR) の collection スタンザを編集して、ロギングコレクター Pod の容認を設定します。

    apiVersion: logging.openshift.io/v1
    kind: ClusterLogging
    metadata:
    # ...
    spec:
    # ...
      collection:
        type: vector
        tolerations:
        - key: collector 1
          operator: Exists 2
          effect: NoExecute 3
          tolerationSeconds: 6000 4
        resources:
          limits:
            memory: 2Gi
          requests:
            cpu: 100m
            memory: 1Gi
    # ...
    1
    ノードに追加したキーを指定します。
    2
    Exists Operator を指定して、key/value/effect パラメーターが一致するようにします。
    3
    NoExecute effect を指定します。
    4
    オプションで、tolerationSeconds パラメーターを指定して、エビクトされる前に Pod がノードにバインドされる期間を設定します。

この容認は、oc adm taint コマンドで作成されたテイントと一致します。この容認のある Pod は node1 にスケジュールできます。

13.2.4. リソースの設定とロギングコレクターのスケジュール設定

管理者は、サポートされている ClusterLogForwarder CR と同じ namespace 内に、同じ名前の ClusterLogging カスタムリソース (CR) を作成することで、コレクターのリソースまたはスケジュールを変更できます。

デプロイメントで複数のログフォワーダーを使用する場合に ClusterLogging CR に適用できるスタンザは、managementStatecollection です。他のスタンザはすべて無視されます。

前提条件

  • 管理者権限がある。
  • Red Hat OpenShift Logging Operator バージョン 5.8 以降がインストールされている。
  • ClusterLogForwarder CR が作成されている。

手順

  1. 既存の ClusterLogForwarder CR をサポートする ClusterLogging CR を作成します。

    ClusterLogging CR YAML の例

    apiVersion: logging.openshift.io/v1
    kind: ClusterLogging
    metadata:
      name:  <name> 1
      namespace: <namespace> 2
    spec:
      managementState: "Managed"
      collection:
        type: "vector"
        tolerations:
        - key: "logging"
          operator: "Exists"
          effect: "NoExecute"
          tolerationSeconds: 6000
        resources:
          limits:
            memory: 1Gi
          requests:
            cpu: 100m
            memory: 1Gi
        nodeSelector:
          collector: needed
    # ...

    1
    この名前は、ClusterLogForwarder CR と同じ名前である必要があります。
    2
    namespace は、ClusterLogForwarder CR と同じnamespace である必要があります。
  2. 次のコマンドを実行して、ClusterLogging CR を適用します。

    $ oc apply -f <filename>.yaml

13.2.5. ロギングコレクター Pod の表示

ロギングコレクター Pod と、それらが実行されている対応するノードを表示できます。

手順

  • プロジェクトで次のコマンドを実行して、ロギングコレクター Pod とその詳細を表示します。

    $ oc get pods --selector component=collector -o wide -n <project_name>

    出力例

    NAME           READY  STATUS    RESTARTS   AGE     IP            NODE                  NOMINATED NODE   READINESS GATES
    collector-8d69v  1/1    Running   0          134m    10.130.2.30   master1.example.com   <none>           <none>
    collector-bd225  1/1    Running   0          134m    10.131.1.11   master2.example.com   <none>           <none>
    collector-cvrzs  1/1    Running   0          134m    10.130.0.21   master3.example.com   <none>           <none>
    collector-gpqg2  1/1    Running   0          134m    10.128.2.27   worker1.example.com   <none>           <none>
    collector-l9j7j  1/1    Running   0          134m    10.129.2.31   worker2.example.com   <none>           <none>

13.2.6. 関連情報

Red Hat logoGithubRedditYoutubeTwitter

詳細情報

試用、購入および販売

コミュニティー

Red Hat ドキュメントについて

Red Hat をお使いのお客様が、信頼できるコンテンツが含まれている製品やサービスを活用することで、イノベーションを行い、目標を達成できるようにします。

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。このような変更は、段階的に実施される予定です。詳細情報: Red Hat ブログ.

会社概要

Red Hat は、企業がコアとなるデータセンターからネットワークエッジに至るまで、各種プラットフォームや環境全体で作業を簡素化できるように、強化されたソリューションを提供しています。

© 2024 Red Hat, Inc.