4.11. VMware vSphere ボリュームを使用した永続ストレージ


OpenShift Container Platform では、VMware vSphere の仮想マシンディスク (VMDK: Virtual Machine Disk) ボリュームの使用が可能となります。VMware vSphere を使用して、OpenShift Container Platform クラスターに永続ストレージをプロビジョニングできます。これには、Kubernetes と VMware vSphere についてある程度の理解があることが前提となります。

VMware vSphere ボリュームは動的にプロビジョニングできます。OpenShift Container Platform は vSphere にディスクを作成し、このディスクを正しいイメージに割り当てます。

注記

OpenShift Container Platform は、自由にクラスターないのノードにあるボリュームをアタッチしたり、アタッチ解除できるように、個別の永続ディスクとして新規ボリュームをプロビジョニングします。そのため、スナップショットを使用するボリュームをバックアップしたり、スナップショットからボリュームを復元したりできません。詳細は、スナップショットの制限 を参照してください。

Kubernetes 永続ボリュームフレームワークは、管理者がクラスターのプロビジョニングを永続ストレージを使用して実行できるようにし、ユーザーが基礎となるインフラストラクチャーの知識がなくてもこれらのリソースを要求できるようにします。

永続ボリュームは、単一のプロジェクトまたは namespace にバインドされず、OpenShift Container Platform クラスター全体で共有できます。永続ボリューム要求はプロジェクトまたは namespace に固有のもので、ユーザーによって要求されます。

重要

OpenShift Container Platform は、vSphere ストレージをプロビジョニングするためにデフォルトで in-tree または CSI 以外のドライバーの使用に設定されます。

今後の OpenShift Container Platform バージョンでは、既存の in-tree プラグインを使用してプロビジョニングされるボリュームは、同等の CSI ドライバーに移行される予定です。CSI 自動移行はシームレスに行ってください。移行をしても、永続ボリューム、永続ボリューム要求、ストレージクラスなどの既存の API オブジェクトを使用する方法は変更されません。移行の詳細は、CSI の自動移行 を参照してください。

完全な移行後、in-tree プラグインは最終的に OpenShift Container Platform の今後のバージョンで削除されます。

関連情報

4.11.1. VMware vSphere ボリュームの動的プロビジョニング

VMware vSphere ボリュームの動的プロビジョニングは推奨される方法です。

4.11.2. 前提条件

  • 使用するコンポーネントの要件を満たす VMware vSphere バージョンにインストールされている OpenShift Container Platform クラスター。vSphere バージョンのサポートに関する詳細は、vSphere にクラスターをインストールする を参照してください。

以下のいずれかの手順を使用し、デフォルトのストレージクラスを使用してそれらのボリュームを動的にプロビジョニングできます。

4.11.2.1. UI を使用した VMware vSphere ボリュームの動的プロビジョニング

OpenShift Container Platform は、ボリュームをプロビジョニングするために thin ディスク形式を使用する thin という名前のデフォルトのストレージクラスをインストールします。

前提条件

  • ストレージは、ボリュームとして OpenShift Container Platform にマウントされる前に基礎となるインフラストラクチャーになければなりません。

手順

  1. OpenShift Container Platform コンソールで、Storage Persistent Volume Claims をクリックします。
  2. 永続ボリューム要求の概要で、Create Persistent Volume Claim をクリックします。
  3. 結果のページで必要なオプションを定義します。

    1. thin ストレージクラスを選択します。
    2. ストレージ要求の一意の名前を入力します。
    3. アクセスモードを選択し、作成されるストレージ要求の読み取り/書き込みアクセスを決定します。
    4. ストレージ要求のサイズを定義します。
  4. Create をクリックして永続ボリューム要求を作成し、永続ボリュームを生成します。

4.11.2.2. CLI を使用した VMware vSphere ボリュームの動的プロビジョニング

OpenShift Container Platform は、ボリュームをプロビジョニングするために thin ディスク形式を使用する thin という名前のデフォルトの StorageClass をインストールします。

前提条件

  • ストレージは、ボリュームとして OpenShift Container Platform にマウントされる前に基礎となるインフラストラクチャーになければなりません。

手順 (CLI)

  1. 以下の内容でファイル pvc.yaml を作成して VMware vSphere PersistentVolumeClaim を定義できます。

    kind: PersistentVolumeClaim
    apiVersion: v1
    metadata:
      name: pvc 1
    spec:
      accessModes:
      - ReadWriteOnce 2
      resources:
        requests:
          storage: 1Gi 3
    1
    永続ボリューム要求を表す一意の名前。
    2
    永続ボリューム要求のアクセスモード。ReadWriteOnce では、ボリュームは単一ノードによって読み取り/書き込みパーミッションでマウントできます。
    3
    永続ボリューム要求のサイズ。
  2. 次のコマンドを入力して、ファイルから PersistentVolumeClaim オブジェクトを作成します。

    $ oc create -f pvc.yaml

4.11.3. VMware vSphere ボリュームの静的プロビジョニング

VMware vSphere ボリュームを静的にプロビジョニングするには、永続ボリュームフレームワークが参照する仮想マシンディスクを作成する必要があります。

前提条件

  • ストレージは、ボリュームとして OpenShift Container Platform にマウントされる前に基礎となるインフラストラクチャーになければなりません。

手順

  1. 仮想マシンディスクを作成します。VMware vSphere ボリュームを静的にプロビジョニングする前に、仮想マシンディスク (VMDK) を手動で作成する必要があります。以下の方法のいずれかを使用します。

    • vmkfstools を使用して作成します。セキュアシェル (SSH) を使用して ESX にアクセスし、以下のコマンドを使用して VMDK ボリュームを作成します。

      $ vmkfstools -c <size> /vmfs/volumes/<datastore-name>/volumes/<disk-name>.vmdk
    • vmware-diskmanager を使用して作成します。

      $ shell vmware-vdiskmanager -c -t 0 -s <size> -a lsilogic <disk-name>.vmdk
  2. VMDK を参照する永続ボリュームを作成します。PersistentVolume オブジェクト定義を使用して pv1.yaml ファイルを作成します。

    apiVersion: v1
    kind: PersistentVolume
    metadata:
      name: pv1 1
    spec:
      capacity:
        storage: 1Gi 2
      accessModes:
        - ReadWriteOnce
      persistentVolumeReclaimPolicy: Retain
      vsphereVolume: 3
        volumePath: "[datastore1] volumes/myDisk"  4
        fsType: ext4  5
    1
    ボリュームの名前。この名前は永続ボリューム要求または Pod で識別されるものです。
    2
    このボリュームに割り当てられるストレージの量。
    3
    vSphere ボリュームの vsphereVolume で使用されるボリュームタイプ。ラベルは vSphere VMDK ボリュームを Pod にマウントするために使用されます。ボリュームの内容はアンマウントされても保持されます。このボリュームタイプは、VMFS データストアと VSAN データストアの両方がサポートされます。
    4
    使用する既存の VMDK ボリューム。vmkfstools を使用した場合、前述のようにボリューム定義で、データストア名を角かっこ [] で囲む必要があります。
    5
    マウントするファイルシステムタイプです。ext4、xfs、または他のファイルシステムなどが例になります。
    重要

    ボリュームをフォーマットしてプロビジョニングした後に fsType パラメーターの値を変更すると、データ損失や Pod にエラーが発生する可能性があります。

  3. ファイルから PersistentVolume オブジェクトを作成します。

    $ oc create -f pv1.yaml
  4. 直前の手順で作成した永続ボリュームにマップする永続ボリューム要求を作成します。PersistentVolumeClaim オブジェクト定義を使用して、ファイル pvc1.yaml を作成します。

    apiVersion: v1
    kind: PersistentVolumeClaim
    metadata:
      name: pvc1 1
    spec:
      accessModes:
        - ReadWriteOnce 2
      resources:
       requests:
         storage: "1Gi" 3
      volumeName: pv1 4
    1
    永続ボリューム要求を表す一意の名前。
    2
    永続ボリューム要求のアクセスモード。ReadWriteOnce では、ボリュームはシングルノードによって読み取り/書き込みパーミッションでマウントできます。
    3
    永続ボリューム要求のサイズ。
    4
    既存の永続ボリュームの名前。
  5. ファイルから PersistentVolumeClaim オブジェクトを作成します。

    $ oc create -f pvc1.yaml

4.11.3.1. VMware vSphere ボリュームのフォーマット

OpenShift Container Platform は、ボリュームをマウントしてコンテナーに渡す前に、PersistentVolume (PV) 定義の fsType パラメーター値で指定されたファイルシステムがボリュームに含まれることを確認します。デバイスが指定されたファイルシステムでフォーマットされていない場合、デバイスのデータはすべて消去され、デバイスはそのファイルシステムで自動的にフォーマットされます。

OpenShift Container Platform は初回の使用前にフォーマットするため、フォーマットされていない vSphere ボリュームを PV として使用できます。

Red Hat logoGithubRedditYoutubeTwitter

詳細情報

試用、購入および販売

コミュニティー

Red Hat ドキュメントについて

Red Hat をお使いのお客様が、信頼できるコンテンツが含まれている製品やサービスを活用することで、イノベーションを行い、目標を達成できるようにします。

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。このような変更は、段階的に実施される予定です。詳細情報: Red Hat ブログ.

会社概要

Red Hat は、企業がコアとなるデータセンターからネットワークエッジに至るまで、各種プラットフォームや環境全体で作業を簡素化できるように、強化されたソリューションを提供しています。

© 2024 Red Hat, Inc.