第1章 Network Observability Operator リリースノート


Network Observability Operator を使用すると、管理者は OpenShift Container Platform クラスターのネットワークトラフィックフローを観察および分析できます。

これらのリリースノートは、OpenShift Container Platform での Network Observability Operator の開発を追跡します。

Network Observability Operator の概要は、Network Observability Operator について を参照してください。

1.1. Network Observability Operator 1.8.0

Network Observability Operator 1.8.0 では、次のアドバイザリーを利用できます。

1.1.1. 新機能および機能拡張

1.1.1.1. パケット変換

変換されたエンドポイント情報を使用してネットワークフローを拡充できるようになりました。サービスだけでなく特定のバックエンド Pod も表示されるため、どの Pod がリクエストを処理したか確認できます。

1.1.1.2. Network Observability CLI

このリリースでは、Network Observability CLI に次の新しい機能、オプション、フィルターが追加されました。

  • oc netobserv metrics コマンドを実行して、フィルターを有効にしてメトリクスをキャプチャーします。
  • フローおよびパケットキャプチャーで --background オプションを使用して CLI をバックグラウンドで実行し、oc netobserv follow を実行してバックグラウンド実行の進行状況を確認し、oc netobserv copy を実行して生成されたログをダウンロードします。
  • --get-subnets オプションを使用して、マシン、Pod、およびサービスのサブネットでフローとメトリクスのキャプチャーを強化します。
  • 以下は、パケット、フロー、メトリクスのキャプチャーで利用できる新しいフィルタリングオプションです。

    • IP、ポート、プロトコル、アクション、TCP フラグなどに基づく eBPF フィルター
    • --node-selector を使用するカスタムノード
    • --drops のみを使用するドロップ
    • --regexes を使用する任意のフィールド

詳細は、Network Observability CLI リファレンス を参照してください。

1.1.2. バグ修正

  • 以前は、Network Observability Operator には、メトリクスサーバーの RBAC を管理するための "kube-rbac-proxy" コンテナーが付属していました。この外部コンポーネントは非推奨であるため、削除する必要がありました。これは、サイドカープロキシーを必要としない、Kubernetes コントローラーランタイムを介した TLS および RBAC の直接管理に置き換えられました。(NETOBSERV-1999)
  • 以前の OpenShift Container Platform コンソールプラグインでは、複数の値と一致しないキーでフィルタリングするとフィルタリングされませんでした。この修正により、フィルタリングされた値が一切含まれないフローという期待どおりの結果が返されます。(NETOBSERV-1990)
  • 以前は、Loki が無効になっている OpenShift Container Platform コンソールプラグインでは、互換性のないフィルターと集計のセットを選択することで "Can’t build query" エラーが発生することが多くなっていました。現在は、ユーザーにフィルターの非互換性を認識させつつ、互換性のないフィルターを自動的に無効にすることで、このエラーを回避しています。(NETOBSERV-1977)
  • 以前は、コンソールプラグインからフローの詳細を表示すると、ICMP 情報が常にサイドパネルに表示され、ICMP 以外のフローの場合は "undefined" の値が表示されていました。この修正により、ICMP 以外のフローでは ICMP 情報が表示されなくなります。(NETOBSERV-1969)
  • 以前は、Traffic flows ビューの "Export data" リンクが意図したとおりに機能せず、空の CSV レポートが生成されていました。現在は、エクスポート機能が復元され、空ではない CSV データが生成されます。(NETOBSERV-1958)
  • 以前は、Loki が有効な場合にのみ会話ログが役に立つにもかかわらず、loki.enablefalse に設定されている場合でも、processor.logTypesConversationsEndedConversations、または All に設定できました。その結果、リソースを無駄に使用していました。現在、この設定は無効であり、検証 Webhook によって拒否されます。(NETOBSERV-1957)
  • FlowCollector で、processor.logTypesAll に設定すると、他のオプションよりも CPU、メモリー、ネットワーク帯域幅などのリソースがはるかに多く消費されます。この点について、以前は文書化されていませんでした。これは現在文書化されており、検証 Webhook から警告がトリガーされます。(NETOBSERV-1956)
  • 以前は、負荷が高い場合に、eBPF エージェントによって生成された一部のフローが誤って破棄され、トラフィック帯域幅が予測を下回っていました。現在、生成されたフローは破棄されません。(NETOBSERV-1954)
  • 以前は、FlowCollector 設定でネットワークポリシーを有効にすると、Operator Webhook へのトラフィックがブロックされ、FlowMetrics API 検証が機能しなくなっていました。現在は、Webhook へのトラフィックは許可されます。(NETOBSERV-1934)
  • 以前は、デフォルトのネットワークポリシーをデプロイすると、additionalNamespaces フィールドにデフォルトで openshift-consoleopenshift-monitoring の namespace が設定され、ルールが重複していました。現在は、デフォルトで追加の namespace が設定されなくなったため、ルールの重複を防止できます。(NETOBSERV-1933)
  • 以前は、OpenShift Container Platform コンソールプラグインから TCP フラグでフィルタリングすると、目的のフラグのみmを持つフローのみが一致していました。現在は、少なくとも目的のフラグを持つフローがフィルタリングされたフローに表示されるようになります。(NETOBSERV-1890)
  • eBPF エージェントが特権モードで実行され、Pod が継続的に追加または削除されると、ファイル記述子 (FD) リークが発生します。この修正により、ネットワーク namespace の削除時に FD が適切に閉じられるようになります。(NETOBSERV-2063)
  • 以前は、CLI エージェント DaemonSet はマスターノードにデプロイされませんでした。現在は、taint が設定された場合にすべてのノードでスケジュールするための toleration がエージェント DaemonSet に追加されています。CLI エージェント DaemonSet Pod はすべてのノードで実行されます。(NETOBSERV-2030)
  • 以前は、Prometheus ストレージのみを使用する場合、Source Resource および Source Destination フィルターのオートコンプリートは機能しませんでした。現在、この問題は修正され、提案が期待どおりに表示されるようになりました。(NETOBSERV-1885)
  • 以前は、複数の IP を使用するリソースは Topology ビューで個別に表示されていました。現在は、リソースはビュー内で単一のトポロジーノードとして表示されます。(NETOBSERV-1818)
  • 以前は、マウスポインターを列の上に置くと、コンソールで Network traffic テーブルビューの内容が更新されていました。現在は表示が固定され、ポインターを置いても行の高さは一定のままです。(NETOBSERV-2049)

1.1.3. 既知の問題

  • クラスター内に重複するサブネットを使用するトラフィックがある場合、eBPF エージェントが重複した IP からのフローを混同するリスクがわずかにあります。これは、異なる接続がまったく同じ送信元 IP と宛先 IP を持ち、ポートとプロトコルが 5 秒の時間枠内にあり、同じノードで発生している場合に発生する可能性があります。セカンダリーネットワークまたは UDN を設定しない限り、これは不可能です。その場合でも、通常は送信元ポートが差別化要因となるため、通常のトラフィックで発生する可能性は非常に低くなります。(NETOBSERV-2115)
  • OpenShift Container Platform Web コンソールのフォームビューから、FlowCollector リソースの spec.exporters セクションで設定するエクスポーターのタイプを選択した後、そのタイプの詳細な設定がフォームに表示されません。回避策として、YAML を直接設定します。(NETOBSERV-1981)
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