1.8. Red Hat OpenShift distributed tracing platform 3.1 のリリースノート
Red Hat OpenShift distributed tracing platform のこのリリースには、Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Tempo) と非推奨の Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Jaeger) が含まれています。
1.8.1. Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Tempo)
Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Tempo) は、Tempo Operator を通じて提供されます。
1.8.1.1. 新機能および機能拡張
この更新では、distributed tracing platform (Tempo) に次の機能拡張が導入されました。
- Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Tempo) 3.1 は、オープンソースの Grafana Tempo 2.3.1 をベースにしています。
- クラスター全体のプロキシー環境のサポート
- Gateway コンポーネントでの TraceQL のサポート
1.8.1.2. バグ修正
この更新では、distributed tracing platform (Tempo) の次のバグ修正が導入されています。
-
この更新より前は、OpenShift Container Platform 4.15 で
monitorTab
を有効にして TempoStack インスタンスを作成した場合、必要なtempo-redmetrics-cluster-monitoring-view
ClusterRoleBinding が作成されませんでした。この更新により、Operator が任意の namespace にデプロイされているときの Monitor タブの Operator RBAC が修正され、問題が解決されます。(TRACING-3786) -
この更新より前は、IPv6 ネットワークスタックのみを備えた OpenShift Container Platform クラスター上に TempoStack インスタンスが作成された場合、コンパクター Pod とインジェスター Pod が
CrashLoopBackOff
状態で実行され、複数のエラーが発生していました。この更新では、IPv6 クラスターのサポートが提供されます。(TRACING-3226)
1.8.1.3. 既知の問題
現在、次のような既知の問題があります。
- 現在、Tempo Operator と併用すると、Jaeger UI には過去 15 分間にトレースを送信したサービスのみが表示されます。過去 15 分間にトレースを送信していないサービスの場合、トレースは保存されますが、Jaeger UI には表示されません。(TRACING-3139)
-
現在、IBM Z (
s390x
) アーキテクチャーでは、distributed tracing platform (Tempo) が失敗します。(TRACING-3545)
1.8.2. Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Jaeger)
Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Jaeger) は、Red Hat OpenShift distributed tracing platform Operator を通じて提供されます。
Jaeger は、FIPS 検証済みの暗号化モジュールを使用しません。
1.8.2.1. OpenShift Elasticsearch Operator のサポート
Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Jaeger) 3.1 は、OpenShift Elasticsearch Operator 5.6、5.7、および 5.8 での使用がサポートされています。
1.8.2.2. 非推奨の機能
Red Hat OpenShift distributed tracing platform 3.1 では、引き続き Jaeger と Elasticsearch のサポートが非推奨となり、どちらも今後のリリースで削除される予定です。Red Hat は、現行リリースのライフサイクルにおいて、該当コンポーネントの「重大」以上の CVE に対するバグ修正とサポートを提供しますが、機能拡張は提供しません。
Red Hat OpenShift distributed tracing platform 3.1 では、Tempo Operator によって提供される Tempo と、Red Hat build of OpenTelemetry によって提供される OpenTelemetry Collector が、分散トレーシングの収集および保存に推奨される Operator です。OpenTelemetry および Tempo 分散トレーシングスタックは、今後の強化対象スタックとなっているため、すべてのユーザーが採用する必要があります。
1.8.2.3. 新機能および機能拡張
この更新では、distributed tracing platform (Jaeger) に次の機能拡張が導入されました。
- Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Jaeger) 3.1 は、オープンソースの Jaeger リリース 1.53.0 に基づいています。
1.8.2.4. バグ修正
この更新では、distributed tracing platform (Jaeger) の次のバグ修正が導入されています。
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この更新より前は、
jager-query
Pod 内のjaeger-agent
コンテナーの接続ターゲット URL が、OpenShift Container Platform 4.13 の別の namespace URL で上書きされていました。これは、jaeger-operator
のサイドカーインジェクションコードのバグにより、非決定的なjaeger-agent
インジェクションが発生することが原因でした。この更新により、ターゲットデプロイメントと同じ namespace からの Jaeger インスタンスを Operator が優先するようになりました。(TRACING-3722)
1.8.2.5. 既知の問題
現在、次のような既知の問題があります。
- 現在、Apache Spark はサポートされていません。
- 現在、AMQ/Kafka を介したストリーミングデプロイメントは、IBM Z および IBM Power アーキテクチャーではサポートされていません。