6.6. 実稼働環境用のインフラストラクチャーマシンセットの作成
コンピュートマシンセットを作成して、デフォルトのルーター、統合コンテナーイメージレジストリー、およびクラスターメトリクスおよびモニタリングのコンポーネントなどのインフラストラクチャーコンポーネントのみをホストするマシンを作成できます。これらのインフラストラクチャーマシンは、環境の実行に必要なサブスクリプションの合計数にカウントされません。
実稼働デプロイメントでは、インフラストラクチャーコンポーネントを保持するために 3 つ以上のコンピュートマシンセットをデプロイすることが推奨されます。OpenShift Logging と Red Hat OpenShift Service Mesh の両方が Elasticsearch をデプロイします。これには、3 つのインスタンスを異なるノードにインストールする必要があります。これらの各ノードは、高可用性のために異なるアベイラビリティーゾーンにデプロイできます。このような設定では、各アベイラビリティーゾーンに 1 つずつ、3 つの異なるコンピュートマシンセットが必要です。複数のアベイラビリティーゾーンを持たないグローバル Azure リージョンでは、アベイラビリティーセットを使用して高可用性を確保できます。
インフラストラクチャーノードおよびインフラストラクチャーノードで実行できるコンポーネントの情報は、Creating infrastructure machine setsを参照してください。
インフラストラクチャーノードを作成するには、マシンセットを使用する か ノードにラベルを割り当てる か、マシン設定プールを使用します。
これらの手順で使用できるサンプルマシンセットについては、さまざまなクラウド用のマシンセットの作成 を参照してください。
特定のノードセレクターをすべてのインフラストラクチャーコンポーネントに適用すると、OpenShift Container Platform は そのラベルを持つノードでそれらのワークロードをスケジュール します。
6.6.1. コンピュートマシンセットの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
インストールプログラムによって作成されるコンピュートセットセットに加えて、独自のマシンセットを作成して、選択した特定のワークロードのマシンコンピューティングリソースを動的に管理できます。
前提条件
- OpenShift Container Platform クラスターをデプロイすること。
-
OpenShift CLI (
oc) がインストールされている。 -
cluster-adminパーミッションを持つユーザーとして、ocにログインする。
手順
コンピュートマシンセットのカスタムリソース (CR) サンプルを含む新しい YAML ファイルを作成し、
<file_name>.yamlという名前を付けます。<clusterID>および<role>パラメーターの値を設定していることを確認します。オプション: 特定のフィールドに設定する値がわからない場合は、クラスターから既存のコンピュートマシンセットを確認できます。
クラスター内のコンピュートマシンセットをリスト表示するには、次のコマンドを実行します。
oc get machinesets -n openshift-machine-api
$ oc get machinesets -n openshift-machine-apiCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 出力例
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 特定のコンピュートマシンセットカスタムリソース (CR) 値を表示するには、以下のコマンドを実行します。
oc get machineset <machineset_name> \ -n openshift-machine-api -o yaml
$ oc get machineset <machineset_name> \ -n openshift-machine-api -o yamlCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 出力例
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次のコマンドを実行して
MachineSetCR を作成します。oc create -f <file_name>.yaml
$ oc create -f <file_name>.yamlCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
次のコマンドを実行して、コンピュートマシンセットのリストを表示します。
oc get machineset -n openshift-machine-api
$ oc get machineset -n openshift-machine-apiCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 出力例
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 新しいコンピュートマシンセットが利用可能になると、
DESIREDとCURRENTの値が一致します。コンピュートマシンセットが使用できない場合は、数分待ってからコマンドを再実行してください。
6.6.2. 専用インフラストラクチャーノードの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
installer-provisioned infrastructure 環境またはコントロールプレーンノードがマシン API によって管理されているクラスターについて、Creating infrastructure machine set を参照してください。
クラスターの要件により、インフラストラクチャー(infra)ノードをプロビジョニングする必要があります。インストールプログラムは、コントロールプレーンとワーカーノードのみをプロビジョニングします。ワーカーノードは、ラベル付けを使用してインフラストラクチャーノードとして指定できます。次に、テイントおよび容認(Toleration)を使用して、適切なワークロードをインフラストラクチャーノードに移動できます。詳細は、インフラストラクチャーマシンセットへのリソースの更新を参照してください。
オプションで、クラスタースコープのデフォルトのノードセレクターを作成できます。デフォルトのノードセレクターはすべての namespace で作成された Pod に適用され、Pod のセレクターをさらに制限する Pod の既存のノードセレクターとの交差を作成します。
デフォルトのノードセレクターのキーが Pod のラベルのキーと競合する場合、デフォルトのノードセレクターは適用されません。
ただし、Pod がスケジュール対象外になる可能性のあるデフォルトノードセレクターを設定しないでください。たとえば、Pod のラベルが node-role.kubernetes.io/master="" などの別のノードロールに設定されている場合、デフォルトのノードセレクターを node-role.kubernetes.io/infra="" などの特定のノードロールに設定すると、Pod がスケジュール不能になる可能性があります。このため、デフォルトのノードセレクターを特定のノードロールに設定する際には注意が必要です。
または、プロジェクトノードセレクターを使用して、クラスター全体でのノードセレクターの競合を避けることができます。
手順
インフラストラクチャーノードとして機能する必要のあるワーカーノードにラベルを追加します。
oc label node <node-name> node-role.kubernetes.io/infra=""
$ oc label node <node-name> node-role.kubernetes.io/infra=""Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 該当するノードに
infraロールがあるかどうかを確認します。oc get nodes
$ oc get nodesCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow オプション:デフォルトのクラスタースコープのセレクターを作成します。
Schedulerオブジェクトを編集します。oc edit scheduler cluster
$ oc edit scheduler clusterCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 適切なノードセレクターと共に
defaultNodeSelectorフィールドを追加します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 1
- この例のノードセレクターは、デフォルトでインフラストラクチャーノードに Pod をデプロイします。
- 変更を適用するためにファイルを保存します。
これで、インフラストラクチャーリソースを新規のインフラストラクチャーノードに移動できます。また、新しいインフラストラクチャーノードで不要なワークロードや、属さないワークロードをすべて削除します。OpenShift Container Platform インフラストラクチャーコンポーネントのインフラストラクチャーノードでサポートされるワークロードのリストを参照してください。
6.6.3. インフラストラクチャーマシンのマシン設定プール作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
インフラストラクチャーマシンに専用の設定が必要な場合は、infra プールを作成する必要があります。
手順
特定のラベルを持つ infra ノードとして割り当てるノードに、ラベルを追加します。
oc label node <node_name> <label>
$ oc label node <node_name> <label>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow oc label node ci-ln-n8mqwr2-f76d1-xscn2-worker-c-6fmtx node-role.kubernetes.io/infra=
$ oc label node ci-ln-n8mqwr2-f76d1-xscn2-worker-c-6fmtx node-role.kubernetes.io/infra=Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ワーカーロールとカスタムロールの両方をマシン設定セレクターとして含まれるマシン設定プールを作成します。
cat infra.mcp.yaml
$ cat infra.mcp.yamlCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 出力例
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記カスタムマシン設定プールは、ワーカープールからマシン設定を継承します。カスタムプールは、ワーカープールのターゲット設定を使用しますが、カスタムプールのみをターゲットに設定する変更をデプロイする機能を追加します。カスタムプールはワーカープールから設定を継承するため、ワーカープールへの変更もカスタムプールに適用されます。
YAML ファイルを用意した後に、マシン設定プールを作成できます。
oc create -f infra.mcp.yaml
$ oc create -f infra.mcp.yamlCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow マシン設定をチェックして、インフラストラクチャー設定が正常にレンダリングされていることを確認します。
oc get machineconfig
$ oc get machineconfigCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 出力例
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 新規のマシン設定には、接頭辞
rendered-infra-*が表示されるはずです。オプション: カスタムプールへの変更をデプロイするには、
infraなどのラベルとしてカスタムプール名を使用するマシン設定を作成します。これは必須ではありませんが、説明の目的でのみ表示されていることに注意してください。これにより、インフラストラクチャーノードのみに固有のカスタム設定を適用できます。注記新規マシン設定プールの作成後に、MCO はそのプールに新たにレンダリングされた設定を生成し、そのプールに関連付けられたノードは再起動して、新規設定を適用します。
マシン設定を作成します。
cat infra.mc.yaml
$ cat infra.mc.yamlCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 出力例
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 1
- ノードに追加したラベルを
nodeSelectorとして追加します。
マシン設定を infra のラベルが付いたノードに適用します。
oc create -f infra.mc.yaml
$ oc create -f infra.mc.yamlCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
新規のマシン設定プールが利用可能であることを確認します。
oc get mcp
$ oc get mcpCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 出力例
NAME CONFIG UPDATED UPDATING DEGRADED MACHINECOUNT READYMACHINECOUNT UPDATEDMACHINECOUNT DEGRADEDMACHINECOUNT AGE infra rendered-infra-60e35c2e99f42d976e084fa94da4d0fc True False False 1 1 1 0 4m20s master rendered-master-9360fdb895d4c131c7c4bebbae099c90 True False False 3 3 3 0 91m worker rendered-worker-60e35c2e99f42d976e084fa94da4d0fc True False False 2 2 2 0 91m
NAME CONFIG UPDATED UPDATING DEGRADED MACHINECOUNT READYMACHINECOUNT UPDATEDMACHINECOUNT DEGRADEDMACHINECOUNT AGE infra rendered-infra-60e35c2e99f42d976e084fa94da4d0fc True False False 1 1 1 0 4m20s master rendered-master-9360fdb895d4c131c7c4bebbae099c90 True False False 3 3 3 0 91m worker rendered-worker-60e35c2e99f42d976e084fa94da4d0fc True False False 2 2 2 0 91mCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow この例では、ワーカーノードが infra ノードに変更されました。