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3.2. Custom Metrics Autoscaler Operator の概要

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開発者は、Red Hat OpenShift の Custom Metrics Autoscaler Operator を使用して、OpenShift Container Platform が CPU またはメモリーのみに基づくものではないカスタメトリクスに基づきデプロイメント、ステートフルセット、カスタムリソース、またはジョブの Pod 数を自動的に増減する方法を指定できます。

Custom Metrics Autoscaler Operator は、Kubernetes Event Driven Autoscaler (KEDA) に基づくオプションの Operator であり、Pod メトリクス以外の追加のメトリクスソースを使用してワークロードをスケーリングできます。

カスタムメトリクスオートスケーラーは現在、Prometheus、CPU、メモリー、および Apache Kafka メトリクスのみをサポートしています。

Custom Metrics Autoscaler Operator は、特定のアプリケーションからのカスタムの外部メトリクスに基づいて、Pod をスケールアップおよびスケールダウンします。他のアプリケーションは引き続き他のスケーリング方法を使用します。スケーラーとも呼ばれる トリガー を設定します。これは、カスタムメトリックオートスケーラーがスケーリング方法を決定するために使用するイベントとメトリックのソースです。カスタムメトリックオートスケーラーはメトリック API を使用して、外部メトリックを OpenShift Container Platform が使用できる形式に変換します。カスタムメトリクスオートスケーラーは、実際のスケーリングを実行する Horizontal Pod Autoscaler (HPA) を作成します。

カスタムメトリクスオートスケーラーを使用するには、ワークロード用の ScaledObject または ScaledJob オブジェクトを作成します。これらは、スケーリングメタデータを定義するカスタムリソース (CR) です。スケーリングするデプロイメントまたはジョブ、スケーリングするメトリクスのソース (トリガー)、許可される最小および最大レプリカ数などのその他のパラメーターを指定します。

注記

スケーリングするワークロードごとに、スケーリングされたオブジェクトまたはスケーリングされたジョブを 1 つだけ作成できます。また、スケーリングされたオブジェクトまたはスケーリングされたジョブと Horizontal Pod Autoscaler (HPA) を同じワークロードで使用することはできません。

カスタムメトリクスオートスケーラーは、HPA とは異なり、ゼロにスケーリングできます。カスタムメトリクスオートスケーラー CR の minReplicaCount 値を 0 に設定すると、カスタムメトリクスオートスケーラーはワークロードを 1 レプリカから 0 レプリカにスケールダウンするか、0 レプリカから 1 にスケールアップします。これは、アクティベーションフェーズ として知られています。1 つのレプリカにスケールアップした後、HPA はスケーリングを制御します。これは スケーリングフェーズ として知られています。

一部のトリガーにより、クラスターメトリクスオートスケーラーによってスケーリングされるレプリカの数を変更できます。いずれの場合も、アクティベーションフェーズを設定するパラメーターは、activation で始まる同じフレーズを常に使用します。たとえば、threshold パラメーターがスケーリングを設定する場合、activationThreshold はアクティベーションを設定します。アクティベーションフェーズとスケーリングフェーズを設定すると、スケーリングポリシーの柔軟性が向上します。たとえば、アクティベーションフェーズをより高く設定することで、メトリクスが特に低い場合にスケールアップまたはスケールダウンを防ぐことができます。

それぞれ異なる決定を行う場合は、スケーリングの値よりもアクティベーションの値が優先されます。たとえば、threshold10 に設定されていて、activationThreshold50 である場合にメトリクスが 40 を報告した場合、スケーラーはアクティブにならず、HPA が 4 つのインスタンスを必要とする場合でも Pod はゼロにスケーリングされます。

図3.1 カスタムメトリクスオートスケーラーのワークフロー

カスタムメトリクスオートスケーラーのワークフロー
  1. クラスター上のワークロード用のスケーリングされたオブジェクトのカスタムリソースを作成または変更します。オブジェクトには、そのワークロードのスケーリング設定を含めます。OpenShift API サーバーは、新しいオブジェクトを受け入れる前に、そのオブジェクトをカスタムメトリクスオートスケーラーのアドミッション Webhook プロセスに送信して、オブジェクトが有効であることを確認します。検証が成功すると、API サーバーはオブジェクトを永続化します。
  2. カスタムメトリクスオートスケーラーコントローラーが、スケーリングされたオブジェクトの更新または変更を監視します。OpenShift API サーバーがコントローラーに変更を通知すると、コントローラーは、オブジェクト内で指定されている外部トリガーソース (データソースとも呼ばれる) を監視して、メトリクスデータの変更を確認します。1 つ以上のスケーラーが外部トリガーソースからのスケーリングデータを要求します。たとえば、Kafka トリガータイプの場合、コントローラーは Kafka スケーラーを使用して Kafka インスタンスと通信し、トリガーによって要求されたデータを取得します。
  3. コントローラーが、スケーリングされたオブジェクトの水平 Pod オートスケーラーオブジェクトを作成します。その結果、Horizontal Pod Autoscaler (HPA) Operator が、トリガーに関連付けられたスケーリングデータの監視を開始します。HPA は、クラスターの OpenShift API サーバーエンドポイントからスケーリングデータを要求します。
  4. OpenShift API サーバーエンドポイントが、カスタムメトリクスオートスケーラーのメトリクスアダプターによって提供されます。メトリクスアダプターは、カスタムメトリクスの要求を受信すると、コントローラーへの GRPC 接続を使用して、スケーラーから受信した最新のトリガーデータを要求します。
  5. HPA がメトリクスアダプターから受信したデータに基づいてスケーリングを決定し、レプリカを増減することでワークロードをスケールアップまたはスケールダウンします。
  6. 運用中に、ワークロードがスケーリングメトリクスに影響を与えることがあります。たとえば、Kafka キュー内の作業を処理するためにワークロードがスケールアップされた場合、ワークロードがすべての作業を処理した後、キューのサイズが減少します。その結果、ワークロードがスケールダウンされます。
  7. メトリクスが minReplicaCount 値で指定された範囲内にある場合、カスタムメトリクスオートスケーラーコントローラーがすべてのスケーリングを無効にして、レプリカ数を一定に維持します。メトリクスがその範囲を超える場合、カスタムメトリクスオートスケーラーコントローラーはスケーリングを有効にして、HPA がワークロードをスケーリングできるようにします。スケーリングが無効になっている間、HPA は何もアクションを実行しません。

3.2.1. Custom Metrics Autoscaler 用のカスタム CA 証明書

デフォルトでは、Custom Metrics Autoscaler Operator は、自動的に生成されたサービス CA 証明書を使用して、クラスター上のサービスに接続します。

カスタム CA 証明書を必要とするクラスター外のサービスを使用する場合は、必要な証明書を config map に追加できます。次に、カスタムメトリクスオートスケーラーのインストール の説明に従って、KedaController カスタムリソースに config map を追加します。Operator は起動時にこれらの証明書を読み込み、Operator によって信頼されたものとして登録します。

config map には、1 つ以上の PEM エンコードされた CA 証明書を含む 1 つ以上の証明書ファイルを含めることができます。または、証明書ファイルごとに個別の config map を使用することもできます。

注記

後で config map を更新して追加の証明書を追加する場合は、変更を有効にするために keda-operator-* Pod を再起動する必要があります。

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