4.5. Pod のオーバーコミットノードへの配置


オーバーコミット とは、コンテナーの計算リソース要求と制限の合計が、そのシステムで利用できるリソースを超えた状態のことです。オーバーコミットは、容量に対して保証されたパフォーマンスのトレードオフが許容可能である開発環境において、望ましいことがあります。

要求および制限により、管理者はノードでのリソースのオーバーコミットを許可し、管理できます。スケジューラーは、要求を使用してコンテナーをスケジュールし、最小限のサービス保証を提供します。制限は、ノード上で消費されるコンピュートリソースの量を制限します。

4.5.1. オーバーコミットについて

要求および制限により、管理者はノードでのリソースのオーバーコミットを許可し、管理できます。スケジューラーは、要求を使用してコンテナーをスケジュールし、最小限のサービス保証を提供します。制限は、ノード上で消費されるコンピュートリソースの量を制限します。

OpenShift Container Platform 管理者は、開発者がコンテナーで設定された要求と制限の比率を上書きするようマスターを設定することで、オーバーコミットのレベルを制御し、ノードのコンテナー密度を管理します。この設定を、制限とデフォルトを指定するプロジェクトごとの LimitRange と共に使用することで、オーバーコミットを必要なレベルに設定できるようコンテナーの制限と要求を調整することができます。

注記

コンテナーに制限が設定されていない場合には、これらの上書きは影響を与えません。デフォルトの制限で (個別プロジェクトごとに、またはプロジェクトテンプレートを使用して) LimitRange オブジェクトを作成し、上書きが適用されるようにします。

上書き後も、コンテナーの制限および要求は、プロジェクトのいずれかの LimitRange オブジェクトで引き続き検証される必要があります。たとえば、開発者が最小限度に近い制限を指定し、要求を最小限度よりも低い値に上書きすることで、Pod が禁止される可能性があります。この最適でないユーザーエクスペリエンスについては、今後の作業で対応する必要がありますが、現時点ではこの機能および LimitRange オブジェクトを注意して設定してください。

4.5.2. ノードのオーバーコミットについて

オーバーコミット環境では、最適なシステム動作を提供できるようにノードを適切に設定する必要があります。

ノードが起動すると、メモリー管理用のカーネルの調整可能なフラグが適切に設定されます。カーネルは、物理メモリーが不足しない限り、メモリーの割り当てに失敗するこはありません。

この動作を確認するため、OpenShift Container Platform は、vm.overcommit_memory パラメーターを 1 に設定し、デフォルトのオペレーティングシステムの設定を上書きすることで、常にメモリーをオーバーコミットするようにカーネルを設定します。

また、OpenShift Container Platform は vm.panic_on_oom パラメーターを 0 に設定することで、メモリーが不足したときでもカーネルがパニックにならないようにします。0 の設定は、Out of Memory (OOM) 状態のときに oom_killer を呼び出すようカーネルに指示します。これにより、優先順位に基づいてプロセスを強制終了します。

現在の設定は、ノードに以下のコマンドを実行して表示できます。

$ sysctl -a |grep commit

出力例

#...
vm.overcommit_memory = 0
#...

$ sysctl -a |grep panic

出力例

#...
vm.panic_on_oom = 0
#...

注記

上記のフラグはノード上にすでに設定されているはずであるため、追加のアクションは不要です。

各ノードに対して以下の設定を実行することもできます。

  • CPU CFS クォータを使用した CPU 制限の無効化または実行
  • システムプロセスのリソース予約
  • Quality of Service (QoS) 層でのメモリー予約
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