6.11. Linux cgroup v2 の設定


node.config オブジェクトを編集して、クラスターで Linux コントロールグループバージョン 2 (cgroup v2)を有効にできます。OpenShift Container Platform で cgroup v2 を有効にすると、クラスター内のすべての cgroups バージョン 1 コントローラーおよび階層が無効になります。cgroup v1 はデフォルトで有効にされます。

cgroup v2 は、Linux cgroup API の現行バージョンです。cgroup v2 では、統一された階層、安全なサブツリー委譲、Pressure Stall Information 等の新機能、および強化されたリソース管理および分離など、cgroup v1 に対していくつかの改善が行われています。ただし、cgroup v2 には、cgroup v1 とは異なる CPU、メモリー、および I/O 管理特性があります。したがって、一部のワークロードでは、cgroup v2 を実行するクラスター上のメモリーまたは CPU 使用率にわずかな違いが発生する可能性があります。

重要

OpenShift Container Platform cgroups バージョン 2 のサポートはテクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

注記

現在、CPU 負荷分散の無効化は cgroup v2 ではサポートされていません。その結果、cgroup v2 が有効になっている場合は、パフォーマンスプロファイルから望ましい動作が得られない可能性があります。パフォーマンスプロファイルを使用している場合は、cgroup v2 を有効にすることは推奨されません。

前提条件

  • OpenShift Container Platform クラスター (バージョン 4.12 以降) が実行中。
  • 管理者権限を持つユーザーとしてクラスターにログインしている。
  • 機能ゲートを使用して、TechPreviewNoUpgrade 機能セットを有効にしている。

手順

  1. ノードで cgroup v2 を有効にします。

    1. node.config オブジェクトを編集します。

      $ oc edit nodes.config/cluster
    2. spec.cgroupMode: "v2" を追加:

      node.config オブジェクトの例

      apiVersion: config.openshift.io/v1
      kind: Node
      metadata:
        annotations:
          include.release.openshift.io/ibm-cloud-managed: "true"
          include.release.openshift.io/self-managed-high-availability: "true"
          include.release.openshift.io/single-node-developer: "true"
          release.openshift.io/create-only: "true"
        creationTimestamp: "2022-07-08T16:02:51Z"
        generation: 1
        name: cluster
        ownerReferences:
        - apiVersion: config.openshift.io/v1
          kind: ClusterVersion
          name: version
          uid: 36282574-bf9f-409e-a6cd-3032939293eb
        resourceVersion: "1865"
        uid: 0c0f7a4c-4307-4187-b591-6155695ac85b
      spec:
        cgroupMode: "v2" 1
      ...

      1
      cgroup v2 を有効にします。

検証

  1. マシン設定をチェックして、新しいマシン設定が追加されたことを確認します。

    $ oc get mc

    出力例

    NAME                                               GENERATEDBYCONTROLLER                      IGNITIONVERSION   AGE
    00-master                                          52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9   3.2.0             33m
    00-worker                                          52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9   3.2.0             33m
    01-master-container-runtime                        52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9   3.2.0             33m
    01-master-kubelet                                  52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9   3.2.0             33m
    01-worker-container-runtime                        52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9   3.2.0             33m
    01-worker-kubelet                                  52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9   3.2.0             33m
    97-master-generated-kubelet                        52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9   3.2.0              3m 1
    99-worker-generated-kubelet                        52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9   3.2.0              3m
    99-master-generated-registries                     52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9   3.2.0             33m
    99-master-ssh                                                                                 3.2.0             40m
    99-worker-generated-registries                     52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9   3.2.0             33m
    99-worker-ssh                                                                                 3.2.0             40m
    rendered-master-23e785de7587df95a4b517e0647e5ab7   52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9   3.2.0             33m
    rendered-worker-5d596d9293ca3ea80c896a1191735bb1   52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9   3.2.0             33m
    worker-enable-cgroups-v2                                                                      3.2.0             10s

    1
    予想どおり、新しいマシン設定が作成されます。
  2. 新しい kernelArguments が新しいマシン設定に追加されたことを確認します。

    $ oc describe mc <name>

    出力例

    apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1
    kind: MachineConfig
    metadata:
      labels:
        machineconfiguration.openshift.io/role: worker
      name: 05-worker-kernelarg-selinuxpermissive
    spec:
      kernelArguments:
      - systemd_unified_cgroup_hierarchy=1 1
      - cgroup_no_v1="all" 2
      - psi=1 3

    1
    systemd で cgroup v2 を有効にします。
    2
    cgroups v1 を無効にします。
    3
    Linux Pressure Stall Information (PSI) 機能を有効にします。
  3. ノードをチェックして、ノードのスケジューリングが無効になっていることを確認します。これは、変更が適用されていることを示しています。

    $ oc get nodes

    出力例

    NAME                                       STATUS                     ROLES    AGE   VERSION
    ci-ln-fm1qnwt-72292-99kt6-master-0         Ready                      master   58m   v1.25.0
    ci-ln-fm1qnwt-72292-99kt6-master-1         Ready                      master   58m   v1.25.0
    ci-ln-fm1qnwt-72292-99kt6-master-2         Ready                      master   58m   v1.25.0
    ci-ln-fm1qnwt-72292-99kt6-worker-a-h5gt4   Ready,SchedulingDisabled   worker   48m   v1.25.0
    ci-ln-fm1qnwt-72292-99kt6-worker-b-7vtmd   Ready                      worker   48m   v1.25.0
    ci-ln-fm1qnwt-72292-99kt6-worker-c-rhzkv   Ready                      worker   48m   v1.25.0

  4. ノードが Ready 状態に戻ったら、そのノードのデバッグセッションを開始します。

    $ oc debug node/<node_name>
  5. /host をデバッグシェル内のルートディレクトリーとして設定します。

    sh-4.4# chroot /host
  6. sys/fs/cgroup/cgroup2fs ファイルがノードに存在することを確認します。このファイルは cgroup v2 によって作成されます。

    $ stat -c %T -f /sys/fs/cgroup

    出力例

    cgroup2fs

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