22.10. DPDK および RDMA の使用


コンテナー化された Data Plane Development Kit (DPDK) アプリケーションは OpenShift Container Platform でサポートされています。Single Root I/O Virtualization (SR-IOV) ネットワークハードウェアは、Data Plane Development Kit (DPDK) および Remote Direct Memory Access (RDMA) で利用できます。

対応しているデバイスの詳細は、サポートされるデバイス を参照してください。

22.10.1. NIC を使用した DPDK モードでの Virtual Function の使用

前提条件

  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。
  • SR-IOV Network Operator をインストールします。
  • cluster-admin 権限を持つユーザーとしてログインしている。

手順

  1. 以下の SriovNetworkNodePolicy オブジェクトを作成してから、YAML を intel-dpdk-node-policy.yaml ファイルに保存します。

    apiVersion: sriovnetwork.openshift.io/v1
    kind: SriovNetworkNodePolicy
    metadata:
      name: intel-dpdk-node-policy
      namespace: openshift-sriov-network-operator
    spec:
      resourceName: intelnics
      nodeSelector:
        feature.node.kubernetes.io/network-sriov.capable: "true"
      priority: <priority>
      numVfs: <num>
      nicSelector:
        vendor: "8086"
        deviceID: "158b"
        pfNames: ["<pf_name>", ...]
        rootDevices: ["<pci_bus_id>", "..."]
      deviceType: vfio-pci 1
    1
    Virtual Function (VF) のドライバータイプを vfio-pci に指定します。
    注記

    SriovNetworkNodePolicy の各オプションに関する詳細は、Configuring SR-IOV network devices セクションを参照してください。

    SriovNetworkNodePolicy オブジェクトで指定された設定を適用する際に、SR-IOV Operator はノードをドレイン (解放) する可能性があり、場合によってはノードの再起動を行う場合があります。設定の変更が適用されるまでに数分の時間がかかる場合があります。エビクトされたワークロードを処理するために、クラスター内に利用可能なノードが十分にあることを前もって確認します。

    設定の更新が適用された後に、openshift-sriov-network-operator namespace のすべての Pod が Running ステータスに変更されます。

  2. 以下のコマンドを実行して SriovNetworkNodePolicy オブジェクトを作成します。

    $ oc create -f intel-dpdk-node-policy.yaml
  3. 以下の SriovNetwork オブジェクトを作成してから、YAML を intel-dpdk-network.yaml ファイルに保存します。

    apiVersion: sriovnetwork.openshift.io/v1
    kind: SriovNetwork
    metadata:
      name: intel-dpdk-network
      namespace: openshift-sriov-network-operator
    spec:
      networkNamespace: <target_namespace>
      ipam: |-
    # ... 1
      vlan: <vlan>
      resourceName: intelnics
    1
    IPAM CNI プラグインの設定オブジェクトを YAML ブロックスケーラーとして指定します。プラグインは、アタッチメント定義への IP アドレスの割り当てを管理します。
    注記

    SriovNetwork の各オプションに関する詳細は、「SR-IOV の追加ネットワークの設定」セクションを参照してください。

    オプションのライブラリー app-netutil は、コンテナーの親 Pod に関するネットワーク情報を収集するための複数の API メソッドを提供します。

  4. 以下のコマンドを実行して、SriovNetwork オブジェクトを作成します。

    $ oc create -f intel-dpdk-network.yaml
  5. 以下の Pod 仕様を作成してから、YAML を intel-dpdk-pod.yaml ファイルに保存します。

    apiVersion: v1
    kind: Pod
    metadata:
      name: dpdk-app
      namespace: <target_namespace> 1
      annotations:
        k8s.v1.cni.cncf.io/networks: intel-dpdk-network
    spec:
      containers:
      - name: testpmd
        image: <DPDK_image> 2
        securityContext:
          runAsUser: 0
          capabilities:
            add: ["IPC_LOCK","SYS_RESOURCE","NET_RAW"] 3
        volumeMounts:
        - mountPath: /mnt/huge 4
          name: hugepage
        resources:
          limits:
            openshift.io/intelnics: "1" 5
            memory: "1Gi"
            cpu: "4" 6
            hugepages-1Gi: "4Gi" 7
          requests:
            openshift.io/intelnics: "1"
            memory: "1Gi"
            cpu: "4"
            hugepages-1Gi: "4Gi"
        command: ["sleep", "infinity"]
      volumes:
      - name: hugepage
        emptyDir:
          medium: HugePages
    1
    SriovNetwork オブジェクトの intel-dpdk-network が作成される同じ target_namespace を指定します。Pod を異なる namespace に作成する場合、target_namespacePod 仕様および SriovNetwork オブジェクトの両方で変更します。
    2
    アプリケーションとアプリケーションが使用する DPDK ライブラリーが含まれる DPDK イメージを指定します。
    3
    hugepage の割り当て、システムリソースの割り当て、およびネットワークインターフェイスアクセス用のコンテナー内のアプリケーションに必要な追加機能を指定します。
    4
    hugepage ボリュームを /mnt/huge の下の DPDK Pod にマウントします。hugepage ボリュームは、メディアが Hugepages に指定されている emptyDir ボリュームタイプでサポートされます。
    5
    オプション: DPDK Pod に割り当てられる DPDK デバイスの数を指定します。このリソース要求および制限は、明示的に指定されていない場合、SR-IOV ネットワークリソースインジェクターによって自動的に追加されます。SR-IOV ネットワークリソースインジェクターは、SR-IOV Operator によって管理される受付コントローラーコンポーネントです。これはデフォルトで有効にされており、デフォルト SriovOperatorConfig CR で enableInjector オプションを false に設定して無効にすることができます。
    6
    CPU の数を指定します。DPDK Pod には通常、kubelet から排他的 CPU を割り当てる必要があります。これは、CPU マネージャーポリシーを static に設定し、Guaranteed QoS を持つ Pod を作成して実行されます。
    7
    hugepage サイズ hugepages-1Gi または hugepages-2Mi を指定し、DPDK Pod に割り当てられる hugepage の量を指定します。2Mi および 1Gi hugepage を別々に設定します。1Gi hugepage を設定するには、カーネル引数をノードに追加する必要があります。たとえば、カーネル引数 default_hugepagesz=1GBhugepagesz=1G および hugepages=16 を追加すると、16*1Gi hugepage がシステムの起動時に割り当てられます。
  6. 以下のコマンドを実行して DPDK Pod を作成します。

    $ oc create -f intel-dpdk-pod.yaml

22.10.2. Mellanox NIC を使用した DPDK モードでの Virtual Function の使用

Mellanox NIC で DPDK モードの Virtual Function を使用して、ネットワークノードポリシーを作成し、Data Plane Development Kit (DPDK) Pod を作成できます。

前提条件

  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。
  • Single Root I/O Virtualization (SR-IOV) Network Operator がインストールされている。
  • cluster-admin 権限を持つユーザーとしてログインしている。

手順

  1. 次の SriovNetworkNodePolicy YAML 設定を mlx-dpdk-node-policy.yaml ファイルに保存します。

    apiVersion: sriovnetwork.openshift.io/v1
    kind: SriovNetworkNodePolicy
    metadata:
      name: mlx-dpdk-node-policy
      namespace: openshift-sriov-network-operator
    spec:
      resourceName: mlxnics
      nodeSelector:
        feature.node.kubernetes.io/network-sriov.capable: "true"
      priority: <priority>
      numVfs: <num>
      nicSelector:
        vendor: "15b3"
        deviceID: "1015" 1
        pfNames: ["<pf_name>", ...]
        rootDevices: ["<pci_bus_id>", "..."]
      deviceType: netdevice 2
      isRdma: true 3
    1
    SR-IOV ネットワークデバイスのデバイス 16 進コードを指定します。
    2
    Virtual Function (VF) のドライバータイプを netdevice に指定します。Mellanox SR-IOV Virtual Function (VF) は、vfio-pci デバイスタイプを使用せずに DPDK モードで機能します。VF デバイスは、コンテナー内のカーネルネットワークインターフェイスとして表示されます。
    3
    リモートダイレクトメモリーアクセス (RDMA) モードを有効にします。これは、DPDK モードで機能させるために Mellanox カードで必要です。
    注記

    SriovNetworkNodePolicy オブジェクトの各オプションの詳細な説明については SR-IOV ネットワークデバイスの設定 を参照してください。

    SriovNetworkNodePolicy オブジェクトで指定された設定を適用する際に、SR-IOV Operator はノードをドレイン (解放) する可能性があり、場合によってはノードの再起動を行う場合があります。設定の変更が適用されるまでに数分かかる場合があります。エビクトされたワークロードを処理するために、クラスター内に利用可能なノードが十分にあることを前もって確認します。

    設定の更新が適用された後に、openshift-sriov-network-operator namespace のすべての Pod が Running ステータスに変更されます。

  2. 以下のコマンドを実行して SriovNetworkNodePolicy オブジェクトを作成します。

    $ oc create -f mlx-dpdk-node-policy.yaml
  3. 次の SriovNetwork YAML 設定を mlx-dpdk-network.yaml ファイルに保存します。

    apiVersion: sriovnetwork.openshift.io/v1
    kind: SriovNetwork
    metadata:
      name: mlx-dpdk-network
      namespace: openshift-sriov-network-operator
    spec:
      networkNamespace: <target_namespace>
      ipam: |- 1
    ...
      vlan: <vlan>
      resourceName: mlxnics
    1
    IP アドレス管理 (IPAM) コンテナーネットワークインターフェイス (CNI) プラグインの設定オブジェクトを YAML ブロックスカラーとして指定します。プラグインは、アタッチメント定義についての IP アドレスの割り当てを管理します。
    注記

    SriovNetwork オブジェクトの各オプションの詳細な説明については SR-IOV ネットワークデバイスの設定 を参照してください。

    app-netutil オプションライブラリーには、コンテナーの親 Pod に関するネットワーク情報を収集するための API メソッドが複数あります。

  4. 以下のコマンドを実行して、SriovNetwork オブジェクトを作成します。

    $ oc create -f mlx-dpdk-network.yaml
  5. 次の Pod YAML 設定を mlx-dpdk-pod.yaml ファイルに保存します。

    apiVersion: v1
    kind: Pod
    metadata:
      name: dpdk-app
      namespace: <target_namespace> 1
      annotations:
        k8s.v1.cni.cncf.io/networks: mlx-dpdk-network
    spec:
      containers:
      - name: testpmd
        image: <DPDK_image> 2
        securityContext:
          runAsUser: 0
          capabilities:
            add: ["IPC_LOCK","SYS_RESOURCE","NET_RAW"] 3
        volumeMounts:
        - mountPath: /mnt/huge 4
          name: hugepage
        resources:
          limits:
            openshift.io/mlxnics: "1" 5
            memory: "1Gi"
            cpu: "4" 6
            hugepages-1Gi: "4Gi" 7
          requests:
            openshift.io/mlxnics: "1"
            memory: "1Gi"
            cpu: "4"
            hugepages-1Gi: "4Gi"
        command: ["sleep", "infinity"]
      volumes:
      - name: hugepage
        emptyDir:
          medium: HugePages
    1
    SriovNetwork オブジェクトの mlx-dpdk-network が作成される同じ target_namespace を指定します。別の namespace で Pod を作成するには、Pod 仕様と SriovNetwork オブジェクトの両方で target_namespace を変更します。
    2
    アプリケーションとアプリケーションが使用する DPDK ライブラリーが含まれる DPDK イメージを指定します。
    3
    hugepage の割り当て、システムリソースの割り当て、およびネットワークインターフェイスアクセス用のコンテナー内のアプリケーションに必要な追加機能を指定します。
    4
    hugepage ボリュームを /mnt/huge の下の DPDK Pod にマウントします。hugepage ボリュームは、メディアが Hugepages に指定されている emptyDir ボリュームタイプでサポートされます。
    5
    オプション: DPDK Pod に割り当てられる DPDK デバイスの数を指定します。このリソース要求および制限は、明示的に指定されていない場合、SR-IOV ネットワークリソースインジェクターによって自動的に追加されます。SR-IOV ネットワークリソースインジェクターは、SR-IOV Operator によって管理される受付コントローラーコンポーネントです。これはデフォルトで有効にされており、デフォルト SriovOperatorConfig CR で enableInjector オプションを false に設定して無効にすることができます。
    6
    CPU の数を指定します。DPDK Pod には通常、kubelet から排他的 CPU を割り当てる必要があります。これを行うには、CPU マネージャーポリシーを static に設定し、サービス品質 (QoS) が Guaranteed の Pod を作成します。
    7
    hugepage サイズ hugepages-1Gi または hugepages-2Mi を指定し、DPDK Pod に割り当てられる hugepage の量を指定します。2Mi および 1Gi hugepage を別々に設定します。1Gi hugepage を設定するには、カーネル引数をノードに追加する必要があります。
  6. 以下のコマンドを実行して DPDK Pod を作成します。

    $ oc create -f mlx-dpdk-pod.yaml

22.10.3. 特定の DPDK ラインレート達成に関する概要

特定の Data Plane Development Kit (DPDK) ラインレートを実現するには、Node Tuning Operator をデプロイし、Single Root I/O Virtualization (SR-IOV) を設定します。次のリソースの DPDK 設定も調整する必要があります。

  • 分離された CPU
  • hugepage
  • トポロジースケジューラー
注記

OpenShift Container Platform の以前のバージョンでは、パフォーマンスアドオン Operator を使用して自動チューニングを実装し、OpenShift Container Platform アプリケーションの低レイテンシーパフォーマンスを実現していました。OpenShift Container Platform 4.11 以降では、この機能は Node Tuning Operator の一部です。

DPDK テスト環境

次の図は、トラフィックテスト環境のコンポーネントを示しています。

DPDK テスト環境
  • トラフィックジェネレーター: 大量のパケットトラフィックを生成できるアプリケーション。
  • SR-IOV 対応 NIC: SR-IOV に対応したネットワークインターフェイスカードです。カードは、物理インターフェイス上で多数の Virtual Function を実行します。
  • Physical Function (PF): SR-IOV インターフェイスをサポートするネットワークアダプターの PCI Express (PCIe) 機能。
  • Virtual Function (VF): SR-IOV をサポートするネットワークアダプター上の軽量の PCIe 機能。VF は、ネットワークアダプターの PCIe PF に関連付けられています。VF は、ネットワークアダプターの仮想化されたインスタンスを表します。
  • スイッチ: ネットワークスイッチ。ノードは中断なしに接続することもできます。
  • testpmd: DPDK に含まれるサンプルアプリケーション。testpmd アプリケーションを使用して、パケット転送モードで DPDK をテストできます。testpmd アプリケーションは、DPDK ソフトウェア開発キット (SDK) を使用して本格的なアプリケーションを構築する方法の例でもあります。
  • worker 0 および worker 1: OpenShift Container Platform ノード。

22.10.4. SR-IOV と Node Tuning Operator を使用した DPDK ラインレートの実現

Node Tuning Operator を使用して、分離された CPU、ヒュージページ、およびトポロジースケジューラーを設定できます。その後、Node Tuning Operator と Single Root I/O Virtualization (SR-IOV) を使用して、特定の Data Plane Development Kit (DPDK) ラインレートを実現できます。

前提条件

  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。
  • SR-IOV Network Operator がインストールされている。
  • cluster-admin 権限を持つユーザーとしてログインしている。
  • スタンドアロン Node Tuning Operator をデプロイしている。

    注記

    OpenShift Container Platform の以前のバージョンでは、パフォーマンスアドオン Operator を使用して自動チューニングを実装し、OpenShift アプリケーションの低レイテンシーパフォーマンスを実現していました。OpenShift Container Platform 4.11 以降では、この機能は Node Tuning Operator の一部です。

手順

  1. 次の例に基づいて PerformanceProfile オブジェクトを作成します。

    apiVersion: performance.openshift.io/v2
    kind: PerformanceProfile
    metadata:
      name: performance
    spec:
      globallyDisableIrqLoadBalancing: true
      cpu:
        isolated: 21-51,73-103 1
        reserved: 0-20,52-72 2
      hugepages:
        defaultHugepagesSize: 1G 3
        pages:
          - count: 32
            size: 1G
      net:
        userLevelNetworking: true
      numa:
        topologyPolicy: "single-numa-node"
      nodeSelector:
        node-role.kubernetes.io/worker-cnf: ""
    1
    システムでハイパースレッディングが有効になっている場合は、関連するシンボリックリンクを isolated および reserved の CPU グループに割り当てます。システムに複数の Non-Uniform Memory Access (NUMA) ノードが含まれている場合は、両方の NUMA から両方のグループに CPU を割り当てます。このタスクには Performance Profile Creator を使用することもできます。詳細は、コントロールプレーンプロファイルの作成 について参照してください。
    2
    キューが予約済みの CPU 数に設定されているデバイスのリストを指定することもできます。詳細については Node Tuning Operator を使用した NIC キューの削減 を参照してください。
    3
    必要なヒュージページの数とサイズを割り当てます。ヒュージページの NUMA 設定を指定できます。デフォルトでは、システムは、そのシステムにあるすべての NUMA ノードに偶数分を割り当てます。必要に応じて、ノードのリアルタイムカーネルの使用をリクエストできます。詳しくは、 リアルタイム機能を備えたワーカーのプロビジョニング を参照してください。
  2. yaml ファイルを mlx-dpdk-perfprofile-policy.yaml として保存します。
  3. 次のコマンドを使用して、パフォーマンスプロファイルを適用します。

    $ oc create -f mlx-dpdk-perfprofile-policy.yaml

22.10.4.1. Virtual Function の SR-IOV Network Operator の例

Single Root I/O Virtualization (SR-IOV) ネットワーク Operator を使用して、ノード上の SR-IOV をサポートする Physical Function NIC から Virtual Function (VF) を割り当てて設定できます。

Operator のデプロイの詳細については、SR-IOV Network Operator のインストール を参照してください。SR-IOV ネットワークデバイスの設定の詳細については、SR-IOV ネットワークデバイスの設定 を参照してください。

Intel VF と Mellanox VF での Data Plane Development Kit (DPDK) ワークロードの実行にはいくつかの違いがあります。このセクションでは、両方の VF タイプのオブジェクト設定の例を示します。以下は、Intel NIC で DPDK アプリケーションを実行するために使用される sriovNetworkNodePolicy オブジェクトの例です。

apiVersion: sriovnetwork.openshift.io/v1
kind: SriovNetworkNodePolicy
metadata:
  name: dpdk-nic-1
  namespace: openshift-sriov-network-operator
spec:
  deviceType: vfio-pci 1
  needVhostNet: true 2
  nicSelector:
    pfNames: ["ens3f0"]
  nodeSelector:
    node-role.kubernetes.io/worker-cnf: ""
  numVfs: 10
  priority: 99
  resourceName: dpdk_nic_1
---
apiVersion: sriovnetwork.openshift.io/v1
kind: SriovNetworkNodePolicy
metadata:
  name: dpdk-nic-1
  namespace: openshift-sriov-network-operator
spec:
  deviceType: vfio-pci
  needVhostNet: true
  nicSelector:
    pfNames: ["ens3f1"]
  nodeSelector:
  node-role.kubernetes.io/worker-cnf: ""
  numVfs: 10
  priority: 99
  resourceName: dpdk_nic_2
1
Intel NIC の場合、deviceTypevfio-pci である必要があります。
2
DPDK ワークロードとのカーネル通信が必要な場合は、needVhostNet: true を追加します。これにより、/dev/net/tun および /dev/vhost-net デバイスがコンテナーにマウントされ、アプリケーションがタップデバイスを作成し、タップデバイスを DPDK ワークロードに接続できるようになります。

以下は、Mellanox NIC の sriovNetworkNodePolicy オブジェクトの例です。

apiVersion: sriovnetwork.openshift.io/v1
kind: SriovNetworkNodePolicy
metadata:
  name: dpdk-nic-1
  namespace: openshift-sriov-network-operator
spec:
  deviceType: netdevice 1
  isRdma: true 2
  nicSelector:
    rootDevices:
      - "0000:5e:00.1"
  nodeSelector:
    node-role.kubernetes.io/worker-cnf: ""
  numVfs: 5
  priority: 99
  resourceName: dpdk_nic_1
---
apiVersion: sriovnetwork.openshift.io/v1
kind: SriovNetworkNodePolicy
metadata:
  name: dpdk-nic-2
  namespace: openshift-sriov-network-operator
spec:
  deviceType: netdevice
  isRdma: true
  nicSelector:
    rootDevices:
      - "0000:5e:00.0"
  nodeSelector:
    node-role.kubernetes.io/worker-cnf: ""
  numVfs: 5
  priority: 99
  resourceName: dpdk_nic_2
1
Mellanox デバイスの場合、deviceTypenetdevice である必要があります。
2
Mellanox デバイスの場合、isRdmatrue である必要があります。Mellanox カードは、Flow Bifurcation を使用して DPDK アプリケーションに接続されます。このメカニズムは、Linux ユーザー空間とカーネル空間の間でトラフィックを分割し、ラインレートの処理能力を高めることができます。

22.10.4.2. SR-IOV Network Operator の例

以下は、sriovNetwork オブジェクトの定義例です。この場合、Intel と Mellanox の設定は同じです。

apiVersion: sriovnetwork.openshift.io/v1
kind: SriovNetwork
metadata:
  name: dpdk-network-1
  namespace: openshift-sriov-network-operator
spec:
  ipam: '{"type": "host-local","ranges": [[{"subnet": "10.0.1.0/24"}]],"dataDir":
   "/run/my-orchestrator/container-ipam-state-1"}' 1
  networkNamespace: dpdk-test 2
  spoofChk: "off"
  trust: "on"
  resourceName: dpdk_nic_1 3
---
apiVersion: sriovnetwork.openshift.io/v1
kind: SriovNetwork
metadata:
  name: dpdk-network-2
  namespace: openshift-sriov-network-operator
spec:
  ipam: '{"type": "host-local","ranges": [[{"subnet": "10.0.2.0/24"}]],"dataDir":
   "/run/my-orchestrator/container-ipam-state-1"}'
  networkNamespace: dpdk-test
  spoofChk: "off"
  trust: "on"
  resourceName: dpdk_nic_2
1
Whereabouts など、別の IP Address Management (IPAM) 実装を使用できます。詳細については Whereabouts を使用した動的 IP アドレス割り当ての設定 を参照してください。
2
ネットワーク接続定義が作成される networkNamespace を要求する必要があります。openshift-sriov-network-operator namespace で sriovNetwork CR を作成する必要があります。
3
resourceName の値は、sriovNetworkNodePolicy で作成された resourceName の値と一致する必要があります。

22.10.4.3. DPDK ベースワークロードの例

以下は、Data Plane Development Kit (DPDK) コンテナーの例です。

apiVersion: v1
kind: Namespace
metadata:
  name: dpdk-test
---
apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
  annotations:
    k8s.v1.cni.cncf.io/networks: '[ 1
     {
      "name": "dpdk-network-1",
      "namespace": "dpdk-test"
     },
     {
      "name": "dpdk-network-2",
      "namespace": "dpdk-test"
     }
   ]'
    irq-load-balancing.crio.io: "disable" 2
    cpu-load-balancing.crio.io: "disable"
    cpu-quota.crio.io: "disable"
  labels:
    app: dpdk
  name: testpmd
  namespace: dpdk-test
spec:
  runtimeClassName: performance-performance 3
  containers:
    - command:
        - /bin/bash
        - -c
        - sleep INF
      image: registry.redhat.io/openshift4/dpdk-base-rhel8
      imagePullPolicy: Always
      name: dpdk
      resources: 4
        limits:
          cpu: "16"
          hugepages-1Gi: 8Gi
          memory: 2Gi
        requests:
          cpu: "16"
          hugepages-1Gi: 8Gi
          memory: 2Gi
      securityContext:
        capabilities:
          add:
            - IPC_LOCK
            - SYS_RESOURCE
            - NET_RAW
            - NET_ADMIN
        runAsUser: 0
      volumeMounts:
        - mountPath: /mnt/huge
          name: hugepages
  terminationGracePeriodSeconds: 5
  volumes:
    - emptyDir:
        medium: HugePages
      name: hugepages
1
必要な SR-IOV ネットワークをリクエストします。デバイスのリソースは自動挿入されます。
2
CPU と IRQ 負荷分散ベースを無効にします。詳しくは 個々の Pod の割り込み処理の無効化 を参照してください。
3
runtimeClassperformance-performance に設定します。runtimeClassHostNetwork または privileged に設定しないでください。
4
サービスの品質 (QoS) が Guaranteed さの Pod を開始するには、要求と制限に対して同じ数のリソースを要求します。
注記

SLEEP 状態の Pod を起動し、その Pod で exec 操作を実行して testpmd または DPDK ワークロードを開始しないでください。これにより、exec プロセスがどの CPU にも固定されていないため、割り込みが追加される可能性があります。

22.10.4.4. testpmd スクリプトの例

以下は、testpmd を実行するスクリプトの例です。

#!/bin/bash
set -ex
export CPU=$(cat /sys/fs/cgroup/cpuset/cpuset.cpus)
echo ${CPU}

dpdk-testpmd -l ${CPU} -a ${PCIDEVICE_OPENSHIFT_IO_DPDK_NIC_1} -a ${PCIDEVICE_OPENSHIFT_IO_DPDK_NIC_2} -n 4 -- -i --nb-cores=15 --rxd=4096 --txd=4096 --rxq=7 --txq=7 --forward-mode=mac --eth-peer=0,50:00:00:00:00:01 --eth-peer=1,50:00:00:00:00:02

この例では、2 つの異なる sriovNetwork CR を使用しています。環境変数には、Pod に割り当てられた Virtual Function (VF) PCI アドレスが含まれています。Pod 定義で同じネットワークを使用する場合は、pciAddress を分割する必要があります。トラフィックジェネレータの正しい MAC アドレスを設定することが重要です。この例では、カスタム MAC アドレスを使用しています。

22.10.5. Mellanox NIC を使用した RDMA モードでの Virtual Function の使用

重要

RoCE (RDMA over Converged Ethernet) はテクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

RoCE (RDMA over Converged Ethernet) は、OpenShift Container Platform で RDMA を使用する場合に唯一サポートされているモードです。

前提条件

  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。
  • SR-IOV Network Operator をインストールします。
  • cluster-admin 権限を持つユーザーとしてログインしている。

手順

  1. 以下の SriovNetworkNodePolicy オブジェクトを作成してから、YAML を mlx-rdma-node-policy.yaml ファイルに保存します。

    apiVersion: sriovnetwork.openshift.io/v1
    kind: SriovNetworkNodePolicy
    metadata:
      name: mlx-rdma-node-policy
      namespace: openshift-sriov-network-operator
    spec:
      resourceName: mlxnics
      nodeSelector:
        feature.node.kubernetes.io/network-sriov.capable: "true"
      priority: <priority>
      numVfs: <num>
      nicSelector:
        vendor: "15b3"
        deviceID: "1015" 1
        pfNames: ["<pf_name>", ...]
        rootDevices: ["<pci_bus_id>", "..."]
      deviceType: netdevice 2
      isRdma: true 3
    1
    SR-IOV ネットワークデバイスのデバイス 16 進コードを指定します。
    2
    Virtual Function (VF) のドライバータイプを netdevice に指定します。
    3
    RDMA モードを有効にします。
    注記

    SriovNetworkNodePolicy の各オプションに関する詳細は、Configuring SR-IOV network devices セクションを参照してください。

    SriovNetworkNodePolicy オブジェクトで指定された設定を適用する際に、SR-IOV Operator はノードをドレイン (解放) する可能性があり、場合によってはノードの再起動を行う場合があります。設定の変更が適用されるまでに数分の時間がかかる場合があります。エビクトされたワークロードを処理するために、クラスター内に利用可能なノードが十分にあることを前もって確認します。

    設定の更新が適用された後に、openshift-sriov-network-operator namespace のすべての Pod が Running ステータスに変更されます。

  2. 以下のコマンドを実行して SriovNetworkNodePolicy オブジェクトを作成します。

    $ oc create -f mlx-rdma-node-policy.yaml
  3. 以下の SriovNetwork オブジェクトを作成してから、YAML を mlx-rdma-network.yaml ファイルに保存します。

    apiVersion: sriovnetwork.openshift.io/v1
    kind: SriovNetwork
    metadata:
      name: mlx-rdma-network
      namespace: openshift-sriov-network-operator
    spec:
      networkNamespace: <target_namespace>
      ipam: |- 1
    # ...
      vlan: <vlan>
      resourceName: mlxnics
    1
    IPAM CNI プラグインの設定オブジェクトを YAML ブロックスケーラーとして指定します。プラグインは、アタッチメント定義への IP アドレスの割り当てを管理します。
    注記

    SriovNetwork の各オプションに関する詳細は、「SR-IOV の追加ネットワークの設定」セクションを参照してください。

    オプションのライブラリー app-netutil は、コンテナーの親 Pod に関するネットワーク情報を収集するための複数の API メソッドを提供します。

  4. 以下のコマンドを実行して SriovNetworkNodePolicy オブジェクトを作成します。

    $ oc create -f mlx-rdma-network.yaml
  5. 以下の Pod 仕様を作成してから、YAML を mlx-rdma-pod.yaml ファイルに保存します。

    apiVersion: v1
    kind: Pod
    metadata:
      name: rdma-app
      namespace: <target_namespace> 1
      annotations:
        k8s.v1.cni.cncf.io/networks: mlx-rdma-network
    spec:
      containers:
      - name: testpmd
        image: <RDMA_image> 2
        securityContext:
          runAsUser: 0
          capabilities:
            add: ["IPC_LOCK","SYS_RESOURCE","NET_RAW"] 3
        volumeMounts:
        - mountPath: /mnt/huge 4
          name: hugepage
        resources:
          limits:
            memory: "1Gi"
            cpu: "4" 5
            hugepages-1Gi: "4Gi" 6
          requests:
            memory: "1Gi"
            cpu: "4"
            hugepages-1Gi: "4Gi"
        command: ["sleep", "infinity"]
      volumes:
      - name: hugepage
        emptyDir:
          medium: HugePages
    1
    SriovNetwork オブジェクトの mlx-rdma-network が作成される同じ target_namespace を指定します。Pod を異なる namespace に作成する場合、target_namespacePod 仕様および SriovNetwork オブジェクトの両方で変更します。
    2
    アプリケーションとアプリケーションが使用する RDMA ライブラリーが含まれる RDMA イメージを指定します。
    3
    hugepage の割り当て、システムリソースの割り当て、およびネットワークインターフェイスアクセス用のコンテナー内のアプリケーションに必要な追加機能を指定します。
    4
    hugepage ボリュームを /mnt/huge の下の RDMA Pod にマウントします。hugepage ボリュームは、メディアが Hugepages に指定されている emptyDir ボリュームタイプでサポートされます。
    5
    CPU の数を指定します。RDMA Pod には通常、kubelet から排他的 CPU を割り当てる必要があります。これは、CPU マネージャーポリシーを static に設定し、Guaranteed QoS を持つ Pod を作成して実行されます。
    6
    hugepage サイズ hugepages-1Gi または hugepages-2Mi を指定し、RDMA Pod に割り当てられる hugepage の量を指定します。2Mi および 1Gi hugepage を別々に設定します。1Gi hugepage を設定するには、カーネル引数をノードに追加する必要があります。
  6. 以下のコマンドを実行して RDMA Pod を作成します。

    $ oc create -f mlx-rdma-pod.yaml

22.10.6. OpenStack で OVS-DPDK を使用するクラスター用のテスト Pod テンプレート

次の testpmd Pod では、ヒュージページ、予約済み CPU、および SR-IOV ポートを使用したコンテナーの作成を紹介します。

testpmd Pod の例

apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
  name: testpmd-dpdk
  namespace: mynamespace
  annotations:
    cpu-load-balancing.crio.io: "disable"
    cpu-quota.crio.io: "disable"
# ...
spec:
  containers:
  - name: testpmd
    command: ["sleep", "99999"]
    image: registry.redhat.io/openshift4/dpdk-base-rhel8:v4.9
    securityContext:
      capabilities:
        add: ["IPC_LOCK","SYS_ADMIN"]
      privileged: true
      runAsUser: 0
    resources:
      requests:
        memory: 1000Mi
        hugepages-1Gi: 1Gi
        cpu: '2'
        openshift.io/dpdk1: 1 1
      limits:
        hugepages-1Gi: 1Gi
        cpu: '2'
        memory: 1000Mi
        openshift.io/dpdk1: 1
    volumeMounts:
      - mountPath: /mnt/huge
        name: hugepage
        readOnly: False
  runtimeClassName: performance-cnf-performanceprofile 2
  volumes:
  - name: hugepage
    emptyDir:
      medium: HugePages

1
この例の dpdk1 という名前は、ユーザーが作成した SriovNetworkNodePolicy リソースです。この名前は、作成したリソースの名前に置き換えることができます。
2
パフォーマンスプロファイルの名前が cnf-performance profile でない場合は、その文字列を正しいパフォーマンスプロファイル名に置き換えます。

22.10.7. OpenStack で OVS ハードウェアオフロードを使用するクラスター用のテスト Pod テンプレート

次の testpmd Pod は、Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) での Open vSwitch (OVS) ハードウェアオフロードを示しています。

testpmd Pod の例

apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
  name: testpmd-sriov
  namespace: mynamespace
  annotations:
    k8s.v1.cni.cncf.io/networks: hwoffload1
spec:
  runtimeClassName: performance-cnf-performanceprofile 1
  containers:
  - name: testpmd
    command: ["sleep", "99999"]
    image: registry.redhat.io/openshift4/dpdk-base-rhel8:v4.9
    securityContext:
      capabilities:
        add: ["IPC_LOCK","SYS_ADMIN"]
      privileged: true
      runAsUser: 0
    resources:
      requests:
        memory: 1000Mi
        hugepages-1Gi: 1Gi
        cpu: '2'
      limits:
        hugepages-1Gi: 1Gi
        cpu: '2'
        memory: 1000Mi
    volumeMounts:
      - mountPath: /mnt/huge
        name: hugepage
        readOnly: False
  volumes:
  - name: hugepage
    emptyDir:
      medium: HugePages

1
パフォーマンスプロファイルの名前が cnf-performance profile でない場合は、その文字列を正しいパフォーマンスプロファイル名に置き換えます。

22.10.8. 関連情報

Red Hat logoGithubRedditYoutubeTwitter

詳細情報

試用、購入および販売

コミュニティー

Red Hat ドキュメントについて

Red Hat をお使いのお客様が、信頼できるコンテンツが含まれている製品やサービスを活用することで、イノベーションを行い、目標を達成できるようにします。

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。このような変更は、段階的に実施される予定です。詳細情報: Red Hat ブログ.

会社概要

Red Hat は、企業がコアとなるデータセンターからネットワークエッジに至るまで、各種プラットフォームや環境全体で作業を簡素化できるように、強化されたソリューションを提供しています。

© 2024 Red Hat, Inc.