第7章 OpenShift Serverless での高可用性


高可用性 (HA) は Kubernetes API の標準的な機能で、中断が生じる場合に API が稼働を継続するのに役立ちます。HA デプロイメントでは、アクティブなコントローラーがクラッシュするか、または削除されると、現在利用できないコントローラーが提供されている API の処理を引き継ぐために別のコントローラーが利用可能になります。

OpenShift Serverless の HA は、リーダーの選択によって利用できます。これは、Knative Serving コントロールプレーンのインストール後にデフォルトで有効になります。

リーダー選択の HA パターンを使用する場合、必要時に備えてコントローラーのインスタンスはスケジュールされ、クラスター内で実行されます。これらのコントローラーインスタンスは、共有リソースの使用に向けて競います。これは、リーダー選択ロックとして知られています。リーダー選択ロックのリソースにアクセスできるコントローラーのインスタンスはリーダーと呼ばれます。

7.1. OpenShift Serverless での高可用性レプリカの設定

高可用性 (HA) 機能は、autoscaler-hpacontrolleractivatorkourier-control、および kourier-gateway コンポーネントについてデフォルトで OpenShift Serverless で利用できます。これらのコンポーネントは、デフォルトで 2 つのレプリカで設定されます。

KnativeServing カスタムリソース定義 (CRD) の KnativeServing.spec.highAvailability 仕様の設定を変更して、コントローラーごとに作成されるレプリカの数を変更します。

前提条件

  • クラスター管理者のアクセスを持つ OpenShift Container Platform アカウント。
  • OpenShift Serverless Operator および Knative Serving がインストールされていること。

手順

  1. OpenShift Container Platform Web コンソールの Administrator パースペクティブで、OperatorHub Installed Operators に移動します。

    Installed Operators ページ
  2. knative-serving namespace を選択します。
  3. OpenShift Serverless Operator の Provided API 一覧で Knative Serving をクリックし、Knative Serving タブに移動します。

    Knative Serving タブ
  4. knative-serving をクリックしてから、knative-serving ページの YAML タブに移動します。

    Knative Serving YAML
  5. カスタムリソース定義 YAML を編集します。

    サンプル YAML

    apiVersion: operator.knative.dev/v1alpha1
    kind: KnativeServing
    metadata:
      name: knative-serving
      namespace: knative-serving
    spec:
      high-availability:
        replicas: 3

    重要

    config フィールドに含まれる YAML は変更しないでください。このフィールドの設定値の一部は OpenShift Serverless Operator によって挿入され、これらを変更すると、デプロイメントはサポートされなくなります。

    • デフォルトの replicas 値は 2 です。
    • 値を 1 に設定すると HA が無効になります。または、必要に応じてレプリカの数を増やすことができます。上記の設定例は、すべての HA コントローラーのレプリカ数 3 を指定します。
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