7.2.5. インストール設定ファイルの手動作成
ユーザーによってプロビジョニングされるインフラストラクチャーを使用する OpenShift Container Platform のインストールでは、インストール設定ファイルを手動で生成します。
前提条件
- OpenShift Container Platform インストーラープログラムおよびクラスターのアクセストークンを取得します。
手順
必要なインストールアセットを保存するためのインストールディレクトリーを作成します。
$ mkdir <installation_directory>
重要ディレクトリーを作成する必要があります。ブートストラップ X.509 証明書などの一部のインストールアセットの有効期限は短く設定されているため、インストールディレクトリーを再利用することができません。別のクラスターインストールの個別のファイルを再利用する必要がある場合は、それらをディレクトリーにコピーすることができます。ただし、インストールアセットのファイル名はリリース間で変更される可能性があります。インストールファイルを以前のバージョンの OpenShift Container Platform からコピーする場合は注意してコピーを行ってください。
以下の
install-config.yaml
ファイルテンプレートをカスタマイズし、これを<installation_directory>
に保存します。注記この設定ファイル
install-config.yaml
に名前を付ける必要があります。install-config.yaml
ファイルをバックアップし、複数のクラスターをインストールするのに使用できるようにします。重要install-config.yaml
ファイルは、インストールプロセスの次の手順で使用されます。この時点でこれをバックアップする必要があります。
7.2.5.1. IBM Power のサンプル install-config.yaml
ファイル
install-config.yaml
ファイルをカスタマイズして、OpenShift Container Platform クラスターのプラットフォームについての詳細を指定するか、または必要なパラメーターの値を変更することができます。
apiVersion: v1 baseDomain: example.com 1 compute: 2 - hyperthreading: Enabled 3 name: worker replicas: 0 4 controlPlane: 5 hyperthreading: Enabled 6 name: master replicas: 3 7 metadata: name: test 8 networking: clusterNetwork: - cidr: 10.128.0.0/14 9 hostPrefix: 23 10 networkType: OpenShiftSDN serviceNetwork: 11 - 172.30.0.0/16 platform: none: {} 12 fips: false 13 pullSecret: '{"auths":{"<local_registry>": {"auth": "<credentials>","email": "you@example.com"}}}' 14 sshKey: 'ssh-ed25519 AAAA...' 15 additionalTrustBundle: | 16 -----BEGIN CERTIFICATE----- ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ -----END CERTIFICATE----- imageContentSources: 17 - mirrors: - <local_registry>/<local_repository_name>/release source: quay.io/openshift-release-dev/ocp-release - mirrors: - <local_registry>/<local_repository_name>/release source: registry.svc.ci.openshift.org/ocp/release
- 1
- クラスターのベースドメイン。すべての DNS レコードはこのベースのサブドメインである必要があり、クラスター名が含まれる必要があります。
- 2 5
controlPlane
セクションは単一マッピングですが、compute
セクションはマッピングのシーケンスになります。複数の異なるデータ構造の要件を満たすには、compute
セクションの最初の行はハイフン-
で始め、controlPlane
セクションの最初の行はハイフンで始めることができません。どちらのセクションも、現時点では単一のマシンプールを定義しますが、OpenShift Container Platform の今後のバージョンでは、インストール時の複数のコンピュートプールの定義をサポートする可能性があります。1 つのコントロールプレーンプールのみが使用されます。- 3 6
- 同時マルチスレッド (SMT) または
hyperthreading
を有効/無効にするかどうか。デフォルトでは、SMT はマシンのコアのパフォーマンスを上げるために有効にされます。パラメーター値をDisabled
に設定するとこれを無効にすることができます。SMT を無効にする場合、これをすべてのクラスターマシンで無効にする必要があります。これにはコントロールプレーンとコンピュートマシンの両方が含まれます。注記同時マルチスレッド (SMT) はデフォルトで有効になっています。SMT が BIOS 設定で有効になっていない場合は、
hyperthreading
パラメーターは効果がありません。重要BIOS または
install-config.yaml
であるかに関係なくhyperthreading
を無効にする場合、容量計画においてマシンのパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。 - 4
replicas
パラメーターの値を0
に設定する必要があります。このパラメーターはクラスターが作成し、管理するワーカーの数を制御します。これは、ユーザーによってプロビジョニングされるインフラストラクチャーを使用する場合にクラスターが実行しない機能です。OpenShift Container Platform のインストールが終了する前に、クラスターが使用するワーカーマシンを手動でデプロイする必要があります。- 7
- クラスターに追加するコントロールプレーンマシンの数。クラスターをこの値をクラスターの etcd エンドポイント数として使用するため、値はデプロイするコントロールプレーンマシンの数に一致する必要があります。
- 8
- DNS レコードに指定したクラスター名。
- 9
- Pod IP アドレスの割り当てに使用する IP アドレスのブロック。このブロックは既存の物理ネットワークと重複できません。これらの IP アドレスは Pod ネットワークに使用されます。外部ネットワークから Pod にアクセスする必要がある場合、ロードバランサーおよびルーターを、トラフィックを管理するように設定する必要があります。
- 10
- それぞれの個別ノードに割り当てるサブネット接頭辞長。たとえば、
hostPrefix
が23
に設定され、各ノードに指定のcidr
から/23
サブネットが割り当てられます (510 (2^(32 - 23) - 2) Pod IP アドレスが許可されます)。外部ネットワークからのノードへのアクセスを提供する必要がある場合には、ロードバランサーおよびルーターを、トラフィックを管理するように設定します。 - 11
- サービス IP アドレスに使用する IP アドレスプール。1 つの IP アドレスプールのみを入力できます。外部ネットワークからサービスにアクセスする必要がある場合、ロードバランサーおよびルーターを、トラフィックを管理するように設定します。
- 12
- プラットフォームを
none
に設定する必要があります。IBM Power インフラストラクチャー用に追加のプラットフォーム設定変数を指定できません。 - 13
- FIPS モードを有効または無効にするかどうか。デフォルトでは、FIPS モードは有効にされません。FIPS モードが有効にされている場合、OpenShift Container Platform が実行される Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) マシンがデフォルトの Kubernetes 暗号スイートをバイパスし、代わりに RHCOS で提供される暗号モジュールを使用します。
- 14
<local_registry>
については、レジストリードメイン名と、ミラーレジストリーがコンテンツを提供するために使用するポートをオプションで指定します。例:registry.example.com
またはregistry.example.com:5000
<credentials>
について、ミラーレジストリーの base64 でエンコードされたユーザー名およびパスワードを指定します。- 15
- Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) の
core
ユーザーのデフォルト SSH キーの公開部分。注記インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、
ssh-agent
プロセスが使用する SSH キーを指定します。 - 16
- ミラーレジストリーに使用した証明書ファイルの内容を指定します。
- 17
- リポジトリーのミラーリングに使用するコマンドの出力の
imageContentSources
セクションを指定します。